ポルシェが2台の電動アシスト自転車を発表、価格は約92万〜115万円

Porsche(ポルシェ)は、電動化の野望を2輪にまで広げようとしている。

このドイツの自動車メーカーは現地時間3月4日、電気自動車の新しい派生モデル「Taycan Cross Turismo(タイカンクロスツーリスモ)」の世界デビューと合わせて、2台の電動アシスト自転車を発表した。

この2台の自転車は、ポルシェが電動化の野望拡大に向けた第一歩として2019年に発表した同社初の電気自動車「Taycan(タイカン)」にインスパイアされていると同社はいう。

どちらもフルサスペンションのカーボンフレームを採用するなど、基本的な着想と構造は同じだが、2台の自転車の目的や客層は少しずつ異なる。

これらの自転車は、さまざまな専門メーカーの技術を合わせたものだ。eバイクのエキスパートであるRotwild(ロットワイルド)と共同で開発され、有名な自転車部品メーカーのShimano(シマノ)やMagura(マグラ)、Crankbrothers(クランクブラザーズ)などのコンポーネントが使用されている。これにポルシェの洗練されたデザイン性と高級感を加えることで、8500ドル(約91万7000円)から1万700ドル(約115万円)という高価なeバイクができ上がった。

ドイツのディーブルクで製造されるポルシェのeバイクは、米国では今春よりポルシェディーラーと一部の自転車専門店で販売される予定だ。フレームサイズは3種類が用意される。

ポルシェの電動アシスト自転車には2種類のモデルがあり「Porsche eBike Sport(ポルシェ eバイク スポーツ)」の米国における販売価格は1万700ドル(約115万円)。より 「安価」 な「Porsche eBike Cross(ポルシェ eバイク クロス)」は8549ドル(約92万3000円)となっている。

画像クレジット:Porsche

Porsche eBike Sportは、街中で日常的に乗るために設計された自転車だ。最大25km/hの速度までペダリングをアシストするシマノ製の新型EP8モーターと電動変速システムを搭載し、マグラ製の高性能ブレーキを装備する。さらにハンドルバーのステムとエアロダイナミックなシートポストには、Supernova(スーパーノヴァ)製のM99 LEDライトも組み込まれている。

マグラ製の倒立フロントフォークとFox(フォックス)製リアショックアブソーバーで構成された高性能なサスペンションが、スムーズに転がるタイヤと相まって、アスファルトの道路でも未舗装の路面でも、スポーティでバランスのとれた走りを提供する。

もう1台のPorsche eBike Crossは、もっと荒れた路面を走りたいライダーをターゲットにしている。シマノ製EP8モーターは共通だが、シフトはよりシンプルな機械式シマノXT 12速システムを採用し、大径耐熱ディスクローターを備えたマグラ製MT Trail油圧式ブレーキと、マウンテンバイク用タイヤを装備。さらに油圧でサドルの高さが変えられるCrankbrothers(クランクブラザーズ)製ドロッパーシートポストも備えている。

両モデルともハンドルバーにはシマノ製カラーディスプレイを搭載し、速度だけでなく走行距離やバッテリー残量による航続距離もリアルタイムで表示される。

カテゴリー:モビリティ
タグ:ポルシェ電動自転車

画像クレジット:Porsche

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ポルシェがガソリンエンジン車を持続可能なものにする合成燃料を研究中

持続可能な自動車への道は最終的には電気自動車にたどり着くと思われるが、そのゴールへの道筋は明確ではない。ゴールに向かう方法は複数あるが、ポルシェはその1つの可能性として合成燃料に注目している。いわゆるeFuels(e燃料)と呼ばれるものは、CO2と水素から製造される。再生可能エネルギーを利用して製造された場合、内燃機関(ICE)を搭載した自動車が寿命を迎える前に、より持続可能なものになるのを助けることができる。

今週初め、ポルシェの執行役員で営業・マーケティング担当のDetlev von Platen(デトレフ・フォン・プラテン)氏は、TechCrunch Sessions: Mobilityでこの代替燃料について語った。

ポルシェの現在のラインアップを見れば、同社がどこに向かおうとしているのかは一目瞭然だろう。もちろん電気スポーツカーだ。現在の計画では、2020年には電動スポーツセダンが1台、小型SUVの電動バージョンが近々登場する予定となっている。また、プラグインハイブリッド車も数台用意している。そして2025年までには、車の半分が電気自動車になるとしている。

「世界各地で多くの新しい規制が出てくるのを目の当たりにしています。カリフォルニアはその一例です。ヨーロッパや中国は今後さらに複雑化していくだろうし、非常に早く変貌を遂げていくのが目に見えています。そして、ある時点までには、この技術を中心とした内燃機関や自動車を開発・生産することは、バッテリー車よりもさらに高価になるでしょう。物事は非常に速く進んでいます」」とフォン・プラテン氏。

世界各国の政府は積極的な規制を用いて自動車メーカーを電気自動車の未来に向かわせようとしているが、その目標はすでに何百万台ものガソリン車が道路を走っていることには対処していない。

フォン・プラテン氏は「パリ協定で定められた約束を予定よりも早く達成することがポルシェの目標だ」と説明する。そのためには、自動車産業全体の環境負荷を低減することが必要であり、ポルシェは、現在および将来の内燃機関車の環境負荷を低減する方法としてeFuelsを検討している。再生可能エネルギーで生産されれば、ICEを搭載した車が再生可能エネルギー源の燃料で駆動することになる。

ポルシェはユニークな立場にある。それは、これまでに生産された車の70%が今も走行中であるということだ。所有者は一般的に熱狂的で、クラシックな空冷ポルシェ・クーペを電気自動車のために下取りに出すことはほとんどない。同社は、eFuelsを走行中の車を維持しながら環境への影響を低減する方法として捉えている。

この新しいタイプの合成燃料は、水素とCO2から製造される。ポルシェによれば、この燃料は、最も基本的な用語では、原油から生産される灯油、ディーゼル、ガソリンと特性を共有しているという。

9月に発表されたポルシェの声明で、執行委員会の研究開発部門のメンバーであるMichael Steiner(ミヒャエル・シュタイナー)氏は「この技術は、今後何年にもわたって内燃機関が自動車の世界を支配し続けることを考えると、特に重要な技術です」と、述べている。「既存の自動車を持続可能な方法で運用したいのであれば、eFuelsは基本的な要素です」と続ける。

合成燃料は過去にも研究が試みられたが、長期的な牽引力はほとんど得られなかった。ポルシェは、この新種の合成燃料の仕様に影響を与え、eFuelsがポルシェのパフォーマンスエンジン内で確実に機能するようにしたいと考えている。「(ガソリンにエタノールを10%混ぜた)E10が市場に出回ったとき、このブレンドにはいくつかの欠点がありました。今回は違うものにしなければなりません」とシュタイナー氏。

フォン・プラテン氏は「化石燃料に比べればまだかなり高価なので、この燃料技術の工業化について話し合うためのパイロットプログラムを開始しました。将来的にこれがうまくいけば、電池技術以外にも持続可能性を生み出すスピードを上げるものを手に入れることができる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:ポルシェ、eFuels

画像クレジット:Stuart Garage/Unsplash(Image has been modified)

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ポルシェが月額27.7万円で911に乗れるサブスクリプションプランを追加、ロサンゼルスにも進出

Porche(ポルシェ)は現在よりも安いサブスクリプションプランを米国の4都市で提供開始する。ドイツの自動車メーカーはさまざまなプライシングで新たな顧客開拓に取り組んでいる。

現在、ポルシェにはプランが3つあり、いずれも新たに再ブランドされたPorche Drive vehicle subscription(自動車サブスクリプション)プログラムとして提供されている。新しいプランであるPorche Drive single vehicle subscriptionは、既存の2つのレベルの間に入る。

最高レベルのPorche Drive Multi-Vehicle Subscriptionでは、利用者は月ごとに違う車種に交換することができる。同プランの料金は月額2100ドル(約22万4000円)または3100ドル(約33万円)で、911のような高性能モデルを利用したいかどうかによる。次がPorche Drive Rentalで、名前の通り短期間のレンタル利用を提供する。レンタルの価格は車種によって変わり、Macan(マカン)が1日245ドル(約2万6000円)、911が週に2415ドル(約25万7000円)だ。

新たな single-vehicle プランは、multi-vehicle planより低価格だが、チープという意味ではない。single-vehicle planはMecanの月額1500ドル(約16万円)からPorche 911の月額2600ドル(約27万7000円)まで幅広い。いずれの場合も、single-vehicle planを3カ月以上利用確定しない限り、595ドル(約6万3000円)のアクティベーションフィーがかかる。

ちなみに、どのプランでもフル電動スポーツカーであるPorche Taycanに乗ることできない。

このミドルクラスとなるsingle-vehicleサブスクリプションプログラムは、アトランタ、ロサンゼルス、フェニックス、サンディエゴの4都市で提供される。このプランを選んだ利用者はポルシェの1車種を9月25日以降に1カ月または3カ月利用できる。他のPorche Driveプログラムと同じく、single-vehicleプランの月間料金には車両、配車、保険およびサービスが含まれる。

従来Passportと呼ばれていたこのサブスクリプションプログラムは 2017年にアトランタで始まった。パイロット期間中の平均サブスクリプション期間は約4カ月だった。期間を延ばした理由で最も多かったのは、旅行計画を延ばしたためだったと同社はいう。当初の目的は、柔軟なプランを提供することでポルシェの新たな顧客ベースを開拓することだった。十分な手応えを感じたポルシェはプログラムをフェニックス、サンディエゴなど他の主要都市へと拡大した。そして現在、ロサンゼルスに進出している。

「もしカリフォルニアが国だったら、世界で5番目に大きい市場だ。2019年夏にPorche Driveをサンディエゴに展開して以来、ロサンゼルスはポルシェのさまざまなスポーツカーやSUVをアプリのタッチで体験できる最適な候補だった。ロサンゼルス住民もロサンゼルスを訪れる人々にとっても、Porche Experience Center Los Angelesに続く新しいポルシェの楽しみ方ができた」とPCNA(ポルシェ・カーズ・ノースアメリカ)のプレジデントでCEOのKlaus Zellmer(クラウス・ゼルマー)氏はいう。

ポルシェは、サブスクリプションが成功していることはデータが示していると強調する。同社によると利用者の80%はポルシェが初めてで、現在のポルシェオーナーやリース利用者より平均年齢が低く、1/3以上が4カ月以上利用している。またポルシェによると、single-vehicleオプションは、車種を交換するより1台に乗り続けたいという一部メンバーの声に基づいて加えられたという。

画像クレジット:Porsche

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

注文したポルシェ911の納車までを最新アプリで追跡可能に

Porsche(ポルシェ)は、顧客の細かな要求に応えるためにデジタルサービスの充実に多くのリソースを投入している。子会社のPorsche Digital(ポルシェ・デジタル)による最新の成果として、911スポーツカーを注文した米国の顧客に、生産拠点からディーラーまでの輸送状況を追跡できるアプリが登場した。

画像クレジット:Porsche

このアプリは、My Porsche(マイ・ポルシェ)のウェブポータルと統合されていて、ドイツでの生産完了、出荷、大西洋の横断、米国への入港、ディーラーへの到着など、全部で14のイベントについて最新情報を顧客に提供する。このデジタルサービスは、Porsche Track Your Dream(ポルシェ・トラック・ユア・ドリーム)と呼ばれ、それぞれのイベントについての詳しい情報も表示する。また、納車までのカウントダウンとして、残りの距離と日数も知らせてくれる。

このポルシェの追跡機能は、今のところ顧客数が少ないニッチな製品といえる。対応しているのが911のみだからだ。ポルシェ911の2019年1年間の販売台数は、米国で9265台に留まっている。しかし同社は将来、全電動式Taycanなど、他の車についてもサポートを追加する計画だ。

アプリは、ポルシェとしてデジタル世界で勝負をかけるための広範囲な戦略の一環として開発されたもの。2020年5月初め、Porsche Cars North Americaは、Porsche Finder(ポルシェ・ファインダー)と呼ばれるオンラインプラットフォームを立ち上げ、顧客がディーラーのネットワーク全体から中古車を検索できるようにした。このプラットフォームを使えば、顧客はモデルと年式を指定して車を検索できる。また価格、装備、パッケージさらには内装や車の色で、フィルタリングすることも可能だ。

この4月にポルシェは、レトロな外観ながらBluetooth、DAB+、Apple CarPlayなどの最新の接続機能を備えたコンパネのヘッドユニットも、何種類か旧車用に発表している。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)