【コラム】その正当性確保のために暗号資産の規制は不可欠だ

編集部注:本稿の執筆者はHenrik Gebbing(ヘンリック・ゲビング)氏とWilhelm Nöffke(ウィルヘルム・ネフケ)氏。ヘンリック・ゲビング氏は機関投資家や企業向けに欧州のデジタル資産のカストディと金融サービスのプラットフォームを提供するFinoaの共同CEO兼共同設立者。ウィルヘルム・ネフケ氏もFinoaのシニア・コンプライアンス・マネージャー。

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過去10年間、欧州や世界各国で顧客確認(KYC)やマネーロンダリング対策(AML)の規制に関するさまざまな構造的変化が見られてきた。有名企業によるマネーロンダリングに関するニュースや不正資金のグローバル市場への浸透が相次ぎ、当然のことながら規制当局や一般市民の注目を集めてきた。

Wirecard(ワイヤーカード)のスキャンダルは、広範囲にわたる不正行為を調査した結果、麻薬やポルノの違法な流通に関わる一連のシェルカンパニーの存在が明らかになったという特に卑劣な例である。Danske Bank(ダンスケ銀行)では、9年間ほぼ気づかれることなく約2270億ドル(約25兆円)がエストニアの子会社を経由してロンダリングされていた

米国では、証券取引委員会がRipple Labs(リップル・ラボ)とその幹部2名に対し、未登録で進行中のデジタル資産証券の募集を通じて13億ドル以上(約1428億円)を調達したとして提訴。この訴訟は現在も継続中である。

規制当局や金融機関がこういった犯罪行為に対する理解を深めるにつれ、AML要件も改善されてきた。しかし、これらの調整はどれも後手後手の対応であり、試行錯誤的なプロセスとなっている。

急速に進化するブロックチェーンエコシステムの課題に対処するため、欧州連合はライセンスモデルを改善するために規制システムをさらに強化するより厳しい金融規制の導入を開始している。現在多くの加盟国が暗号資産を個別に規制しているが、ドイツが暗号資産を最初に規制した国としてリードしている。

これらの個別規制は、規制当局から金融ライセンスを取得および維持するための要件をまとめ、暗号資産企業の道筋を明確に規定している。コンプライアンスは当然、投資家の信頼と保護を高める役割を果たすわけである。

金融犯罪や暗号自体の進化にともない、規制機関の監視、対応、制限の実施の取り組みも変化を遂げている。国際的には金融活動作業部会(FATF)が最も著名な監視機関であり、マネーロンダリング防止やテロ資金対策に関する一般的なガイダンスやベストプラクティスの決定を行っている。

FATFはソフトローと考えられているが、タスクフォースが暗号資産内での実行可能な規制の基準を設定している。特に注目すべきはFATFの勧告16で「トラベルルール」として知られているものだ。これはブロックチェーン取引の参加者の個人データを収集および保存することを企業に要求するもので、理論的には、このデータにアクセスすることで、当局が暗号市場の規制をより適切に監督・執行できるようになる。言い換えれば、誰が何をしているかを当局が正確に知ることができるようになるわけだ。要は透明性である。

トラベルルールの難題

FATFのトラベルルールは、伝統的金融機関(銀行、クレジット会社など)と、仮想資産サービスプロバイダー(VASP)として知られる暗号資産企業の2種類のビジネスに影響を与える。

当初トラベルルールは銀行にのみ適用されていたが、2019年には暗号資産企業にも拡大され、2021年にはFATF加盟国の多くの国が自国のAML法にトラベルルールを組み込み始めた。この規制のシフトは暗号資産分野に衝撃を与えることになる。拒否することによるリスクは高く、トラベルルールを組み込まなかった場合、サービスプロバイダーはコンプライアンス違反とみなされ、ビジネスを行う上で大きな障害となる。

しかし、トラベルルールは暗号技術の新規性を考慮しておらず、大きな障害にもなっている。受取人のKYCデータを入手して日々のビジネスに統合する際に大きな労力を要するため、暗号資産ビジネスを統合する際のハードルとなるのだ。

暗号資産企業が情報を入手して支払いを行うためには、クライアントからデータを提供してもらう必要があるが、これを検証することは事実上不可能だ。これは暗号資産の象徴でもある効率性を大きく阻害するものである。さらにこの方法では、VASPや銀行が受け取るデータの正確性も問われるだろう。また、世界各地でデータサイロが生まれ、データの脆弱性がさらに高まることになる。

特定のコミュニティ内で孤立したものではなく、国際的な標準化手段となると、オンチェーン・ソリューション(特定のブロックチェーン上で記録・検証される取引)と、異なるブロックチェーン間でのやり取りや、オンチェーン取引とPayPalなどの他の電子システムで行われるオフチェーン取引との組み合わせを可能にするクロスチェーン通信との間には大きなギャップがある。

暗号資産の匿名性に対してもっともな懸念を持つ人々と、規制は暗号資産を禁止するものだと考える人々との間で、いずれは中間点を見つけなければならない。どちらの意見にも一理あるが、巨大な金融市場や業界の中で暗号資産の正当性と実行可能性を維持するというのは、すべての当事者にとってプラスになるため、この交渉は非常に重要である。

規制反対ではなく、実行不可能な規制に反対

そのためにはデジタルアセットに特化した法律が必要であり、AML関連の問題を解決することなく市場に支障だけをきたすなどということのないようにしなければならない。

伝統的金融業界はすでにグローバル化しているため、FATFが暗号資産の規制監督のための国際的なフレームワークを発行することの価値と必要性は明確だ。

マネーロンダリング、違法な武器販売、人身売買など、犯罪的な金融取引は国際的なビジネスでもある。そのためこういった犯罪への取り締まりは、必然的に国際的な取り組みとなる。

ブロックチェーンの分散型の性質は、我々に馴染みのあるほぼすべての場所で使用されている中央サーバーの標準に反しているため、手ごわい課題となっている。伝統的金融機関のルールや規制が暗号資産にも実装されるというのは、この経済エコシステムとその基礎となる技術が持つ革新性や新規性を無視した過失であり誤解である。

法定紙幣の世界における従来型の規制を、暗号資産のあらゆる側面やブロックチェーン技術の基本的な性質に適用することはできない。例え善意から出たものであっても、このような押し付け型の規制は古いシステムの上に構築されているため、適応・修正しなければならないのである。

テクノロジーの使用に公平な制限を設けるには、それらのテクノロジーの限界と特性を根本的に理解し、協力しあう必要がある。従来の金融界においてブロックチェーンの話題は今、本当に理解すべきものというよりも熱狂的なレトリックのように扱われているのが実情である。

この問題の核心は、ブロックチェーン取引が匿名または追跡不可能であるという根本的な誤解にある。ブロックチェーン取引は疑似匿名であり、ほとんどの状況において従来の銀行取引よりも追跡可能性と透明性を提供することが可能だ。ブロックチェーン上で行われる違法行為は、例えば現金取引よりもはるかに追跡可能である。

このように計り知れない可能性を秘めたテクノロジーは、規制された上で誰もがアクセスでき、有益なものとなるべきなのである。ブロックチェーンやデジタルアセットはすでに私たちの活動方法に革命をもたらしており、規制措置もそれに倣う必要がある。昔ながらの指示を出し、それに従わせ、不公平な罰を与えるというのは未来のあるべき姿ではない。新しい方法をきちんと実行すべきなのである。

アウトロー時代の終焉

国際的な基準を遵守していることがわかっているユーザーのデータベースを利用して、活動を監視することはすでに可能だ。承認されたユーザーやベンダーを知ることで、業界はより早く違法行為や不正行為を発見することができ、違法なユーザーを特定して制限することができる。

提示された規制をよく考えて調整することで、信頼を確保し、ブロックチェーンの可能性を適切に活用するための検証済みネットワークをまとめて構築することができ、システムを破損したり操作したりしようとする有害因子を排除することができる。これは国際的な金融犯罪を起訴し、世界中で暗号資産の正当性を確保するための大きな一歩となるだろう。

暗号資産のアウトロー時代は終わったものの、暗号資産は今前例のないレベルの正当性を獲得しており、規制当局の監視を遵守することでのみ維持、強化することができる。

そしてその規制当局の監視は、ブロックチェーン取引に旧来のやり方をそのまま丸写しするだけのものであってはならない。むしろ、犯罪行為に対抗し、投資家の信頼を高め、暗号資産を望ましい金融投資にする仕組みそのものをサポートしていくようなものでなければならないのである。

画像クレジット:cokada / Getty Images

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(文:Henrik Gebbing、Wilhelm Nöffke、翻訳:Dragonfly)

米国防総省がセンサー・AI・クラウドを組み合わせ「数日先の異変を察知」する未来予知システム「GIDE」開発中

米国防総省がセンサー・AI・クラウドを組み合わせ「数日先の異変を察知」する未来予知システム「GIDE」開発中

icholakov via Getty Images

アメリカ合衆国統合軍のひとつ、アメリカ北方軍(NORTHCOM)は、Global Information Dominance Experiments(GIDE)と呼ばれるセンサー、AI、クラウドコンピューティングを組み合わせた「未来予測システム」を開発し情報面と意思決定面での優位性を獲得しようとしています。すでに3度目の実験を行っており、司令官いわく「11の戦闘司令部すべてが同じ情報空間で同じ能力を使って協力」して実施したとのこと。

NORTHCOM司令部および北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)の司令官グレン・ヴァンヘルク空軍大将によると、このシステムは膨大なデータセットパターン、異常状態、トレンドデータを評価分析して、国防総省に「数日先を見通す能力」を提供することを目指しています。

わかりやすくいえば、映画『マイノリティ・リポート』でピタピタスーツを着て水浸しになっている予知能力者の役割を、AI技術で実現しようとしているわけですが、GIDEは決して10年単位の未来の話ではなく、すぐに利用できるツールの組み合わせで、リアクティブ(反応的)な情報収集からプロアクティブ(積極的)な情報収集環境を構築しているとのこと。

しかも、このシステムは数分とか数時間単位ではなく、数日単位で情勢を把握できるようなるとされています。たとえば何らかの社会的軍事的異変が起こるとして、それが数分後や数時間後なら、軍として対処するにも時間が少なすぎます。しかしもしそれが数日前にわかるのならしっかりと意思決定や戦略を練る余裕もでき、作戦指揮官たるヴァンヘルク大将にとっても部隊配置や大統領を含め各機関のトップと意思統一をはかることができ、大きな”備え”となるはずです。

GIDEシステムは収集する情報として、たとえばある場所に駐車する自動車の数が突然増えただとか、基地に飛行機が集中しはじめたといった、平時とは異なる手がかり、を予測の材料とします。しかしこのシステムだけで「明日どこそこで事件が起こるから」といった具体的な情報がわかるわけではなく、依然として多くの人々が情報を元に頭を使って手立てを考え、実際に動いて備えを講じる必要があります。それでも、テロのような奇襲攻撃を事前に察知できるようになれば、交渉によって戦いを避ける道も探れるかもしれません。それは、非常に価値あるシステムであるはずです。

(Source:U.S.DoD。Via The DriveEngadget日本版より転載)

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UFOあらため「UAP」報告書が公開、米情報機関を統括する国家情報長官室ODNIが5つの可能性を挙げる

UFOあらため「UAP」報告書が公開、米情報機関を統括する国家情報長官室ODNIが5つの可能性を挙げる

US Navy

米国の情報機関を統括する国家情報長官室ODNIが、国防総省の動画公開で話題となったUFOあらため「UAP」に関する報告書を公開しました(Unidentified Aerial Phenomena、未確認空中現象)。

報告書によれば、2004年から2021年にかけて主に米軍内で記録された目撃・観測事例144件について、国防総省のUAPタスクフォースが調査したところ、1件のみ空気の抜けた気球であったと結論づけたものの、残りはデータ不足から解明に至らず。

大部分は複数の種類のセンサーや目視報告があることから実在の物体であると考えられること、うち18の事例については空中での静止や風に逆らうなど不自然な動きが観測されたこと、さらに一部は推進手段が確認できないにもかかわらず高速での移動、急激な方向転換、加速、あるいは観測を妨げる能力もしくは性質など、発達した技術をうかがわせるものがあったとしています。

報告書ではこうしたUAPについて、未確認の自然現象、ロシア・中国または別の国家や組織の技術によるもの、米国内の秘密計画により作られたものなど5つの可能性を挙げ、航空や国防への脅威となる可能性を認めつつ、解明には今後のさらなる調査・分析に向けた取り組みが必要となると結んでいます。

UFOあらため「UAP」報告書が公開、米情報機関を統括する国家情報長官室ODNIが5つの可能性を挙げる

説明のつかない飛行物体や空中の現象は歴史を通じて目撃されてきましたが、20世紀以降は特に軍事的要請からの観測が飛躍的に進んだこともあり、世界中で多数の証言が残るようになりました。

未確認飛行物体の頭文字「UFO」は、1950年代の米空軍がそうした事象を指すために用いた言葉。しかし宇宙人の乗り物説がSF映画などのメディアを通じて浸透した結果、現在のいわゆるUFOのイメージが定着しました。

米軍や情報機関がこの「UFO」を調査してきたことは公式の記録から分かっていますが、今回改めて話題になったきっかけは、そうした調査計画に関わった職員が2017年に3つの動画をメディアにリークしたこと。

動画は2004年から2015年にかけて、空母ニミッツとセオドア・ルーズベルト所属の戦闘機が記録したもの。高速に移動する正体不明の物体をパイロット含む数名が数分間にわたり目撃したほか、複数のセンサーに記録が残っています。

動画は世界でニュースになりましたが、半世紀以上にわたって「米軍が隠匿するUFOビデオ」ネタに慣れた世間は特に恐慌を来すこともなく、関係者の証言とともにスクープしたニューヨーク・タイムズは怪しい動画をセンセーショナルに伝えて世間の注目を浴びようとしている、UFO陰謀論者にお墨付きを与えると非難される始末でした。

しかしその後、国防総省は上院情報委員会からの照会に対しUAP調査計画の存在を認め、先にリークされていたものを含む動画を正式に公開。今回の報告書はこれを受けて、一連の「UFO」調査と航空・国防上のリスクについて、国家情報長官室が予備的な評価を伝える目的で作成しました。

こうした性格から中身はごく短く、本格的な分析の結論を伝えるというより、現状でどこまで把握しているのか、情報収集はどのような状態なのか、今後の方針はどうすべきか簡潔に伝える内容となっています。

短い内容をさらにまとめるなら、

  • とにかく情報が少なすぎて分からない。情報収集の体制が不十分
  • 技術的には、軍が備える各種センサーはミサイルや軍用機など既知の対象に最適化されているため、想定外の観測には不適切であり充分なデータが記録できていない
  • 制度的には、各軍や情報・諜報機関にはUAP目撃を正式に報告する仕組みも、情報集約の制度もなかった
  • 逆にUAPを目撃した場合も、報告したり話題にすることで不利な扱いを受けるとの証言がパイロットや諜報・情報機関の分析官から寄せられた。こうしたスティグマ(烙印)効果については、有力な科学者や政治家、軍や情報機関の高官が公の場でUAPを真摯な話題として扱うことで軽減されつつあるが、目撃者の多くは組織内での低評価を恐れ沈黙している可能性がある
  • UAP目撃時の正式な報告の仕組みは海軍が2019年3月に、空軍が2020年11月に導入するまで存在しなかった。このため、今回の報告で評価した2004年から2021年にかけての事例144件の大半は2020年と2021年に発生している
  • UAP調査タスクフォースは他の目撃例についてもたびたび伝聞的に情報を得ているものの、今回は上記の報告システムに寄せられた軍関係者からの証言のみを対象とした
  • 144件中、高い確度で正体を推定できたものは空気の抜けたバルーンと思われる1件のみ
  • 144件中、80件が複数のセンサーに記録されている
  • データセットが少なすぎ、傾向やパターンについて分析は難しい
  • うち18のUAPについて不自然な動きが報告されている(同じ対象について別々の目撃報告があったため、報告としては21件)
  • 推進手段が見あたらないにもかかわらず、空中での静止、高速移動、急な方向転換などが報告された
  • いくつかの例では、UAPと関連すると思われる電波が観測されている
  • わずかながら、UAPが加速やある程度のシグネチャーマネジメントと思われる挙動、性質を示したデータがある
  • こうしたデータが意味するところや信頼性については、複数の専門家チームによる分析が必要

軍事用語でのシグネチャーマネジメントはいわゆるステルスや熱光学迷彩など、識別を妨げる能力のこと。おそらくUFOの目撃証言にある変形や消失といった現象、センサーへの不自然な反応について述べているものと思われます。

目撃報告のスティグマ効果については、UAP(未確認空中現象)という用語自体も、軍や諜報関係者に忌避されるUFOという言葉を使わず「現象」としてニュートラルに扱う意味があります。

5つの可能性

データ不足としつつ、報告書では考えられる説明として5つの分類を挙げています。

  • バルーンやドローンなど、大気中の障害物
  • 自然の大気現象
  • 米政府または民間の非公開プロジェクトの産物
  • 中国、ロシア他の国家、あるいは非政府組織のテクノロジーによるもの
  • その他

その他は「分析、特定にさらなる科学的知識が必要になると考えられるもの」「理解には現在以上の科学的進展を待つ必要があるもの」という分類。

空のゴミや自然現象や秘密兵器ならば、原理はともかくそれが何なのかは分かりますが、「その他」は正体がわれわれの知らないものである場合の分類です。報告書では一切言及していませんが、もし仮に本当に宇宙人の乗り物だった場合はここに入ることになります。

脅威の評価

・UAPは航空の安全を脅かす。国防上の脅威となる可能性もある (他国の偵察機であった場合を含む)

・パイロットがUAPとニアミスした報告は11件

さらなる調査に向けた取り組みと提案

  • UAPタスクフォースの長期的な目標は、従来以上に広範な目撃証言や観測記録を収集し、分析対象となるデータセットを拡充すること
  • 当初の注力点として、人工知能 / 機械学習を用いてデータの類似点やパターンの発見を目指す
  • UAPタスクフォースは各軍や情報機関を横断した情報収集・分析ワークフローの開発を開始した
  • 観測範囲が軍事施設や訓練エリアに偏っていることが課題。解決策として、蓄積されてきたレーダーのデータを先進的なアルゴリズムで精査する提案
  • UAPタスクフォースの予算増やして

今回の報告書はあくまで予備的な報告であるため、議会はこれをもとにさらに詳しい説明や報告を求めるはずです。ODNIは議会に対し、今後90日以内に改めて情報収集戦略の改善策について、収集・分析に必要な新テクノロジー開発のロードマップについて報告する見込み。

宇宙人だったとして、わざわざ米軍の近くを堂々とウロチョロする理由についてはやはり分からずじまいですが、警戒システムの不備を含め、潜在的に国防上の懸念がある現象を目撃・観測しても、うっかり口に出したら「ああ、例のUFOの人(笑)」扱いになったり職務不適格な陰謀論ビリーバー扱いになって出世に響くことを恐れ見なかったことにせざるを得ないという、地球人の課題については納得感が高い報告書です。

Engadget日本版より転載)

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バイデン政権が米国内テロ対策の「最前線」と呼ぶソーシャルメディアとの情報共有を拡大へ

バイデン政権は国内テロと戦う新たな計画の概要を発表した。1月6日の米国議会議事堂襲撃を受けてのもので、ソーシャルメディア各社にはそれぞれの役割が与えられている。

米国時間6月15日、ホワイトハウスは国内テロに対抗するための新たな国家戦略を発表した。計画は、オンラインプラットフォームが凶暴な考えを広める中心的役割を演じていることを認識し、ソーシャルメディアサイトを国内テロ戦争の「最前線」とまで呼んでいる。

「国内テロリストの勧誘がオンラインで容易に行える状況は、国家安全保障への脅威であり、その最前線の大部分を民間オンライン・プラットフォームが担っている状態です。我々はプラットフォーム各社がその前線を安全に保つためにいっそうの努力を重ねるよう促すことに注力します」とホワイトハウスは述べた。

バイデン政権は、オンライン過激主義の流れと戦うために、テックセクターとの情報共有を拡大することを約束している。これは過激派が凶暴集団を構成するよりもずっと前に介入する行動の一環だ。新たな対国内テロ計画の概況報告によると、米国政府は「テクノロジーセクターとの情報共有拡大」の優先度を高める予定であり、具体的には過激主義が醸成、組織化されているオンラインプラットフォームが対象だ。

「民間セクター、特にテクノロジーセクターに提供する国内テロ関連情報の拡大を続けていくことでこ、テロリストによるインターネット上のコミュニケーションプラットフォームを利用した暴力行為への勧誘に対抗する政府外の活動が強化されるでしょう」とホワイトハウスの計画書に書かれている。

関連記事:米国時間1月20日の新大統領就任式での暴力の脅威がソーシャルメディアに長い影を落とす

国内テロ戦略の発表に合わせて発表された所見でMerrick Garland(メリック・ガーランド)司法長官は、テック業界との協力は、オンラインプラットフォームで組織化と勧誘を行う過激派を阻止する上で「特に重要」であると断言し、潜在的国内テロ脅威に関する情報共有を強化する計画を強調した。

こうした新たな取り組みにも関わらず、国内テロの勧誘情報がオンラインに残ることは不可避であることをバイデン政権は認めている。削除の優先度を挙げていないプラットフォームでは特にそうだ。2021年1月以前のソーシャルメディアプラットフォームのほとんどがそうだったように、そしてエンド・ツー・エンド暗号化アプリには、ソーシャルメディア各社が米国内で過激派の取締りを強化した後、多くのユーザーが流れ込んでいる。

「つまり供給への対応は必要ですが十分ではありません。需要にも目を向ける必要があります」とホワイトハウスはいう。「今のデジタル時代が米国民に求めているのは、インターネットを利用するコミュニケーションプラットフォームの本質的側面を活用するだけでなく、国内テロリストの勧誘行為やその他の有害コンテンツに対する脆弱性を回避できる能力です」。

バイデン政権はオンライン過激派に対する脆弱性対策として、デジタルリテラシープログラムの利用も考えている。例えば米国人に国内過激派の勧誘を予防する「教材」や「技能強化オンラインゲーム」で、誤情報、偽情報全般への対応も含まれていると思われる。

計画書は、QAnon(キューアノン)や「Stop the Steal(選挙泥棒をやめろ)」運動といった国内テロ要因を具体的に名指しすることまではしていないが、小さな非公式集団から民兵組織まで、国内テロを起こす方法にはさまざまな種類があることを指摘している。

3月に国家情報長官官房が発表した報告書は、2021年の国内テロによる米国への脅威の高まりを認識し、国内過激派が大手ソーシャルメディア・サイトを活用して新規メンバーの勧誘、リアルイベントの開催、さらには暴力につながる資料の配布を行っていることを指摘した。

関連記事:Facebookがミシガン州ウィットマー知事誘拐計画に関わった民兵組織を排除

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タグ:ジョー・バイデンアメリカソーシャルメディアテロ

画像クレジット:Danita Delimont / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

EUがプロバイダーによるテロ関連コンテンツの1時間以内の削除を法制化

欧州議会は現地時間4月28日、テロリストのコンテンツ取り締まりに関する新しい法律を承認した。1時間以内のコンテンツ削除が欧州の法定基準となる。

「テロリストコンテンツのオンラインでの拡散に対処する」規則は欧州連合(EU)の官報掲載後すぐに発効し、12カ月後に適用が始まる。

規則の導入で、欧州でユーザーにサービスを提供しているプロバイダーは加盟国当局からの通知を受けて1時間以内にテロリストコンテンツの削除を行うか、あるいはなぜ削除できないのかを説明しなければならない。

教育、研究、文化、報道のコンテンツは例外とし、ソーシャルメディアサイトのようなオンラインプラットフォームで拡散しているテロリズム宣伝を標的とすることを目的としている。

この規則で当局が迅速に削除したいコンテンツの種類は、テロ犯罪を扇動、勧誘したりテロ犯罪に貢献するようなもの、犯罪のインストラクションを提供するもの、あるいはテロリストグループに参加するよう人々をそそのかすものだ。

爆発物や銃器、テロ目的の他の武器の作り方や使い方を案内するコンテンツも対象となる。

しかしながら、オンラインの表現の自由への影響について懸念が示されてきた。ここには、削除対応に必要なタイトな時間のためにプラットフォームがリスクを低減しようとコンテンツフィルターを使うのではないか、というものが含まれる。

この法律はプラットフォームにコンテンツを監視したり、フィルターにかけたりすることを義務付けていないが、テロの宣伝を防ぐための方策をとらなければならないとして、禁止されたコンテンツの拡散を防止するようプロバイダーに求めている。

どのように対応するかはプロバイダー次第だ。自動化ツール使用の法的義務はない一方で、大手プロバイダーがおそらく活用することになるのは、不当に言論を黙らせるリスクをともなうフィルターとなりそうだ。

もう1つの懸念は、法律のもとでテロリストのコンテンツがどれくらい正確に特定されるかだ。市民権グループは欧州の権威主義的な政府が欧州のあちこちを拠点とする批判的な人々を追跡するのにこの法律の使用を考えるかもしれない、と警告している

法律は透明性の義務を含む。つまり、プロバイダーはコンテンツ特定と取り締まりについての情報を毎年公開しなければならない。

罰則に関しては、加盟国が違反に規則を適用するが、繰り返し順守しなかった場合に科す罰金の上限はグローバル年間売上高の最大4%と規則に盛り込まれている。

EU議員はこの法律を、オンラインでのISISコンテンツ拡散に関して懸念が高まっていた2018年に提案した。

同年3月にプラットフォームは非公式の1時間内削除ルールに従うよう迫られた。しかしそれから数カ月して欧州委員会が「オンラインでのテロリストコンテンツの拡散を防ぐ」ことを目的とする、より広範な提案を行った。

提案をめぐっては、調整のための交渉が欧州議会議員と加盟国の間で繰り広げられた。たとえば欧州議会議員は、所管官庁に削除命令を1度も受け取ったことのない企業に対し、コンテンツを削除する初の命令を発行する少し前に手順と締切についての情報を提供するために連絡をとることを求める提案を推進した。これは企業が完全に法律を適用されることがないようにという意図だ。

ただ、小規模のコンテンツプロバイダーへの影響は批判的な人にとって引き続き懸念となっている。

欧州理事会は3月に最終提案を採用した。4月18日の欧州議会による承認には共同立法プロセスも含まれる。

声明の中で欧州議会議員で報告担当官のPatryk JAKI(パトリック・ジャキ)氏は次のように述べた。「テロリストはインターネットでリクルートし、プロパガンダを共有し、攻撃のための調整を行います。今日我々は、加盟国がEU中で1時間以内にテロリストコンテンツを削除できるようにする効果的なメカニズムを確立しました。セキュリティとインターネット上の言論と表現の自由のバランスを取り、合法のコンテンツとEU全市民のための情報へのアクセスを守る一方で、加盟国間の協力と信頼を通じてテロリズムと戦うものとなっていて、良い成果をあげたと強く確信しています」。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:EUテロ

画像クレジット:picture alliance / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Nariko Mizoguchi