IoT猫トイレ開発のハチたまが往診専門月額2222円の猫専用病院を開設

IoT猫トイレ「toletta」(トレッタ)を開発・提供しているハチたまは2月12日、サブスクリプション型の猫専用往診サービス「トレッタねこ病院」のサービスを日本の猫の日である2月22日から開始することを発表した。対象者はtolettaユーザーのみ。

月額2222円(にゃーにゃーにゃーにゃー円)のプレミアムプランでは、獣医師や動物看護師による年2回の「訪問健康診断」サービスを猫だけに提供する。検査項目は、年1回の血液検査(CBC・生化学検査16項目、IDEXX SDMA)、聴診、視診、触診で、対象地域は東京・神奈川・埼玉・千葉。ちなみにCBCは、血液中の血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリットを測定する血球数算定テスト。貧血や感染症、血液疾患の有無を判別できる。IDEXX SDMAは、慢性腎臓病の早期検出のための検査項目だ。さらにオプション料金を支払うことでで、尿検査、エコー検査、血液検査追加も可能だ。ただし、ワクチンの接種には対応していない。

プレミアムプランには、tolettaを併用した「オンラインみまもりサービス」も付帯する。tolettaから取得したデータを獣医師と共有することで、猫の定期的な健診を促し、早期診断につなげる狙いだ。具体的には、tolettaで取得したねこのデータをAIが5段階で評価して飼い主のスマートフォンのtolettaアプリに通知、異常値が出た場合は獣医師からアラートメッセージが届く仕組みだ。さらに、猫の健康に関する悩みは、LINEで獣医師に相談することもできる。獣医師はtolettaが取得したデータを参照しながらアドバイスする。

2頭目以降は月額料金が半額。サブスクリプションサービスには、年2回の訪問健康診断がない月額1111円のベーシックプランもある。

toletta(トレッタ)は、猫がトイレに入ってから用を足して出るまでを動画で撮影しつつ、体重や尿量、尿回数、滞在時間などを自動的に記録できるIoT猫トイレ。動画で猫の様子を観察できるほか、体重減少はトイレの頻度などを参照できるので、飼い主が猫の状態変化を常に把握できる。同社ではこれまで約2000頭の猫の約100万件のデータを保有している。tolettaの本体価格は3万2780円でAmazonなどで入手可能。利用するには家庭内に2.4GHzのWi-Fi環境が必要だ。

今回の往診専門のサブスクサービスは、動物病院に恐怖を感じて凶暴化する猫や動物病院に定期的に行く時間が取れない飼い主にとっては重宝するサービスとなりそうだ。同社では今回のサービス開始を記念して、tolettaを半額で販売するキャンペーンを実施予定だ。詳細は公式LINEアカウントで告知される予定となっている。

IoT猫トイレのハチたまがマネックスなどから2億円調達、健康状態の自動判定機能を実装、そして世界へ

カメラや体重計、Wi-Fiを搭載した猫用IoTトイレ「toletta」を開発・販売するハチたまは12月25日、プレシリーズAラウンドで2億円超の資金調達を発表した。

マネックスベンチャーズなどを引き受け先とする第三者割当増資で累計調達額は4億円となる。主な引き受け先は以下のとおり。

  • マネックスベンチャーズ
  • 羽立化工
  • 横浜キャピタル
  • 山口キャピタル
  • ひびしんキャピタル
  • シグマクシス

今回の調達資金は、猫の健康状態を自動判定するアルゴリズムと獣医師連携システムの開発強化に当てられる。同社は今後海外展開に向けてのシリーズA調達も予定しており、国内だけでなく海外の投資家からの資金調達も予定しているという。

なお、出資先の1社として公表されている羽立化工は、tolettaの金型成形から製造までを手掛けている、静岡県湖西市を拠点とするプラスティック加工会社だ。

ハチたまは、2015年3月に設立されたぺット関連サービスを提供するスタートアップ。現在、猫用のIoTトイレとしてtoletta2を販売している。toletta2では、AIによる猫の顔判定、体重測定、トイレの回数、滞在時間、尿量・尿回数のほか、専用スマートフォンアプリとの連動により、動画撮影、AI状態判定、獣医師相談、カレンダー・メモ、フードレコメンドなどの機能が利用できる。ねこの利用頭数は2000頭、健康データの件数は100万件を突破している。

今後開発を強化する猫の健康状態を自動判定するアルゴリズムについて同社は、正社員として勤務している獣医師の知見と、toletta2で記録できる、猫のトイレ動画や尿量、体重などデータを分析して異変を知らせるアルゴリズムを開発するとのこと。膀胱炎など猫が罹患しやすい泌尿器科系の疾患の早期発見に役立てたいとしている。同機能は2020年2月末のリリースを予定している。

獣医師連携システムについては、現在一部のユーザーがテスト中の獣医師とのLINE相談サービスを拡充・強化する計画だ。現在、toletta2で取得したデータを基に、猫を見守るためのコンサルティング業務を進めており、前述の健康状態の自動判定機能と併せて、猫の健康状態を飼い主と獣医師でしっかり見守る体制を整える。

【編集部注】私は5歳の雷蔵(アメリカンショートヘア、オス)と共に生活しており、toletta1からのユーザーで、現在toletta2も利用中だ。

ネコ用IoTトイレ「toletta」に新モデル、尿の量や回数、AI健康状態判定が可能に

ハチたまは、ネコ用IoTトイレの新モデル「toletta2」の先行販売を開始(注:Amazonへのリンク)した。旧モデルに比べて6つの新機能が加わっている。現在、最大9000円オフとなる2万8800円の先行販売を実施中で、製品は12月より順次発送となる。同社は2015年3月設立のスタートアップ。

旧モデルのtolettaは、昨年の「世界ねこの日」にあたる2018年8月8日に発表。当初は同年11月下旬の発送を予定していたが、体重と尿量の正しい測定に重大な影響を及ぼす構造的な欠陥が判明したことで出荷を中止。12月以降は週1回のペースで開発状況を知らせつつ改良を進めていたものの、予想よりも開発に時間がかかることから、AI顔判定、体重測定、トイレの回数・滞在時間・結果時間に機能を絞り込んで状態で2019年2月下旬に出荷を再開した。

なお、旧モデルのtolettaを利用しているユーザーは新モデルのtoletta2への無償アップグレードが可能で、10月下旬ごろから発送が開始される予定。具体的には、センサープレートと尿トレイが新パーツと交換となる。旧センサープレートは同社への返却が必要だ。旧尿トレイの返却は必要ないが、新モデルではサイズが異なる尿シートを利用できるよう改良されている。
toletta2では、tolettaに実装できなかった、尿量・尿回数の測定機能を搭載したほか、専用スマートフォンアプリとの連動により、動画撮影、AI状態判定、獣医師相談、カレンダー・メモ、フードレコメンドなども機能も加わっている。動画撮影機能が加わったことで、旧モデルでは静止画だったネコのトイレの状態を、動画で確認可能になる。

さらに従来機能の体重測定と新機能の尿量の計測機能を組み合わせることで、AI解析よってねこの健康状態を把握できる。各データはグラフ表示されるので、日々の健康状態チェックにも役立つ。

同社は、toletta2によるネコの体調管理のほか、フードのレコメンドやペット保険、獣医師への相談など、ネコを中心したエコシステム(NECOシステム)の構築を目指す。

自動給餌器やペット用監視カメラ、スマートリモコンによるエアコン調整などを駆使すれば、猛暑が続く今年の夏も留守を預かるネコに快適な環境を構築することは可能だ。しかし、警戒心が強いネコの場合、監視カメラに映る頻度は少なく、留守中に実際の健康状態を把握するのはなかなか難しい。toletta2によって、飼い主の悩みのタネである留守中のネコの行動が少しでも明らかになれば、高齢ネコの体調不良などにも早めに対応できるようになるだろう。

【編集部注】筆者は自宅でアメリカンショートヘアをオス5歳を飼っており、tolettaの所有者でもある。

月額500円のねこIoTトイレで愛猫のヘルスケアを変革、「toletta」が世界猫の日に一般販売スタート

ほんのつい最近知ったことなのだけど、今日8月8日は“世界猫の日”なのだそうだ。日本では猫の日といえば「ニャン・ニャン・ニャン」で2月22日のイメージが強いけれど、 International Cat Dayは8月8日。

試しにGoogleで「International Cat Day」と検索してみると、確かに8月8日と表示される。

ということで、今日はこんな日にぴったりのプロダクト「toletta(トレッタ)」を紹介したい。

tolettaはねこ専用のIoTトイレとスマホアプリによって愛猫の体調変化を見守ることができる、“ねこヘルスケア”サービス。開発元のハチたまでは世界猫の日に合わせて、本日より同プロダクトの一般販売をスタートした。

ねこが抱える課題(ねこの飼い主が抱える課題でもある)に、腎不全や尿結石、膀胱炎といった病気にかかりやすいということがある。中でも腎不全は特に高齢の猫がかかりやすく、死因のトップにもなっているもの。どのタイミングで発見できるかによってその後の寿命が変わってくるため、「いかに早い段階でその兆候に気づけるか」が重要になる。

ハチたまはこの課題にねこ専用のIoTトイレというアプローチで取り組むスタートアップだ。なぜトイレなのか、それはねこの場合、腎不全をはじめとする病気のサインが「おしっこ」や「体重」に表れるからなのだという(腎不全の場合は多尿・体重減少に目を光らせておく必要がある)。

つまり、愛猫の日々の体重や1回のおしっこの量、トータルのおしっこの回数の増減を日々観察しておくことがポイントになるというわけだ。

とはいえ人間が24時間ねこに張り付き、常に目を光らせておくというのは限界がある。動物病院で定期的にチェックしてもらうという手段もあるが、「血液検査などをするとだいたい1万円前後はかかってくる」(ハチたまの担当者)ことに加え、ねこに負担がかかる可能性もある。

そこでtolettaではトイレをIoT化することで、飼い主に変わって24時間365日ねこのトイレの様子を観察できる環境を構築した。

同サービスではねこがトイレに入るだけでおしっこや体重を自動で計測。そのデータは飼い主用のスマホアプリからいつでも閲覧することができる。ハチたまの担当者によると「中には愛猫のおしっこの記録をこまめにノートにつけている人もいる」そうだが、tolettaであればその作業もより正確に、より簡単になるはずだ。

またtolettaには画像認識技術(AI)を基にした「ねこ顔認識カメラ」が搭載。これによって「トイレに入ったのはどのねこか」を識別できるようになる。

ねこに関しては多頭飼いをしている飼い主が多く、ねこを見分ける技術として首輪にタグをぶら下げる方法が一般的に使われているそう。ただ当然ながら首輪を嫌がるねこもいるし、ずっと首輪をし続けるのは負担にもなりかねない。

そこでねこに余計なストレスを与えることなく識別する手段として、ねこ顔認識カメラという手段を採用したのだという。そのほか「ねこが24時間おしっこをしていない」など異常を検知し、アラートする機能なども備えている。

tolettaは初期費用が0円(ただし送料は2200円かかる)、月額サービス利用料が500円というサブスクリプション型の料金体系を採用。契約期間は2年となっていて、途中で解約する場合には違約金が発生する。

初期費用が0円ということもあり、これで利益がでるのか気になる人もいるだろう。ただその点は他のヘルスケアデバイスと共通するかもしれないが、tolettaのビジネスのキモになるのはIoTトイレを通じて蓄積されるねこの健康データだ。

たとえばハチたまではすでにペット保険最大手のアニコムグループと共同研究に取り組んでいる。ねこの詳細な健康データを活用すれば、個々に合った保険の開発・提供もできるはずだ。ハチたま担当者の話ではデータの展開の一例として「(データに基づいた)フードの開発」などもありうるということだった。

とはいえ、これらのビジネスを実現するには、まずはIoTトイレを普及させていくことが前提。ハチたまでは「まずは2018年中に2000台の提供」を目標に販売を促進していくそうだ。

同社では今回tolettaの一般販売開始と合わせて、エンジェル投資プラットフォームであるKEIRETSU FORUM JAPAN 、個人投資家、日本政策金融公庫より総額で7500万円を調達したことを発表。3月に調達した6000万円、2017年に調達した4000万円を加えると累計の調達額は1億7500万円となった。

今回調達した資金をtolettaの量産資金とし、「ねこが幸せになれば、人はもっと幸せになれる」というビジョンの実現に向け事業を進めていくという。