代替肉によって過剰な畜産を減らし気候変動問題の解決を目指すネクストミーツは6月16日、約10億円の資金調達を2021年4月末時点で完了したと発表した。引受先は、大手製薬会社、食品用生産設備設計会社、海外向け物流ソリューションなど、シナジーが見込める複数の企業。今後同社は、バイオテクノロジーとメカトロニクスの領域で研究開発を加速し、日本発の代替肉ブランドを世界で急速展開させる予定だ。
ネクストミーツは2017年から共同創業者2名が研究を始め、プロダクト完成の2020年6月に法人化。2021年1月には米国証券市場OTCBBにSPACスキームで「NEXT MEATS HOLDINGS」として上場、時価総額が最高値で40億ドル(約4400億円)を超えたユニコーン企業という。
現在は日本だけでなくアメリカ、シンガポール、台湾、ベトナムなど海外10カ国以上に進出している。また、世界初の焼肉用フェイクミート「NEXT焼肉」シリーズ、100%植物性の牛丼「NEXT牛丼」や鶏肉タイプの代替肉「NEXTチキン」などをこれまでに発売してきた。
今回の資金調達と出資各社との連携により、ネクストミーツの研究体制を強化し、代替肉の原料および製品のクオリティ向上、そして生産効率やサプライチェーンの質を上げるとしている。また新潟県長岡市にある研究室「NEXT Lab」には、世界から各分野の博士が集まり、バイオテクノロジーの分野で微生物や遺伝子の研究、メカトロニクスの分野では植物性タンパク質の物性変化やファクトリーオートメーションの研究を進めている。
ネクストミーツはさらに世界展開を加速するため、現在10カ国においてスタッフが常駐し生産体制を固めている。「2050年までに世界中で全ての肉を代替すること」をミッションとして、新しいマーケットである代替肉市場で世界的プラットフォーマーを目指すとしている。
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