自転車シェアの中国Mobike、海外市場からの後退を親会社Meituanが認めた

TechCrunchは3月8日に、自転車シェアリングサービスを提供しているMobikeがアジア太平洋地域全体での事業を解体したと報じた。それは、国際的な事業を縮小するための長期計画に向けた重要な一歩だ。3月11日にMobikeの親会社のMeituanは、この中国の自転車レンタル業界のパイオニアが、ほとんどの海外市場から手を引こうとしていることを認めた。

「Mobikeの国際ビジネスは再編中で、ほとんどの国際市場から撤退することになるでしょう」と、Meituanの最高財務責任者、Chen Shaohui氏は、月曜日の電話会議でアナリストに明かした。

しかし、その後にMobikeはChen氏の発言を「最終的にMeituanは、Mobikeの残っている海外資産を売却し、その部門を決算から除外する」という意味だったと説明した。

3月11日にTechCrunchがMobikeの国際的な計画について尋ねると、Meituanはなぜか直接その自転車部門に尋ねるよう差し向けた。そしてMobikeの広報担当者は、「一部の市場は、特にいくつかのアジア諸国では」閉鎖するものの「北東アジア、ラテンアメリカ、それにヨーロッパでは、国際的な事業を継続します」と明言した。

「今後を見据えて、潜在的な戦略的パートナーと議論を続け、持続可能な国際ビジネスを維持しようとしています」と、担当者は付け加えた。

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Mobikeを国際業務から撤退させるという決定は、自転車部門の営業損失を削減しようというMeituanの計画によってなされたものだと、前出の責任者も語っている。「サービスのためのAmazon」を標榜するアプリを提供するMeituanが、2018年の4月4日に買収して以来、Mobikeは45億5000万元(約6億8000万ドル)もの損失を出した。Meituanの最新の決算報告によれば、その自転車サービスが同じ期間に生み出した収益は、15億元(2億2000万ドル、約250億円)に過ぎない。

海外市場から手を引くことは、中国に焦点を合わせることを優先するというMeituanの長年の戦略と一致している。北京を本拠地とするこの会社は、収益の大部分を、自国内で展開する食料品の輸送と、旅行予約サービスから得ている。国際市場への進出は、ほとんど考えていないように見える。

フィナンシャルタイムズ紙のこれまでの調査によれば、「Meituanにはいかなる形、名目の国際部門もなく、おそらく欲しいとも思っていない。Mobikeの買収によって、初めて国際市場に手を出したのだ」という。

アジア太平洋地域からのMobikeの撤退について、われわれに情報をもたらしたTipstersは、彼らの声明は「あいまい」で、大衆をなだめるためのジェスチャーではないかと見ている。アジア太平洋地域は、実際に貸し出している自転車の数と、倉庫に保管してある数を合わせた事業規模からすれば、Mobokeにとって最大の市場なのに、そこから得られる収益はヨーロッパよりも少ない、ということに注目する必要がある。つまり、アジア太平洋地域からの撤退は、増え続けるMeituanの損失を削減することで、この経費ばかりかかる非中核事業の縮小に拍車がかかるのを防ごうという、自転車部門の壮大な計画の表れなのだ。

Meituanの第4四半期の収益は、198億元(約29.4億ドル、約3283億円)となり、ほぼ倍増したものの、純損失は前年の22億元から34億元(約5億1000万ドル、約563億円)に拡大している。自転車シェアリングや配車事業といった「新たな取り組み」への投資は、同社の収益力の上昇を「和らげた」ことになる。その一方で、その中核事業である食料品の配送、レストラン所有者向けソフトウェアのような店内サービス、および旅行予約は、2018年に営業利益を上昇させている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

自転車シェアリングのパイオニアMobikeが国際事業をすべて閉鎖し中国に退却

自転車共有に関する状況が変化する顕著な兆候の中、かつては何十億ドルもの投資を引き寄せたホットなスタートアップであるMobikeは、すべての国際事業を閉鎖して、中国に焦点を絞りつつある。

米国時間3月8日に、Mobikeはアジア太平洋地域の業務を担うチームをレイオフした。その中には、シンガポール、マレーシア、タイ、インド、そしてオーストラリアにまたがる15人以上の正社員、それよりずっと多くの契約社員、そして代理店のスタッフが含まれている。この状況を良く知る5人がTechCrunchに語ったところによると、当事者にも事業後退の理由は告げられることなく、会社はその地域でのビジネスを「縮小」することにしたという。

今回のレイオフは、国際拠点を閉鎖するというMobikeの最終的な目標に向けた重要なステップだ。というのも、アジア太平洋地域は、Mobikeの中国以外のビジネスの主要な部分を占めているからだ。さらなる人員削減が、アジア以外、おそらくヨーロッパや米国を含む地域でも差し迫っているという話が、2つの情報源からもたらされている。最終的にMobikeは、元来の中国でのみ事業を続けることになるだろう。そもそも、国際的に見ても、それがビジネス全体の大部分を占めている。

こうした戦略の変化は、この中国の自転車共有会社が、これまでの1年に経験した悪戦苦闘を集約したものだろう。それでもMobikeは、同類の会社の中では最も成功した方だと言われている。11カ月前に、中国の大手配送会社Meituanに27億ドルで最終的に買収されるまでの間に、Tencent、Foxconn、Hillhouse Capital、Warburg Pincusといった投資家から、9億ドル以上を調達していた。2017年には、自転車共有がホットな話題になっていたからだ。しかし結局のところ、競争は激しく、財務的にも苦しかったので、Mobikeは持続可能なビジネスモデルを見つけることができなかったのだ。

写真ソース:Mobike

従業員たちは、Mobikeの見通しは明るく、給与にも問題はなく、その他の財政的な懸念も見当たらない、という印象を持っていたので、金曜日の通告には困惑している。特にシンガポールでは、自転車共有用アプリが大人気で、この都市国家の環境改善に役立つものとして、政府とも密接に協力してた。

「私はショックを受けています。私から見れば、ビジネスは順調でした」と、情報源の一人はTechCrunchに語った。「しかし、1つの国でうまくいっているからといって、その地域全体が生き残るというわけでもないのです。Mobikeは、海外の地域の損益について多くの分析を行い、黒字に転じる方法はないという結論に達したのです」。

ほんの1年前まで展望は明るかった。中国で、近隣サービスのワンストップアプリを展開するMeituanがMobikeを買収したとき、それは、その若いスタートアップにとって大成功だと広く認められた。というのも、中国の同業のOfoは、独立した企業としてやっていくための折り重なるような財政的圧力に苦しんでいたからだ。Ofoは、昨年から、その国際業務を段階的に縮小し始めていて、近々破産の準備をしていると伝えられていた。

それから間もなく、Meituanはモビリティの分野で抑制を示し始めた。香港に上場するこの会社は、コスト削減の一環として、食料品の配達とホテル予約に集中し、ドックレスの貸自転車と配車業務の拡大は休止すると発表した。この自転車部門は、Hellobikeとの激化する競争にさらされていた。それはAlibabaが、中国の2輪車業界に殴り込みをかけるための会社だ。

こうした困難にもかかわらず、Mobikeのアジア太平洋地域の従業員は、海外事業は芽を出すものと信じていた、とTechCruchに語った。彼らは、ここ数ヶ月の間、会社の業務を効率化する仕事を任され、「大きなコスト削減と進歩」を達成していたからだ。

写真ソース:Mobike

そうした当事者は、じっくり考える時間も与えられず、会社の「一方的な」決定に対して、「取り乱し」て「混乱」した状態にある。それらのスタッフは、交渉の機会を与えられておらず、そのほとんどは4月中旬までに職を離れることになると、TechCrunchは把握している。そして、限られた数の「キーとなる」従業員が、その「減少」処理の完了まで留まることになる。退職に際しての手当は、解雇の日付によって異なるものの、契約が定める30日よりも前に通知が到着しているため、何の補償も受けられない社員もいる。

この地域のビジネスを閉鎖するというMeituanの決定は、この会社にとってリスクの高い動きと考えられる。Mobikeの中国外の市場として最大のシンガポールでは、この自転車共有会社が実際に撤退する前に、政府に退却の計画書を提出する必要がある。金曜日の時点でMobikeは、シンガポール陸運局にレイオフ計画を知らせていない、ということが2つの情報源から明らかになっている。ただし、すでに撤退の可能性については、運輸取締当局と協議していたとのことだ。Mobikeは、陸運局に公式に通知するまでは、従業員に人員削減について口外しないように指示した。

Meituanは、このことについてのコメントを拒否した。同社は月曜日に収益を報告する予定となっているので、その時点で状況がより明らかになるかもしれない。

画像クレジット:Facebook中のMobike

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(翻訳:Fumihiko Shibata)