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マーケティングの課題解決を目的とした第一回『ベンダーマーケッター カンファレンス』開催レポート
【告知】初心者向けSEO入門書として「10年つかえるSEOの基本」という本を書きました
「Search Summit 2014」 SEOセッションにパネラーとして参加してきました
「一覧ページに掲載するリスト数は?」「内部リンクのパスってどう指定すればいいの?」などの質問にSEO現場のプロが答えます
先日schoo(スクー)さんにて、SEOの放送を行わせていただきました。SEOを勉強し始めたばかりの方、制作会社のディレクターさん、SEOを外注されているWeb担当者さんなど、「ホントはSEOのこともっと知らなきゃいけないんだけど・・・」といった方むけに、サイト改善のエッセンスをかいつまんでお話しました。
録画:http://schoo.jp/class/709/
スライド:http://www.slideshare.net/motohojitsukawa/seo-for-35748590
放送では生徒(視聴者)からコメントや質問がもらえて、ライブでやりとりしながら進められるという仕組みになっているのですが、ありがたいことに沢山の質問をいただき、ああやっぱりこういう所が気になるんだなというところが実感できました。その場で答えられなかった質問もありましたので、講義のフォローアップとして気になる人の多そうな質問をピックアップしてお答えします。
今回ピックアップした質問
技術的な質問
・個人サイト(自営店舗)を自身で運営しています。季節によってサイトを訪れるユーザーの目的となるキーワードが違うことが想定される場合、HTMLタグの対策キーワードをコロコロ変えてもいいものなのでしょうか?
・一覧ページに掲載するリスト数はどのように決めていますか?
・内部リンクをhttp:// から指定しろというSEO指示を受けたことがありますが大きな意味はあるのでしょうか?
・見出し及びリンクの「画像置換+altタグ」か「文字+CSS3装飾」の選択は’リンクの重み付け’に影響を及ぼしますか?
・descriptionの文字数の目安ありますか?
SEO会社一般に関する質問
・やはり個人でやるのと、業者に頼んでやってもらうのとでは、全く違うのでしょうか?
・良質なSEO会社の見極め方を教えてください。
・今後、Googleの仕様変更などにより、SEOの在り方やSEO事業の存続に影響はありますか?悪質なSEO業者が駆逐されるのは当然として、真面目にやっている業者はどうなのでしょうか?
ヴォラーレのSEOに関する質問
・SEOコンサルをする場合、コンテンツの提案はどんな事をしていますか?
・SEOをバリバリ頑張るのと、広告含めた予算のバランスはどう提案されてますか?
その他
・SEOにおいてschooのここが素晴らしい!というのはありますか?
・参考する書籍があれば教えて下さい。/ おすすめのSEO本はありますか?
技術的な質問
個人サイト(自営店舗)を自身で運営しています。季節によってサイトを訪れるユーザーの目的となるキーワードが違うことが想定される場合、HTMLタグの対策キーワードをコロコロ変えてもいいものなのでしょうか?
店舗サイトということは、商品を販売する小規模なECサイトか、店舗への来店をうながすような案内サイトでしょうか。実際に見てみないことにはわかりませんが、季節によってユーザーの検索ワードが代わる場合でも、特定のページに含むタグをコロコロ変えることはあまりおすすめできません。
検索エンジンの評価はURLごとに各キーワードに対してひもづけられるので、時期によってタグを変えてしまうと、各キーワードに対してどういった評価を下せばいいのか?ということが検索エンジン側で適切に判定しづらくなってしまいます。
具体的にどのような内容なのかは分かりませんが、例えば対策としては、ユーザーが検索するであろうキーワードが季節ごとに複数分かっているのであれば、それに対応するページをそれぞれ作成し、いつ、そのキーワードで検索されても対応できるようにするのが良いでしょう。毎度毎度タグを変更する必要もないですし、検索エンジンからの評価も安定します。
一覧ページに掲載するリスト数はどのように決めていますか?
特にSEO的にいくつであるのがベスト、という一般的な正解はありません。一覧ページにどれだけ個々の情報を掲載するのかによっても判断は変わるでしょう。
基本的にGoogleはページャーでつながれた一連のページはひとまとめに処理しようとしてくれます。ただしリストに掲載された個別のページへのリンクをクローラーが回りやすいかどうか、という点で言えば、あまり細かく切り分けてページャーで遷移させまくるというのはクローラビリティの観点からあまり良い状態とは言えません。
かといってあまり1ページあたりの掲載数を多くし過ぎるとページの読み込み速度に影響を与えたりスクロールして閲覧するのに苦労したりとユーザビリティに影響を与えたりもするので、「掲載して問題ない範囲で多めに」というのが一般的な判断軸としては無難かなとは思います。
内部リンクをhttp:// から指定しろというSEO指示を受けたことがありますが大きな意味はあるのでしょうか?
相対パスではなく絶対パスでリンクを指定するという話ですね。これが実際にどういう意図で指示されたものなのかは不明ですが、いくつか意味は考えられます。ここでは詳細は割愛します。
- Googleが絶対パスを推奨しているため
- サイト内でクローラーが発見するURLを統一するため
- コンテンツを自動で無断転載されたときなどにリンク飛び先のURLを自社サイトに戻すため
などでしょうか。とは言え絶対パス、相対パスによるSEOの効果の差異はほとんどのケースではほぼ皆無と考えて良くて、あくまで運用上の都合やコストなどを優先させるべきという考えで問題ありません。わざわざ全ての相対パスを絶対パスに書き換えなんていう作業は決して必要ありません。
見出し及びリンクの「画像置換+altタグ」か「文字+CSS3装飾」の選択は’リンクの重み付け’に影響を及ぼしますか?
リンク1本は1本なので、そのリンクが受け渡すパワーとしては変わらないと考えて良いと思います。また、テキスト理解という意味でのベストプラクティスを考えれば「文字+CSS3装飾」が正解ですが、画像置き換えも一般的に広く浸透している技術なので検索エンジンが問題なく処理してくれる可能性が高いと思います。
ただリンクのパワーの問題というよりは、見出し等でいちいち画像を読み込ませるのか、という意味で考えるとユーザビリティ上及びSEO上の影響が出てくる可能性がなくはないかなと思います。
結論としては、画像によるビジュアル的な表現が必要な場合には見出しに画像を使用するで全く問題ありませんが、CSSでの装飾された文字で十分なものであればテキストで記述しましょう、といった判断で良いと思います。
descriptionの文字数の目安ありますか?
meta descriptionについては特にSEO上の重要な加点になる要素ではありませんので、あくまで検索結果上での見え方を重要視すべきという考え方で良いと思います。つまり考えるべきポイントは検索されそうなキーワードが含まれるか(太字表示されるため)、であったり、内容が理解できて検索結果でクリック候補に入れてもらえるかどうか、などです。
その上で文字数については、表示文字数も考慮すれば50~100文字くらいであれば問題はないかと思います。スマートフォンの検索でのアクセスが多い場合にはスマホの検索結果表示も意識して、前半50文字程度でキーワードが含まれ内容が理解できるように工夫すると良いと思います。
SEO会社一般に関する質問
やはり個人でやるのと、業者に頼んでやってもらうのとでは、全く違うのでしょうか?
業者に頼むメリットってなんですか?という質問と捉えて回答します。まず当然頼む会社によってまったく異なりますが、色々なサイトに実務で関わった結果として得られた知識や経験の有無は大きいかなと思います。
サイトの構造をこうすべき、SEO上この施策は影響が大きい、小さい、意味が無い、逆効果、などの要件については、やはり実際にどのくらいサイトのSEOに取り組んできたか、検索エンジンの特性や動向を理解しているかによって理解レベルが変わりますので、実績のある会社に頼むのであれば「成果が出る可能性が高い」というメリットは享受できるかと思います。
特に大きなサイトのSEOを行うのであれば、忙しい担当者が聞きかじりの知識でどうにかなるほど簡単なものではありませんし、改修に費用がかかったり、現状のトラフィックに悪影響を与えるなどのリスクがある中で自分の知識だけを信じて改修に取り組んでいくというのは相当な勇気が必要だろうと思います。
もちろん中にはSEOの専門家並みとかそれ以上の知識を持つインハウスSEO担当者の方も一部いらっしゃいますが、全体から見ればごく稀なケースです。
ただもちろんコンテンツの良し悪しやその内容がより重要性を増す中で、そのサイトのサービス自体の専門家ではないSEO会社がそうした全て代行するというのは多くの場合は現実的ではないですし、そこはうまく分業するところかなと思います。
設計や仕組みづくりなど専門的な知識や経験が必要な部分に関しては必要に応じて専門家の知見を利用し、自社サービスに大きく関わるコンテンツについては社内でリソースを確保して体制を作るというのが理想的かと思います。
良質なSEO会社の見極め方を教えてください。
一般的にお答えするのは難しいです。各社とも得意・不得意が必ずあります。そして会社単位ではなく実務担当者が誰かというレベルでも大きな差が出ます。個人的には”相性が良いかどうか”というのが正直長く取り組んで結果を出すコツなのではないかなと思ったりもしていますが、もし選定しなければならない立場にあるのであれば、選ぶポイントとしては
- SEOに取り組むことによって何を実現したいのか(上位表示、何位にしたい、とかではなく、ビジネスとして何を達成したいのか)、という具体的なゴールを持つことと、それを担当者に伝えること
- それに対して「具体的な」解決策を提示してくれるかどうか
- 相手の会社の得意な領域、不得意な領域について率直な回答を求め、明確な回答を得られるか
- どのような仕事の進め方をするのか、それは現実的に上手く行きそうか
- 提案された内容に、「なんかすごそう」「プロっぽい」とかそういうレベルではなく、理解して納得して取り組む価値があると思えるか
- 取引条件が合うかどうか
こうしたことでしょうか。
※参考※
・SEO会社って何を基準に比較・選定したら良いんですか?
・[寄稿] 元インハウスSEO担当者が語る、失敗しないためのSEO会社の選び方、付き合い方
※編集者注:
全てにおいてこの会社が一番良いです!という会社は知るかぎりは思い当たりません。
ちなみに営業担当者のレベルで言えば、「実績があります」「ノウハウがあります」「最新のアルゴリズムの動向を把握していますので常に最適な状態を保てます」「○○(大手)さんのSEOやってます」「ペナルティ受けたこと一回もありません」みたいな自社の営業トークと自慢話や”フカシ”しか出来ない担当者であれば、担当者を変えてもらうか会社を変えるかはしたほうが良いかなとは思います。
今後、Googleの仕様変更などにより、SEOの在り方やSEO事業の存続に影響はありますか?悪質なSEO業者が駆逐されるのは当然として、真面目にやっている業者はどうなのでしょうか?
既にかなり影響はでてきていると思います。かつてのような人工リンク一辺倒のやり方で継続的に上位を維持できる可能性は年々低下傾向にありますので、SEO会社全般としても取り組み自体をリンク以外にシフトしなければならない状況にはあります。
同時に市場の認識も変化して、リンク中心ではない手法のSEOを行いたいという企業も少しずつですが増えてきておりまして、リンク以外のノウハウが自社にない状態では、すぐに別方向にピボットも難しいのでそうした会社は苦しいのではと思います。
逆にリンク中心のSEOで一定以上の成果をあげられる専門会社は今でも存在していますし、今後も一定数は残ると思います。ただし、それはそれでかなりの覚悟を持ってやられている会社でなければそうは出来ないと思いますので、そういう会社はかなり少数だと思います。
※編集者注:
実際には、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、最近は事業をシフトするか、撤退、事業譲渡、倒産、といった動きが目立ちます。
Googleの仕様変更によってSEO自体がしづらくなるかというと、特にそういうことではありません。仕様変更によって使えなくなった手法はたくさんありますが、逆に言えばそれだけです。
SEO上で考慮すべき項目は数えきれないほどたくさんありますし、多くの場合は優先順位も明らかです。それを一つ一つ整理して提示して、実現可能なところから実行していくだけです。
※参考※
・自然リンクを狙ってSEOの成果を出せる人は普通にスゴイと思う、という話と将来的なSEO事業の向かう先について
・Googleがアルゴリズムを変更する目的とSEOの役割
・“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス
※編集者注:
リンク→リンク以外への転換については、個人事業や少人数の組織ならまだしも、組織規模が大きくなると更にいろんな障壁があり本当に難しいと思います。既存の販路(特に代理店への依存度が高い場合)、既存の人材スキル、スキルを持つ人材の維持(離職防止)、新規採用、教育、標準化、リンク用インフラの処理、既存サービスの顧客、ほかにも色々と大きな障壁があります。外から見ているよりも「リンク中心のSEOから、リンクを使わないSEOをお金をもらえるレベルで組織的に提供するようにシフトする」ことはそうそう簡単なものではありません。
大げさに言えば、SEO事業としてくくっていても、それぞれはビジネスモデルとしてほとんど別物です。つまり単なる方向転換、ではなく既存のビジネスを一度破壊して新たに再構築するくらいの覚悟が必要なことだと認識しています(もちろんこれはもともとの状況にも依るのでしょうけど)。
と、ここ数年は本当にこのビジネスモデルの移行をしていくにあたり僕自身も色々大変な思いをしてきましたので長々と補足しました。誰かが知ってるとか出来るとかでは全然ダメで、みんなが出来る必要がある、それがビジネスとして成立する、というのが本当に大変なことです。そしてメンバー個々人のレベルの引き上げという意味では今後も際限ないのでまだまだチャレンジングです。
ヴォラーレのSEOに関する質問
SEOコンサルをする場合、コンテンツの提案はどんな事をしていますか?
もちろんサイトによってまちまちです。ただ、面白いことをやりましょうとか流行りの手法を使いましょうとかそういうのは違うと思うのですね。一つ一つ整理して、必要なコンテンツを洗い出して作っていくように地道な提案をしています。あまり派手なことは提案しません。
例えば既成品を販売するサイトと、オーダーメイドで作って販売するサイトでは同じテーマでも必要なコンテンツは異なります。情報収集期間を長くとるサービスを紹介するサイトと、ふと困った時に探して選んで見つけて申し込むようなサービスを紹介するサイトでも、コンテンツの戦略も重要性も大きく変わります。
自分のサイトに来て欲しい人、彼らが知りたいこと、彼らに知ってほしいことをまずは明確にして、それは良質な自然リンクの獲得につながるものなのか、或いは商品を比較選定される上でのポジティブな材料と成りうるコンテンツなのか、例えばそういうことを考えながらコンテンツを考えていきます。
※参考※
・Webサイトに必要なコンテンツとSEOについて
・「ユーザー」から出発するWebコンテンツ企画の5ステップ【基本編】
・元雑誌編集者が語る、あなたの”コンテンツマーケティング”が上手くいかないワケ
SEOをバリバリ頑張るのと、広告含めた予算のバランスはどう提案されてますか?
当たり前っぽい回答ですが期待できそうな投資対効果による判断となります。
SEOに取り組み、自然検索流入を改善することで大きな成果を上げられる可能性が高い(伸びしろが大きい)のであれば、SEOに積極的に投資してもらうように提案します。分かりやすい例では、規模の大きなコンテンツなのに実装が甘いために相応な検索流入が得られていない、リスティング広告には月に500万円投資している、であれば、短期間で一気にサイトにテコ入れしてSEO側の改善をしましょうという提案が出来ます。
逆にサイトの多方面の改善で自然検索を伸ばすにはそれなりの期間やコストを要するため、そこに見合った効果をあまり見込めないのであれば、SEOはそこそこに、広告を中心としたマーケティングを優先させるべきです。常にSEOに全力投球する必要はどこにもありませんし、SEOに取り組んでも期待できる効果が全体から見て微小なのであれば、こんな面倒なことやっている場合ではないことがほとんどと思います。時間と労力ばかりかかって何も得られませんし。
※参考※
・SEO対策とリスティング広告の共通点/相違点
・SEO対策を実施するメリット
その他
SEOにおいてschooのここが素晴らしい!というのはありますか?
なんとも答えづらい質問ですが、外から見て言えるレベルの回答としては、現状でSEOはそこまで優先して意識していないのではないかな、と思います。今は、基本的に生放送を中心として、schooのアカウントor講師本人or講師の所属団体がソーシャルメディア上で拡散して集客/スクー自体のファンがサイト巡回中に放送を発見して視聴、という流れが主流かと思いますし、現状ではそれでかなり集客はできているのではないかと思います。
これまで蓄積した放送情報及び受講者の投稿によるテキストコンテンツといった独自の情報資産に加え、ユーザー参加が非常に活発なメディアになっているため新たな仕組みのユーザー投稿型のコンテンツなども促進しやすいだろうといった特性もありますので、SEOを本格的に実践することで、もっともっと検索結果での露出を改善していくことは出来ると思います。
参考する書籍があれば教えて下さい。/ おすすめのSEO本はありますか?
ということで定番の本を紹介します。下2つは最近出版されたものでお勧めです。
- 検索にガンガンヒットさせるSEOの教科書
- SEOを強化する技術 エンジニアが内側から支えるサイト設計・構築術
- いちばんやさしい新しいSEOの教本 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方
- ネットショップSEO 2014
このあたりでしょうか。
まとめ
あまりまとまりのない感じにはなってしまいましたが、でてきた質問は現場でも割とよく聞かれるような質問であったりというところで、一つくらいは参考になる問答があればなあと思います。
ちなみに最近はこんな形でスクーさんで声をかけていただいたり、自分でもちょっと大きめにセミナーを開こうとしていたり外に向けて発信することが増えて、認知度が上がっているんだなあととても嬉しくなります。スクーさんの方は会社でチャンネルを持たせて頂いているので、また何度かやると思いますので引き続きよろしくお願いいたします。
「SEOで月間1000万PVのサイトを作る方法」のSEOセミナーがDVD化されました
さて、タイトルの通りなのですが、昨年開催した自社メディアを題材としたSEOセミナーがDVDとなって販売開始しましたのでお知らせさせて頂きます。既に一部告知もしておりまして多くの方に購入も頂いていて皆様本当にありがとうございます。
※詳細:【DVD】Web担当者のためのSEOノウハウセミナー ~広告を一切使わず1年で1000万PVのメディアを作る方法~
セミナーの概要とDVDの内容
昨年、Applivという弊社が運営しているアプリ検索サイトを主題に、内部データや社内事情なども公開しつつ、具体的にどういうSEOを実践してきたかについて語り倒すという内容でSEOセミナーを開催しました。
テーマとしては「SEOで月間1000万PVのメディアを作りましたよ」という内容です。(昨年時のデータですので今はPVはもうちょっと増えています)
※当時Find Job!Startupさんに取材して頂いて一部内容が公開されておりますのでよろしければこちらも参考にどうぞ。→SEOで月間1000万PVを集めたサイトの「SEOノウハウ」を公開します
セミナーでは、全体感から細かな実装についても触れていましたので、実質3時間くらいの講義でしたがかなりギチギチに詰まった内容になってしまいました。幸い、参加したお客様からはありがたい感想を思いのほかたくさん頂きました。
もともと、結構な内部事情までお話するというところで参加費25,000円の有料セミナーとやや強気な価格設定としまして、社内からも「ちょっと高くない?」という意見もありました。
ですが実際には大変ありがたいことに2回とも満員御礼(2回目は飛び込みで参加したいという方まで来られて、予備席まで用意しました)で、計110名様を超えるお客様に参加頂くことができました。本当に感謝ですね。
そのセミナーをこの度は21,600円(税込)という価格でDVDとして販売するということになっています。なかなかボリューミーなので2枚組です。
※詳細:【DVD】Web担当者のためのSEOノウハウセミナー ~広告を一切使わず1年で1000万PVのメディアを作る方法~
変にポジショントークを入れたつもりもありませんので、総じて、SEOの仕事に関わる方であれば必ず何かしらの気付きが得られる内容と思っています。
DVDをご購入頂いた方からの反応
たかぽんさんというSEOでは有名なアフィリエイターさんがDVDを購入して頂いていてコメントをしてくれました。
@amateras_seo 買いましたよ!勉強になります。(まだ開始7分)
— たかぽん (@takapon216) 2014, 5月 17
彼ほどの実力者を開始7分で満足させる内容ということで、一度ご覧いただく価値はあると思います。
何を吸収して頂きたいか
あらかじめお断りしておきますと、普段からこうしたブログやセミナーなどで積極的に情報収集をされている方にとっては、そこまで目新しい内容は多くはないと思います。
聞いたことあるような話ばっかりじゃん、と思うかもしれません。ですが、それでも良いのです。
今回は、
- 実際にある程度の規模のメディアを作って運営するにあたり
- 何を考えてSEOの戦略や方向性を決めて
- 「当たり前に聞くような」手法をどのようにサイトに反映させて
- それが結果としてどう結びついたのか
こうしたことをまずは読み取って頂きたいというのがまず第一です。
しかし、DVD冒頭の挨拶でも触れていますが、このサイトで上手くいったことが他のサイトで上手くいくことだとは限らない(むしろ、そうでないことのほうが多い)ことは間違いありません。
ただ、このサイトが行ってきたアプローチの中から、エッセンスとして活かせる要素は必ずどこかにあると思います。それを抜き出して、サイトに反映させて頂ければ本望です。
最後に、
- かなり早口だと思います。
- かなり前髪長いです(今はもっと爽やかです)。
- 一部、質問内容に特定の個人名や会社名が出ましたのでその部分のみカットしています。
という点はあらかじめご了承くださいませ。プレゼン資料はPDFとしてお送りします。
ということでオチも何もなくて恐縮なのですが、是非ご覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。→DVD販売の詳細はこちらから
※今週、別のセミナーでも話します。こちらは小人数制です。→Web制作・開発者対象 SEO内部設計基礎セミナー
ヴォラーレ株式会社 土居
このサイトの運営をお手伝いして頂ける方を募集します
さて、普段からこのブログを見て頂いている分には、空気感としては至って冷静に、割と草食系な記事を連投しているイメージを持っておられる方は多いかもしれません。
しかし運営側の実情をお伝えしますと、やれ更新頻度をもっと上げられないのか、やれそのための時間を作れ、など社内で上からも下からも横からもあれやこれやと日常的に言われている状況でございます。
個人的な感情としては好き勝手言いやがってとか思いつつ、いい機会ですしこちらのサイト運営のお手伝いを専任で行って頂ける方をここで募集してみることにしました。
ところでこのブログって何のために書いてるの?
さてここからはちゃんと真面目な話ですが、このブログについては、僕の文書でのアウトプットの主戦場としてやってる意味もありますが、ビジネス的な視点で言えば、
- SEOについて色んな人により深く興味を持ってもらうこと
- このサイトを知ってくれる人が増えること
- このサイトに定期的に訪れてくれる人が増えること
- 僕らが何を考えてSEOをやっているのかを色んな人に知ってもらうこと
- ヴォラーレという会社に興味を持ってもらうこと
- 最終的にはお仕事の相談やセミナーへの参加が増えること
こんなことがざっくりとした目的になっています。そして徐々に目に見えてそういう感じになってきました(ので余計にこういう所に力を入れようという空気になっているわけですね)。
ですので単純に流行りそうな記事を書いてとにかくPVを増やしたい、とかそういうことではないのです。僕らと仲良くなれそうな人が定期的にチェックしに見に来てくれる、みたいなサイトを目指しています。更新頑張り始めたのはここ数カ月ですけれども。
なんとも短期的な効率は決して良くないかもしれませんがそんな目論見でやっているサイトですので、真面目にお手伝い頂ける方がいらっしゃると嬉しいなと。
ということで誰か手伝ってくれませんか
こんな感じのメンバーを募集しています。
求めるスキル
こんな人が来てくれるとうれしいです。しかしこんな人がそうそう都合良くいるんでしょうか。
- WebとかSEOとか検索が好きな人、勉強してる人、勉強したい人
- リサーチ力、学習能力、文章作成力が高い人
- ブログ等、Webで文章を書くことに慣れている人
- 適当な仕事をしない人、長続きする人
- 僕と気が合いそうな人
やってほしいこと
- WebとかSEOとかに関してどんどん情報収集して学習してください
- 有用なネタになりそうな話題を草稿として書いてください
- 内容として問題がないのであればガシガシ投稿して下さい
- あとは能力次第で色々お任せしていきます
お金以外に得られるもの
- WebとかSEOとかをもっと知ることが出来ると思います
- 僕が教えられることはいくらでも教えます
- 自分の書いた文章をそこそこの数の人に見てもらえます(※1)
- 僕とかうちのメンバーと仲良くなれます(※2)
※1:最近は1記事あたり1000~5000PVくらいです。
※2:人によりますが。
条件
とりあえず一旦は社員、アルバイト、大学生インターンなど特に問いません(週3~4とかでも大丈夫)。ただし、正社員なら相応のスキル(最低でもSEO実務経験者)を求めます。記事内容の監修は僕が行います。
こういうの大好き、みたいな大学生さんとかでも上記条件にマッチしているのであればきちんと教えられますので大歓迎です。
「別の団体の人間として寄稿とかって有りですか?」というのも内容次第では歓迎です。
何にせよ興味あればご連絡頂ければと。
どんな会社?
ちょうど弊社の採用サイトをリニューアルしたところなので興味あれば是非見て頂ければと。全体的に僕の露出が少ないのが会社の意図的なものかどうなのかはやや気がかりです。
※働くメンバーはこんな人たちがいます
※オフィスはこんな感じです
以上です
と、まあこういう感じです。あまりにも唐突な求人でアレなのですが、詳細は先ほどの採用サイトを見てそれらしきところからご応募頂くか、日常的にエゴサーチは欠かしていませんのでtwitterなどでコメント頂ければと思います。僕のtwitterアカウントに直接メンション頂いても構いません。
・ヴォラーレ株式会社 採用サイト
・僕のTwitterアカウント
以上よろしくお願いいたします。
ヴォラーレ株式会社 土居
これからSEOを始める方に、最初に知っておいて欲しいこと
新入社員として、あるいは部署移動などをきっかけに、4月からSEOの仕事をされるという方は多いと思います。しかしSEOの仕事とひとくちに言いましても、コツさえつかめば誰もが簡単に上手くできるようになります、というほど難易度の低い仕事ではないと思っています。
まがりなりにもこの業界でSEOに関わるような仕事を始めてから5年程度たちますので、決してベテランとは言えませんがそれでもこれから同じような仕事をする人に対して色々アドバイス出来ることはあるかと思いますので書きました。
この3つを前提としておきましょう
最初は10個くらい挙げていたのですが、だいたい同じようなこと言っているなと感じたので3つにまとめました。
- SEOでは全ての問題を解決できません
- 今のGoogleは完全なものではありません
- アルゴリズムが公開されなくても基本的なやるべきことは分かります
1つずつざーっと説明していきます。
SEOでは全ての問題を解決できません
SEOに過剰な期待を持ってしまったり、ある種の全能感みたいなものを持ってしまわないようにしましょう、ということです。まずは、この前提をきちんと理解することから始めます。
SEOを成功させることが、必ずしもサイトの改善にとって最短でも最善でもない場合はいくらでもあります。そういう場合には、SEOの効果を盲信してしまうことはその他の色々な可能性を狭めてしまうことに直結します。
SEOはあくまでも検索者とサイト運営者が検索結果を通じて接点を得られる機会を増やすための取り組みです。簡単に言えば検索結果での露出を高めるための取り組みです。
その視点で極端な話で言えば、サイトに掲載されている情報を誰も検索して探そうとはしていない、のであればSEOにコストをかける意味はありません。
つまりは、どの程度の問題を解決できるのかと言えばサイトによって様々で、自然検索トラフィックがどの程度ビジネスにとって重要なものなのかということに依存します、ということです。
また、SEOの仕事をする人がこういう視点でしかサイトを見れないようになってしまうと、「良いサイト=SEOに優れたサイト」のような狭い価値観になります。少なくとも、依頼者の視点に立てば、そういう人に自分のWebサイトの相談をするだろうか?ということを考えてみると良いと思います。
今のGoogleは完全なものではありません
不完全というのはどういう根拠のもとで言っているかと言えば、
- 検索する人が検索する言葉をある程度考えて打ちこまないとうまく欲しい情報に辿りつけないことが多い
- サイトが検索エンジンが理解できるように作られていないときちんとヒットしないことが多い
- ユーザーが本来求めていないような情報が上位に表示されることが多い
などの点からです。
日本語でくくってしまえば、Web上の情報を収集したり整理したりする仕組みの性能、検索された言葉の意図の解釈の精度、ランキング決定のためのルールの精度、などまだまだ改善されていく余地は全然ありますよね、ということです。
ユーザーが欲しいと思っているベストな情報に検索を通じて瞬時にアクセスできる、という点をひとまず検索エンジンが目指している1つの目標とするのであれば、まだまだ遠い場所にいるのかなという所感です。
しかし、ある程度色んな勉強をしたうえで、色んなキーワードでの上位表示サイトとかの分析みたいなことをやったり自分である程度思った通りの成果が出せるようになると、突然「なんかGoogleのアルゴリズム掴んじゃったかも」という感覚に襲われたりすることもあります。
これは断言できますけどその感覚は100%単なる勘違いです。全部なんて見えるわけありません。傾向とか○○の点で改善してきているとかそういうことはもちろん日々の検索結果のリサーチで把握可能なものだと思いますが。
まだシステムとして不完全なもので不具合的な要素だって検索結果には多分に含まれていて日常的に変更が加えられているアルゴリズムに、手動対応などの人的要素がそこに加わっていて、更に人的な対応のルールすら固まっていない(頻繁にルールややり方に調整が入っている)ような印象を受けています。
つまるところ、バグとか曖昧なルールとか目下改善中とか目下テスト中の項目だってたくさんあるわけで、そういう検索結果を僕らは見ているわけですね。
ちなみに、「掴んだわ」的なことを言う人、あるいは掴めるものと信じて止まない人の特徴として、Googleというシステムの未熟さには気付きつつも、一方でものすごく不変的かつある意味で完璧な何かを期待していることが多いと思います。
ただ、実際にはそういう人が思っている以上にものすごく流動的かつ曖昧な要素が多い、という前提で考えなければいけないのです。
もちろん僕も昔は「なんか掴んだ気がする。分かってきた」とか言ってた時期がありました。本当ごめんなさい。
アルゴリズムが公開されなくても基本的なやるべきことは分かります
先ほどとは逆の議論として、「Googleのアルゴリズムはブラックボックスなので」というのは非常に違和感あって僕は使わないようにしています。まあ確かに全部が見えないという意味ではブラックボックスではあるのですが、大きな影響のある変更や、一般的に常識となっているような評価項目などについてはある程度までは情報も公開されていますし。
実際には、「検索結果にどのように反映されるか(何番目にランクされるか)は最終的には分からない」だけであって、「何をすればもっと改善するのか」は分かります。それをとにかくやってみてどこまでそれを評価してもらえるかを検索エンジンの今の不完全な評価システムに委ねるわけですね。
例えば、の話ですが。
「このサイトが3位、このサイトが6位となかなか上位にいるのですが弊社のサイトは9位にいます。この差はなんですか?」というような質問はたまにありますが残念ながら僕は答えられません。次の日になって検索結果上位のサイトがガラっと入れ替わっていることも多分にありますし、そうなった場合はその時に話したことは根拠を失うためです。
ここについては「考えても分からんものは分からん」という明確な割り切りが必要です。
ただ「こういう目標に対して、今どういうところに課題や不足があって、これから何をすればもっと良くなるでしょうか」であればいくらでも妥当な提案は出せると思います。その前に目標の見直しが必要な場合も多分にあるでしょうし。
どのような状況、どのようなサイトであれ、大枠としてやるべきことは割と明確なのです。
- 検索されることを考慮したサイトの設計、出現語句の最適化
- クローラー等の性能に合わせた技術面での最適化
- 長期的にビジネスに貢献し得るコンテンツの作成+リンクやシェアの獲得
まとめて括ってしまえば、かなり乱暴ですがこれくらいの3つくらいにまとめることは出来るとは思っています。そしてこのうちの1つでも著しく欠如しているとそれだけでSEOは減速します。
ですのでSEOをしっかりやるのであれば、上記のような項目それぞれについて改善の余地があれば、伸び白の大きいもの(出来ればコストのかからないもの)から順々にやっていくようなイメージです。
もちろん、コンテンツ→リンクの取り組みは、最終的には地道に継続することでしか成功し得ないものでもありますのでここのあたりは工夫と根気が必要です。
ただ、これはあくまでもしっかりSEOをやりきる上で、の話であって、実際にはサイトを作るときにはビジネスサイドの要求、UIやビジュアルデザイン面の要求、SEO上の要求などがところどころで衝突する場面が出てきますし、全てにおいてSEO側の事情を優先させるということはほとんどありません。
ですので前提として、SEOの仕事をする人は、そのサイトにおけるSEOの重要度を正しく評価できる必要があります。この辺は結構ひとくくりに言えない部分なので難しいことですね。
※ちなみに今月は自分でも制作とか開発の人のためのSEOセミナーやりますけど、こういう話題にも少し触れますので興味ありましたら是非。
最後に、SEOの仕事に必要な能力は半端なく広く深いものです
冒頭で5年くらいSEOの仕事に関わってきました、というお話をしましたが、やるべきことがある程度分かったとしても企画~制作~運用改善まであらゆるフェーズで求められるSEOのスキルを全てカバーしてくのはかなり大変だと思います。
自分で言うのも気持ち悪いですが、個人的には自分は決して学習能力の低い方ではないとは思っていますが、今はもちろん、正直今後も全部なんて到底カバーしきれる気がしません。自分がここまでやってこの程度なのだから、という逆の意味での自信は最近になってようやく少しずつついてきたところです。
言いたいことは、そうそう簡単な仕事だと思って甘くみて欲しくはないですけれども、しっかり勉強すれば、その分しっかり成果の出せる仕事ではあります。一定水準をクリアしているSEOのプレイヤーの母数に対して、潜在的なSEOの需要が過剰にある環境だと思いますので、そういう意味でもチャレンジし甲斐のあるテーマではないかなと思います。
以上、これからSEOを専門で仕事とされる方に参考にして頂ければと思います。
ヴォラーレ株式会社 土居
「SEOノウハウ」って何だろうね、という話
“SEOノウハウ”という表現、よく使われますけど、これまたエラく曖昧な、そしてその言葉を単独で使えば、何とも胡散臭い言葉だと自覚しています。この業界では特に、でしょうか。「僕らSEOのノウハウたくさん持ってるよ」とかドヤ顔で言われても何言ってるのか正直よく分からないですよね。
(※って言って”SEOノウハウ“って調べたら僕が以前に取材頂いた記事が1位に、、すみませんでした)
話を戻して、何をもってSEOのノウハウというんだろう、ということについて。言葉を明確に定義する必要もないとは思うんですけど、「言葉にするなら多分こういうものかな」って言えば自分はしっくりくるなと思ってる内容をまとめてみようと思います。
「SEOノウハウ」がそれ単独で出来ることは少ない
ちょっと話は逸れますが、例えば、大学生3人で始めたばかりのスタートアップ企業が、いきなりリクルートさんの主力Webサービスと同じサービスをWebで展開しても同じことはできないですよね(例に出してしまってすみません)。資金力、人的資源、組織力、ノウハウ、運用歴、ブランド、何もかもが圧倒的に違うわけですね。
そしてそれはSEOにしても同じことが言えます。
表面的なサイトの形や機能は同じように構築すれば同じようにできることは多いと思いますが、じゃあ既にそのジャンルのトップ(キーワードの順位だけじゃなくて事実上のトップ)に長らく君臨するようなサイトはそういう要素だけで出来上がってるの?と言えば全然違うわけです。
世間一般にSEOが強いとされるサイトを見てその表面だけ真似ても、長期的に蓄積されてきたWeb上の資産は一朝一夕ではまねられません。そういうサイトのSEOの”強さ”の土台となっているのは「SEOのノウハウ」なんていうものではなく、サイトへの投資、ビジネスへの投資そのものだったりします。
だから単にSEOに詳しい人がいるだけでは、ビジネスを加速させることには限界があるわけですね。
SEOに長けている人がWebに関わると何が変わるのか
じゃあ、SEO強い人がいると何が良いのよ?というお話で。SEOに関する知見の多寡によって差が出るのは、次のような項目なんじゃないかと思っています。
- そのビジネスにおけるSEOの重要度の評価を適切にできるかどうか
- そのサイトでの理想的なSEOのイメージ(将来像)を持てているかどうか
- 現状の課題を正しく認識し、現実的かつ妥当な施策のプランニングができるかどうか
- サイト運用や企業活動の実績をどれだけ有効なSEO資産に転換できるか
- 蓄積されたSEO資産をどれだけ有効な検索トラフィックに転換できるか
- 検索トラフィックをどれだけ資産や収益に転換できるか
せっかく良質なサイトを運用していてもこのノウハウが欠如すれば100の投資をした結果のリターンが20しかないかもしれない(実際そういうサイトは多いですよ、勿体ない)。
でも、ある程度の知見があればこれを150にできるかもしれない。
本当にSEOに強い人がやればこれを300まで持っていけるかもしれない。
ちょっと雑ですけど、個人的には、SEOのノウハウというのはそういう類のものだと思っています。
ちなみに”SEO資産”というと何とも怪しい表現ですが、砕けて言えば「検索エンジンに認識・評価され検索結果により多くサイトが露出されるための材料となるもの」みたいな感じでしょうか。
コンテンツやリンクといった直接的な資産は分かりやすいですが、「継続的にサイトに訪れ、リンクや共有をしてくれる可能性の高いユーザー」みたいなものとかそういうのも本質的にはサイトの資産と考えるべきかなとも思います。
何にしてもサイトに色んなものを蓄積していくことは必要
基本的には先ほどこういうものになります。ただし、人工リンクみたいにサイト自体の改善をせずに評価を底上げするようなやり方を除き、100の投資自体はきちんとする必要があるんですよね。
つまりサイトに対する100の投資を300のリターンに出来るような”SEOに強い人”がいたとしても、投資が10のサイトであればそれを30にすることしかできないんですね、超単純計算では。
その場合、別のサイトでそれなりのスキルを持った人たちが100の投資で150のリターンを返してきているなら、そのサイトには勝てないわけです。
多分これがSEOノウハウというもののある意味での限界かなと思っています。
何もない状態で出来ることがほとんどなくて、何かする場合には基本的に何をするにもSEOが関わってくるのでそこにいちいちSEOを考慮した要件や仕組みを組み込んでいく、そんなイメージです。
しかし、言うは易し、するは難し
簡単に言っていますが、先ほど挙げたようなこと(資産を蓄積し大きなリターンに転換する)を本当に上手に実現しようと思うと、SEOと一言で言っても本当にいろんなことを知っていないといけないし、最低でも、相応に広い視野を持たないといけないのです。
また、必要な素養が幅広いので大変です、ということ以上に、明確なリターンが見えるわけではなく、かつ確かな正解のないものに、そうした動きを積極的にしていきましょうよ、としてそれを実行に移すまでのハードルが、企業によっては非常に高いと思うんですよね。
そういうところを少しでもカバーできればと思って(勿論、あわよくば案件のご相談など頂ければと思って)セミナーとか勉強会とかもやっているわけですね。今は需要の濃い話題とか、検索エンジン周りに寄せていますが、今後少しずつ領域広げてバリエーション増やしていきたいなとも思っています。
そんな感じで引き続きよろしくお願いいたします。
ヴォラーレ株式会社 土居
“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス
少し前に個人ブログでこんな記事 (「ホワイトハットSEO」という言葉に感じる何とも言えない違和感とか気持ち悪さとか) を書いていながらちょっと気持ち悪いですがこの記事では便宜的に使わせてください。
リンクを使わないSEO(≠ホワイトハットSEO)なるものをしているけど上手くいかない、という相談が最近特に多いのですが、そういう方と話していると結構考え方に共通点あるなと感じています。
“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人によく見られる特徴
いろいろあると思いますけど大半の場合、これらに当てはまるかなと思います。
- 「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている
- コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている
- SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている
これにどれも当てはまらない、という方であれば有料リンクに頼らないSEOというのはごく自然なものなのでしょうし、そういう取り組みの中で何を成果目標とするか、どういうスパンで物事を考えるべきか、などもサイト毎にある程度定めやすいと思います。
一方、ここに2つないし3つが当てはまるような感覚であれば、本来的な意味での「ホワイトなSEO」というのは非常に遠回りな施策になりがちです(目指しているものと得られるものが極めて一致しにくい)。
そしてこういう人が目標とプロセスのミスマッチを認識しないまま「ホワイトって所詮は理想論だよね」って言ってるのを見るとそれはさすがにちょっと違うなあと思うんですね。見据える目標によっては「ホワイトが限りなく理想論」であるということもあるのは事実ですが、今の時代は決してそうではないことも多いのです。
さて、ひとつずつ解説を。
「ホワイトハットSEO=リンクを買わないこと」と思っている
間違っても「ホワイトハットSEO=リンクを使わずに上位表示する方法」なんていう意味ではないんですよね。
たとえばですが、順位を上げるためにサイトにとって価値のないコンテンツをガツガツ投下してるならそれは普通にガイドラインに抵触する行為です。でもその認識がない人も多いようです。
ちなみにそういう方に特徴的なこととして、ページの情報量を「文字数」で表したり、サイトの情報量を「ページ数」で表したり、コンテンツの品質を「オリジナルテキストかどうか」などで判断したりする傾向があるなあと感じます。
少なくとも、ユーザーが何を求めてサイトをどう利用するのか、どんな態度変容やアクションを求めるか、みたいな視点があれば、もうちょっと有機的な捉え方が出来るようになると思いますが。
話を戻すと、あくまでもガイドラインに抵触しない範疇でサイトを展開し、総合的に検索エンジンからの評価を高めていくための一連の取り組みをホワイトハットSEOとかって呼ぶわけですので、「リンクを買わない」とかっていうのはその前提条件のひとつでしかないわけです。
リンク買ってないのに順位が下がったとかいう話もありますけどリンクを買った買ってないとかその事実自体は割とランクには関係ないことです。そのキーワードに関してサイトやページを上位に掲載するに値すると算出されるかどうか、検索結果を決めるのは結局それだけです。
コンテンツを増やすことがリンクを増やすことの代替になると思っている
これも多いんじゃないかなと思います。簡単に言えば「リンク買うんじゃなくてページ増やそう」的な発想ですね。結論としてはコンテンツを増やすことはリンクを増やすことの代替ではありません。それはそれ、これはこれ、です。
コンテンツを増やすことにはもちろん意味があります。サイトの情報量を増やすという意味でも情報の鮮度を保つという意味でもSEOとしての価値もあります。ただ、それ自体はSEOというよりもコンテンツを作って公開するという普通のことですよね。
それなりのキーワードで上位にランクさせたいなら少なくとも今のGoogleではサイトにリンクを集めることは必須です。リンクを買ったり自分で貼ったり交換したりしないから正しい、のではなく、買ったりしないのであれば正当なアプローチでリンクを集めていかないとダメなのです。
継続的に新しいコンテンツを公開することはトラフィックや自然リンク獲得の起点となりますし、リピート訪問の動機にもなります。そういうことの積み重ねによって、検索エンジンからの評価が次第に高くなり検索結果上での露出が増えていく、結果として更にトラフィックやリンク獲得機会が増える、そういうサイクルに乗せなければいけないのです。
SEOの目標を特定の商用ワードの上位表示のみに据えている
結構、ここが根本的で根深い問題だと思っていまして。上位表示ビジネスとしてSEO市場が出来あがっていて、それがロクに修正されずにここまで来ているのでなかなか「SEO=上位表示」の感覚って市場全体から抜け切らないと思うんですよね。
ホワイトなSEOを行っていく上では、人気のキーワードで上位表示される、というのは色々やった上で「結果的に」出てくる成果だったりするんですよね。
少なくともそれ「だけ」をターゲットとして施策を打とうとすると、技術的なことも、マーケティング的なことも、コンテンツにしても、本来とても重要な色々な項目があまりSEO的に価値のないものに見えてしまうわけです。なぜなら「上がったか?上がってないか?」の判断基準しかないためですね。
参考までに2012年8月に公開したApplivという自社メディアのデータを一部公開します。綺麗なSEOと言い切れる自信は全くありませんが、少なくともこのサイトに自分たちでリンク作ったりとかそういうことはやっていませんので、都合良く解釈すれば「ホワイトなサイト」と言えると思います。
たとえば「iphoneアプリ」「ipadアプリ」みたいなキーワードのサイト公開時からの推移はこんな感じです。
まともに上位にくるのはリリースしてから1年くらいかかっていますね。ただ上がったのちは安定です。
これは「ホワイトハットだから」とかそういうことでは全然なくて、特に大きくランクを下げるような爆弾を抱えているわけではないですし、このワードで追随してくる競合サイトがそこまで多くない、ブラックハットに支配された検索市場ではない、などの理由からです。
じゃあ上がるまでの1年間どうするんですかという話でいえば、別に検索は他でもたくさんされていますし検索以外の流入経路もありますのでちゃんとサイトを運営していればトラフィックは増えていきます。(実際に上にあげたようなワードでの流入の影響って2つ合わせても検索トラフィック全体の1%にも満たない僅かなものです)
参考1:当社事例:SEOを集客の軸とした自社メディア「Appliv」でリリースから1年強で月間1000万PVを達成
参考2:SEOで月間1000万PVを集めたサイトの「SEOノウハウ」を公開します | Find Job ! Startup
で、蛇足なのですがこういう話をすると「やっぱり大事なのはロングテールキーワードなんですか?」ということを思われる方も多いとは思います。
でも、ロングテールからの流入が増えるってのもやっぱり必要なことを色々やった上での結果そうなりますよ、という話でしかなくて、何とかしてロングテールの流入を増やそう!とか思ってやるようなことでは本来はないと思うんですよ。それがゴールになることはないですし。
“ホワイトハットSEOが上手くいかない”という人へのアドバイス
もし、「目標とする成果」と「結果として得られるであろう成果」がマッチしないのであれば、それは何かを見直すべきです。失敗しているケースの多くがここに起因すると感じます。
具体的には、そのアプローチで得られるであろう妥当な目標設定に変えるか、やり方を改善するか、あるいはアプローチの方法自体を変えるか、そういうシフトが必要になると思います。
また少なくとも「短期間で特定のワードで上位表示を実現する」という点だけで言えば、誤解を恐れずに言ってしまえば、(検索連動型広告の出稿以外では)巧妙なブラックハットSEOほど目標に直結するものは現時点ではないと思います。
ただし、その成功率や、どれほど維持することが期待できるか、とか本当にそこだけでビジネスが完結するのか、という視点を取り入れたときに、特に企業サイトにおいてはやはりブラックハット依存の手法は非常に推奨しづらい、または推奨し得ない場合が多いものなのです。
ここまでお伝えしてきたことをまとめます。
- コンテンツの投下をリンク購入の代わりにしようとしても上手くいきません。
- リンクを買わなければOKではなく、リンクは継続的に獲得していかなければいけません。
- ホワイトなSEOで特定ワードの上位表示だけを重要指標にすると大抵失敗します。
こうした点がボトルネックになって、なかなか上手いこと望んでいた成果にたどりつけていなかったりするのではないでしょうか、というお話でした。
じゃあどうすれば良いの?という点についてはここから書き始めるとまたエライことになりますが、割とこういう感じの話を勉強会形式のセミナーなんかでも話したりしていますので個別にご相談などあればぜひお越しいただければと。
ちなみに最後の項目については、競合性の高い特定ワードの上位表示がビジネスに対してどの程度インパクトを与えるものなのか?によって優先度に線引きをする必要があると思います。
それにこだわる必要がないようなインパクトであれば、そこだけに固執することは単に集客の可能性とWeb上の視野を狭めることにもつながりますのでお勧めしません。
また、そこにこだわる必要があるようなインパクトがあったとしても、今のリンク中心の上位表示対策は以前に増してギャンブル性が高いものと言えますので、少なくともそれに全てを依存する、ということはやはりお勧めしません。その他の集客チャネルも視野に入れながら、短期~長期に渡りバランスよく施策を割り振るのが妥当と思います。
何にせよ、特定の手法それ自体が何かの目的になることはありませんので、皆様その点ご注意ください。
ヴォラーレ株式会社 土居