ミニアプリ構築のエボラニが2020~2021年度「国内チャットボット・ミニアプリ業界カオスマップ」公開

  1. ミニアプリ構築のエボラニが2020~2021年度「国内チャットボット・ミニアプリ業界カオスマップ」公開

オムニチャネルでの接客自動化とデータ管理を実現する「anybot」(エニーボット)を運営するエボラニは2月2日、チャットボット・ミニアプリサービスを展開する国内企業のカオスマップを作成・公開した。

ミニアプリは、特定アプリを基盤として動くソフトウェアのことで、すでに多くのユーザーが、毎日使う人気アプリの中でミニアプリ機能を利用。ユーザーはAppStoreやGooglePlayから新たなアプリをダウンロードすることなく、ミニアプリを利用できる。

日本でも、LINEなどのスーパーアプリにおいて、企業がアカウントを持てるSNSやチャットアプリ、ユーザー同志がチャットで会話をするアプリなどのミニアプリが提供されている。

チャットボットおよびミニアプリサービス市場は、新型コロナウイルスの広がりによる非接触のコミュニケーションが進んできたこと、多くの企業でDXが戦略の中心になってきたこと、オンライン接客に関連するサービスが開発されてきたことで、急速な発展を遂げているという。

市場の発展に伴い、これらサービスを提供する企業が増加するとともに、一部では淘汰・集約も進んでおり、業界構造や主要企業などが不明確になっていたそうだ。

同社は、利用者が施策を選定する際の参考になるよう、より一層の市場活性化と事業拡大に貢献できればという希望から本カオスマップを作成したとしている。

エボラニのanybotは、電話やメール、SNSやアプリなどのオムニチャネルにおいて、ミニアプリやチャットボットを利用して接客自動化とデータ管理を実現するツール。開発不要でミニアプリ、チャットボット、電話IVR(自動音声応答)などの自動接客ツール構築、収集データを自動で保存・セグメント化したCRMの構築などが可能。LINE、Facebook Messenger、メール、SMS、電話などをまたがったマルチコンタクトにも対応している。

ミニアプリ構築のエボラニが2020~2021年度「国内チャットボット・ミニアプリ業界カオスマップ」公開

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:エボラニカオスマップ(用語)チャットボット(用語)ミニアプリ日本(国・地域)

メッセンジャーアプリで遊べるゲームの開発をサポートするGame Closure、アップルなどからデベロッパーを解放

Game Closure共同創設者でCEOのMichael Carter氏

メッセンジャーアプリやブラウザなどといった環境でも利用可能で「瞬時に」ロードすることができるHTML5のゲームプラットフォームを開発し提供するGame Closure。同社の本社機能は2018年8月より、LINEや楽天などとの連携に伴い日本に移っているが、サンフランシスコで同社の共同創設者でCEOのMichael Carter氏に話を伺うことができた。

2011年創業の同社は、LINEが提供するLINE QUICK GAMEの「にゃんこ防衛軍」や「釣りスタ」、Facebook MessengerのInstant Gamesで2016に開始された「EverWing」、Snapchatで遊べる「Snake Squad」などの陰の立役者だ。

にゃんこ防衛軍

そしてCarter氏いわく、Game ClosureはTencentが提供するWeChatのミニプログラムのデベロップメントパートナーだ。

加えて2015年には楽天とジョイントベンチャーの楽天ゲームズを創設している。

そんなGame ClosureのCarter氏はネットワーク通信規格「HTML5 WebSocket(ウェブソケット)」の発明者でもある。

HTML5 WebSocket開発の秘話

小さい頃からゲームが好きだったというCarter氏。だが、興味は次第にゲームだけでなくコンピューター全般へと拡大。特にウェブブラウザーに興味があったという。

「90年代は転換期だった。93年から95年はアプリをダウンロードしインストールする必要があったが、96年〜98年にはドットコム・レボリューションで全てがブラウザ上で行えるようになった。当時は小学生だったが、誰もが何でも創造できる『オープンなプラットフォーム』になったことに衝撃を受けた。だが、ウェブページ上にアプリを組み込む上で、まだまだ限界があった。

そんなCarter氏は「僕が作りたかったアプリは、複数人が同時に使えるもの」だったと話す。複数人が同時に文書を編集できるGoogle Docsやウェブブラウザ上でユーザーたちが会話できるFacebookのチャット機能などを例として挙げた。

「だが、テクノロジー的に(当時は)そのようなこと(複数人が同時に使えるアプリ)を実現することは難しかった。だからこそ課題の解決に踏み切ったんだ」(Carter氏)

Carter氏は高校と大学で、その「ウェブブラウザ向けの新しいテクノロジー」を研究する。大学を卒業してからも研究を続け、完成したテクノロジーがHTML5 WebSocket。グーグルやマイクロソフト、アップル、FirefoxのMozillaなど全てのブラウザーに採択された。

2008年にスペックを書き終え、2010には世界中がHTML5 WebSocketを使っていた。今では数十億人が毎日利用しているという。

「Google DocやFacebook Messengerなどのツール、そしてFortune 500の8から9割、そしてGlobal 2000の大半(の企業)がこのテクノロジーを使っている」(Carter氏)

だが、スマートフォンの登場で「また振り出しに戻ってしまった」とCarter氏は話す。スマホでアプリを利用するにはダウンロードが必要だからだ。

「マイクロソフトかアップルがコントロールしていたデスクトップ上のアプリから、ウェブ上のオープンプラットフォームに移行し、ヤフーやグーグル、アマゾンや楽天などのEコマースなどが誕生した。だが、スマホのせいで、また逆行してしまった」

「だからこそ、Game Closureを設立したんだ」(Carter氏)

スマートフォンの登場、Game Closureが果たすべき使命

スマホの問題は、「ユーザーがポケットから出した即時にスムーズに使えることを求めること」で、そのような状況でデベロッパーがアップルやマイクロソフトに頼らざるを得ない状況にあることだ、とCarter氏は語る。

「そのようなアプリやゲームを作る場合、大半はアップルやグーグルのテクノロジーを使うこととなる。彼らはそのようなテクノロジーを強力にするために巨額を投資してきている。だが、僕たちのテクノロジーを使えば、デベロッパーはコンテンツのディストリビューションなどをコントロールできる」(Carter氏)

Carter氏いわく、Game Closureの使命は優れたデベロッパーが、ブラウザー上で利用できるアプリやゲームを開発できるテクノロジーを提供すること。そして、そのアプリやゲームをアプリストアではないチャンネルで提供できるようにすることで、「デベロッパー自身がディストリビューターになれる環境を整える」(Carter氏)

「たとえば、LINE。LINEは主に日本で使われているコミュニケーショアプリだ。だが、LINEが新しいアプリやゲームを作る場合、クパチーノに本社を構えるアップルの許可が必要だ。だが、クパチーノに本社があるアップルは日本に関する知識はまるでない。だが、彼らが、日本における、アプリやゲームなどのディシジョンメーカーだ」

「僕たちはLINEと直接、仕事をしているが、僕たちのテクノロジーを使って優れたコンテンツを作ることで、LINE自身が自社のアプリやゲームのディシジョンメーカーになれる」(Carter氏)

より多くのメッセンジャーにテクノロジーを提供

冒頭でも説明したとおり、LINE QUICK GAMESの「にゃんこ防衛軍」や「釣りスタ」の裏に存在するのはGame Closure。メッセンジャーアプリで複数のユーザーがインタラクトしながらゲームを遊べる環境の構築に成功してきている。

そんなGame Closureは、上記のとおり、楽天とも密な関係にある。「Rakuten Games」のポータルサイトは、2019年7月22日に終了する予定だが、楽天にはViberがある。Rakuten GamesのプラットフォームがViberに移行されても不思議ではない。

Carter氏は「一つのメッセンジャーで素晴らしいユーザーエクスペリエンスを提供することができれば、どのメッセンジャーでも同様に対応が可能だ」と話した。そして、今後の展開について、Instagram、WhatsApp、KakaoTalkなどの名前を挙げ、「より多くのメッセンジャーなどにテクノロジーを提供したい」と加えた。

「トレンドは、メッセンジャーアプリが独自のプラットフォームへと進化を遂げていくこと。アップルが一方的に反対し続けるのは難しい状態だと言えるだろう」(Carter氏)