英国の教科書サブスク「Perlego」が約10億円を調達

教科書のサブスクリプションサービスを運営するPerlegoが、シリーズAで900万ドル(約9億7800万円)を調達した。このラウンドは、Charlie Songhurst(チャーリー・ソンハースト)氏とThomas Leysen(トーマス・レイセン)氏(MediahuisとUmicoreのチェアマン)が支援した。ADV、Simon Franks(サイモン・フランクス)氏、Alex Chesterman(アレックス・チェスターマン)氏も、これまでの投資に応じた比率で再び投資している。

ロンドンを拠点とするPerlegoは、新たに調達した資金で同社の次の段階として「スマートな学習プラットフォーム」を構築するとしている。具体的には、学習体験を強化しシンプルにする新機能や、英国以外のヨーロッパの「戦略的」市場へ進出するための英語以外のコンテンツライブラリを計画している。

「教科書のSpotify」としてスタートしたPerlegoは、学生や専門家がサブスクリプションで教科書を利用できるようにしてきた。現在では専門家がユーザーの30%を占めている。同社は2300社以上の出版社の30万冊以上の電子書籍を扱っている。ウェブ、iOS、Androidと複数のデバイスで利用でき、複数の言語にも対応している。英国の出版社だけでなく、ドイツ、北欧、イタリアの主要な出版社のコンテンツも利用できる。

学生にとっての魅力は明らかだ。教科書の価格は上昇し、公共の図書館には十分な本がそろっていない。英国では、Perlegoの読者は月に12ポンド(約1700円)でデジタルライブラリをすべて利用できる。必要な教科書がこのサービスにあるなら極めてお値打ちだ。

出版社にとっては違法コピーと古本市場の活況による売上の損失を防げると、Perlegoは説明している。つまりSpotifyの位置付けと同じようなことだ。Pearson、Wiley、SAGEなどの出版社はすでにPerlegoに参加している。Perlegoは新規購読者が月に116%増えているとしているが、購読者数は公表していない。

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(翻訳:Kaori Koyama)

自分好みのおやつが届くサブスクサービス「snaq.me」が2億円調達

おやつのサブスクリプションサービス「snaq.me(スナックミー)」を運営するスナックミーは5月28日、総額約2億円の資金調達実施を発表した。

スナックミーは2015年9月の設立。2016年2月には、おやつのサブスクサービスsnaq.meをスタートしている。このサービスでは、4週間または2週間に1度、8種類のおやつを詰め合わせた、おやつBOXがユーザーに届く。おやつのジャンルはクッキーやマドレーヌといった焼き菓子や、ドライフルーツ、ナッツ、チップス、あられなどの米菓、豆菓子などで、人工添加物や白砂糖、ショートニングが使われていないのが特徴だ。それぞれ20〜40グラムの食べきりサイズに梱包されており、詰め合わせ1BOXあたりの価格は1980円(税込・送料無料)だ。

ユーザーは、はじめに約1分間のアンケートによる“おやつ診断”で好きなおやつの傾向を送信し、定期便を申し込む。届いたおやつの評価をマイページからフィードバックすることで、次のBOXの中身を自分好みに変えていくことができる。おやつの種類は現在100種類以上で、そのうちの10〜20%を毎月入れ替えており、組み合わせは約1000億通りにもなる。

直近では、ユーザー数が月に約10%ずつ増えているというsnaq.me。ユーザーから集めた評価データは累計100万件に上っており、それを生かした商品開発も進められている。例えば、snaq.meの会員の95%は女性だそうだが「食べたいと思えるプロテインバーがない」との声が多かったという。このことから、植物由来の原材料のみで素材の数も絞った「CLR BAR(クリアバー)」を商品化。新ブランドとして展開している。

「サブスクリプションのプラットフォームとして集めたデータを生かして、メーカーとしても商品を開発しています。普通、メーカーがアンケートを取ろうとすると、なかなかアクティブな反応がもらえないことが多いが、snaq.meでは『次のBOXの中身がどんどん自分好みになっていく』というモチベーションから、フィードバック率も高いです」と説明するのは、スナックミー代表取締役の服部慎太郎氏だ。

「試作品を改良して時間をかけて開発するというより、Webサービスのようにできたものは製品として出してしまいます。そこからフィードバックをもらい、2〜3週間ぐらいで変えていき、ダメならやめてしまう。評価が高い商品は別のフレーバーを出すなどして、展開していきます」(服部氏)

商品開発については、自社での開発のほか、現在50社ほどと協力して行っているというスナックミー。「道の駅に商品を卸している地方のメーカーなどで、販売先がなかなか見つけられないが、いいものをつくりたい、というところが全国にある。そうしたメーカーへ顧客の評価を直接伝え、一緒に製品をつくっています」と服部氏は言う。

スナックミーでは、これまでサブスク会員に限定して販売していたもののうち、評判のよいものを会員外にもオンラインで販売している。5月21日からは「国立ドイツ菓子協会」が認める材料・製法による“ホンモノ”のバウムクーヘンの販売を開始しており、今後も月に何度かこうした販売を行っていく予定だ。

服部氏は「ユーザーは『おかし』というより『自分への定期的なごほうび』として使ってくれている。だからInstagramやTwitterといったSNSで、届いたBOXを撮影して投稿してくれ、SNS経由で友人へ紹介してもらうことが多い。そこで、定期便型では敷居が高いと感じている人にも、カジュアルに手に取って欲しいと考えています」と述べている。

資金調達により、スナックミーではユーザーの嗜好データ収集から分析、新商品開発に至る仕組みを強化していく構えだ。また倉庫などのオペレーションのボリュームも大きくなっていることから、設備投資を行い内製化を図るとしている。

スナックミーでは、これまでにも何度か、VCなどからの資金調達を実施している。今回の第三者割当増資の引受先はW VenturesSpiral Ventures JapanSMBCベンチャーキャピタルLINE Ventures朝日メディアラボベンチャーズの各社。このうちW VenturesとSpiral Ventures Japanが新たに投資家として加わっている。

写真中央:スナックミー代表取締役 服部慎太郎氏

月額500円から利用できる家具のサブスク「subsclife」が1億円調達

家具のサブスクリプションサービスを提供するsubsclife(旧:カマルクジャパン)は4月16日、XTech Venturesから1億円を調達したと発表した。

同社が提供する家具ブランドの「subsclife」は、通常のように家具を「買う」のではなく、家具ごとに設定された月額料金を支払うことで借りることができるサービスだ。月額料金は500円から。ベッドやイスなど様々な家具がラインナップされており、2019年2月時点で40ブランド、2万5000種の商品を取り扱っている。

最低利用期間を超えた商品については、いつでも新品や色違いの商品に交換可能。気分転換に家具の色を変えてみたり、設置場所に合わせて違う商品を借りたりすることもできる。家具は「高い、買い替えや処分が大変」という課題を解決してくれるサービスだと言えるだろう。

subsclifeの親会社であるKAMARQ HOLDINGSは2014年の設立。2016年には環境エネルギー投資などから約3億5000万円を調達。そして、2017年11月には不動産事業を展開するLIFULLから約4億円を調達している。同社は今回の資金調達により、「サブスクリプションサービス『subsclife』のシェア拡大に向けた施策を加速させる」とコメントしている。