スマニューがUI/UXを刷新、ピンポイント降雨予想やニュース検索などの新機能も搭載

スマートニュースは7月9日、同名のニュースアグリゲーションアプリ「SmartNews」のメジャーアップデートを発表した。今回のアップデートにより、ピンポイント降雨予報、ニュース検索、閲覧履歴などの機能が追加されたほか、画面下部に新たにナビゲーションバーを新設するなどUI/UXを刷新した。

ピンポイント降雨予報は、その名のとおり現在地周辺や指定した場所の天気をピンポイントで調べられる機能。予報範囲は250m四方で、15時間先までの降雨量を確認できる。もちろん無料で利用可能だ。同機能について同社でシニアプロダクトマネージャーを務める水波 桂氏は「4月から一部ユーザーに対しテストしていた雨雲レーダーを進化させ、『ピンポイント降雨予報』の機能を追加しました。雨がいつ降るのか、いつ止むのか、一瞥して把握できるデザインしました。このひと目でわかるUIはユーザーにとって利便性が高く独自性もあると考え、特許を出願しています。これからも、ユーザーに役立つ機能を追加できたらと思います」とコメントしている。

ニュース検索は、SmartNewsの各チャンネルを横断してキーワード検索できる機能。SmartNews上の話題のトピックについても一覧できる。

閲覧履歴は、Apple IDやFacebookアカウントなどでSmartNewsにログインしているユーザーが使える機能。過去にSmartNews上で閲覧した記事が新しいものから一覧できる。同機能が加わったことで、気になる記事を一度開いておけば、あとでまとめて読むことが可能になる。もちろん、一度見た記事をもう一度見る際に探す手間も省ける。

そしてこれらの新機能に併せてナビゲーションバーを画面下部に新設。通常のSmartNewsの画面に切り替える「ホーム」のほか、天気予報やピンポイント降雨予報をチェックできる「天気」、記事検索が可能な「検索」、閲覧履歴の参照などができる「アカウント」の4つのメニューが用意される。同社でプロダクトデザインを担当する山本興一氏は「ユーザーの使い心地の向上にこだわりました。雨がいつ降るのか、いつ止むのか、調べなくてもひと目でわかる。検索キーワードが思い浮かばなくても、調べたくなる話題を手軽にチェックできる。前に読んだあの記事はどこにあるんだろう、そんな記事をすぐ見つけられる。そんな『かゆいところに手が届く』機能です。これからも、ユーザーの日常生活に役立つプロダクトを作っていきたいと考えています」と語る。

スマートニュースが米国市場拡大のため31億円調達、久夛良木氏招聘へ

スマートニュースは8月5日、日本郵政キャピタルをリード投資家とした総額31億円の資金調達を実施したことを発表。今回はシリーズEラウンドとなり累計調達額は122億円。同社によると、米国でユーザー数で前年比5倍以上と拡大しており、日米合算で2000万人の月間アクティブユーザーが利用しているとのこと。

今回調達した資金は、グローバルの開発体制を構築するために使われる。具体的には、プレイステーションの生みの親である久夛良木 健氏を社外取締役として招聘する。また5月からはFacebook News Feedのインフラ責任者を務めたYoulin Li(ユーリン・リー)氏が、エンジニアリングとバックエンド、基盤開発担当のバイスプレジデント(Vice President of Engineering, Backend System and Foundation、VPoE)として参画している。

同社の拠点は現在、東京、サンフランシスコ、ニューヨークにあるが、新たにパロアルト、アジア技術開発センターとして福岡、上海、計3つの技術開発拠点も開設。エンジニアやプロダクトマネージャー、データサイエンティストなどの採用を強化しているそうだ。

米国のトラフィック解析サービスであるParse.lyが2019年1月に発表した2018年12月時点での英語圏におけるメディアへの送客元としてはスマートニュース10位にランクイン。米Yahoo!が2018年10月、11月に占めていた10位のポジションをスマートニュースが奪取したかたちだ(編集部注:日本以外のYahoo!は米ベライゾンのサービスで、TechCrunchと同じグループに属している)。

とはいえ、7位にランクインしているDrudge Report(政治系ニュースアグリゲーターサイト)が占めるトラフィックでも0.8%。以下、bing、pinterest、スマートニュースと続くが、ぞれぞれの占有率は0.6%、0.5%、0.5%と影響力は限定的だ。

1位はGoogleで31.2%、2位はFacebookで14.4%。3位以下にもGoogle系のサービスがランクインしており、3位のnews.google.com(Googleニュース)が2.3%、6位のgoogleapis.com(GoogleChromeの「おすすめの記事」)が1.4%。Google系で合計すると34.9%と、3分の1以上のトラフィックを占めていることがわかる。

米国進出を果たしている国内企業としてはメルカリが思い浮かぶ。同社の2019年第3四半期(2019年1〜3月期)の国内事業の営業利益は64億円と好調だが、連結決算での最終損益は73億4100万円の赤字だった。第3四半期の連結決算で昨年より赤字が拡大したのはメルペイの販促費用がかさんだためだが、同社の場合は昨年に引き続き好調な国内事業の利益を米国事業に積極的に投資しているという状況だ。

スマートニュースは現在のところ非上場のため、国内事業の業績は明らかになっていない。しかし、米国事業の拡大には相当な時間がかかると考えられるので、足下の日本の事業も併せて強化、つまり大幅に黒字化していく必要があるだろう。米国で手強いライバルと戦うには、M&Aなどによるシェア拡大も戦略の1つになり得る。当面は、同社の国内の業績と、どのタイミングでIPOを狙っているのかが気になるところだ。

牛丼並盛が半額、Origamiがスマニューコラボで吉野家190円割引クーポン

Origamiは、3月28日まで吉野家の190円割引クーポンを配布する。今回は人気のニュース記事をまとめて読める「Smart News」上のクーポン機能を利用。380円の牛丼並盛なら実質半額となる。実際には300円以上の決済に使えるクーポンで、大盛や特盛りのほか、最近登場した小盛、超特盛、牛すき鍋膳などが190円引きになる。

事前に「Smart News」と「Origami Pay」のアプリをiOSもしくはAndroid端末にインストールしておき、Smart Newsの「クーポン」タブからOrigamiが配布している吉野家のクーポンをタップ。表示されたキャンペーンコードを、Origami Payの「コードを入力」画面に打ち込めばいい。

PayPayやLINE Payが大盤振る舞いの還元合戦を繰り広げる中、Origamiは吉野家ファンに手厚い印象だ。

スマートニュースのMAUが日米合算で1000万人突破、ダウンロード数は3000万件

スマートニュースは7月17日、同社が提供するニュースアプリ「スマートニュース」の月間アクティブユーザー数(MAU)が日米合算で1000万人を突破したと発表した。ダウンロード数は日米合算で3000万件。同社がアプリのMAUを公開するのは2017年10月ぶりで、前回公開時における日本版のMAUは600万人で、米国のMAUは非公開だった。今回の発表では日米の割合は非公開ではあるが、スマートニュースは順調に成長を続けているようだ。

スマートニュースが初めてMAUを公開したのは2014年12月のことだ。MAUが400万人を突破したことを発表するために「SmartNews Compass 2014」の壇上にあがったスマートニュース代表取締役の鈴木健氏は「(ニュースアプリは)実際に使われなければ意味がない」と話し、同氏がアクティブユーザー数という指標を重視していることを示した。

米国市場におけるスマートニュースの動向について、鈴木氏は「米国でも、スマートニュースは高い成長率を維持している。One product、 One Teamでサービスを改善するため、日本、米国ともに開発メンバーを大幅に強化しているところだ。そのため、エンジニアの採用が当面の大きな課題だといえる。アメリカという日本に比べて圧倒的に多様な国に適応するためには、機械学習などのテクノロジーによってパーソナライズド・ディスカバリーを実現することが重要であると考えている」と語る。

また、日本のスマートフォン利用者数は8000万人いるにも関わらず、ニュースアプリの利用者は2000万人ほどだという数字をもとに、「国内だけでも、まだ大きな成長の可能性がある」(鈴木氏)とコメントした。

ミクシィとスマートニュースがネイティブ広告ネットワークで提携、mixiの広告枠を独占提供へ

既報の通り、スマートニュースが総額36億円の資金調達を実施した。出資元の1社であるミクシィの森田仁基社長は8日、決算説明会でスマートニュースと広告分野で業務提携を締結したと発表。スマートニュースが2014年12月に開始するネイティブ広告ネットワーク「スマートアド(仮称)」に対して、SNS「mixi」内に配信するネイティブ広告枠を独占提供することを明らかにした。これによりスマートニュースがスマートアドで獲得した広告主の広告が、mixi内のネイティブ広告枠に配信されることになる。

また、同社取締役の川崎裕一氏が8月11日付けで、スマートニュースのシニア・ヴァイス・プレジデント/執行役員広告事業開発担当に就任し、スマートアドの事業開発を担当することも発表された。川崎氏はスマートアドの広告配信先となる媒体の獲得や、mixiとのサービスのつなぎ込みを手がけていくという。スマートアドはミクシィの新規事業としての位置付けでもあり、mixi以外の媒体に配信するスマートアド経由の広告の売り上げは、両社でシェアすることとなる。