アマゾンの最新「Echo Show」は15インチの壁掛け型スマートピクチャーフレーム

Amazon(アマゾン)は先ほど、最新かつ最大の、Echo Showファミリーメンバーのベールを剥いだ。Echo Show 15は同社のスマートスクリーン技術を生かし、15.6インチ、1080pのディスプレイを壁に掛け、巨大デジタルピクチャーフレームとの二役を担わせる。

250ドル(約2万7900円)の新デバイスは、すでにEcho Show 5とEcho Show 8、さらには部屋にいる人に合わせて首を振る画面で一部の不評を買ったEcho Show 10(同じく価格は250ドル)が揃っている商品ラインへの間違いなく斬新な追加アプローチだ。新しいデバイスは、顔認識を利用して個人を認識しカスタマイズされたコンテンツを提案する新機能、Visual ID(ビジュアルID)の追加によってレベルアップを図っている。

画像クレジット:Amazon

新しい体験は、Alexa(アレクサ)ホームエコシステムのコントロールパネルのような役割を果たすカスタマイズ可能なホーム画面を中心につくられている。機能は主にカスタマイズ可能なウィジェットを通じて実現されていて、カレンダーイベント、ToDoリスト、レシピなどを追加できる。デジタルホワイトボートか冷蔵庫に貼られたマグネットのようでもある。他に、防犯カメラや玄関インターホンの映像を1つのウィジェットで見られるスマートホームコントロールもある。

Echo Show 15の明確な強みの1つは画面の広さだ。これはさまざまな情報を同時に見られることを意味していて、タイリング効果やピクチャーインピクチャーなどを使って、玄関ベルが鳴った時など特別な状況下でビデオを表示できる。実際これは、Samsung(サムスン)のスマート冷蔵庫の扉で見るような夢の機能を、何千ドルも払うことなく実現していると言えるかもしれない。

これ以外にもこのデバイスは、現在Echo Showに期待することはおよそ何でもこなし、実質的に大きなキッチンテレビとして機能する。たとえばPrime Video(プライムビデオ)、Netflix(ネットフリックス)、Hulu(フールー)、Sling TV(スリングTV)などのストリーミングが可能だ。最後のSling TVはTikTok(ティックトック)のコンテンツとともに近日提供される予定で、好きな人は15.6インチの画面で見られるようになる。

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1080pのスクリーンの左右にはサイドファイアリング方式スピーカーが付いている。短いビデオクリップには十分だろうが、ストリーミング・ミュージックや映画、テレビなどを長い時間鑑賞するつもりなら別のEchoかBluetoothスピーカーとつなぎたくなるだろう。

カメラは大きめのベゼル(額縁用語にこだわるなら「マット」)に組み込まれている。この場合、白い縁取りが右上隅にある5メガピクセルカメラの存在を際立たせているのは良いことだ。隠しカメラのような存在は、間違いなくプライバシー問題の元になるが、少なくともここでは鮮やかな15.6インチ画面の横に白い背景にくっきりと黒い円形が見えている。、

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デバイスはビデオチャットにも使用可能なので、Alexa for Businessを職場へのハードウェア進出手段として推進しているAmazonにとって、いずれ興味深い提案商品になるだろう。予算が厳しくたくさんの会議室のある会社向けの(比較的)低価格なリモート会議デバイスとして、この商品が使われることが想像できる。使っていないときには天気予報や社内イベント、会議室予約などをカレンダーに表示することもできる。Amazonが本格的にIT部門に売り込むことになれば興味深い。

カメラをふさぐ物理的遮断ボタンがついているらしい(未確認)。しかし私ならAirbnbで泊まった部屋にこれが掛けられていたら、コンセントを抜いて裏返しておくだろう。もちろん私はEcho Show 10の顔追跡機能を特に気味悪がった1人なので、そう思って読んでいただきたい。2020年、Amazonがその機能を発表したとき、顔の細かい特徴は追跡に使っていないとすかさず指摘していた。

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ここでもAmazonは、Visual IDを利用するにはユーザーがオプトインして自分の顔を登録必要があることを強調した。ユーザーは、気が変わったら、自分のプロフィールをデバイス上でもAlexaアプリからでも削除できる。この機能はカメラを内蔵した同社のさまざまなShow製品全体に今後搭載されていくと私は予想している。ディスプレイはAmazonが最近発表したクアッドコアAZ2チップ(2020年のAZ1の後継)とオンボードのニューラルプロセッサーが駆動する。このカスタムビルトインチップはほとんどの処理をボード上で実行するので、Visual IDのデータをクラウドに送ることはない。しかしながらAmazonの顔認識にまつわる過去の経緯を踏まえると、この機能がプライバシー擁護派の間で懸念を呼ぶことはまず間違いない。

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Show 15は2021年初めにベータ版が公開されたSound Detection(音声検知)機能の改訂版を搭載している。当初この機能は、ガラスの割れる音や赤ん坊の鳴き声などの決められた音を検知し、その時点でアカウント所有者に警告を送るように作られていた。新たに追加されたCustom Sounds(カスタム・サウンド)は、デバイスに音を聞かせることで実質的にシステムを訓練することができる。

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Echo Show 15の価格は250ドルで、2021年中に発売される。実際に商品を近くで見ていないので製造品質について語ることはできないが、この価格からは、単なるデジタルフォトフレームのスケールアップ版以上のものを期待したい。壁に掛けたりカウンターやテーブルの上に常時置かれるものなのでなおさらだ。この商品は、多かれ少なかれ背景に溶け込むようにデザインされていた初期のスマートスピーカーに対する事実上のアンチテーゼだ。カウンタートップスタンドとキャビネットマウントも用意されているが別売りだ。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Joyが250万ドルを調達、離れた家族とも写真が共有できるフォトフレームを販売開始予定

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ポジティブな気持ちで溢れたハードウェアスタートアップのJoyは、同社にとって初の製品となるJoy Albumを本日発表した。Joy Albumは、同社が一から開発したインタラクティブなデジタルフォトフレームだ。さらにJoyは、シードラウンドでObvious VenturesやThe Chernin Group、BoxGroupMaywic Select Investmentsなどから250万ドルを調達した。

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タブレットのような形をしたJoy Albumは、一見するとTargetやBest Buyなどの家電量販店で、私たちの親世代を対象に販売されている初期のデジタルフォトフレームのように感じる。しかし、この製品のターゲットは親ではなく、むしろJoyは親が私たちのような世代の人のために購入することを想定している。

CEOを務めるAlan Chanは、妻との彼自身の経験からJoyのアイディアが生まれたと説明する。ふたりは普段、さまざまなデバイスで家族写真を撮っていたが、それぞれが撮った写真を見るために互いをせかさなければならなかった。

13.3インチのディスプレイを備えたJoy Albumには、ワイヤレス充電器が同梱されており、比較的短い5時間という電池の持ちを補っている。Appleの商品からヒント得たJoy Albumには、外部接続用の端子は準備されていない。また、内蔵されたスピーカーを使ってビデオを再生できるほか、リアルタイムのストーリーテリング機能も備えている。この機能を使えば、離れた場所にいる人同士でも、Joy Album上で一緒に写真を見ながら語り合うことができるのだ。さらにJoyは、写真をアップロードするためのウェブ・モバイルアプリも準備している。ユーザーは10GBの無料ストレージを使って、Joy Albumに直接写真をアップロードできるほか、特別アカウントへ写真をメール送付すれば、出先からでもすぐに自動で写真を共有できる。

Joy Albumの欠点として、アーリーアダプターはこの素晴らしいデバイスを299ドルで購入できる一方、最終的な小売価格は499ドルまで上がる予定だ。iPadよりは安いものの、ひとつの機能しか備えていないデバイスとしては多少高く感じる。

スマートフォーンの機能の一部を取り出してユニークな製品つくり出した企業は、Joy以外にも存在する。ニール・ヤングの開発したPonoPlayerは、スタンドアローンの音楽プレイヤーとして、音楽の楽しみ方を変えようとしたが失敗に終わった。ランニングの際に大きなスマートフォンを携帯したくないというアスリートのために開発され、GPSと音楽再生機能を備えたランニング補助機器のPebble Coreについては、これから市場によって判断が下される。どちらのデバイスも、スマートフォンほど日常的に携帯されることはないが、そこだけを判断基準にする必要もない。

joy-ios-appAuraという別の会社も、デジタルフォトフレームのAura Frameを販売している。Aura Frameでは、一定の条件をもとに写真が自動でセレクトされ、高品質の写真だけが表示されるようになっている。399ドルの同製品には、無制限のストレージもついてくる。Chanは、Aura Frameと似たような機能をJoy Albumにそのうち取り入れる可能性を否定していないが、しばらくの間はユーザーの要望や複数の人が直接一緒に写真を楽しむために必要なポイントに沿ってデバイスを改良していくことに注力するつもりだ。

本質的にパーソナルなデバイスとしてのスマートフォンにはさまざまな利点がある。Joyはこの前提を良く理解しており、ある人が友人にスマートフォン上に保存された何かを見せる際に、わざわざプライベートメールや文書、写真、IoTデバイスへのアクセス権などが詰まったデバイスを手渡さないで済めば便利なのではないかと考えたのだ。そしてJoy Albumは、常に家の中にあるパブリックなデバイスのため、今まで起こり得なかったような新たな交流の形が誕生する可能性もある。

誰かがあなたの携帯電話を掴み取ってアルバムをスクロールしだしたら、プライバシーを侵害されたと感じるだろう。対照的に、自分で選び抜いた写真をJoy Albumにアップロードしておいて、写真を見た誰かの顔に笑みがこぼれていれば、イラつくよりも嬉しく感じる可能性の方がずっと高い。さらにJoy Albumを使ううちに、写真を携帯電話で送り合ったり、ソーシャルメディア上にアップロードしたりするだけでは得られない、親しいたちと一緒にアルバムを眺めるようなノスタルジックな気持ちを取り戻せるかもしれない。全てが予定通りにいけば、2017年の夏頃にはJoy Albumの出荷が開始される予定で、現在Joyのウェブサイトではプレオーダーを受付けている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter