ディズニーが新しいアトラクション予約サービス「Disney Genie」開始、まずは10月19日よりフロリダのWalt Disney Worldで

Disney(ディズニー)の新しいデジタルサービス「Disney Genie(ディズニー・ジーニー)」が、米国時間10月19日より、Walt Disney World Resort(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)で始まる。8月に初めて発表されたこのサービスは、従来のディズニー・パークの行列予約ツールをアップデートしたもので、ゲストは旅程を計画・更新したり、最も人気のあるアトラクションの時間帯を予約したり、さらにオプションとして、人気アトラクションではアラカルトまたはアドオンの「Genie+(ジーニー・プラス)」を通して、並ぶ時間を短縮できる「Lightning Lane(ライトニング・レーン)」入場口の有料アクセスを購入することができる。

ディズニーによれば、このDisney Genieは、旧来のFASTPASS(ファストパス)、FastPass+(ファストパス・プラス)、Disney MaxPass(ディズニー・マックスパス)に代わるサービスとして、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートとカリフォルニアのディズニーランド・リゾートで導入されるという。

Disney Genieの中核となるのは、ゲストがパーク内で必ず体験したいと思っている乗り物やアトラクション、食事やエンターテインメントに基づいて、パーソナライズされた旅程を作成するスマートな旅行計画機能だ。つまりDisney Genieのユーザーは、人気アトラクションだけでなく、ディズニープリンセスとのミート&グリートを予定に組み込んだり、パーク内のバーで最高のカクテルを楽しみたいといった自分の興味に基づいて、1日の旅程をカスタマイズすることができる。

画像クレジット:Disney (choosing your interests in the app)

Disney Genieの導入以前は、パークに行く前に「FastPass+」と呼ばれる予約システムでアトラクションを3回まで予約でき、3回目以降はアプリ「My Disney Experience(マイ・ディズニー・エクスペリエンス)」を使って予約を継続することができた。しかし、この無料システムでは、60日前から予約できるディズニー直営ホテル宿泊者が有利で、それ以外の人は30日前にしか予約できないため、人気のある乗り物の予約が取りにくいという問題があった。また最初の予約時には、すべての人気アトラクション(いわゆるTier1アトラクション)を3つ予約できるわけではなかった。

Disney Genieは、これらの問題を解決するためのものだが、しかし有料となる。そのため、ディズニー・ファンからは「ディズニー旅行にはすでに十分お金を払っているのに、さらに追加料金を払いたいとは思わない」という反発の声が上がっている。実際、Disney Genieの発表動画には、本稿執筆時点で、1万2000件もの「低評価」が付けられているのに対し「高評価」は948件に過ぎない。しかし、テーマパークの主要アトラクションに有料で優先的に並べるサービスは、ディズニーに競合するテーマパークでは一般的なものであり、タイトなスケジュールで確実にすべてのアトラクションを体験したい人にとっては役に立つ。

10月19日に発売されるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのDisney Genieでは、ゲストは2つの有料オプションから選択できるようになる。最大2つのライトニング・レーンを個別に利用するか、あるいはGenie+のより幅広いセレクションを利用するかだ。

ディズニーによると、アラカルト・オプションで利用できるアトラクションは以下の通り。Magic Kingdom(マジックキングダム)の「Seven Dwarfs Mine Train(七人のこびとのマイントレイン)」と「Space Mountain(スペース・マウンテン)」、Epcot(エプコット)の「Remy’s Ratatouille Adventure(レミーのラタトゥイユ・アドベンチャー)」と「Frozen Ever After(フローズン・エバー・アフター)」、Disney Hollywood Studios(ディズニー・ハリウッドスタジオ)の「Star Wars:Rise of the Resistance(スター・ウォーズ:ライズ・オブ・ザ・レジスタンス)」と「Mickey & Minnie’s Runaway Railway(ミッキー&ミニーの暴走鉄道)」、Disney’s Animal Kingdom(ディズニー・アニマル・キングダム)の「Avatar Flight of Passage(アバター・フライト・オブ・パッセージ)」と「Expedition Everest(エクスペディション・エベレスト)」。

これらの中から、2つのアトラクションを選ぶことができ、待ち時間を短縮できる可能性はあるものの、あなたがどうしても乗りたいアトラクションは含まれていないかもしれない。

一方、Disney Genie+では、4つのパークにある合計40以上のアトラクションでライトニング・レーンを開放し、しかもその中には、多くのTier1ライドが含まれる。販売開始時の価格は、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでは1日1枚15ドル(約1700円)、ディズニーランド・リゾートでは1日1枚20ドル(約2300円)になる予定だ。

画像クレジット:Disney

アラカルトの価格は、日付、アトラクション、パークによって異なるとディズニーは述べている。ディズニーは各ライドの具体的な価格を発表していないが、いくつかの例を提示している。例えば「レミーのラタトゥイユ・アドベンチャー」のライトニング・レーン入場は、10月19日には1人9ドル(約1020円)だが、10月23日には1人11ドル(約1250円)になるとのこと。しかし、同じ日に「エクスペディション・エベレスト – 禁断の山の伝説」は1人7ドル(約790円)「スター・ウォーズ:レジスタンスの台頭」は1人15ドル(約1700円)となっている。

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで10月19日より開始するというニュースに併せて、ディズニーはこの機能がMy Disney Experienceアプリにどのように統合されるかについても詳しく説明している。これは、チケット、パークマップ、ショータイム、オンラインフードオーダーなどにアクセスするためのアプリだ。

画像クレジット:Disney

現在は多くのパーク来場者が、TouringPlans.comをはじめとするインディーデベロッパーによるサードパーティ製アプリや、ディズニー・ファンのブログなどを利用して、主要なアトラクションやイベントをすべて見て回るルート計画のヒントを得ている。しかし、Disney Genieは、同社が把握している待ち時間やパークの変化(一時的に閉鎖されている乗り物やその他の遅延など)などの情報も組み入れながら、自社の「My Disney Experience」アプリで直接、ユーザーが旅の優先順位を決めるための手助けをすると約束している。この自社開発のオプションは、パーク・プランニングのニーズに対応するために作られたサードパーティ・ビジネスの収益源に影響を与える可能性がある。

しかも、固定されたプランとは異なり、Genieによる体験は、ユーザーの要望や予期せぬ計画変更にも対応する。例えば、小さな子どもを昼寝させるためにホテルへ戻る必要が生じたり、予定外の軽食で休憩を取ったり、気に入ったアトラクションにもう一度乗りたいと思ったりすることがあるだろう。そんなふうに予定を変更すると、Genieはあなたの旅程をアップデートしてくれる。このサービスは、ライトニング・レーンの入場料を払っていなくても、無料で利用できる。

ディズニーは、カリフォルニアのディズニーランド・リゾートではDisney Genieがいつから導入されるかを発表していないが、以前「2021年の秋」と言っていたので、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートからそれほど遅れることはないだろう。

画像クレジット:Disney

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

次世代型テーマパーク「リトルプラネット」が「レーザーミニ四駆」向けにXR技術採用したデジタルコース開発に着手

次世代型テーマパーク「リトルプラネット」が「レーザーミニ四駆」向けにXR技術採用したデジタルコース開発に着手

子どもの探究心を刺激するファミリー向け次世代型テーマパーク「リトルプラネット」を展開するプレースホルダは8月30日、マンガ誌「コロコロコミック」とタミヤが展開する次世代のミニ四駆シリーズ「レーザーミニ四駆」の体験拡張コンテンツとして、XR技術を用いた最先端のデジタルコース「MINI4WD LASER CIRCUIT」を開発すると発表した。

タミヤはミニ四駆の新シリーズ「レーザーミニ四駆」を8月に発売開始し、同時に小学館の「月刊コロコロコミック」では9月号からこのレーザーミニ四駆を題材にした新連載「MINI4KING」(ミニヨンキング)が始まった。これを受けてプレースホルダは、XR技術を使って、アニメやマンガのような演出効果を見られるデジタルコース「MINI4WD LASER CIRCUIT」を開発する。

そのプロトタイプがYouTubeの「コロコロコミック』」公式チャンネル「レーザーミニ四駆第一弾!ロードスピリット発売記念生配信」で公開されているが(1:32:50あたりから登場)、このプロトタイプでは、プロジェクションマッピングとセンサー技術を駆使し、ミニ四駆が走ると光の軌跡が現れたり、コース中央に走行タイムが表示されたりする。「MINI4WD LASER CIRCUIT」は、さらにデジタル演出を加えて完成を目指すとのことだ。

2016年9月設立のプレースホルダは、2018年より「遊びが学びに変わる」をコンセプトとする次世代型テーマパークとして、リトルプラネットの運営を開始。建築士、ゲームプログラマー、元幼稚園教諭、大手テーマパーク従事者など多様なスキルを持つ人材を擁し、デジタルアトラクションの企画開発から施設設計、パーク運営までを内製している(一部パークのみライセンスパートナーとの共同運営)。

また2020年より、これまでに培った知見やノウハウを活かし店舗や商業施設、保育施設、イベント会場などで新たなキッズ・ファミリー体験を生み出すエクスペリエンスデザイン事業を本格的に開始。あらゆる空間において、デジタルとリアルが融合したこれまでにない体験を提供しているという。

リトルプラネットは、デジタル技術を駆使して子どもたちの探究心や創造力を刺激するという、新タイプのファミリー向けテーマパーク。砂遊びや紙相撲、影絵遊びといった昔ながらの遊びにテクノロジーを融合させたアトラクションを通じて、子どもたちに「未来のアソビ」を提供する。現在、首都圏のほか大阪・名古屋など全国9カ所(ショップ融合型パークを含む)に常設パークを展開している。