Microsoft、Windows 8.1 Update 1を発表―提供開始は(日本時間)4/9

予想通り、Microsoftは今日のBuildデベロッパー・カンファレンスでWindows 8.1 Update 1を発表した。今回のアップデートでは無数の小改良、新機能に加えて、Microsoftは入力のタッチ化に大きな努力を払ったようだ。

このアップデートはWindows Updateを通じて4月8日(日本時間4月9日)からダウンロード可能となる。

MicrosoftはWindows 8のタッチ化に非常に真剣に取り組んでおり、今や入力手段としてのマウスとキーボードは脇に押しやられつつある印象を受ける。

リーク情報として流れていたとおり、Update 1ではWindows 8.1のブート処理にも変更があった。デバイスがタッチ入力をサポートしていないと判断するとOSはデスクトップをロードするようになった。これは小さいが重要な改良だ。

その他、Metroアプリをデスクトップのタスクバーにピンする、アプリを明示的に停止するなどの改良も予期されたとおり実施された。

Internet Explorer 11はレガシーのビジネス・アプリをサポートするようアップデートされる。

Windows 8.1 Update 1はレジストリーを少しいじるという簡単な方法によってほとんどの情報が事前にリークしていたので、今日の発表に驚きの要素はほとんどなかった。それでも公式発表でUpdate 1をめぐる推測に最終的にケリがついたことは確かだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


2歳となったRaspberry Piの販売台数は250万台超。さらなるオープン化にむけた1万ドルコンテストを開催

Raspberry Piが誕生日を迎えた。Linux搭載のローコストマイクロコンピュータは2歳となったわけだ。2歳ではあるが、とても大きく育った。

イギリスのケンブリッジ発であるクレジットカードサイズのコンピュータの価格は$25ないし$35だ。販売を開始するまでは、数千台も売れれば良いほうだと考えていたそうだ。しかし予想は良い方向に大幅にずれ、発売初日にModel B Piが10万台も売れることとなった。全モデルの累計では昨年10月までに175万台を売り上げ、そしてそこからさらに売り上げを伸ばして、現在は250万台にまで伸びている。

Raspberry Piは、当初から、そして今でもクリエイティブなプロダクトで用いられている。たとえばPi Foundationの当初のミッションである子供にコンピュータやコーディングを教えるための教材としても、多く世に出ている。またメーカーやスタートアップもRaspberry Piを活用したデバイスなどを多く生み出している。こうした動きは、業界に携わるものとして、みていてとてもエキサイティングなものだ。

Piが成長していくなか、非営利団体のPi Foundationは10万ドルの賞金をかけたコンテストを企画している。これはオープンソースのグラフィックドライバーをPi上に移植することを目的とするものだ。

現在のところ、Piとハードウェアの通信には、オープンソースではないバイナリのドライバー(blob)が必要となる。しかしチップメーカーのBroadcomが同等のチップで利用できるドライバーのソースコードを公開したことをうけ、これをPiに移植したいと考えているわけだ。移植が完了すれば、グラフィック面でもblobの利用をバイパスし、さまざまな機能を利用できるようになる。

コンテストの詳細は以下(英文)に記載されている(いつまで行われるのかについての記載はない。移植が完了するまで、ということなのだろう)。コンテストのルールについてはこちらに記載されている。

In common with every other ARM-based SoC, using the VideoCore IV 3d graphics core on the Pi requires a block of closed-source binary driver code (a “blob”) which talks to the hardware. In our case, this blob runs on the VPU vector processor of the BCM2835 (the SOC or System On a Chip at the heart of the Raspberry Pi); our existing open-source graphics drivers are a thin shim running on the ARM11, which talks to that blob via a communication driver in the Linux kernel. The lack of true open-source graphics drivers and documentation is widely acknowledged to be a significant problem for Linux on ARM, as it prevents users from fixing driver bugs, adding features and generally understanding what their hardware is doing.

Earlier today, Broadcom announced the release of full documentation for the VideoCore IV graphics core, and a complete source release of the graphics stack under a 3-clause BSD license. The source release targets the BCM21553 cellphone chip, but it should be reasonably straightforward to port this to the BCM2835, allowing access to the graphics core without using the blob. As an incentive to do this work, we will pay a bounty of $10,000 to the first person to demonstrate to us satisfactorily that they can successfully run Quake III at a playable framerate on Raspberry Pi using these drivers. This competition is open worldwide, and you can find competition rules here which describe what you have to do, and how to enter.

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(翻訳:Maeda, H


サイトにパスワードを保存する必要なし― Microsoft、Google等がユーザー認証の新規格、OpenID Connectをサポート

ユーザーをウェブサイトやモバイル・アプリにサインインさせること自体は特に難しくない。しかしログイン情報を安全に保つテクノロジーはこれまでセキュリティー専門家が扱うものとされてきた。

今日(米国時間2/26)、OpenID財団がローンチしたOpenID Connectは分散IDシステムに基づくユーザー認証の新しい規格だ。これに対してMicrosoft、Google、Salesforce、Deutsche Telekom、AOL(TechCrunchの親会社)など有力テクノロジー企業と電話キャリヤ多数がサポートを表明している。

デベロッパーはこの規格を利用して簡単なコードを書くだけでサインインのプロセスをMicrosoftやGoogleなどのIDプロバイダににアウトソースすることができる。つまり.OpenIDdを利用すればデベロッパーは自らのサーバにパスワードを保管する必要がなくなる。

OpenID財団は、この新規格によってデベロッパーはユーザーのログイン情報の安全な保管という重荷から解放されるとしている。デベロッパーに代わって、大規模なインフラと高度な技術力を持ち、セキュリティーに対する侵害について常に最新の情報が得られるIDプロバイダがログイン情報を安全に保つ責任を負うことになる

OpenID財団の以前のログイン規格とは異なり、OpenID ConnectはSSL接続に加えてOAuthによるユーザー認証を採用している。以前の規格はXMLと独自のメッセージ・シグナチャーを利用していたため、デベロッパーが実装するためには相当の技術力を必要とした。新バージョンでは、OAuth 2.0が安全な接続とデータ交換を処理する。

それではなぜOAuthだけでなく、その上にさらに別のレイヤを必要とするのだろうか? OpenID財団の崎村夏彦理事長は「OAuthはアクセス許可のプロトコルだが、ユーザーの身元を確認するプロトコルではない」という(ビデオで崎村理事長が自ら説明している)。そのためOAuthにはなりすましを許しやすいなどの弱点がある。FacebookもOAuthを利用してサードパーティーのサインインを助けている。 Facebookのsigned requestsはFacebookの独自規格であるという点を除けばその機能はOpenID Connectと非常によく似ている

Googleのアイデンティティー・プロダクトのグループ・マネージャー、Eric Sachsは私のインタビューに対して「ほとんどのデベロッパーはOAuthの処理に慣れている。このプロトコルの主要部分は、多くのデベロッパーがAPIにアクセスするためにすでに利用したことがあるテクノロジーだ」とConnectを使う利点を強調した。Sachsによれば、GoogleはOpenID ConnectをGoogle+のサイイン・ライブラリに採用するのを始めとしてその普及に全力で取り組むという。

Googleはサードパティーに提供するサインイン機能をすべてOpenID Connect規格にアップデートし、現在のOpenIDは来年にもサポートを打ち切る予定だ。Sachsは「デベロッパーはできるだけ速やかにOpenID Connectに切り替えるべきだ」と言う。

しかしOpenID Connectにとって普及に向けての大きな勝利は、今週、今回の規格の正式発表に先立って、 バルセロナで開催されたモバイル・ワールド・コングレスの主催者であり800社以上のモバイル・ネットワークが参加する団体、GSMAが新しい安全なモバイル接続におけるユーザー認証の規格としてMobile Connectを制定したことだ。モバイル・ネットワーク各社はOpenID Connectの採用によって、ネットワーク間の安全な相互運用性が確保されることを期待している。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoft、コード・スニペットをStack Overflowなどからスマート検索できるアドオンをVisual Studioに追加

初心者だろうとベテランだろうと、プログラマーであればうまく再利用できるコード・スニペットを探してStack Overflowその他のサイトで長い時間を過ごしているはずだ。よく言われるように「車輪を再発明する」ほど無駄な努力はない。

今回、マサチューセッツ州ケンブリッジのMicrosoft Researchのチームがスニペット検索のプロセスを効率化してIDEに統合してくれた。Microsoftは今日(米国時間2/17)、Bing Code Searchアドオン公開した。これはC#(他の言語も今後サポートされる)のコード・スニペット検索機能をVisual Studioに組み込むものだ。

ここで重要なのは、単なる標準的な検索機能ではなく、自然言語を利用したスマート検索がサポートされているという点だ。たとえば、「ファイルを1行ずつ読む(read files line by line)」というような条件で検索ができる。このツールの検索機能はBingが受け持ち、サービス自体はWindows Azure上で走る。

検索対象となるのはStack OverflowMSDNDotnetperlsCSharp411の各サイトだ。すべてのスニペットはコンパイル可能かどうか自動的に検証される。また検索アルゴリズムはそのスニペットに対するコミュニティーの投票など各種の価値づけ情報を考慮して表示順位を決定する。

もうひとつ大変に便利な機能は、単にスニペットをコピー・ペーストするのではなく、ユーザーの既存ソースコードに合わせて変数名を調整してくれることだ。

もしVisual Studioをインストールしていなくてもウェブ版がこちらから使える(インターフェイスは若干異なる)。

私の取材に対して、 開発チームの上級研究員、Youssef Hamadiとポスドク研究員のYi Weiは「プログラマーなら誰でも実感すると思うが、変数名をユーザーが使っているものに変換することはソースコードを非常に読みやすくする」と語った。

Hamadiはまた「このツールで、初心者はコードの書き方が学習できるしベテランはその目的にもっとも適切なスニペットすぐに選び出せるので、どんなレベルのプログラマーにも有益だろう」と語った。

Microsoftの社内テストではこのBingコード検索を利用すると問題解決に要する時間が60%早くなったという。

提携サイトの一つであるStack Overflowのエンジニアリング 担当副社長David Fullertonは「この提携でわれわれのサイトへのトラフィックが減るとは予想していない。検索結果にはオリジナルのソースへのリンクが表示される。多くのユーザーはわれわれのサイトを訪問して詳しく調べたいと思うだろう」と語った。

Microsoftがこの方向をどう発展させていくか楽しみだ。極端にいえば、将来は自然言語検索を繰り返すだけでプログラミングができるようになるのかもしれない。Hamadiは「われわれはこのテクノロジーをベースにしたプロダクトをさらに用意している」と語った。

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