1カートリッジから100種類以上の飲み物を作り出す、世界初の分子飲料プリンターをCana Technologyが発表

ベンチャーファンドのThe Production Board(ザ・プロダクション・ボード)から3000万ドル(約34億円)の出資を受け、Cana Technology(カナ・テクノロジー)は、約4年間の試作期間を経て「世界初の分子飲料プリンター」という製品を発表した。

これはどういうものかというと、要するにsodastream(ソーダストリーム)とコンピュータープリンターを組み合わせたような製品だ。このスマートコネクテッドデバイスは、トースターほどの大きさで、キッチンカウンターに設置しておけば、1つの「プリンター」カートリッジから、家庭の水と化合させることによって、ジュース、コーヒー、カクテルなど、無限の種類の飲料を、タッチスクリーンを使って作り出すことができる。

ここで「分子」の技術が登場する。Canaは、成分の基本的なセットを特定することに注力し、根本的に飲料を分解して、何がその飲料の味を作っているのかを解明した、とCanaのチーフ・サイエンス・オフィサーを務めるLance Kizer(ランス・カイザー)氏はTechCrunchに語った。

水分を取り除くと、実際に飲んでいる飲み物の量は5%から10%程度にまで減少する。そこでCanaはそれらの成分を濃縮して、100種類以上の飲み物を収容することができるカートリッジに装填した。同社では、特定のブランドと提携して飲料を提供する他、独自の組み合わせも作成している。

「飲料で消費している成分と同じものばかりですから、別の何かで再現しているわけではありません」と、カイザー氏はいう。「品質が重要です。私たちは斬新な方法で飲料を作ることに注力しており、これまでに数百種類もの飲料を生み出しました」。

何百種類もの飲み物がいつでも手の届くところにあるだけでなく、砂糖の量を増やしたり減らしたり、アルコール飲料の場合はアルコールの量を増やしたり減らしたりと、自分の好みに合わせてカスタマイズすることも可能だ。筆者はこのデバイスについての説明を聞きながら、コールドブリューコーヒー、ルートビア、ブラックチェリーモヒートなど、いくつかの飲料を試すことができたが、従来の同じ飲み物よりも味が際立っており、全体的に滑らかな仕上がりになっていた。

それぞれのカートリッジには1〜3カ月分の飲料が入っており、カートリッジの残量が少なくなると、デバイスが感知して自動的に再注文が行われる。使用済みのカートリッジは、リサイクルのために送り返されるように設計されていると、カイザー氏は付け加えた。

Canaの目標は、2兆ドル規模の飲料業界を再構築するとともに、埋め立てられる廃棄物と過剰な水の使用を減らすことでもある。CEOのMatt Mahar(マット・マハール)氏は、この試作品では一般的なアメリカの家庭で1カ月におよそ100個の飲料容器を節約できると説明している。Canaの製品が大規模に普及すれば、プラスチックやガラス製容器の使用量、水の浪費量、そして世界の飲料製造工場から排出されるCO2を80%以上削減することができるという。

今回調達した資金は、サプライチェーンと継続的な技術開発に重点的に投資すると、マハール氏は述べている。現在、同社の従業員は35名だが、2022年はその倍になると見込んでいるという。

マハール氏によれば、価格についてはまだ検討中だが、1回あたりの使用料は飲料の小売価格よりも安くなるだろうとのこと。2月末までには、価格と販売開始時期の両方について完全なデータが得られる見込みだという。

The Production Boardの社長兼COOであるBharat Vasan(バーラト・ヴァサン)氏によると、同社のベンチャーファウンドリーは、食品分野の多くの企業に投資しており、Canaのチームが魅力的だったのは、技術に対する野心的な見通しと、ハードウェア、ソフトウェア、科学を組み合わせて、まったく新しい方法で何かを作ろうとしていたからだと述べている。

同氏にとって、Canaのデバイスは「飲料体験のNetflix(ネットフリックス)のようなもの」に感じられたという。また、飲料に使われているのと同じ濃縮技術は、香水や化粧品など、他の多くの製品にも利用できる可能性がある。

「それはモノが作られ、出荷される仕組みを変えるということです」と、ヴァサン氏はいう。「分散型生産は、1カ所で作られて小売店に出荷されます。現在では、サプライチェーンの制約を回避して家庭に直接届けられる別の配送システムがあります。飲料用プリンターはその1つの現れです」。

画像クレジット:Cana Technology / Cana Technology’s Lance Kizer and Matt Maher

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(文:Christine Hall、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

コーヒー2050年問題に挑むTYPICA、世界のコーヒー流通をDX

朝、目覚めたあとに、「まずコーヒー」という人は多いだろう。全世界でコーヒーは毎日22億杯飲まれている。つまり、(正確ではないが)世界人口の4分の1の人にとって欠かせない飲み物である。世界中で石油の次に多い流通量というのもうなずける。

しかし今のままでは、おいしいコーヒーを飲めなくなる時代がやってくるといわれている。「コーヒー2050年問題」だ。

その問題とは何か、何がその原因となっているのだろうか。コーヒー豆のダイレクトトレードプラットフォームを提供するTYPICAが開催したメディアセミナーで、それらに加え、同社の考える解決策や、実際に見られている成果について代表 後藤将氏に聞いた。

TYPICA代表の後藤将氏。普段はオランダを拠点としている(画像クレジット:YASUAKI HAMASAKI)

コーヒー2050年問題

私たちが普段飲んでいるコーヒーは、赤道を挟んで北回帰線(北緯25°)と南回帰線(南緯25°)に挟まれた「コーヒーベルト」と呼ばれる、地球上でもごく限られた地域で生産されている。そのため、消費量の多い欧米をはじめ、日本でも輸入に頼らざるを得ない。つまり、コーヒーは貴重な農産物なのだ。

しかし、過去30年間で世界のコーヒー生産は600万トンから1030万トンへと70%も増加している。

喜ばしいように見えるこの成長の裏にあるのが、これまで生産していなかった国のコーヒー業界への台頭だ。以前であれば主要な生産国はコロンビア、メキシコ、エチオピア、グアテマラ、エルサルバドルなどであったが、最近ではベトナムといった東南アジアでも生産が盛んになってきている。

もともと生産量の高かったブラジルと、近年になって生産を開始したベトナム。この2国による大量生産が、コーヒー生産の増加の85%を牽引している。

国別生産量の遷移。赤い線で表されている生産国は今後の生産が危ぶまれている

では何が問題なのか。

コーヒーの品種(原種)にはアラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種があり、全流通の60%をアラビカ種が占めている。

このアラビカ種は、高品質で、いわゆる「おいしい」コーヒー。缶コーヒーなどでも、誇らしげに「アラビカ豆使用」とプリントしてあるものを目にしたことがあるだろう。

おいしくて高品質な反面、アラビカ種は病害虫に弱く手間がかかる。つまり、コストがかかるのだ。

しかし、気候変動による収穫量の減少、収穫可能なエリアの変化、買い手が価格を決める「先物市場」という取り決めなどにより、生産者が1年もの間、手間ひまかけて生産したコーヒーで生活できなくなりつつある。しかも、大量生産する国が生産量を上げてきたことから、需要と供給のバランスが崩れ、価格が下がり気味。流通量が増えれば増えるほど、小規模生産者の手取りが減り、コーヒーで生活できなくなってしまうのだ。

コーヒーは天候に左右されやすく、収穫後も果皮を発酵させたり、水洗いしたり、天日干ししたりと何かと手間がかかる

そうすると、生活のためにマンゴーやバナナといったリスクが少なくコストのかからない農産物へと添削する農家が増える。その結果、これまで小規模ながらも高品質で希少なコーヒー豆を輩出していた生産者が減り続け、2050年には「普遍的」で「平準化」されたコーヒーは飲めても、おいしくて高品質、かつ個性豊かなコーヒー(ケニア、メキシコ、エルサルバドルといった産地のもの)を飲めなくなってしまうと予測されているのだ。

セミナーの最中にふるまわれた3種の希少なコーヒー(画像クレジット:YASUAKI HAMASAKI)

これがコーヒー2050年問題といわれているものだ。

サステナビリティ×DX=TYPICA

では、30年後の世界にもおいしいコーヒーが存在し続ける方法はないのだろうか。

それを解決する1つの鍵は、生産者がコーヒー豆の生産で生計を立てられるようにすることだ。つまり、生産者が生活を続けられるようにすることが、おいしいコーヒーのサステナビリティにつながる、というわけだ。

TYPICAは、コーヒー豆生産者が国際価格で売らざるを得ない状況から、世界各地のロースターに適正価格でダイレクトトレードできるような仕組みを整えた。

それが、社名にもなっているコーヒー豆のダイレクトトレードプラットフォーム「TYPICA」だ。

TYPICAの仕組みはこうだ。

コーヒー豆の生産者がニュークロップ(収穫し精製したて)のコーヒー豆を、TYPICAのオンラインプラットフォームに登録(オファー)する。ロースターは更新されたオファーリストから、購入したい生産者のコーヒー豆を選び、価格を確認して予約する。単位は麻袋で、1袋に約60キログラムの生豆が入る。

購入個数により、手数料率が変化する。輸入にかかる費用などもわかったうえで、ロースターは購入する

予約数が確定したところで、TYPICAが総数を取りまとめ、輸入する。国内到着後、各ロースターに配分。在庫を持たず、在庫から受注分を配送するわけではないため、到着したばかりのフレッシュな生豆をロースターに届けられる。もちろん、在庫を持つことによる余計なコストもかからない。

一般的に、個人店のロースターが生豆を購入するのは問屋や卸業者からである。それら業者は、商社がコンテナ単位(約18トン)で仕入れて流通させたものを取り扱う。その結果、チェーン店ではないロースターは、「一般的」な「よく知られている」生豆を仕入れるほかない。独自性を打ち出すとしたら、焙煎方法やブレンドの比率を変更するぐらいしかなかったのだ。

しかし、TYPICAを利用することにより、名前を知ることがなかったような中小規模の農園が作る、高品質で希少なコーヒー豆に出会えるため、他店との差別化を図れるようになる。

国内で名前の知られていない中小規模の農園で作られたコーヒー豆の買い付けに不安を感じさせないよう、TYPICAでは次のようなものを提供している。

  1. サンプルリクエスト:オファーリストの中から、生産者(農園または精製所)の扱っている品種を選び、リクエストする。ロースターは、届いたものをカッピング(ワインでいうところのテイスティング)して購入を検討する
  2. カッピングコメント:カッピングしたロースターは、オファーリスト内にカッピングコメントを書き込める。それを参考にして購入を検討する
  3. 生産者情報:コーヒーの味を決めるのは品種だけでなく、エリアや標高も関係している。開示されている生産者情報をもとに味を予測し、購入を検討する

実際に、サービスを利用しているロースターの1人である石井康雄氏(Leaves Coffee Roasters)は、「新しい農園を発見することにより、他店との差別化が図れる。大規模ロースターのようなネームバリューがなくても、高品質なコーヒーを入手するチャンスが与えられている」とコメントした。

ケニアでコーヒーカンパニーを経営しているピーター・ムチリ氏(ロックバーンコーヒー)は、「生産者からロースターの元へ豆が届くまでの費用に透明性があるおかげで、生産者のモチベーションが上がっている。なぜなら、彼らにきちんとした対価が支払われていることがはっきりわかるからだ」とコメント。ボリビアで精製所を経営しているフアン・ボヤン・グアラチ氏(ナイラ・カタ)は、TYPICA側の人がインタビューのために生産者と会うので、信頼関係が生まれ、モチベーションもアップして、コーヒーの生産を続けるという意志が生まれている。また、ヨーロッパやアジアのロースターに、自分たちの豆が届く、ということも、彼らに良い影響を与えている」と語った。

なお、TYPICA自体のサステナビリティも気になるところだが、現在のところロースターから得る手数料(15~30%。購入袋数によって段階的に遷移)によってマネタイズしているという。

世界59カ国でサービスを開始したとはいえ、まだ赤字状態が続いている。「2025年が損益分岐点になるだろう。今は、投資を受けつつ、面を取りにいく段階にある」と後藤氏は語った。

コーヒーを愛するすべての人がコーヒーを愛し続けられるように

「これまで、ロースターが、離れた場所にいる生産者について知るすべはほとんどなかった」と後藤氏。「今回のように我々がオーガナイズしたイベントに、生産者とロースターにオンラインで参加してもらうことで、お互いの顔を見られるようになった。それが、ロースターにも生産者にも良い影響を与えている」という。

また、「今まで、中小規模の生産者は、世界にオファーできなかったが、TYPICAのプラットフォームを通じて、ダイレクトトレードが可能になった。ロースター側も中小規模の生産者からオンラインで購入できるようになった」と述べ、「これがコーヒー業界のDXたる所以だ」と説明した。

共同代表の山田彩音氏は「大規模生産されたものが大量に流通するようになったため、コーヒー豆の生産地に依る多様性が失われているという声がある。また、どのロースターに行っても、同じような品種しか置いていない。TYPICAというプラットフォームを利用することで、ロースターはオリジナリティを発揮できるし、客側としてはスペシャリティコーヒーを身近なロースターで楽しめるようになる。生産者の生活も守られ、持続性に役立つと考えている」と、TYPICAが果たす役割についてまとめたていた。

鈴木洋介氏(ホシカワカフェ)は、「遠い国にいる生産者も、私たちと同じように生活しているんだ、という意識を改めてもてるようになった。彼らの中には、自分たちが生産したコーヒーを飲んだことのない人がいることだろう。『あなたの育てたコーヒーは、こんなふうに焙煎されました』と、生産者に飲んでもらえる仕組みを作ってもらえたら」とコメントとともに要望を出した。

今後の展望については、「マンツーマンで、オンライン商談できる場を提供したいと考えている。言語の壁があるので、通訳付き。チケット制にして30分間、直接商談してもらえるようになる」と後藤氏。それがもたらす「おいしくて高品質」なコーヒーの持続性への効果について、次のように期待を込めて語った。

「これにより、中小規模の生産者であっても、世界中のロースターを相手に取引できるようになり、農園を続けるモチベーションを保ってもらえる。また、自分たちが販売した価格と、ロースターが購入した価格の差について透明性が保持されているため、搾取されているという気持ちが生まれない。正当な対価が支払われていると感じてもらえる。

コーヒー生産で生活できるようになれば、農園を続けたいと考えたり、もっと質の高いものを生産したいと試行錯誤したりしてくれるようになる。それが、多様で希少なコーヒーのサステナビリティへとつながるのだ」と後藤氏はいう。

画像クレジット:YASUAKI HAMASAKI

溶かして楽しむ冷凍コーヒーのCometeerが約39.4億円を調達し、本格的に製品販売を開始

マサチューセッツ州グロスターに本社を置く「Cometeer(コメテア)」は、設立から9年目を迎えた。この間、同社はコーヒー業界に新風を吹き込むために、マッドサイエンティストのようなコーヒー科学者、機器、プロセスを構築してきた。元冷凍魚介食品工場を拠点とする同社は、瞬間冷凍する小さな「パック」で、豆の風味を損なわないようにカプセルに封入するため、数百万ドル(数億円)をかけて独自の生産ラインを構築している。これで、10倍に抽出されたコーヒーが、すぐに楽しめる。

豆を選ぶ。焙煎する。豆を挽く。水を入れる。飲む。本来コーヒーは複雑である必要はないのだが、毎年十数社の新しいスタートアップが、さえない無意味なテクノロジージャーナリストに、コーヒーの味とカフェインを注入すべく新しく革新的な方法を見つけようと躍起になっている。それらのスタートアップ企業の大半は、年末に「各社の現在の状況」記事を書こうと思う頃には消滅しているので、安心して無視していい。しかし、ひと握りの投資家が総額1億ドル(約114億円)をスタートアップ企業に投じるとなれば、どんなにコーヒーを飲んでいない記者でも、しぶしぶ爪楊枝を突っ込んでまぶたを開き、注意を払ったほうがいいだろう。

前回のラウンドは5000万ドル(約57億円)で、2020年の4月にクローズした。今回の資金調達では、D1 Capital(D1キャピタル)、Elephant(エレファント)、Tao Capital(タオ・キャピタル)、Addition Ventures(アディション・ベンチャーズ)、Avenir(アベニール)、Greycroft Partners(グレイクロフト・パートナーズ)、TQ Ventures(TQベンチャーズ)に加え、コーヒーに精通したエンジェル投資家から3500万ドル(約39億9400万円)を調達した。同社は、今回の資金調達ラウンドの評価額を公表していない。

ポッドを淹れるには、お湯または水を入れたカップにパックを入れて「溶かし」、少し待てば、新鮮なコーヒーを飲むことができる。必要なのは水、もしホットコーヒーを飲みたいのであれば、その水を温める道具だけだ。カプセルは、冷凍庫で保管すれば3年間、冷蔵庫で保管すれば3日間は新鮮な状態を保つことができる。

Cometeerのカプセルは、味を保つために液体窒素で瞬間冷凍されている。冷凍庫に入れておけば、約3カ月間鮮度を保つことができる。(画像クレジット:Cometeer)

コーヒーは、すべて豆から始まる。

「私たちの焙煎パートナーは、Cometeerのバックボーンです。優れた味の焙煎と同様に重要なのは、コーヒー農家を支援し、フェアトレードの最低価格の何倍もの公正な価格で直接取引して購入することを決めているということです」と、Cometeerの共同設立者兼CEOのMatt Roberts(マット・ロバーツ)氏は説明する。「私たちは、ユニークな背景、調達技術、焙煎スタイルを持つ、多様な焙煎パートナーのグループを構築することに注力しています。これらのパートナーとともに、コーヒー業界の脱コモディティ化をサポートしていきたいと考えています」。

Cometeerは、過去数年間で非常に大きな成長を遂げており、前回の資金調達時には12人だった従業員が120人にまで増えている。今のところ、同社は消費者への直接販売に注力している。

「今は消費者向けのサービスに注力していますが、ボストンにあるGeorge Howell(ジョージ・ハウエル)カフェでオンプレミス環境でのサービスを試したり、企業へのギフトを中心としたB2Bのコーヒーソリューションを試験的に行っています」とロバーツ氏は説明する。

同社は本日、ウェイティングリストを閉じ、クレジットカードを持っていてコーヒーテクノロジーの新境地を求める人なら誰でもこのコーヒーを入手できるようにした。カプセルは2個入りで、価格は約2ドル(約220円)だ。基本出荷量はカプセル32個で64ドル(約7300円)となる。

画像クレジット:Cometeer 

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Akihito Mizukoshi)

バルミューダがオープンドリップ式コーヒーメーカーBALMUDA The Brew発表、10月7日発売

バルミューダがオープンドリップ式コーヒーメーカーBALMUDA The Brew発表、10月7日発売バルミューダは9月8日、オープンドリップ式コーヒーメーカー「BALMUDA The Brew」(バルミューダ ザ・ブリュー)を発表した。直販価格は5万9400円(税込)。発売は10月7日。

BALMUDA The Brewは、独自の抽出方法「Clear Brewing Method」(クリア ブリューイング メソッド)の採用により、ストロングな味わい&クリアな後味を実現。緻密な温度制御、コーヒー豆の個性を引き出す0.2ml単位の正確なドリップ、クリアな後味を生むためのバイパス注湯といった3つの独自の抽出方法を組み合わせたもので、雑味を極限まで取り除き、コーヒーの理想的な味わいを楽しめるという。またREGULAR・STRONG・ICEDの3つのモードを搭載している。

温度制御では、従来のコーヒーメーカーにはないテクノロジーで注湯温度をコントロールし、蒸らし・抽出・仕上げと、過程ごとに最適な温度のお湯を瞬間的に沸かすという。ドリップでは、蒸らし時間や注湯の量・速度を自動観測し、的確な間隔で適量の湯を落とす。

また、抽出中に豆から雑味成分が溶出するタイミングを見計らい、ドリッパーへの注湯を停止。サーバーに抽出されたコーヒーの凝縮された成分と温度を調節するため、ドリップ時の注湯口とは異なる第2の注湯口から仕上げの加水を行うという。

「豆のないコーヒー」を分子合成技術で生み出すCompound Foods、環境や生産農家にも配慮

Compound Foodsの創業者でCEOのマリセル・センツ氏(画像クレジット:Compound Foods)

米国人の80%が毎日コーヒーを飲むといわれている。Compound Foodsの創業者でCEOのMaricel Saenz(マリセル・センツ)氏もその1人だが、彼女はコーヒーだけでなく、環境も愛している。

コスタリカで生まれて今はベイエリアの起業家である彼女は、気候変動が世界中のコーヒー生産農家に与えている影響にも関心がある。農産物を温室効果ガスの排出量の多さで順位をつけると、コーヒーは第5位になる。そこで彼女は、おいしいだけでなく持続可能性のあるコーヒーを作りたいと思った。

「気温の上昇と不規則な降雨が収穫量減少の原因です。同じ産地で、以前と同じような収穫量を望むことはできません。品質も悪くなってます。コスタリカの農家は農地を売って高地に移動しています。専門家の予測では、現在の農地の50%が20年後には使えなくなります」とセンツ氏はTechCrunchの取材に対して答えている。

2020年に創業されたCompound Foodsは、コーヒー豆を使わずに、合成生物学を利用して分子を取り出し、コーヒーを作る。センツ氏によると、同社はコーヒー、特に良質なコーヒーの組成を知るために多くの時間を費やし、味と香りの関係を突き止めようとした。

コーヒー豆が入っていなくても、公式な規制上の定義がないため、同社はそれを「コーヒー」と呼ぶことができる、とセンツ氏はいう。

センツ氏によると、カップ1杯のコーヒーを作るために140リットルの水が消費されているというが、同社は持続可能な原料を使い、大量の水を使わない科学的な方法で基本的な配合を生み出した。また同社は、コスタリカやチョコレート風味のブラジルコーヒーなど、世界各地の味と香りを再現できる人工コーヒーの作り方にも挑戦している。

Compound Foodsは450万ドル(約5億円)のシード資金を発表し、総調達額が530万ドル(約5億8000万円)になった。同社の支援者は、Chris Sacca(クリス・サッカ)氏の気候ファンドLowercarbon CapitalやSVLC、Humboldt Fund、Collaborative Fund、Maple VC、Petri Bioそしてエンジェル投資家のNick Green(ニック・グリーン)氏(Thrive MarketのCEO)などとなる。

センツ氏は、新たな資金を配合の改良とブランドの拡張に充てて、年内を予定しているソフトローンチに備えたいと述べている。

この分野にも別の技術による競合もある。たとえばシアトルのAtomoは「種子がコーヒー豆に似ている果実や植物」を使っているという。

Compound Foodsは、コーヒー愛好家を雇用してその技術を磨き、今後はマーケティングとプロダクトとビジネス担当のチームを作りたい、とのことだ。

そしてセンツ氏は、コーヒーと競合するつもりはないと明言している。

「コーヒーは好きだし、農家のこともよく知っている。私たちが提供するのは、あくまでも代替製品です。私たちはそれを別の方法で作り、将来は火星でも飲めるようにしたいと考えています。その宇宙旅行は、コーヒー農家や業界の人たちとご一緒したいですね」とセンツ氏は語る。

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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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BALMUDA

バルミューダは8月26日、コーヒーメーカーと思われる製品のティザーサイトを公開しました。「BALMUDA The Brew」という製品で、9月8日に詳細を発表予定で「バルミューダがお届けする、最良のコーヒー体験」という一文が添えられています。

バルミューダはこれまでスチームトースターなどの白物家電や照明機器を展開してきましたが、近年はワイヤレススピーカーを発売し、京セラと協業でスマートフォンの開発を進めていることも発表しました。

バルミューダが5Gスマホ開発、京セラが製造パートナーで11月発売(2021年5月)

白物家電では高い人気と知名度を誇るバルミューダブランドから、どのようなコーヒーメーカーが登場するのでしょうか。高級調理家電には強いブランドだけに、期待が膨らむところです。

(Source:BALMUDA The BrewEngadget日本版より転載)

無料「コーヒー診断」で好みのコーヒー豆を届けるサブスク「PostCoffee」運営元が1.5億円を調達

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好みのコーヒーを診断しコーヒー豆を届けるサブスクリプション・サービス「PostCoffee」(ポストコーヒー)を運営するPOST COFFEEは7月13日、第三者割当増資による1億5000万円の資金調達を2021年6月に実施したことを発表した。引受先は、既存株主である三井住友海上キャピタル、サムライインキュベートが運営するファンド、これに新規株主としてハリオ商事が加わった。

PostCoffeeは、2020年2月にローンチしたサービス。ベータ版からの会員数は約25倍に増え、オンラインでできる「コーヒー診断」の診断回数は30万回を超えた。2021年6月には、Instagramの「#PostCoffee」タグのついた投稿が1万件を突破している。

提供されるコーヒーはすべてスペシャルティコーヒーで、「常時30種類以上のラインナップ」とのこと。代表取締役の下村領氏は、スタートアップだからこそできる、今まで「コーヒー屋が足を踏み入れることができなかった」領域で、「コーヒーの再定義」に挑戦すると話している。「ライフスタイルを進化させる」というミッションのもと、日常においしいコーヒーを届けることで、生活がより豊かに楽しく進化すると信じているという。

今後は、「デジタルとリアルをシームレスにつなぐプロダクトの機能拡充、新規事業開発、そのための組織体制強化」を進めるとのこと。新たに引受先に加わったハリオとは、「コーヒー周辺器具の商品開発、おうちコーヒーを広めるための協業」を開始すると下村氏は話している。

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コーヒーのサブスクリプションを提供するフィンランド発のSlurp(スラープ)は6月29日、キッチン家電ブランドCuisinart(クイジナート)の「ファウンテンコーヒーメーカー」向けに、カスタマイズしたコーヒーの定期便コースを7月1日から開始すると発表した。価格は200gが1900円(送料・税込)から。

コースの申し込みは、Cuisinart公式サイトのキャンペーンページで「Slurpサイト」へ移動し、Cuisinart Premiumコースを選択する。キャンペーン期間については、終了時期未定となっている。

Slurpは、ヨーロッパを中心にコーヒーのサブスクリプションサービスを展開するスタートアップ。コーヒー豆の焙煎を手がける約70名の焙煎家がパートナーとなっており、自宅でスペシャルティコーヒーを楽しみたい方にコーヒーを届けている。日本には2020年に上陸し、サービスを開始した。2021年からは日本の焙煎家によるコーヒーも日本国内外に提供しているという。

Cuisinartのファウンテンコーヒーメーカーは、Slurpいわく「プロのバリスタ顔負けのホットコーヒーとコールドブリュー(水出しコーヒー)を誰もが簡単に淹れることができる」という。両社は「最高においしいコーヒーをお届けし、お客様に幸せなコーヒータイムを過ごしていただきたい」との思いで、今回のコラボレーションを開始した。

Slurpが提供するのは、「Cuisinart Premium」(クイジナート プレミアム)という定期購読コース。ファウンテンコーヒーメーカーと相性の良い、季節に合わせたコーヒーを月替わりで用意するという。毎月異なる焙煎家が特別監修しており、注文を受けてから豆をロースト。また、特別レシピや焙煎家インタビューなども提供されるという。

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わずか2分でコールドブリューが楽しめるOsmaのハイテクコーヒーメーカー

まったく新しいコーヒーの淹れ方が発明されることなど、そうそうあることではないが、ほぼすべての淹れ方に共通する要素は「熱」である。つまるところ、熱湯を使えばコーヒー豆のフレーバーとコクをすぐに引き出せる。しかし、Osma(オスマ)という新しいコーヒーメーカーを使うと、今までとはまったく異なる技術によって、どの温度のお湯や水でも(何と、氷のように冷たい水でも)濃くて重量感のあるエスプレッソのようなコーヒーを作ることができる。これは業界の次なる目玉製品になりそうだ。

OsmaはデザイナーのJoey Roth(ジョーイ・ロス)氏が取り組んでいるプロジェクトだ。ハイコンセプトのスピーカー関連テック製品を手がけた後に紅茶・コーヒー関連テックに取り組むようになった同氏は今、まったく異なるこの2つの分野を、独特の振動抽出方法という形で統合させる方法を発見した。同氏は長年にわたりいくつものヒット技術を生み出してきたが、Osmaは同氏にこれまでで一番の利益をもたらすかもしれない。

その理由を知るには、コーヒーが通常どのように作られるのかを理解することが役立つ。普通は、コーヒーの粉を熱湯に浸すか、コーヒーの粉に圧力を加えるかしてコーヒーを淹れる。

熱湯に浸す方法の場合、お湯の熱によってコーヒーの粉から油分が溶け出して揮発し、フレーバーが抽出された後のコーヒーかすがフィルター内に残る。具体的にはドリップやポアオーバー、フレンチプレスなどが含まれる。

圧力を加える方法とはつまりエスプレッソのことだ。熱だけでなく、マイクロキャビテーション処理を加えることによってコーヒーの粉に含まれる芳醇なエキスが抽出される。熱と圧力によってコーヒーの粉から二酸化炭素が放出され、それが極小の泡となる。その泡はすぐに破裂するのだが、その過程でフレーバーとアロマが抽出される。

熱湯の代わりに冷水にコーヒーの粉を浸す場合もある。冷水を使うと、熱に弱い成分が消滅せずに残るため、ひと味違うフレーバーが生まれる。残念ながら、冷水でコーヒーを抽出するには何時間もかかるし、濃い目がお好みの場合は何日もかかる場合があり、美味しさに貢献する他の成分がその間に劣化してしまう。さらに、冷水ではエスプレッソは作れない。エスプレッソで抽出するにはスチームが絶対に必要だからだ。

このように、コールドブリューコーヒーには独特の不便がともなう。それにも関わらず、ここ10年ほどの間に一度でもカフェを訪れた人であれば誰でも、コールドブリューコーヒーの人気の高さに気づいたことだろう。季節は問わないが、特に人気が出るのは夏である。突き詰めて言えば氷の上に熱いコーヒーかエスプレッソを注ぐだけのドリンクなのだが、人気は途絶えることがない。ではもし、熱を加えたり、水で薄めたり、何日も待ったりすることなく、濃くて美味しいコーヒーを淹れられるとしたらどうだろうか。それを実現するのがOsmaなのだ。

画像クレジット:Osma

Osmaのシステムは、筆者が知る限り、他のどのブリュー方法とも異なっている。Osmaは基本的に、コーヒーの粉の中に水を繰り返し循環させつつ、それを立位圧力波のようなもので撹拌する。そうすると2分ほどで、エスプレッソほど濃縮されておらず、コールドブリューほどマイルドではないコーヒーが8~12オンス(約240~350ミリリットル)でき上がる。

画像クレジット:Osma

フレーバーの特徴について筆者が尋ねると、ロス氏は「これはまったく新しい方法で抽出されたコーヒーだから、一度味わってみないと分からないと思う」と答えた。同氏は、京都スタイルのスロードリップコーヒーにクリーミーな口当たりとエスプレッソのフレーバーを加えた感じに似ていると言った後、やはりこの例えでは説明しきれないという結論に達した。

ロス氏が安易に例えようとしない理由は理解できる。なぜなら、Osmaの抽出方法は他とは完全に一線を画しているからだ。熱湯ではなく冷水を使う点や、キャビテーション効果を得るために高圧ではなく音波を使う点もさることながら、水を一度限り通すのではなく、循環させる方法を採用している点でOsma Pro(オスマ・プロ)は独特の存在である。

ほぼすべてのコーヒーメーカーは単方向性だ。水が入ってコーヒーの粉に接触し、コーヒーが抽出される。ちなみにパーコレーターは例外だが、そもそもパーコレーターを一番好むというコーヒー愛好家はあまりいない。一方、Osmaの場合は、水を吸い上げてコーヒーの粉に通しつつそれを撹拌し、そこから出た水を元の筒に戻して、それをまた吸い上げ、コーヒーの粉に再び通す。

この循環プロセスは、お好みの重量感に合わせて、早目に止めることも長めに続けることもできるが、ロス氏によると、大抵の人の好みに合うベストな1杯を淹れるのに最適な循環時間は2分間だという。

Osmaの仕組みは、半分は幸運な偶然、もう半分は創意工夫の産物である。ロス氏は、共同創業者のDan Yue(ダン・ユエ)氏と一緒に工業用真空槽の中で水を常温で沸騰させる実験を行ったことがあるそうだ。何とか成功したのだが、その装置はとてもじゃないが消費者に販売できるようなものではなかった。そこでユエ氏が、高温で加熱せずにコーヒーを抽出する鍵はマイクロキャビテーション処理にあるのではないかという仮説を立てた。

いい感じの仕上がりだ(画像クレジット:Osma)

ロス氏は次のように説明する。「ユエ氏の仮説を検証するために実験をいくつも行って、マイクロキャビテーションこそが魔法のスイッチだということを確認した。その後2年間を費やして、コーヒーの粉をぎっしり詰めたバスケットの中で音波を使ってキャビテーション処理を効率的に促進する構造を開発した。サンノゼでChromatic Coffee(クロマティック・コーヒー)を一緒に創業したパートナーであるJames(ジェームズ)とHiver(ハイヴァー)の助けや知恵を借りながら、この構造をOsma Proという製品に仕上げた」。

いつでも好きな時にエスプレッソやコールドブリューのような濃くて冷たいコーヒーを作れることは、カフェ業界の形勢を変える可能性がある。現在のところ、カフェで冷たいコーヒーを出すには、需要を予測して前日またはそれ以上前からコールドブリューを作り始めなければならないため、需要が供給を上回った場合は品切れになるか、もしくは熱いコーヒーを氷の上から注ぐという、一般的ではあるが考えてみればちぐはぐなアプローチを取るしかなくなる。

Osma Proの価格は695ドル(約7万6000円)だ。家庭用に購入するには少し高価だが、ほとんどのカフェで導入されているタイプの機器と同程度の価格である。ロス氏が手がけた他のプロジェクトと同様に、Osma Proの工業デザインはシンプルで美しい。場所を取らない(スタンド型コーヒーミルと同程度)ことや、貴重な冷蔵庫内スペースが大量のコールドブリューコーヒーに占領されることがなくなることを考えると、Osma Proの利便性にさらに納得できる。

生産台数は限定1000台、今のところは(画像クレジット:Osma)

ロス氏は(社名は伏せたが恐らく)有名なコーヒー会社がOsma Proの件で同氏と提携することに興味を示しているのはそのためかもしれない、とはにかみながら言った。小さなカフェを中心に数百台売れることはすばらしいが、ロス氏によると期待を上回る予約注文が寄せられているという。もし数千台規模で注文する大型パートナーが出てきたらどうなるだろうか。それこそ、グローバル展開の足がかりとなるだろう。

ちなみに、これらすべては、残念ながら今では機能していないであろう1台の機器から始まった。筆者が初めて使ったOsmaのコーヒーメーカーは、ロス氏から筆者に送られてきたもので、バッテリー駆動のポータブルタイプだった。そのうえ、生分解可能なコーヒー粉パックと簡略化された音波撹拌処理をテストするためのベータ版だった。しかし、このベータ版はその後の開発に行き詰まってしまった。一方で、その抽出技術は非常に興味深く、非常に美味しいコーヒーが作れたため、ポータブルタイプではなく、当時急速に開発が進んでいたカウンタートップタイプこそが同社の未来だということが早々に明らかになった。

現時点で残るただ1つの問題は、Osma Proで作ったコーヒーの呼び名だ。筆者は「coldpresso(コールドプレッソ)」はどうか、と提案した(「icepresso(アイスプレッソ)」の方が語呂がいいのだが「エスプレッソ」に語感が近すぎる)。ロス氏は「cold flash(コールド・フラッシュ)」という名称を考えたが、呼び方に関する自分のアイデアはどれも何だかあか抜けないと自分で言っていた。どんな名称になるにしても、Osma Proで作ったコーヒーを間もなく地元の「本格派」カフェで楽しめるようになるだろう。Osma Proのコーヒーを試した人、あるいは普段から冷たいコーヒーをたくさん飲んでいる人で、少々高額でもOsma Proを買いたいと思った人は、Osmaのウェブサイトで予約注文できる。

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カテゴリー:フードテック
タグ:Osmaコーヒーコーヒーメーカー

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)