Adafruitが子ども向け電子工学教育をYouTubeビデオで開始

電子回路/電子製品を自作あるいはプロトタイピングする人たちに素材を提供しているAdafruitがこのほど、YouTube上の短編ビデオシリーズで、電子工作に対する若者や子どもたちの関心喚起努力を開始した。そのシリーズはCircuit Playground(回路の遊び場)と名付けられ、電子回路とその部品や概念の基礎を、子どもたちにアルファベット順の項目で教えようとしている。これを見たおちびさんたちが、技術者にあこがれたり、電子工作を趣味にしてくれたら、しめたものである。

初回はAだからampere(アンペア)だ。回路を流れる電流の測度単位のこと。‘番組’のホストは、子ども向けにかわいいロボット人形のAdabotくんと、AdafruitのファウンダLimor Friedだ。Limorは子ども相手臭くないふつうの口調で、わかりやすい説明をしている。最初は、回路の部品を表すたくさんのアニメキャラクターが登場する。さらにその後、アンペアの語源になったAndré-Marie Ampère氏がスペシャルゲストとして出演する。だから、科学史のお勉強でもある。

ビデオの長さは5分弱だから、十分に子どもたちの忍耐の限界内だ。これから電子回路の基礎を勉強したいと思っている、もっと年上の子にとっても、もちろん見る価値はある。

〔Adafruit社に関する本誌記事。日本のスィッチサイエンスは単なるネットショップだが、それなりにおもしろい。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Redditの「Explain Like I’m Five」(5歳の子供に説明してみよう)シリーズのYouTube化はかなり面白い

YouTubeは猫のビデオ以外にもいろいろなものを導入しつつある。この度は、閲覧者をちょっと利口にしてくれるシリーズが登場した。シリーズの名前を「Explain Like I’m Five」(5歳の子供にわかるように説明する)という。このシリーズ、もともとは大規模掲示板のRedditで人気を博しているシリーズから生まれたものだ。「実存主義」や「シリア戦争」などの話題を、多少面白おかしくした会話を通じて5歳児に説明しようとするものだ。たとえばニーチェの実存主義について説明するビデオは次のようなものになる。

Redditで人気の「Explain Like I’m Five」シリーズを動画化するにあたって、アニメと実写ナレーションを組み合わせて作成されている。このシリーズについてはYouTubeがスポンサーとなっている(つまり資金を提供している)が、これはオリジナルコンテンツのために1億ドルを用意したのと、同様の狙いによるものだろう。YouTubeは以前、The OfficeのRainn Wilsonなど、人気のクリエイターに出資した。今回はRedditと組んで、これまでとは逆のアプローチをとったと言えるかもしれない。すなわち新たなコンテンツを生み出すのではなく、既に人気を集めているコンテンツを活用しようとしているわけだ。

ビデオの内容はと言えば、あくまでも基本的な事項説明を超えるものではない。しかし非常に理解しやすいものとなっていて、きっと記憶にも残るだろうと思う。アインシュタインも言っていたと記憶する。「6歳の子供に説明できないならば、本当に理解しているとは言えないのだよ」と。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)


オンライン英会話サービスのBest TeacherがGMO、SMBCから総額5,110万円の資金調達を実施

Best Teacher ロゴ

本日Best Teacherが5,110万円の資金調達を実施したことを発表した。第三者割当増資によるこの資金調達の引受先はGMO VenturesPartners、SMBCベンチャーキャピタルだ。Best Teacherはすでに昨年1月にサイバーエージェント・ベンチャーズから資金を調達している。なお、今回調達した資金は提供サービスの拡充、マーケティング、法人営業の強化に充てるという。

Best Teacherに関しては本誌でもサービスリリース時に取り上げたが、簡単に説明するとあるテーマに沿って講師と生徒がチャットで会話をする。その会話をテキストとし、実際にSkypeで会話を行うというサービスだ。

同社代表取締役社長の宮地俊充氏はサービスリリース時には従来のオンライン英会話ではありきたりなテキストを用いているので、頭に残りにくく、実際に使える場面が少ない。だから、Best Teacherでは自分でテキストを作り、リアリティのある会話を練習することで学習効果がさらに得られるのではないかという話をしてくれた。

宮地氏はサービス開始の昨年5月から10カ月が経過し、少しずつ結果が出てきており、この学習方法には効果があると言えそうだという。英会話サービスは6カ月程継続するのが平均的だそうなので、まだ結論とまでは言えないが自分が一番必要としている会話を練習しているので使える場面が多いことはユーザーからの評価が高いそうだ。

さて、オンライン英会話最大手のレアジョブが2007年にサービスを開始して15万人の会員(入会人数なので有料会員数ではない)を獲得していることを考えると、サービス開始から10カ月で数千人の会員を獲得したというのは順調と言えるだろう。

この成長の要因の1つはモバイルだと宮地氏はいう。Best Teacherは講師とチャットをする際には、もちろんモバイル経由で行える。モバイルでビジネスマン、大学生がスキマ時間にチャットを行え、「いつでも、どこでも」学習できることが大事だという。

英会話学習は昔からあるが、オフラインでの対面から始まり、インターネットを通じて自宅でも学習できるようになった。そして次のシフトはモバイルで学習できることだそうだ。モバイルでも学習できることで場所と時間に捕われないサービスを目指すという。

今後の展開としては、マーケティングやサービス全体の改善はもちろんだが、モバイルでのサービス価値の向上と法人向けのサービスに力を入れるという。

モバイルではデスクトップの機能をそのままモバイルに最適化するのではなく、デスクトップとモバイルを合わせることで全体の価値が向上するような機能を考えているそうだ。

法人向けのサービスとしては、これまでのサービスで個々のユーザーにマッチしたテキストが効果的だということを活かし、会社や業種ごとに必要な英会話を提供していきたいとのこと。

まだ日本のオンライン教育サービス(EdTech)はアメリカに比べると数が圧倒的に少なく、成功事例もあまり無いが、ここ数年で徐々に増えてきた。国内インキュベーションも教育サービスに力を入れてきており、KDDI∞Laboがmana.bo、MOVIDAがShareWisなどを採択している。


Apple、世界の教育機関向けに800万台のiPadを販売。iTunes Uのダウンロード数は10億件を突破

ipad-itunes-uAppleが、デジタル教育サービスを提供しているiTunes Uが節目の数値を達成したことをアナウンスしている。ダウンロード数10億件を突破したのだそうだ。また、このアナウンスと同時に、世界中の教育機関に対して800万台のiPadを販売したこともアナウンスしている。iTunes Uは、2012年6月より単独のアプリケーションとなり、講座などの教育コンテンツを広く公開するための場として機能するようになっている。

iTunes Uを独立させた当時は、コンテンツのダウンロード数は7億件ほどだった。以来、ダウンロード数はさらに増加傾向を示しているのがおわかりだろう。iTunes U自体は2007年5月から提供されている。ここ9ヵ月でのダウンロード数は3億件ほどだが、その倍ほどである7億件のダウンロードには5年ほどもかかっているのだ。このところのペースアップは専用アプリケーションのリリースや、教育界でのiPadの普及などの相乗効果によるものなのだろう。

AllThingsDによると、Appleはアメリカ国内の教育機関に対して450万台のiPadを販売したとのことだ。ちなみにこの数字はAppleにも確認済みのものだ。また、一般に公開されている情報をもとにした9to5MacのJordan Kahnの計算によれば、その450万台の大半は最近(昨年)になって販売されたものであるとのことだ。AppleのCEOであるTim Cookも、iPadにとって教育市場がいかに大切なものであるかを何度も繰り返し述べている。そして確かに、Appleはアメリカ国内においても、あるいは海外においても、教育機関向けに多数のiPadを販売している。

またiTunes Uにコンテンツを投稿している学校についての情報もいくつか発表している。コンテンツを公開している教育機関数は大学およびカレッジが1200以上、そして高校以下の段階(K-12)でもやはり1200以上になるのだとのこと。こうした教育機関が登録した公開コンテンツ数は2500を超えており、さらに特定の学生のみ閲覧可能なプライベートコンテンツが数千件登録されているそうだ。StanfordやOpen Univercityなどのように、非常に積極的に取り組んでいる大手教育機関も存在する。この両者のコンテンツだけで、これまでに6000万件のダウンロード回数を数えているのだそうだ。最も人気のあるコースでは、25万人が登録しているものもあるとの話だ。

掲載された最近の記事にもあるように、オンライン教育は急速に広まりつつある。またCourseraのようなスタートアップも、大いに注目を集めつつあるところだ。Appleは最初期の頃からこの分野に進出しており、iPadが大いに普及していることも相まって、今後ますますオンライン教育面でのプレゼンスを高めていきそうな気配だ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)