見よ、この信じられないほど小さな新型ポラロイドカメラを

インスタント写真はこの10年ほどで大きく変わったが、インスタントカメラの箱型の容姿はほとんど損なわれていない。現代のインスタントカメラは小型化され、さまざまな落ち着いたパステルカラーが施されもしているが、厳密にはスレンダーとは言えない。

しかし、見よ、Polaroid(ポラロイド)が、昔のPolaroidではなく、新しいPolaroid がやってくれた。同社は、最新のカメラ「Polaroid Go」は、世界最小のアナログインスタントカメラであるという。そして、たしかにかなり小さそうだ。

どれほど小さいか?サイズは長さ4.1インチ(約10.1cm)高さ2.4インチ(約6.1 cm)奥行き3インチ(約7.6 cm)強。Goは間違いなく小さいが、役に立つ機能をいくつも備えており、セルフターマー、自撮り用ミラーに加えて夢のような二重露光ができる機能もある。

宣伝写真では、Polaroidのモデルたちが繊細なカナッペのように持っていたり、スタイリッシュなアクセサリー(カメラストラップ?ネックレス?)からぶら下がっているのをきゃしゃな指でつまんでいるところなどが見られる。どうやらメーカーは本当にこれを身に着けて欲しいようで、もちろん私もそれをためらわない。

画像クレジット:Polaroid

GoとともにPolaroidは、厄介でもあるが、インスタント写真に必要なトレンドだと私は思っている新しいフィルムフォーマットを作った。今回それは、基本的に同社の象徴的正方形フィルムのミニチュア版だ。そしてカメラは小さいが、TechCrunchの小さなカメラマニアで近々レビューを担当するDevin Coldeweyは、Instax Miniなどと比べて実際の写真サイズはさほど小さくないだろうといっていた。

Polaroidは、Goは「過去数十年で最も感動的なPolaroidフォームファクターの変更」といっており、おそらく間違っていない。同社の死からのありえない復活の方がもっと感動的な気もするが、この作品のかわいらしさにケチを付けたくはない。良い写真をとってくれることだけを願おう。

Polaroid Goは、同社の看板ながら今や恐ろしいほど膨張してみえる姉妹機のPolaroid Nowと、デジタルとアナログを融合し、Bluetooth経由でスマートフォンとつながるOneStep+に仲間入りする。現在予約受付中で価格は100ドル(約1万800円)と、普通サイズの古くて新しいPolaroidカメラを買うのと同じ金額だ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Polaroidカメラ

画像クレジット:TechCrunch/Devin Coldewey

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ポラロイドカメラの復活

The Impossible Project(インポッシブル・プロジェクト)が、ポラロイドの放棄されたインスタントフィルムを生かし続けることを宣言して10年以上経ったが、同プロジェクトはついにその困難な目標を成し遂げた。その生命を救おうとしたブランドを公式なものとして自身に取り込んだのだ。そしてその記念として、新しいカメラPolaroid Nowが登場した。

2つのブランドの統合は何年もかけて行われていて、実際インポッシブル・プロジェクトの製品はすでにポラロイドブランドとなっていた。しかし、今回のことでスタートアップもしくは写真の世界に存在していた奇妙な関係の1つが、満足できる形に落ち着いた。

私が最初にインポッシブル・プロジェクトについて書いたのは2009年の初めのことである(明らかにバイオニックコマンドーの加工スクリーンショットをトップ画像として使ったのは良いアイデアだった)、これは同プロジェクトがポラロイドインスタントフィルム製造資産の一部の買収を発表したことを受けてのものだった。

関連記事:オランダで進むポラロイドフィルムの復活計画(未訳)

当時のポラロイドは単なる器に過ぎなかった。1980年代以降衰退し2001年にはほとんど操業を停止していたポラロイドは、デジタルブランドとして再スタートし、フィルム販売は段階的に廃止されていた。この戦略は失敗し、ポラロイドは2008年には再び破産を申請していた。

だがこのときは、同社がフィルム工場を手放すと、オランダの起業家やポラロイドの専門家の一部が、そのリースをインポッシブル・プロジェクトとして引き継いだ。だが、機械は残されていたものの、有名なポラロイドインスタントフィルムのための特許やその他の知的財産は残されていなかった。そのため、彼らは基本的にプロセスをゼロから作り直す必要があり、初期の成果はかなり粗雑なものとなった。

しかし、富士フイルムのインスタックスより優れた品質は欲しいが、35mm一眼レフほどの品質は求めないフィルム愛好家たちや、継続的に成長を続けるポラロイドオーナーたちの情熱的なコミュニティに支えられてプロジェクトは頑張り続けた。やがてプロセスは成熟し、インポッシブルは新しいフィルムと物流パートナーを手に入れることができた。一方でポラロイドがそのブランドを特に写真とは関連しない様々な製品に使ったにもかかわらず、順調な成長が続いた。ポラロイドはレディ・ガガを「クリエイティブディレクター」として採用したが、CESで彼女が宣伝したデバイスが実現されることはなかった。

ガガは発表に大幅に遅刻したものの、そのGL30プロトタイプ(デジタルカメラ)には見るべき価値はあった。

2017年にインポッシブルのCEOが、ポラロイドのブランド名と知的財産を購入したおかげで、プロジェクトはようやく一人前となった。彼らはインポッシブルを「ポラロイドオリジナル」として再ローンチし、古いポラロイドに似た新しい「i-Type」フィルムプロセスを使うOneStep 2カメラをリリースした(高価なカートリッジバッテリーの利用は避けていた)。

一方、ポラロイドはその間も新製品をリリースし続けていた、おそらく買収前にブランドで契約または開発が進んでいたプロジェクトなのだろう。再ブランド初期段階のインスタントカメラより品質は向上していたものの、実際に成功した製品はなく、デジタルインスタントプリント(ポラロイドの最後の砦)は、実フィルムに対する郷愁の波(特にインスタックスミニ)に飲まれて、影を潜めていた。

しかし、ようやく合併が完了し、ポラロイド、ポラロイドオリジナル、そしてインポッシブルプロジェクトがついに1つのものとなった。すべてのデバイスとフィルムはポラロイドの名前でリリースされるが、i-Typeや新しいPolaroid Nowカメラなどの新しいサブブランドが生まれることになるだろう。

ところで、Polaroid Nowは完全に設計し直されたカメラではない。人気のPolaroid OneStepを踏襲し「より親しみやすい」再設計を施したものだが、改善されたオートフォーカス、フラッシュ調整ライトセンサー、改善されたバッテリーなどが追加されている。100ドル(約1万800円)という価格は、お財布にそれほど負担ではないが、フィルムには1枚あたり約2ドル(約216円)のコストがかかることを忘れないように。これが彼らのやり方だ。

傍目には長くて奇妙な旅だったが、最終的には満足のいくものになった。ポラロイドの歴代オーナーたちは、対象はなんであれそのブランド名を付けて売ることに熱心だったが、インポッシブルはインスタントフィルム写真の基本的な価値に賭けていた。リスクを伴う長期的な戦略が結局勝利を収めた(まあ多くの人たちがポラロイドブランドをいいようにこき使ってはきたが)。そして運に恵まれれば、この起源となったブランドは、成功を続けることができるだろう。

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(翻訳:sako)

スマホ画面から直接ポラロイド写真が焼けるPolaroid Labが登場

ほぼ全員がスマホを持ち歩き、毎分千枚もの写真を撮影し、数百万枚を保存可能なクラウドに接続している現在でも、紙の写真には抗しがたい魅力がある。それだけに、ビット(データ)からアトム(物質)に変換する価値のある特別なものというわけだ。

もちろん、フォトプリンターという製品は新しいものではないが、ポラロイドはPolaroid Lab(ポラロイドラボ)を開発して、その概念を生まれ変わらせた。これは、数年前からあったアイデアを再実現したもの。この筒状の装置は撮影済の写真を表示したスマホ画面の光をそのまま使い、何枚かのミラーに反射させて、立派なポラロイド写真に仕上げてくれる。価格は129ドル(約1万3900円)だ。

対応するスマホは、iPhone 6s以降と、Android端末としては、サムスン、ファーウェイ、Google Pixelの各現行モデルと、One Plusとなっている。まず、ポラロイドが提供するアプリで写真を開き、本体上部にスマホをセットしたら、赤いボタンを押すだけでいい。それから数秒後には、とりあえずグレーのポラロイド写真が飛び出してくる。うまく写ったかどうかを知るには、現像が完了するまで、そこからさらに数分待つ必要がある。古き良き時代と同じように。

このようにスマホ画面の光をミラーを使って転写するという方法には、写真データをBluetoothやWi-Fiでプリンターに送り、カートリッジからインクを吹き出して写真にする方法よりも優れている点があるのだろうか?おそらく、それはない。でも、なんとなくいい雰囲気だろう。なんだか理科の実験ぽくて楽しい。そして、過ぎ去ってしまった瞬間を、あたかもポラロイドカメラで直接撮影したかのような、それっぽい写真が得られるということなのだ。

同社によれば、Polaroid Labには現行のi-Type、および600シリーズのフィルムを使うことができる。ポラロイドの愛好家なら知っているように、こうしたフィルムはけっして安くはない。写真1枚あたり、1〜2ドル(日本では300円強)がかかる。これは一般的な家庭用プリンターに比べても、ちょっと高い。また、コストコあたりで、4×6インチ(約10cm×15cm)の写真を焼いてもらうより、間違いなく高くつく。それでも、ポラロイドならではの雰囲気を味わいたいという人には、魅力的な製品だろう。

もし、ポラロイドフィルムが余って困っているのなら、1枚の写真を複数枚に分割して焼くことも可能だ。以下のポラロイドラボのデモビデオを見てみよう。

同じようなコンセプトの製品として、「Impossible Instant Lab」という名前を思い出す人もいるかもしれない。2012年に、Kickstarterで50万ドル(約5400万円)以上を調達したスタートアップの製品だ。こちらの製品は、2017年7月に打ち切りになった。実は、その数カ月前には、その製品に関わっていたチームが、Polaroid(ポラロイド)というブランドを使う権利を取得していた。つまり、Polaroid Labという製品は、Impossible Instant Labのコンセプトをそのまま再構築したものと考えられる。ただし、今回は本家ポラロイドという伝統的な名前で公式に製品化することができた。

Polaroid Labのチームによれば、10月10日までには店頭に並ぶことになるという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)