LibreOffice 4.0がOffice 365難民を助けるべくリリース

LibreOffice 4.0

オフィススイートといえば、長年Microsoft Officeの天下だった。これまで多くの挑戦者が登場し、そして敗れた: WordPerfect、Corel、StarOfficeなどなど、数え切れないほど多い。中でもとくに、Sun MicrosystemのStarOfficeはのちにOpenOfficeへ変異し、これまで長く、MS Officeとの互換性では最良と認められていた。しかしOracleがSunを買収したため、デベロッパたちはOpenOfficeを捨て、そこからフォークしたバージョンとしてLibreOfficeを作り上げた。

このアプリケーションは、一部のオープンソースファンたちのあいだで、広く使われるようになった。2010年の終わりごろにThe Document Foundationという団体が作られ、このプロジェクトの維持管理を担当することになった。

今日(米国時間2/7)、そのThe Document Foundationが、LibreOfficeのバージョン4.0のリリースを発表した。その発表声明には、おもしろいデータがいくつか盛られている。

LibreOffice 3.6のブランチ以降、LibreOffice 4.0の全開発期間にあたるこれまでの7か月間、デベロッパたちは1万回以上のコミットを行った。週末や休日も含めて平均するとそれは30分に1度となり、このプロジェクトがいかに活発であるかを示す証拠の一つとなっている。

LibreOfficeの開発とメンテナンスには、500名あまりのデベロッパが参加している。今回の新バージョンでは、レガシーコードの残滓の多くが取り除かれ、より現代的な構文に変えられた。また25000行のコメントがドイツ語から英語に翻訳された。そしてその結果、よりクリーンで分かりやすい、新しいデベロッパでも容易に開発に参加できるコードに生まれ変わった。

これまで、オフィススイートというものを使った経験のある人なら誰もが、LibreOffice 4.0を快適に使いこなせるだろう。文書の作成機能では、とくに独自の先進的機能というものはなくて、むしろLinuxとMacとWindowsの三者に共通するスムーズで心地よいインタフェイスを実現している。LibreOffice 4.0でとくに興味深いのは、このオフィススイートのプレゼンテーションアプリケーションImpress(MS PowerPointに相当)をAndroidから音声でコントロールするアプリが、加わったことだ。今はいくつかのLinuxディストリビューションがサポートしているだけだが、次のバージョンではすべてのプラットホームでサポートされる。

そして、あの、敬愛すべきOpenOfficeはどうなるのか? OracleはそのコードをApache Software Foundationにライセンスして、今後の開発をまかせた。ApacheのOpenOfficeは今も健在で、最近はIBM Symphony(==Lotus Symphony)から大量のコードを寄贈された。

そしてさらに興味深いのは、MicrosoftがOfficeのLinuxへの移植を検討していることだ。近未来には、そこいらのどんな会社も、WindowsからLinuxに鞍替えしているかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BlackBerry、日本でのBB10端末発売中止を正式決定

この数ヵ月間BlackBerryは、世界を駆け回ってデベロッパーにBlackBerry 10のサポートを必死に呼びかけていたかと思われるが、少なくとも一ヵ国、事実上断念した市場がある。Nikkei Business Dailyの最新記事によると、カナダ、ウォータールー拠点の同社は、BlackBerry 10および同OSが動作するデバイスを日本に持ち込むのをやめた。BlackBerryはこの報道内容を認めた。

本件についてBlackBerryがTechCrunchに伝えた内容は以下の通り。

当社はBlackBerry 10を世界の重要市場で発売する過程にあり、すでに販売中の国々におけるBlackBerry Z10機の需要は好調である。日本はBlackBerryにとって主要な市場ではなく、今回同国でBlackBerryを発売する計画はない。

これは同社が日本から全面的に撤退するという意味ではない。Nikkeiの記事によると、BlackBerryはZ10、Q10などの新機種を日本で販売する予定はないが、現在も使われている僅かな既存機種のサポートは続ける。BlackBerryがBlackBerry 10の日本進出を取り止める決断を下した理由の少なくとも一部は、純粋に現実的な問題だろう。OSの全テキストを日本語に翻訳する作業は、BlackBerryが進出断念を決定するに十分な頭痛のタネだ。

もちろん、他にも理由はある。BlackBerryのハードウェアは日本やアジア市場での人気が低く、他のプラットフォームによって徐々にシェアを奪われていた。最大5%あった日本スマートフォン市場での同社端末のシェアが昨年は0.3%まで落ち込んだ。一方Androidは、2009年にHTC MagicがNTT Docomoの電波に乗ってデビューして以来順調に伸びており、AppleのiPhoneは、ソフトバンク(Sprintの買収に忙しい)とKDDI auのサポートを得て何度も売上チャートのトップを占めている。

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(翻訳:Nob Takahashi)

世界端末市場、利益の72%をAppleが占め、残りはSamsung

Canaccord Genuityの調査によると、世界の端末市場で利益の72%をAppleが占め、29%をSamsungが確保した。明らかに当惑させる数字だが、恐らく丸め誤差のためだろう。しかし、もっと心配なのは、Nokia、Blackberry、HTCなど他のメーカーの殆どが、儲けていないか赤字だという事実だ。

この調査結果はForutune誌でElmer-Dewittが詳細に報じているが、記事では、Appleが売上シェアわずか21.7%で巨大な利益を上げ、売上28.9%のSamsungが残る利益に甘んじているという世界にわれわれが生きているという事実を指摘している。

これがBlackberry崩壊の理由だ。現時点で、3番手はもちろんそれ以上離されている競争相手の入る隙はない。AppleとSamsungがはるか先を走るこのレースで、Blackberryはまだ牧場にいる。

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(翻訳:Nob Takahashi)

「幸せ」をシェアしてもっと「幸せ」(Happier)になろう(1日3つの共有が目標)

happieriOSアプリケーションのHappierが公開された。アプリケーションの目的は、もちろん、人びとを「幸せ」(Happier)にすることだ。明るい出来事を取り上げて、それを人びととシェアすることで自分の幸福度が増すという調査をうけて考案されたアプリケーションだ。こちらからダウンロードすることができる。

開発したのは、以前あったWhere(PayPalに売却された)のプロダクト部門VPであったNataly Koganだ。多くの人びとの幸せな出来事をシェアしてもらうために、アプリケーションを開発した。Kogan曰く、シェアする「幸せな出来事」というのは、ほんの些細なことでも良いのだそうだ。たとえば朝食がおいしかったとか、旧友からメールを貰ったとか、あるいは子供がハグしてきたといったようなことを想定しているのだとのこと。

自分の「幸せ」をシェアするには、感じた「幸せ」についてのメモを作って投稿する。投稿には写真を添付することもできる。また「食事」、「エクササイズ」、「友達」などといった「カテゴリー」も用意されていて、自分の「幸せ」を分類しておくこともできる。
また、朝昼晩と「幸せ」の投稿を忘れないように、リマインダを作動させることもできるようになっている(1日に3つの「幸せ」をシェアすると、さらにハッピーになれるのだそうだ)。

Koganは、人びとの「幸せ」データを集めて「幸せ繋がり」(ハピネスグラフ)を構築したいのだと言っている。できるだけ多くの人に使ってもらって、その上に魅力的なサービスを構築して行きたい考えだ。

拠点はボストンにあり、Resolute VCおよびVenrockから120万ドルの資金を調達している。

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(翻訳:Maeda, H)

公開前から25万人が殺到―iOS+Gmailの優れものメール管理アプリ、MailboxがいよいよApp Storeに登場

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私はMailboxを愛用している。これはOrchestraが開発したメール管理アプリで、ここ数ヶ月メールの利用にはもっぱらこれを使っている。多数のメールをすばやく読み、削除し、アーカイブし、返信するのに実に効率がよい。ただし私は少数のベータテスターに選ばれたので利用できた。

しかしもうすぐMailboxはAppleのApp Storeで公開される〔すでに公開ずみ〕。ただ残念ながら全員がすぐに利用開始できるわけではない。ユーザー数の急増によるシステムのパンクを防ぐため、Mailboxでは招待システムを採用している。Mailboxから先着順で招待が届くのを待たねばならない。

サイトを訪問して行列に並んだユーザーにはアプリをダウンロードして利用できるようになったという通知が来る。今回アプリがApp Storeで公開されたので、ダウンロードしてインストールすると自動的に予約される。行列の中で自分の順番がどのあたりになるかリアルタイムで確認することもできる。

Mailboxはメール管理の処理をスワイプ動作で簡単に実行できるようにしている。アーカイブあるいは削除したければ右にスワイプ、「後で読む」なら左にスワイプだ。返信しなければならないが今すぐでなくてもよいメールを処理するのに「後で読む」は大変便利な機能だ。一定の時間を置いて再度表示させるようにすることもできる。

ところで、なぜわざわざ招待システムをとっているのか? それはMailboxがプッシュ通知や「後で読む」機能のサポートのためにクラウド上のサーバに依存しているからだ。Mailboxでは招待システムによって徐々にユーザー数を増やしていくことで過負荷等による不具合の発生を最小限に抑えようとしている。

もちろんMailboxではベータテスト中にさまざまな負荷試験を行なってきたが、それが本番の運用の代わりになるものではない。本番では必ず何か予期せぬ問題が起きるのだ。メールはきわめて重要なコミュニケーション手段なのでMailboxでは初期不具合によって悪影響を受ける可能性がある人数をできる限り少なくしようと努力している。そういう次第で、行列に並んで招待が届くのを待つしかない。

当面、アプリはiOSプラスGmailの組み合わせだけを対象としている。しかし近く他のメール・サービスやAndroid版のサポートが行われるだろう。チーフデザイナーのElle LunaによればiOS版公開の時点すでに25万人が予約を入れているという。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Google、ハングアウトをアップデート―スライダーで通信速度を選択、音声のみモードも新設

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どんなインターネット接続条件下でもさまざまなサービスをできるかぎりユーザーに届けようとGoogleは努力している。 たとえば第三世界の国々に旅行した場合、非常に遅い接続速度しか得られないことがままある。いや、それをいうならアメリカ国内だって接続速度の遅いスターバックスはいくらでもある。

今日(米国時間2/7)、Googleはハングアウトに2つの新機能を追加した。ひとつはユーザーの接続環境に合わせて通信速度を選択できるスライダーだ。これまでハングアウトは接続環境の中で最良の画質を得られるよう自動調整を行なってきた。しかしユーザー自身がマニュアルで速度をコントロールできると非常に便利なことが多い。またこのスライダーに関連するが、ビデオを停止して音声のみのモードが選択できるようになった。

GoogleのTim Blasiによればこういうことだ。

今日われわれはインターネット接続速度が低い、あるいは不安定な環境におけるハングアウトの体験を改善するために2つの機能を新設した。

1) 音声のみモード:このモードでは音声のみがやり取りされる。そのため接続帯域が大幅に節約できる。参加者の音声は高音質で明瞭に聞こえるが、ビデオではなくユーザーのプロフィール画像だけが表示される。

2) 帯域幅スライダー:ハングアウトセッションを始めるとトップにスライダーが表示されるようになった。ユーザーはこのスライーダーを動かすことでリアルタイムで通信速度を変更できる。スライダーを最低状態に動かすと上記の音声のみモードになる。これによってインターネット接続が不安定な地域でもセッションを続けることが可能になる。

これら2つの機能は今日から個々に公開されるので、ユーザーによってはどちらか一つの機能が先に利用可能になることがある。すぐに全員が両方の機能を利用できるようになるはず。試してみて感想をきかせていただきたい。

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音声のみモードの追加で、ビジネスだろうとプライベートだろうと誰でもどんな場所でもハングアウトに参加することが可能になった。モバイル・ユーザーの場合、よほど接続条件がよくないとビデオを利用したハングアウトにはつらいものがあった。音声のみならほとんどの接続条件で問題なく機能するはずだ。残念ながらこの機能はデスクトップではサポートされない。近くサポートされるようになることを期待したい。

Google+のヘビーユーザーでない読者でも、それと気づかずにハングアウトを利用している場合が多々ある。たとえば一般公開を目的としたHangouts on Airではリアルタイム会話を録画して即座に配信することができる。先月、ジョー・バイデン副大統領がHangout on Airを利用して多数の視聴者を集めている。

できるだけ多くのユーザーにサービスを提供するといえば、Googleは昨日、ハングアウトをインドで提供開始した。Googleの翻訳能力の高さを考えると、多国語の会話がリアルタイムで自動通訳されるハングアウトというのも近い将来登場するかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

オンライン・ラジオサービスで人気のTuneIn、ウェブ版もリニューアルして魅力的なエクスペリエンスを提供開始

TuneIn_logoオンライン・ラジオサーバーの分野で大人気のTuneInには、月間アクティブリスナーが4000万以上いるのだそうだ。大成功の理由は、モバイル版のアプリケーションがよく出来ていて使いやすいことによるのだろう。ウェブサイトのおかげではないはずだ。TuneInのサイトはこれまで、「使える」ものではあったが、どうにも古臭い感じのするものだった。

しかしついに、TuneInはウェブの方も大改造することにしたようだ。これまでは文字情報主体で、放送局名を並べた感じのものとなっていた。それが、ラジオ局毎に現在どんな曲を流しているのかを示す、アルバムカバー風のビジュアルに変わったのだ。TuneInによると「レコードショップでのエクスペリエンスに似た感じにしようと思ったのです」とのこと。

TuneInの命名によると新しい画面は「コンテンツファースト」と呼ぶのだそうだ。サービスのこれまでの歴史で、初めて行った大改革だと言える。TuneInによると、年間のリスナー数の伸び率は267%に達するほどで、リスニング時間も348%伸びているのだそうだ。しかし、モバイル版や、車載サービスなどの充実をよそに、ウェブの方は永らく放置されてきていたのだった。

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TuneInのプロダクト部門ディレクターのKristin George曰く、「何を聴くのかという明確な目的なしにTuneInを立ち上げる人もいます」とのこと。「新しいウェブサイトは、そうした人にも、どの局でどういった音楽が流れているのかをわかりやすく示すようになっています。以前はラジオ局一覧といった形のものしか提供できていなかったのですが、いったい何を楽しめるのかということがわかりやすくなったと思うのです。世界中のラジオ局にアクセスできるTuneInを、これまで以上に楽しんで頂けるようになったのではないかと思っています」。

尚、本日のアップデートで人気ラジオ局のリスト(「トレンディング」)も表示されるようになった。こちらもこれまではモバイルアプリケーションでしか表示していなかったものだ。

TuneInでは現在のところ、世界中70000局のラジオステーションにアクセスすることができる。オンデマンドプログラムについても200万番組を提供している。またTuneInは昨年8月にGeneral Catalyst Partners、Jafco Ventures、Google VenturesおよびSequoia Capitalなどといった超大手から1600万ドルの資金を調達している。プロダクト開発のための人員拡充に利用する予定だとのことだった。今回のウェブリニューアルも、そうした方針の結果として出てきたものなのだろう。

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(翻訳:Maeda, H)

Microsoftは2014年にOfficeのLinuxバージョン提供か–新戦略としてのオープンソース化

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いよいよ、大きな時代の変わり目だ。MicrosoftがOfficeのLinuxバージョンを2014年に提供することを検討している。

ExtremeTechによると、MicrosoftはOfficeのLinuxポートを2014年にリリースすることを“真剣に検討”している。これは、ただごとではないし、しかも完璧に理にかなっている。Officeは、プロプライエタリなソフトウェアだが、企業向けソフトウェアとしての往年の栄光はもはや取り戻せないだろう。Officeをオープンソースにすれば、.NET宇宙の外のデベロッパたちとのコラボレーション、という可能性の窓(window)が開く。これは、駄洒落を意図していない。

Extreme Techの記事によると、OfficeのLinuxバージョンという噂は、先週末にブラッセルで開かれたオープンソース関連の年中行事カンファレンスFOSDEMで浮上した。そのとき情報筋はExtremeTechに、MicrosoftがLinuxも一つの意義ある商用的機会であると認識したために、その真剣な検討というものが始まった、と言った。

それはまた、Androidのモバイルデバイス上で使えるOfficeを開発しよう、というMicrosoftの計画からの派生でもある。ExtremeTechはこう書いている:

Androidは、ご存じのように、Linuxベースのオペレーティングシステムである。ということは、OfficeのAndroidバージョンの開発により、OfficeのLinuxポートという作業も、その大半が完成することになる。そうすれば、あと一歩で、OfficeのUbuntuへのポートも完成するだろう。Microsoftが気に入っているかもしれない、そのほかのディストリビューションに関しても。

過去にMicrosoftのソフトのLinuxバージョンが提供されたことは、一度もない。

このお話への、ぼくの感想: Linuxに商業的機会があるなんて、今さら言う話じゃないだろ、ばか。Microsoftが考えているのは、同社の最優良資産をオープンソースにすることさ。

〔訳注: この記事の原文へのコメントの大半が、Microsoft Officeオープンソース化説に対しては否定的見解だ。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ubuntuスマートフォンの発売は今年の10月

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Ubuntuが最近発表したモバイルオペレーティングシステムのニュースは、確かにある程度話題になった。そのため(ぼく自身も含む)相当数のナードたちが、それに心惹かれた。ありがたいことに、CanonicalのファウンダMark Shuttleworthがついに今日(米国時間2/6)、今後の日程を明らかにした。彼はWall Street Journalに、最初のUbuntuスマートフォンは今年の10月に陽の目を見る、と語った。

もちろんそれは、万事順調ならば、ということだ。BlackBerry 10も、2012年ローンチの予定が、先週にずれ込んだ。モバイルプラットホームのローンチは、予定より遅れるのが正常だ。

WSJ紙上のShuttleworthの話は、残念ながらあまり内容がない。この新生児のモバイルOSは、最初の発表の席とCESではSamsung Galaxy Nexusの上で動いていたが、今どこのハードウェアメーカーとパートナーしているのかについて、Shuttleworthはいっさい口をつぐんだ。でもSamsungの看板機にはまだ未練があるらしく、デベロッパは今月の某日から、Galaxy Nexusの上でUbuntuをいじくることができる。ただし、1月リリースという予定は、あっさりと反古にされたが。

Shuttleworthは、同社のモバイルOSは二つの重要市場をねらって今秋デビューする、と言っている。その二つが何か、それは分からない。彼は、北米地区がUbuntuの“重要市場だ”とは言ったが、でもむしろ、開発途上国市場でスタートした方が、うまくいくのではないかな。

Canonicalの現CEO Jane Silberによると、モバイルUbuntuが最初に発表されたとき、関心を寄せたのは企業ばかりではなかった。Ubuntuのネイティブアプリと良質なUIは、ベーシックなスマートフォンに合っているし、人びとに気に入られるだろう、と。しかし、このような第三第四勢力のモバイルオペレーティングシステム進出はUbuntuだけではない。スペインの大手キャリアTelefonicaなどは、MozillaのFirefox OSを、ブラジルなど向けの低価格多機能機用に採用しようとしている。iOSやAndroidがいくら優勢でも、まだ新しいプラットホームがつけいるすきは十分にある。とりわけ低所得の途上国は、UbuntuやFirefox OSなどの新興勢力に機会を与えるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

NTTドコモが500 Startupsと提携しスタートアップ支援に本格参入 — インキュベーションの応募も開始

昨年10月の決算発表時にアナウンスされたNTTドコモのスタートアップ支援の詳細が本日明らかになった。すでに発表のあった通り新たな投資ファンドとインキュベーションが設立され、NTTドコモはスタートアップとの連携を強化していくようだ。

この2つの新事業はドコモ・イノベーションファンド、ドコモ・イノベーションビレッジと名付けられ、ドコモ内のリソースはもちろん他のインキュベーションなどとの提携を行いスタートアップを支援する。これらを運営するためにドコモ・イノベーションベンチャーズという会社が新たに設立された。

イノベーションファンドの運用金額は100億円で、運用期間は10年だ。主にモバイルに関連するベンチャー企業に出資し、資金的な支援をするとともにドコモのサービス開発を強化するために提携なども視野に入れているという。

出資する規模に関してはシードステージからミドルステージが中心になるという。もちろん、レイターステージでも投資を検討するが、かなり大きな金額になる場合はNTTドコモ本体からの出資となるだろうとNTTドコモ執行役員の中山俊樹氏はいう。

投資対象には当然だが、インキュベーションであるイノベーションビレッジの卒業生も含まれる。このインキュベーションは5カ月間のプログラムで、その間にサービスのβ版を完成させる。オフィススペースの提供、社内・社外のメンターによるアドバイス、開発環境の提供などが用意されている。

この他、ドコモのユニークな点として、ドコモのAPI(音声認識、アプリ検索、翻訳など)の解放、プログラム参加企業に200万円を開発助成金という名目でコンバーチブルノートによる資金を提供する。プログラム終了後、サービスによってはドコモのサービスとの提携、dマーケットなどによるプロモーションの支援などが実施される。

5カ月間のプログラムというのは日本にある他のインキュベーションに比べるとやや長いが、サービスの開発だけでなくビジネスモデルなども含めてメンタリングするため、少し長めの期間を設定したそうだ。

イノベーションビレッジは本日から応募が開始され、第一回では5、6社を採択する予定だ。テーマは「グローバル・スタンダードになりうる、モバイルを活用したサービス」とかなり大雑把だが、全体を通して中山氏はグローバルに通用するサービスを支援したいと語っていた。

グローバルに通用するかどうかの判断をするのは極めて難しい。実際にサービスを世界の人に見てもらわないと判断はできない。しかし、インキュベーションビレッジはシリコンバレーでも有数のインキュベーションである500 Startupsと提携しているため、シリコンバレーのメンターが付くことによりシリコンバレーの感覚というものはある程度感じれることだろう。

提携は海外だけでなく日本国内のインキュベーションとも積極的に行う意向で、B Dash Venturesとも提携しており、メンタリングプログラムの提供やインキュベーションのノウハウの共有をしてもらうそうだ。

ここまで新事業の紹介をしてきたが読者が気になるのは同じキャリア企業としてすでにインキュベーションを始めているKDDI∞Laboとの違いだろう。

∞LaboはまだKDDIが現段階で利益を出そうとしているようには思えないし(田中社長もそう言っていた)、スマートパス以外ではプログラム参加チームのプロダクトをKDDIのサービスに連携するといった事例はそれほど無い。スタートアップに環境を提供する変わりに、KDDIにスタートアップの発想、スピード感、熱意といったものを吸収している感じだ。

一方、NTTドコモは自社サービスとの連携や、機能強化といった点を意識している印象を受けた。モバイルにフォーカスし、はっきりと「新たな事業領域におけるサービス開発力を強化したい」と言っている。もちろん無理矢理提携するわけではないので、悪い意味ではなく他のインキュベーションとの差別化とも考えられる。スタートアップ側からしても早くマネタイズ、イグジットできる可能性が増すメリットも大いにある。自分たちのアイデアに合うインキュベーションの選択肢がまたひとつ増えたわけだ。

ひとつ注意しておきたい点は、第一回の募集要項に「ドコモが提供する製品もしくはサービスで利用できるもの」という項目がある点だろう。ご存知の通り、ドコモはiOSデバイスの提供をしていない。Androidまたはフィーチャーフォン(はさすがに今から参入しないとは思うが)、ブラウザから開発することになる。ただ、中山氏は100%、iOSがダメということではないと質疑応答で答えたので、可能性はゼロではないとことは付け加えておこう。

Google、デバイス横断のAdWordsキャンペーン “Enhanced Campaign” を提供

Googleは数週間以内に、Enhanced Campaignsと呼ばれる新しいAdWordsシステムを提供開始する。これは複数のデバイスを横断して広告するよりよい方法であると同社は謳っている。

公式発表ブログ記事と、私がGoogle広報担当者と話した内容によると、狙いはキャンペーンの実施プロセスを簡素化し、使用しているテバイスに依らず最適な広告をユーザーに届けることにある。記事中、 技術担当SVPのSridhar Ramaswamyは、「Enhanced Campaignは、位置情報、時間、デバイスの種類などの状況に応じた適切な広告を、個別のキャンペーンを立ち上げることなくあらゆるデバイスに配信することができる」と言っている。

Google広報担当者は以前私に、企業がデスクトップ、モバイル両方に広告を出したければ、別々のキャンペーンを作る必要があると言っていた。Enhanced Capmpaignでは、一つのキャンペーンをデバイス横断で実施することができ、さまざまな環境に応じて修正することも可能だ。例えば、広告主はモバイル広告では費用を抑え、特定の地域には多く広告を投入することができる。ブログ記事にある事例はこうだ。

ある朝食カフェは、スマートフォンで近所の「コーヒー」または「朝食」を検索している人にリーチしたがっている。入札調整機能には、0.5マイル離れた人には25%高く、11am以降の検索には20%低く、スマートフォン上の検索には50%高く入札するという、簡単な3つの選択肢がある。こうした入札調整は同一キャンペーン内の全広告、全キーワードに適用できる。

他にGoolgeが強調する機能として、環境に応じた広告ユニットのカスタマイズ(例えばモバイル広告には〈クリックで電話〉ボタンを付ける)、呼び出しやダウンロードの回数などが掲載された新しいレポート等がある。

Starcom MediaVestによると、同社はすでにこのシステムを試行中で、Starcom USAの副社長兼部門長、Paul DeJarnattは私にメールで、「良い点もあるが制約もある」と言った。彼は強化されたレポート機能と「今後の拡張の約束」に期待していると言った。しかし、Googleは手順の簡易化に走りすぎたため、モバイルとタブレットでターゲティングの選択肢が少なすぎるということも示唆した。

「当社クライアントの多くは、タブレットの利用者や、本物のモバイル検索利用者にとって何が重要かを見つけるために、克明な調査やテストを行ってきた。後者はデスクトップの検索ユーザーとは大きく異なっている可能性がある。今はわれわれがそのような見方をしたとしても、最も関連性の高い広告を、最も興味を持っている利用者に届けるターゲティング方法がなくなってしまった。これは、検索エンジンのあらゆる操作に関連性をもたらすというGoogleの使命に反するものだ」とDeJarnattは言った。

同じように、AdobeのBill Mungovenはブログ記事で、今後広告主はタブレットだけをターゲットするキャンペーンができなくなると指摘する。ある意味でそれは理にかなっていると同氏は言う。なぜなら「タブレットが実際にはスマートフォンよりもノートPCやデスクトップのように使われている」からだ。しかし彼によると、それはGoogleの利益にもなる、なぜならGoogleはタブレット広告がデスクトップと同列になった方が儲かるからだと言う。

DeJarnattも同様の点を指摘して、「最大の受益者は、少なくとも現段階ではGoogle自身だ」と言った。彼はEnchanced Campaingnはスモールビジネスに役立つだろうと言ったが、こうも付け加えた。「緻密なマーケターや代理店にとって、Enhanced Campaignは一歩後退に感じられる」

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(翻訳:Nob Takahashi)

OUYAのゲーム不足解消への一歩: Double Fineスタジオの二作が年内に登場

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本誌TechCrunchのRomain Dilletが昨日(米国時間2/5)、期待が盛り上がっているAndroidゲーム機OUYAにはまだかんじんのゲームがない、という記事を書いた。今日はそれに答えるかのように、OUYAのファウンダでCEOのJulie UhrmanがDICEカンファレンスのステージから、このKickstarterで育ったプロジェクトのローンチパートナーを紹介した。そこで新たに発表されたゲームは、ゲーム界の伝説の男Tim SchaferのスタジオがやはりKickstarterで資金集めに成功したDouble Fine Adventureと、Rob GilbertのThe Caveだ(これもDouble Fineスタジオ)。

Double Fineの2作に加えてステージ上のUhrmanは、Words With Friendsで有名なPaul BettnerがOUYAのためのタイトルを開発中だ、と述べた。それについてまだ具体的な話はないが、モバイルで大成功を収めたゲーム作家からOUYAはいわば、お墨付きをもらったことになるだろう。

昨日Romainが嘆いたのは、OUYAの人気を一気に高めるような、集客力の大きいビッグゲームの不在だ。彼の論旨は、すでにAndroid携帯やiOS製品の上でプレイされているゲームをOUYAに移植しても、それはOUYAを買う動機にはならない、というもの。新作のビッグタイトルを伴って発売しなければ、OUYAは売れない、買った人も棚の上に置き忘れてしまう、と彼は主張する。

OUYAが今日発表したタイトルも、同機のソニックやマリオになるほどのゲームではない。OUYAでしか体験できないすごいゲーム体験を与えてくれるタイトルではない。でもDouble Fineは、安定した実力があり、ゲーマーたちからも信頼され評価されているスタジオだ。

Double Fine Adventureの発売予定は2013Q2だから、3月のOUYAの発売には間に合わない。The CaveはOUYA版の開発がまだ始まっていない。だからDouble Fineスタジオがローンチパートナーでも、発売直後の同機の人気盛り上げには貢献しないだろう。でも、今後良質なゲームがOUYAに登場してくるための、道は開かれた、とは言える。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ファーウェイとMicrosoft、タッグを組んでアフリカ専用Windows Phoneを提供

Huawei Ascend W1 Windows Phone中国における通信界の巨人であるファーウェイ(Huawei)が、アフリカのみに向けたWindows Phoneの開発に乗り出すことを発表した。機種はHuawei Ascend W1のカスタマイズモデルだ。4Afrikaイニシアチブの一環として、Microsoftとの共同で開発された。

価格についてのアナウンスはまだないが、中東およびアフリカ地域におけるWindows Phoneの担当ディレクターであるGustavo FuchsがBBCに語ったところによると「アフリカで最も入手しやすいWindows Phoneという位置付けです」とのこと。「数年のうちに、アフリカ大陸内において数千万台単位で普及させることを目標としています」とも話している。

Fuchsによると、4Afrikaの目的は、アフリカ大陸内でのスマートフォン利用率を上げることなのだそうだ。これには、アフリカの人びとにとってフィーチャーフォンから乗り換えたくなるような魅力的なアプリケーションを提供することも含まれている。現在のところのスマートフォン率は「10%近く」とのこと。もちろん地域によっては、はるかに低いところもある。

「入手しやすさはもちろんですが、アプリケーションやコンテンツも充実して、フィーチャーフォンからの乗り換え需要を高めていきたいと思っています」とFuchsは言っている。

今回リリースしたWindows Phoneは、まずエジプト、ナイジェリア、ケニア、コートジボワール、アンゴラ、モロッコ、そして南アフリカで販売される。販売はそれぞれの国の販売方式に則った形で行われる。すなわち南アフリカでは通信事業者からの販売となり、コートジボワールでは小売業者による販売となる。ナイジェリアやアンゴラは複合的な販売方式がとられているそうだ。

また4Afrikaイニシアチブでは、ケニアのRift Valleyでのワイアレスブロードバンド環境の構築や、南アフリカやエジプトにおけるWindows Phone開発者支援なども行なっていくらしい。

ファーウェイにとって、アフリカは中国の外ではもっとも急成長中の地域となっている。昨年11月にファーウェイは、南部および東部アフリカにおける売り上げは3年間で30%の伸びを期待していると話していた。現状について同社のウェブサイトをみてみると、2011年の売上げが34億2000万ドルで、これは前年比で15%の増加ということになっているようだ。アフリカ大陸には18のオフィスを開設しており、5800人が働いている。南アフリカにはR&Dセンターや、また7つのトレーニングセンターも開設している。

ファーウェイのIDEOSは、100ドルを切る最初のスマートフォンとしてデビューしており、ケニアで大人気の機種となっている。市場シェアは45%を獲得しているのだそうだ。

Huawei Ascend W1は4インチのタッチ画面で、500万画素のカメラを搭載している。一回の充電で待ち受け時間は420時間に及ぶとしている。

Huawei Technologies

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(翻訳:Maeda, H)

アメリカYahoo!、Googleのコンテキスト広告を非独占的契約で導入

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当初、AllThingsDがスクープしたYahooとGoogleの広告での提携がYahooから正式に発表された。この提携の内容はYahooがこれまで他の広告ネットワークと結んできた契約と大きく変わるものではない。Yahooの膨大なページビューと1年足らず前に新任CEOとなったマリッサ・メイヤーが元Google幹部であることを考えると、Googleがコンテキスト広告を提供するようになったのはある意味順当な流れといえる。

われわれは長年にわたってデスクトップでもモバイルデバイスでもGoogleのコンテキスト広告を眺めてきたし、その仕組みが優秀であることも知っている。メイヤーはGoogleの社員第20号としてGoogleの広告プロダクトの表裏を知り尽くしている。

今日発表されたプレスリリースはこちら

興味深いのはYahoo検索は主としてトップページに掲載された論説記事に重点を置いている一方、Googleは一切合切を対象にした検索結果を表示する傾向があることだ。Yahooの検索結果は人気を得たニュース記事に微妙に影響を受けている。

一方、誰も読まないようなマイナーな記事の余白ではなく、Yahooのトップ記事に関連性の高い広告を表示できるようになったことはGoogleにとって大きなチャンスだ。Yahooは売上の増大をなんとしても必要としているから、記事に的確に関連した広告が表示されるようになったことは株主にとっても良いニュースだ。しかしそれによってYahooのユーザーのクリックするー率がどれだけアップするかは今後を見なけれならない。

この契約は非独占的なものというが、提携の結果が良好なら2社の関係がさらに深まる可能性はある。他のプロダクトでも提携していく上でよい実験台となるだろう。Googleの広報担当者は次のようなメールを送ってきた。

われわれはAdSense、AdMob広告を通じて数多くの有力サイト運営者のマネタイズを助けてきました。このリストにYahoo!を加えられたことを非常に嬉しく思っています。

[写真: Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

アメリカYahoo!、Googleのコンテキスト広告を非独占的契約で導入

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当初、AllThingsDがスクープしたYahooとGoogleの広告での提携がYahooから正式に発表された。この提携の内容はYahooがこれまで他の広告ネットワークと結んできた契約と大きく変わるものではない。Yahooの膨大なページビューと1年足らず前に新任CEOとなったマリッサ・メイヤーが元Google幹部であることを考えると、Googleがコンテキスト広告を提供するようになったのはある意味順当な流れといえる。

われわれは長年にわたってデスクトップでもモバイルデバイスでもGoogleのコンテキスト広告を眺めてきたし、その仕組みが優秀であることも知っている。メイヤーはGoogleの社員第20号としてGoogleの広告プロダクトの表裏を知り尽くしている。

今日発表されたプレスリリースはこちら

興味深いのはYahoo検索は主としてトップページに掲載された論説記事に重点を置いている一方、Googleは一切合切を対象にした検索結果を表示する傾向があることだ。Yahooの検索結果は人気を得たニュース記事に微妙に影響を受けている。

一方、誰も読まないようなマイナーな記事の余白ではなく、Yahooのトップ記事に関連性の高い広告を表示できるようになったことはGoogleにとって大きなチャンスだ。Yahooは売上の増大をなんとしても必要としているから、記事に的確に関連した広告が表示されるようになったことは株主にとっても良いニュースだ。しかしそれによってYahooのユーザーのクリックするー率がどれだけアップするかは今後を見なけれならない。

この契約は非独占的なものというが、提携の結果が良好なら2社の関係がさらに深まる可能性はある。他のプロダクトでも提携していく上でよい実験台となるだろう。Googleの広報担当者は次のようなメールを送ってきた。

われわれはAdSense、AdMob広告を通じて数多くの有力サイト運営者のマネタイズを助けてきました。このリストにYahoo!を加えられたことを非常に嬉しく思っています。

[写真: Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Google噂のChromebook Pixel(タッチ画面付)が流出ビデオに堂々登場


眉につばを付ける準備はできたかな。最近、より贅沢なChromebookの噂が出回っているが、新しいタッチ式Chromebook Pixelのリークと思われるこのビデオは、Googleの密室で進められている仕事を垣間見る初めての機会かもしれない。

このビデオは、ChromeマニアのFrançois Beaufortが見つけたもので、実に華々しい出来映えだ。そこには、ファンが作ったモックアップには無い(非常によくできたものもあるが)レベルの洗練さと明確なメッセージがある。ハードウェア仕様に関して言っているのは、ディスプレーが400万ピクセルを擁することだけで、Beaufortはこれが2560 x 1700の解像度を意味すると信じている。

ちなみに、この漏洩ビデオで述べられている情報は、タッチ対応Chromebookに関する以前の一部報道と合致している。昨年11月China Timesは、Googleが12.85インチ、タッチディスプレイ塔載Chromebookを発売する計画であると報じ、(SamsungやAcer等のハードウェアパートナーではなく)検索の巨人自身が、ODMのCompalのWintekに発注したことを指摘した。

当時の予想は、Googleは通常の多数のハードウェア提携会社を完全に排除して自社独自のマシンを製造販売するというものだった。興味深いのは、Chromebook Pixelのビデオがこの新しいタイプのパソコンを「全面的にGoogleの設計」であると謳っていることで、Googleがまさしくそれを行ったことを匂わしている。当然ながらGoogleは、Chromebook Pixelが本物の製品であるかどうかの質問に対してコメントを拒んでいる。chromebook-pixel

このビデオが明るみに出た経緯は、おそらくそこに登場する製品と同じくらい突飛だ。これが見つかったYouTubeチャンネルの所有者は、Slinky.Meというマウンテンビューの会社で、それが何を意味するのかわからないが「世界最大のビジュアルガイド」を作ることが会社のミッションであると言っている。どうやらSlinky.Meは数時間前にハックされたようで、その後短時間のうちに、秘密のChromebookビデオが同社のYouTubeアカウントで公開された。

しかしなぜ、かなり地味だと思われるビジュアルガイドを作る会社が、Googleの未発表ハードウェアのプロモーションビデオを入手したのだろうか。どうやら、会社の一部では、先週同社のVimeoまとめアカウントにアップロードされたGoogle礼賛広告のようなプロモーションビデオの制作にも関わっているようだ。 どの作品も地味で、あのそそらせるChromebook Pixelビデオとは似ても似つかないが、GoolgeとSlinkyの間に何らかの仕事上の関係があるというヒントではある。

この火に油を注ぐように、Slinky.me CEOのVictor Kochなる人物は、LinkedInで、元ソフトウェアエンジニア、それも・・・Googleで働いている(頻繁に更新するタイプの人ではないので「いた」かもしれない)と申告している。彼のFacebookプロフィールをざっと見たところ、もう少し事情が見えてきた。そこで彼は自身を「元Google」と称している。ただしVictor KochがGoogleの元社員であるかどうかを同社に確認することはできていないし、Koch氏も私の送ったFacebookメッセージに返信していないので、この部分の話はいま一つ信憑性に欠ける。

当然のことながら、ハッキングが行われてすぐ、誰かが何とかこのリークを始末しようと試みた。ビデオは既にYouTubeに存在せず、謎のKoch氏は自身のGoogle+アカウントに、突然のビデオ流出に関する公開謝罪文を掲載した(Google共同ファウンダーのSergey Brinがタグ付けされている)。本件には典型的なリリース失敗の兆候が多く見られるが、私が思うにChromebook Pixelの真相に関する公式見解は近々発表される。Google I/Oカンファレンスはほんの数ヵ月後に迫っている。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Raspberry Piにビデオカメラカードが登場

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Raspberry-piのファウンダEben Uptonの奥さんでブロガーでもあるLiz Uptonが、同社のWebサイト上で、Raspberry Pi用のビデオカメラ素子を紹介している。一枚レンズのユニットで、重さは“ほぼゼロ”、年内に25ドルで発売される。

このカメラはPiに直接接続でき、Piをビデオ方面のアプリケーションにも利用できるようになる。カメラ本体はOV5647で、固定焦点、センサーの解像度は5メガピクセルだ。HDビデオも撮れる。写真でお分かりのように、ユニットには、Piに接続するためのリボンも付いている。

仕様の詳細等はここにある。小さなプリント基板に小さなカメラが乗ってるだけの品物だが、今Raspberry Piは大人気だから、発売後数秒で売り切れると予想される。Raspberry Pis今や、電子工作界のBeanie Babiesだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

イベント管理サービスのPeaTiXがチケット販売手数料を大幅値下げ

この数年、イベント運営をインターネットでサポートするサービスが数多く出てきている。特にイベントのチケットの販売までできるようになったのはイベントを運営する身としてはとてもありがたく思う。PeaTiXはそのうちの1つで、一昨年からそのサービスをスタートさせている。

イベント参加者にチケットを事前に購入してもらえるのは、運営側としてとても効率のいいことなのだが、チケット販売手数料がかかってくるのが運営側として頭の痛いところだろう。そこでPeaTixはその手数料を現在のチケット代金の6パーセントから大幅に引き下げて、2.9パーセントにする(ただし、チケットが決済される際のトランザクション料金70円はそのまま変わらない)。適用されるのは2月9日の午前2時9分以降のイベントとなる。

PeaTiX CEOの原田卓氏によれば、ソーシャルグッドなイベントの運営者は、儲けを生むためにイベントを開催しているわけではないことも多い。なのでPeaTiXは以前から社会貢献のイベントはチケット販売手数料は3パーセントとほかのイベントとは違う価格を設定していたのだという。そもそも個人が主催するような小さなイベントは儲けそのものよりも、集客の便利さやイベント運営の手間を省くためという意味合いも多いので、手数料を払うというのが足かせとなってサービスが利用されなくなるケースというのが多かったのだそうだ。なので、とにかくサービスを利用してもらうための敷居を下げるために、手数料をどこよりも最安値にしたかったのだという。

PeaTiXはプロの興行で使われるチケットサービスとしても利用できなくはないが、彼らの狙っている市場はどちらかといえば個人や小規模なイベントを活性化させるようなロングテールのビジネスを考えている。勉強会もそうだが、結婚式の二次会だとか同窓会だとか大人数の飲み会など、日常にあるイベントに利用してもらおうということだ。

チケット手数料を下げた分、PeaTiXで管理されるイベントの数を増やしたいというのが狙いだが、彼らは手数料だけでその収益をあげようとしているわけではない。イベントをサポートする周辺のサービスもビジネス化しようとしている。たとえば、O2Oによるイベントの協賛企業を集めるといったことも視野に入っている。イベントに参加した人にそのイベントが開催されている周辺の店舗の割引クーポンを提供することで、クーポンから売り上がった売上の一部を企業から協賛費用としてもらう。それをイベント主催者とPeaTiXとで折半するといったことも考えている。これが実現すれば、イベント主催者は手数料以上の売上をあげられるかもしれない。

こうなってくるとEventRegistWazooeverevoなどの競合もより高度なサービス化を実現するか、手数料を引き下げざるを得ないのかもしれない。

PeaTiXはすでに500 Startupsから出資を受けるなど北米への道のりを進めているが、この春にはニューヨークに進出し、シンガポールにも拠点を置くという。北米ではEventbriteのように昨年に6億ドルものチケット売上を実現する企業も登場しているが、PeaTiXはアジアを中心に市場を広げようとしている。

Dropbox、モバイル・デベロッパー向けに同期APIを公開―クラウド上のファイルにローカル・ファイルのようにアクセスが可能に

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今日(米国時間2/6)、Dropboxはまったく新しいAPIをデベロッパー向けに発表した。モバイル・アプリの開発にあたって非常に強力なツールとなることが期待される。

Dropbox Sync APIはiOSとAndroidプラットフォーム向けで、ユーザーがDropboxのアカウントに保存したファイルをデバイスのローカルに保存したファイルと同じ手続で利用できるようにする。デベロッパーはこのAPIを利用して同期、キャッシュ、オフライン・アクセス、バージョン管理などのさまざまな機能を簡単に実装できる。デベロッパーはファイルへのアクセスや管理に神経を使う必要がなくなり、アプリの機能の開発にリソースを集中できるわけだ。

私はDropboxのプロダクト・マネージャー、Sean LynchにこのAPIについて取材した。Lynchは「一言でいえば、昨年11月に発表したDropbox Chooser同様、このAPIもデベロッパーの苦労を軽減しようというDropboxの努力の一環だ。このAPIはどんなプラットフォームでもアプリがシームレスにクラウド上に保管されたファイルを処理できるようにする」という。

Lynchはこう説明する。

Dropboxの使命はユーザーがどこにいようと自分のデータに自由にアクセスできるようにすることにある。これは地理的な場所のことだけでなく、利用しているデバイスやプラットフォームによってもアクセスが制限されないようにすることが含まれている。つまり自宅やオフィスでパソコンを使っていようと、出先でiOSやAndroidのスマートフォンやタブレットを使っていようとDropbxoに保存した自分のデータが利用できなくてはならないということだ。そのためアプリがDropboxに容易にアクセスできるようにするツールをデベロッパーに提供することは非常に重要だ。

あらゆるデベロッパーがDropboxサービスをアプリから簡単に利用できるようにするためにはどんなAPIを提供すべきか、われわれは長い間検討してきた。アプリからDropboxのファイルを呼び出したり共有したりする機能をもたせたChooserはこの方向への第一歩だった。われわれは木曜日にChooserをリリースしたところ、金曜から週末の間に多くのデベロッパーがソースコードに数行のJavaScriptをコピー&ペーストし、月曜には多数のDropboxと連携したアプリが登場していた。

新しいSync APIは要するにDropboxストレージをごく簡単にアプリに統合する役目を果たす。以前のAPIではデベロッパーはアプリでファイルを利用するためにまずファイルをローカルにダウンロードする必要があった。中途で障害が起きた場合はリトライし、それでもダメなら一旦ローカルに保存してその場所を記憶しておく。またアップロードでも同様の手間がかかった。ユーザーがオフラインでファイルに変更を加えた場合、変更された箇所を探し出し、オンラインになると同時にDropboxに再アップロードしなければならない。そうした処理をデベロッパーがすべてコーディングする必要があった。

新しいSync APIはこうしたファイル管理の負担をデベロッパーから取り除く 。ネットワーク接続の中断、オフライン・キャッシング、バージョン管理と自動アップロードなどをデベロッパーに代わって処理してくれる。Squarespace Noteのデベロッパー、Chris Coxはリリース・ノート中で「Sync APIのおかげでDropboxをアプリに統合するために必要なコードの行数がおよそ半分に減った」と証言している。

Lynchは「モバイル・デバイスでDropboxのファイルを呼び出し、編集を加えた結果が整合性をもってリアルタイムで他のデバイスやプラットフォームからも利用できるようにするのが目的だが、それ以外にもデベロッパーが創造性を発揮してこのSyncAPIを利用してくれるのではないかと期待している。 われわれのAPIは部分的には AppleのiCloudの同期APIに似た機能を持っている。しかしわれわれのAPIはユーザー自身のDropboxアカウントにアクセスするので、単にiOSやMacばかりでなく、事実上あらゆるコンピューティング・プラットフォームから利用できるところが強みだ」と述べた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

スーパーボウルの広告関連ハッシュタグの利用回数は30万回。昨年から273%アップ

スーパーボウルを迎えるにあたり、事情を知る人たちはこれが史上最もソーシャルなスーパーボウル!になるだけでなく、Twitterの広告にとっても大きな勝利になることを知っていたようだ。Twitterが公式ブログで、同社が測定した広告関連データを一部公開した。

Twitterによると、ゲーム中52本の全国CMが流れ、その50%にハッシュタグが掲載されていた(実際に数えたライターを讃えるために書いておくと、この数値は何日か前にMatt McGeeがMarketingLandで言ったものと一致している)。そして、これらの広告関連ハッシュタグは、日曜日に30万回メンションされた。昨年の273%増だ。

同記事には一番人気のハッシュタグも明かされている。ゲーム中最もツイートされた広告関連ハッシュタグは #Clydesdales で、これは視聴者から仔馬の名前を募集したバドワイザーのCMに載せられていた。#Clydesdalesはゲーム中5万8000回メンションされ、24時間で6万件の名前候補が寄せられた。

そうそう、ブログ記事にはTwitterの #Ad スクリメージ・コンテストの勝者も発表された。これは視聴者が好きな広告に、そう、ハッシュタグを使って投票するもので、勝者はSamsung。昨年に続いての優勝だ。

要するに、Twitterの言葉を借りると、「私たちはハッシュタグの好きなブランドが好き」。

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(翻訳:Nob Takahashi)