ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」が「りんな」を手がけるrinnaのAI会話エンジン最新版を採用

ソフトバンクの人型ロボット「Pepper」が「りんな」を手がけるrinnaのAI会話エンジン最新版を採用

rinnaは8月20日、法人向けAIチャットボット開発プラットフォーム製品「Rinna Character Platform」新バージョンが、ソフトバンクロボティクスのヒューマノイドロボット「Pepper」(ペッパー)に採用されたと発表した。

rinnaは、MicrosoftのAI&リサーチ部門でAIチャットボットの研究を行っていたチームがスピンアウトして2020年6月に設立したAI開発企業。ディープラーニング技術を活用し、AIが文脈に応じた会話文を自動生成して人間と自然に会話する「共感チャットモデル」、AIが話し声や歌声で豊かに感情表現することを可能にする「音声合成システム」などの技術を発表してきた。これら技術は、rinnaが運営するLINE上のAIチャットボット「りんな」、法人向けAIチャットボット開発プラットフォーム製品「Rinna Character Platform」に応用されている。

Rinna Character Platformは、会話内容や音声表現をカスタマイズしてキャラクター性を持たせたAIチャットボットを開発可能。2021年春リリースの新バージョンでは、新開発のチャットエンジン「Style Transfer Chat」(STC)を使用することで、大規模会話データから構築した事前学習済みモデルに、作り上げたいキャラクターの性格や口調を反映した少量の会話データを追加学習させるだけで、キャラクター性を反映した自由会話が可能という。

また新バージョンでは、外部サービスと柔軟に連携でき、WebHookフィルターを利用しユーザーが自由に機能を拡張可能。カスタム機能はどのような言語でも開発可能という。カスタム機能とチャットボットのサーバーを分離し、チャットボットの各モジュールを小さくシンプルにすることで、耐障害性とセキュリティも向上させた。

ソフトバンクロボティクスのPepperでは、2019年からRinna Character Platformを採用しているという。同新バージョンの最新チャットモデルの効果により、Pepperの会話機能が向上し、Pepperが提供するサービスの顧客満足度が高まることが期待されるとしている。また、Rinna Character Platformの新しいアーキテクチャによってシステムの導入が容易になるとともに運用効率と耐障害性が向上し、自由会話のAIチャットボットをより低コストで安定したサービスとして提供できるようになるとした。

ルービックキューブロボは終わったがPepperは死なず、先週のロボティクスまとめ

思わず二度見してしまった。1億ドル(約110億円)というのはいずれにしても大きな数字だが、5600万ドル(約61億8000万円)を調達したラウンドから2カ月半しか経っていないことを考えると途轍もない。少なくとも、Path Robotics(パス・ロボティクス)が、口でいうだけでなく実際に資金を投入する準備ができていることは確かだ。そして、Tiger Global(タイガー・グローバル)が、この溶接ロボット企業を気に入っているらしいことも。

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この「先買」シリーズCラウンドで、同社は総資金額が1億7100万ドル(約189億円)となり、最も資金力のある建築ロボット企業のトップに躍り出たことになる。だが、そこにはもちろん、かなりの余地がある。世界の建設市場は年間で数十兆ドル(数千兆円)規模と言われている。そして、この業界の美点の1つは、攻めることができる側面がどれだけ多いかということだ。

画像クレジット:Path Robotics

つまり、Pathのこれほどの資金調達は、溶接に留まらない野望を示しているということだ。とはいえ、溶接業では2024年までに米国だけで約40万人の労働力が不足すると言われていることを考えると、最初に溶接のロボット化から始めるのは良い判断と言えるだろう。Tiger GlobalのパートナーであるGriffin Schroeder(グリフィン・シュローダー)氏は、その幕を少しだけ引いて次のように述べている。

コンピュータービジョンと独自のAIソフトウェアを使ったPathの革新的なアプローチにより、ロボットはそれぞれ異なる溶接プロジェクトの課題を感知、理解、適応することができます。この画期的な技術は、溶接のみならず、さまざまな用途や製品に応用でき、顧客に総合的なサービスを提供することが可能であると、我々は考えています。

スタートアップ企業が、早い時期からあまりにも多くのことを引き受けてしまうことには危険がともなう。たとえPathのような資金力のある企業であっても。

画像クレジット:ADUSA Distribution

Verve Motion(ヴァーヴ・モーション)の資金調達ラウンドは、先週のラウンドアップ掲載にぎりぎり間に合わなかった。1億ドル(約110億円)規模のラウンドを主導するのは大変なことだが、1500万ドル(約16億5000万円)だって決して馬鹿にできる金額ではない。ハーバード大学のヴィース研究所(Wyss Institute)に属するConor Walsh(コナー・ウォルシュ)博士の研究室と、同大学のJohn A. Paulson School of Engineering and Applied Sciences(ジョン・A・ポールソン工学部および応用科学部)で行われている非常に興味深い研究から生まれたVerve Motionは、いわゆるパワードスーツやエクソスーツと呼ばれる筋力強化スーツをてがけている数多いスタートアップ企業の1つである。

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この技術には、移動に問題を抱える人々とブルーカラー労働力という2つの需要層がある。Verveは、少なくとも現在のところは、後者をターゲットにしている。このソフトなエクソスーツは、荷物などを繰り返し持ち上げるような作業を行う職場で、負傷を減らすことを目的として設計されている。率直に言ってこのスーツは「退屈で、汚くて、危険」な業務の革新に非常に適している。

人工知能を研究する非営利団体のOpenAI(オープンエーアイ)からは、ロボット工学チームをひっそりと解散させたという、あまり楽しくないニュースも聞こえてきた。この動きは2020年10月から見られたものの、Venture Beat(ベンチャー・ビート)が米国時間7月16日にそれを報じた。OpenAIのロボット工学チームは、ルービックキューブを解くロボットハンドでよく知られていた。それは魅力的なプロジェクトだったが、どうやら行き詰まってしまったようだ。広報担当者は以下のように述べている。

私たちは、ルービックキューブプロジェクトやその他の取り組みを通じて、強化学習の最先端を進んできましたが、2020年10月、これ以上はロボット工学の研究を続行することはせず、チームを他のプロジェクトに集中させる決定を下しました。その理由は、AIとその能力が急速に進歩しているため、人間のフィードバックをともなう強化学習など、他のアプローチの方が強化学習の研究をより早く進めることができると考えたからです。

画像クレジット:Dick Thomas Johnson Flickr

Pepper(ペッパー)の死を伝える報道は、かつてMark Twain(マーク・トウェイン)が言った「新聞で、唯一信頼に足る事実が含まれているのは広告だけだ」という言葉を思い出させた。それは誇張したものではないかもしれないが、少なくとも公式には否定されている。

とはいえ、ソフトバンクのロボット事業の顔が、同社の期待していたほど成果を上げていないことは依然として明らかであり、少なくとも、同社は振り出しに戻すことに決めている。

Softbank Robotics(ソフトバンクロボティクス)の蓮実一隆CMOは、看板を持った人型ロボットの販売を練り直して継続するという話に加えて「私たちは5年後もPepperを販売しているでしょう」とReuters(ロイター)に語った。これがどういう意味であるかを判断することは難しい。Pepperは、ソフトバンクが買収したフランスのAldebaran(アルデバラン)という企業に由来する確かな血統を持つにもかかわらず、この種のものとしては、特に実用的なロボットではなかった。

少なくとも、ソフトバンクロボティクスでは、デザインの変更などを検討しているようだ。しかし、それだけでは大きな変化は起こりそうもない。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:Path RoboticsVerve Motion外骨格倉庫OpenAISoftbank RoboticsPepper

画像クレジット:OpenAI

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)