Intel子会社MobileyeがUdelvと提携し2028年までに3.5万台の自動走行配達車両3.5万台を展開

Intel(インテル)の子会社Mobileye(モービルアイ)が自動走行車両で野心を膨らませ、配達分野に参入しようとしている。

Mobileyeは4月12日、自動走行する多数の配達専用車両に同社の自動走行システムを提供すべく、Udelvと契約を結んだと発表した。両社は2028年までにTransportersという名称の車両3万5000台超を走らせる計画だと述べた。商業展開は2023年に開始する見込みだ。

まずは米国の商用車リース管理会社DonlenがTransporters1000台をプレオーダーした。

今回の発表は両社にとって大きな意味を持つ。自動走行車両配達スタートアップとして創業されたUdelvはMobileyeの自動走行システムを受け入れ「自動走行デリバリーを可能にするハードウェアとソフトウェアの構築」に注力することを選んだ、とCEOのDaniel Laury(ダニエル・ラウリー)氏はTechCrunchへの電子メールで述べた。

「配達する商品の多様性、配達方法のバラエティ、配達のラストマイルと中間マイルの自動化に関連する込み入った複雑な問題を考えるとき、これは解決すべきエンジニアリングの中心的な問題です」とラウリー氏は述べた。「Mobileyeと提携することで、Udelvはリソースと取り組みのすべてをビジネス応用の最適化に注ぐことができ、その一方でMobileyeはすばやく展開するツールを提供します。ウィンウィンの関係です」。

カメラベースのセンサーのデベロッパーとして始まったMobileyeにとって、この提携は新たな事業拡大となる。同社の技術は高度なドライバーアシスタンスシステムをサポートするものとして大半の車両メーカーに採用されている。偏在、車両5400万台超がMobileyeのテクノロジーを搭載している。

「2社の提携はすばらしい組み合わせで、大規模展開ができます」とIntelのシニアエンジアニア主任で、MobileyeのAutomated Vehicle Standards担当副社長を務めるJack Weast(ジャック・ウィースト)氏は直近のインタビューで述べた。「そしてこれはMobileyeのテクノロジーが、すでに発表した分野に加えて商品配達の分野でも活用されるという公式な初実証ポイントとなります」。

2017年に153億ドル(約1兆6742億円)でIntelに買収されたMobileyeは近年、高度なドライバーアシスタンス技術から自動運転車両システムの開発へとスコープを広げてきた。2年以上前に同社は視覚、センサフュージョン、REM マッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズムを含むキットを立ち上げる計画を発表した。そして2018年には、サプライヤーとしてだけでなくロボタクシーオペレーターになるという予想外の計画を明らかにした。同社はまた、自動走行のシャトルをTransdev ATS、Lohr Groupとともに欧州で展開することも計画している。Mobileyeは自動走行車両を使った配車サービスを2022年初めにイスラエルで立ち上げる計画も持っている。

最新の契約は、自動運転システムをロボタクシー以外に応用するというMobileyeの野心を示している。

Mobilieye Driveというブランド名の自動運転システムは、SoC(システムオンチップ)ベースの計算、カメラベースの冗長センシングシステム、レーダーとライダーのテクノロジー、REMマッピングシステム、責任感知型安全論(RSS)ドライビングポリシーで構成される。MobileyeのREMマッピングシステムは本質的には、ADASと自動走行運転システムのサポートに使われる高解像度のマップを作成するために、同社のテックを搭載した100万台超の車両を利用することでデータをクラウドソースする。

Udelvは自動運転テクノロジーを自社の配達管理システムに統合するのにMobileyeと協業する。Mobileyeは車両が使用される間はずっと無線のソフトウェアサポートも提供する。

こうした専用車は人間が運転するトラックや配達バンにあるような典型的な機械的特徴を持たない。いわゆるレベル4の自動運転に対応するようデザインされている。SAE(自動車技術者協会)の定義では、レベル4だと特定の状況で人間の操作なしに車両が運転を制御できる。車両はまた四輪駆動で、配達を行う人にとって有用なLEDスクリーンや商品のための特別コンパートメントを備えている。

Udelvによると、駐車場や荷物積み下ろし場所、集合住宅、私道での車両操縦ができる遠隔操作システムも搭載する見込みだという。

カテゴリー:モビリティ
タグ:MobileyeUdelv自動運転電気自動車Intelロボット配達

画像クレジット:Mobileye/Udelv

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

ドミノ・ピザがヒューストンで無人のピザ配達を開始、自律配達車両スタートアップNuroと提携

4月12日の週から、米テキサス州ヒューストンでDomino’s(ドミノ・ピザ)にピザを注文する顧客の一部は、人間と接することなく商品を受け取れるようになる。

米国時間4月12日、Domino’sは自律配達車両スタートアップのNuroと提携し、顧客はNuroのR2ロボットから家の前でピザを受け取る方法を選べるようになると発表した。

Domino’sのシニアVP兼最高イノベーション責任者のDennis Maloney(デニス・マロニー)氏は発表の中で「我々には自律配達の分野で学ぶべきことがまだたくさんあります。このプログラムによって我々はお客様の反応、お客様とロボットとのやりとり、ストア運営への影響をもっと理解できるようになるでしょう」と述べた。

いずれかの時点で、Domino’sのウェブサイトでWoodland Heightsストアに注文するとR2を選べるようになる。R2はレーダー、360度カメラ、赤外線画像により動きを制御する。ロボットの場所や、ピザを受け取るためにロボットのタッチスクリーンに入力するPINコードは注文者にテキストメッセージで通知される。

コロナ禍で非接触の自律食品配達業界は急速に成長し、現在Nuroはこの分野のリーダーになりつつある。

Nuroの共同創業者で社長のDave Ferguson(デイブ・ファーガソン)氏は発表の中で「Nuroのミッションはロボットで生活を向上させることです。我々の自律配達ロボットをヒューストンでDomino’sのお客様に使っていただけることになり、たいへんうれしく思っています。お客様の感想を楽しみにしています」と述べた。

ヒューストンの公道で電動の無人自動運転車両が料理を配達するのはこれが初めてだ。住宅地であるWoodland Heightsはヒューストンでは最も古い歴史的地区の1つで、高速道路のI-45とI-10にはさまれている。この街のDomino’sはメインの大通りであるHouston Avenueに面しているため、このテクノロジーのテストをするには相当難しい場所だ。

Nuroは元々、Domino’sとの提携およびヒューストンでのテストを2019年に発表していた。同年には、ヒューストンとアリゾナ州フェニックスでスーパーのKrogerの配達サービスを開始した。2020年末にはカリフォルニアの公道でのテストが許可され、ウォルマートやCVSなどのパートナーから商品を配達している。Nuroは米運輸省から無人運転車両に関する安全規定適用除外を承認された初の企業だ。

Nuroがレストランの配達に大規模に進出するのはDomino’sが最初のようだが、間違いなくこれが最後ではないだろう。NuroはシリーズCで5億ドル(約547億円)を調達したと発表したばかりで、メキシコ料理チェーンのChipotleがこのラウンドで出資した。イノベーションにフォーカスするトヨタ自動車の子会社Woven Planetの投資部門であるWoven Capitalも出資した。

関連記事:Nuroの無人運転配達車がカリフォルニア州初の商業運用許可を獲得、2021年早々にもサービス開始予定

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タグ:Domino’sNuro自動運転ロボット配達ヒューストンピザトヨタ自動車Woven Planet

画像クレジット:Nuro

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(文:Rebecca Bellan、翻訳:Kaori Koyama)