Amazon Musicの楽曲とおしゃべりでDJになれるライブラジオアプリ「Amp」

Amazon(アマゾン)のClubhouse(クラブハウス)対抗馬が登場した。同社が米国時間3月8日に発表したモバイルアプリAmp(アンプ)は、クラシックから最新の音楽までの幅広いAmazon Music(アマゾンミュージック)が保有する数千万曲の中からDJとして楽曲を流すことができる「ラジオ番組」を作成することができるものである。このアプリは、米国で限定的にベータ版が提供されているとAmazonは述べている。

「自分の声やお気に入りの曲を、Ampで簡単に世界中に発信できます」と、App Storeのアプリの説明には書かれている。「番組タイトルを決め、プレイリストを作成すれば、自分のラジオ番組のストリーミング配信までもうすぐです」。

画像クレジット:Amazon

この新しいアプリは、Project Micという名前で開発されていた時にThe Vergeが以前報じたもので、Amazonがやや遅れてライブオーディオ市場に参入したことを表している。Clubhouse というアプリが、ライブオーディオのソーシャルインタラクションの新しい形式を確立して先導したが、このアイデアはその後、Twitter(ツイッター) の Spaces(スペース)、Facebook(フェイスブック)の Live Audio Rooms(ライブ・オーディオ・ルーム)、Spotify(スポティファイ) の Greenroom(グリーンルーム)、そして Mark Cuban(マーク・キューバン)氏 が支援する Fireside (ファイアーサイド)や David Sacks (デイヴィッド・サックス)が支援する Callin(コーリン) などの小さなスタートアップのものなど、それぞれ独自の切り口を持った多数の競合の場となっている。

しかし、これらのClubhouseのライバルは、ほとんどの場合、ライブポッドキャストのようなトークに焦点を合わせている。AmazonのAmpは、Amazon Musicの幅広いカタログへのアクセスを提供することで、他社との差別化を図っている。つまり、Ampのユーザーは、自分の好きな曲やアーティストについてストリーミングやチャットでDJプレイをし、クリエイターとしての地位を確立することができるということだ。また、リスナーのために選曲し、生電話を受けながら、スポーツやポップカルチャーなど、他の話題についてはなすためにアプリを使うことができる。

AmpのApp Storeの説明によると、クリエイターは、番組の事前計画やスケジュール管理、リスナーへの番組予告、生電話を受ける際の発言者のコントロールなどもできるようになるそうだ。また、番組で使用する楽曲を入手する際に、レーベルへの支払いが不要であることも、アプリの説明文に記載されている。

ユーザーは、Amazonの認証情報を使ってサインインするか、新たにAmazonのアカウントを作成してAmpを使用する。また、Amazonは24時間365日体制でモデレーションチームを提供し、リアルタイムでレポートを確認し、対処する。

画像クレジット:Amazon

この記事の公開後、数千万曲のライセンス楽曲のカタログには、Universal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ)、Sony Music Entertainment(ソニーミュージックエンタテインメント)、Warner Music Group(ワーナーミュージックグループ)の他、Beggars Group(ベガーズグループ)、Believe(ビリーブ)、CD Babyや、PIASなどのインデペンデント系音楽会社のものが含まれ、さらに追加されていることに触れるブログ記事を通じて、Amazonは、Amp登場のニュースを公表した。

ベータ版の一環として、Ampは、まもなく彼女の番組「Queen Radio」の復活をAmpにもたらすNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)の番組を含む、今後の一連の番組も発表している。その他、Pusha T(プシャ・T)、シンガーソングライターのTinashe(ティナーシェ)、電子アーティストでバイオリニストのLindsey Stirling(リンジー・スターリング)、Travis Barker(トラヴィス・バーカー)、Lil Yachty(リル・ヨッティ)、Big Boi(ビッグ・ボーイ)、著名なパーソナリティのTefi Pessoa(テフィ・ペソア)とNikita Dragun(ニキータ・ドラグン)、人気ラジオホストのZach Sang(ザック・サン)、Kat Corbett(キャット・コーベット)、Christian James Hand(クリスチャン・ジェームズ・ハンド)、Guy Raz(ガイ・ラズ)、音楽・カルチャー出版社のThe FADERからのライターが番組を担当していると、Amazonは発表した。

画像クレジット:Amazon

「ラジオは常に音楽と文化に関するものです」と、Ampの副社長であるJohn Ciancutti(ジョン・シアンクッティ)氏は、この立ち上げに関する声明で述べている。「しかし、もしあなたが今日、初めてこのメディアを発明したとしたらどうでしょう。人々が愛するラジオ、すなわち自然な語り口、新しい音楽の発見、多様なパーソナリティ、幅広い番組編成を、今日のテクノロジーによって可能になったものと組み合わせることができるのです。電話機と声と音楽への愛があれば、誰でも自分の番組を作ることができるようになるのです。それこそ、私たちがやっていることです。Ampは、あなたがマイクを握り、電波を操ることを可能にします。私たちは、番組のダイヤルが無限にあるような、新しいバージョンのラジオを作っているのです」と付け加えた。

Ampのアプリは現在、アクセスコードがないと利用できない、とAmazonは述べている

今朝方、Ampのウェブサイトはまだパスワードで保護されていたが、その後、公開された

米国時間3月8日より、米国のiOS App StoreからAmpのアプリをダウンロードし、ウェイトリストに登録し、Ampのニュースレターを購読することができる。また、Instagram(インスタグラム)、TwitterTikTok(ティックトック)の@onamp_ social accountsをフォローすることができ、Amazonは定期的にアプリに参加するためのコードをドロップすると述べている。

編集部注:本記事は東部時間3月8日9時15分に、当記事掲載後にAmazonから共有された情報をもとに更新された。

画像クレジット:Jasper Cole / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

SiriusXM、音楽配信PandoraやポッドキャストStitcherなどにまたがって視聴者を識別・追跡する新手法「AudioID」を導入

トラッキングクッキーの使用は徐々に減っておりApple(アップル)のアンチトラッキング・プライバシーのアップデートは、モバイルアプリの広告収入に影響を与えている。しかし、これらの変化は、アドテック業界がその解決策でより創造的になるよう促しているだけだ。その最新例が、Pandora(パンドラ)の親会社SiriusXM(シリウスXM)によるものだ。同社は1月31日の週に「AudioID」という、アプリ間で視聴者を識別して追跡するための新しい方法を導入した。

この新しいIDソリューションは、Pandoraが2018年に1億4500万ドル(約166億円)で買収したデジタルオーディオアドテック企業AdsWizz(アズウィズ)からのものだ。この買収でPandoraは、ダイナミック広告挿入、キャンペーン監視ツール、ポッドキャスト文字起こし技術、さらには広告中にユーザーが電話を振って行動を起こす「Shake Me」といった奇妙な機能など、アドテック製品へのアクセスを手に入れた。そして今、AdsWizzはAudioIDに搭載することで新たな形で技術を活用している。

AudioIDの仕組みはというと、自社の衛星ラジオ音楽サービスや、ストリーミングアプリのPandora、2020年に3億2500万ドル(約372億円)で買収したポッドキャストアプリのStitcherなど、SiriusXMの事業全体のユーザー情報のデータセットを照合する。

データセットの中から重なり合うシグナルを探す、と同社は説明している。例えば、顧客がPandoraとStitcherの両方に同じ電子メールアドレスで登録した場合、SiriusXMはそれらのアカウントを1つの「AudioID」にまとめることができる。消費者は、こうしたマッチングが裏で行われていることを知ることはなく、アプリから追加情報の提供や同意を求められることもない。オプトアウトもない。それは、AudioIDが従来の識別子を代替するものであり、過去の識別子にはユーザーの個人情報を含んでいたり、リンクしていたりした可能性があるからだ。一方、SiriusXMは、AudioIDはユニークだが「匿名化」されていると説明する。

しかし、AudioIDは、電子メールや電話番号だけでなく、あらゆる信号を照合して、作成を知らせることができる。この技術はデバイスID、IPアドレス、その他のユーザープロファイルデータを横断的に検索し、ストリーミングアプリにまたがる識別子を作成することができる。つまり、モバイルアプリ、ブラウザ、車両、家庭内のスマートデバイスで音楽やポッドキャストを再生していても、ユーザーの視聴行動を追跡することが可能だ。

言い換えると、広告主がユーザーをターゲットに、より関連性の高い広告を提供し続けることができる方法をSiriusXMは考え出したが、リスナーの個人情報や身元を難解にし、代わりにリスナーが聴くコンテンツに焦点を当てようとする方法だ。

まずはこのソリューションはファーストパーティの広告ターゲティング、測定、リーチ、予測、フリークエンシーキャッピング(広告表示回数の上限設定)といったユースケースをサポートする、とSiriusXMは話す。

AdsWizzのSVPで広告製品・技術・運営責任者のChris Record(クリス・レコード)氏は「文化的にも技術的にも、アイデンティティの新しい時代を迎えようとしています。紙に書かれた人物、あるいは使わなくなったクッキーによってではなく、興味と情熱で特徴づけます」と述べた。「AudioIDは、消費者第一でプライバシーに配慮したインフラであり、視聴者に最高の体験を提供し、マーケティング担当者にこれまでにないデータ駆動型の機能へのアクセスを提供します」。

もちろん、消費者がこの種のソリューションの位置づけを評価するかどうかはまだわからない。特に、モバイルアプリで「追跡禁止」のポップアップをタップしてから、高度にターゲット化された広告を受信した後ではなおさらだ。もちろん、マーケティング担当者側の前提は、消費者は自分の興味に関連性が高い場合、パーソナライズされた広告を歓迎する、というものだ。消費者は自分の個人情報が広告主の記録に浮遊することを望んでいないことが問題だとマーケティング担当者は考えている。しかし、間違いなく、トラッキングをオプトアウトする消費者は、それと引き換えに自分が出会う広告の精度が落ちる可能性があることを理解している。だが、彼らはとにかくそのボタンをタップする。むしろ、消費者がオプトアウトするのは、プライベートな個人情報を守りたいからだけでなく、高度にパーソナライズされた広告があまりにも不気味になったからだろう。AudioIDソリューションは、消費者が現代のアドテックに抱いている不満を解決していないようだ。特に、より良いターゲティングのためにユーザーの「興味と情熱」を収集・集計しているのであればそうだ。

SiriusXMは、このソリューションが提携するパブリッシャーやマーケターにとってオプトインであることを指摘している。言い換えると、AudioIDを使う必要はない。2022年後半には、このファーストパーティターゲティングを、米国内のAdsWizzのオフプラットフォームマーケッターや広告主にも拡大する予定だという。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Spotifyがラジオ放送をオンデマンドオーディオ化するポッドキャスト技術のWhooshkaa買収

Spotify(スポティファイ)は、ポッドキャストのホスティング、管理、配信、プロモーション、マネタイズ、測定のためのオールインワンプラットフォームであるオーストラリアの会社のWhooshkaa(ウーシャカア)買収し、ポッドキャストへの投資を引き続き継続している。この買収は、Spotifyがポッドキャストテクノロジー市場において、2020年行ったホスティングおよび広告会社のMegaphone(メガフォン)の買収、そして最近ではポッドキャスト発見プラットフォームであるPodz(ポッズ)の買収に続くものだ。

また、現在はSpotify Greenroom(スポティファイ・グリーンルーム)という名のBetty Labs(ベティ・ラボ)のAnchorやライブトークショープラットフォームといったクリエイター向けツールや、Gimlet(ギムレット)、Parcast(パーキャスト)、The Ringer(リンガー)といったポッドキャストスタジオも買収している。

WhooshkaaによってSpotifyは、ラジオ放送局が既存の音声コンテンツをオンデマンドのポッドキャスト番組に簡単に変換できる専門技術という新しいツールを手に入れたことになる。Megaphoneはすでに、ポッドキャスター向けにホスティング、配信、レポート、マネタイズなどの一連のツールを提供しているが、Spotifyが最も関心を持ったのはこの部分だった。Spotifyは、この「ブロードキャスト・トゥ・ポッドキャスト」技術をメガフォンに直接統合するという。

Spotifyは、Wooshkaaのポーティング機能によって、より多くのサードパーティーコンテンツがSpotify Audience Networkに参入でき、広告パートナーへのリーチとインパクトを高めることができると考えている。Spotifyのこの部分のビジネスは、スケールアップしている。同社は2021年に広告収入10億ユーロ(約1280億円)のマイルストーンを通過し、Spotifyは第3四半期に過去最高の広告収入を計上した。

現在、Spotifyの広告主の5人に1人がSpotify Audience Networkを利用しており、加入したMegaphone Podcastのパブリッシャーでは、フィルレートが2桁増になったとSpotifyは述べている。

2016年に立ち上げられたWhooshkaaは、テキスト読み上げ、音声合成、コネクテッドホーム統合、ダイナミック広告挿入技術、エンタープライズグレードのプライベートポッドキャスティングツールなどの分野でもイノベーションを起こしたと、CEOのRob Loewenthal(ロブ・ロウェンサル)氏は同社ブログでの独自の発表で述べている。しかし、Spotifyが月間3億8100万人のリスナーを抱えているため、Whooshkaaはその技術をより多くの人々に提供することができるようになるのだ。

「私たちは、デジタルオーディオの世界的な成長の可能性は、まだほとんど手つかずであると信じています。これらの新しく加えられたツールやそれを支える革新的なチームを通じて、クリエイター、パブリッシャー、広告主がこの機会の価値を実感できるよう支援するという当社のコミットメントを強化します。Whooshkaaとともに、我々はあらゆる種類のオーディオパブリッシャーのポッドキャストビジネスの成長を支援する取り組みを強化し、広告主が視聴者に到達するのを支援する我々の能力を拡大します」。と、Spotifyのコンテンツ&広告ビジネス最高責任者のDawn Ostroff(ドーン・オストロフ)氏は、この取引に関する声明で述べている。

Spotifyは、取引条件の共有を拒否し、Whooshkaaの既存の顧客のための移行計画についてはまだコメントできなかった。この取引の一環として、合計12名がSpotifyに入社する予定だが、彼らは引き続きオーストラリアに拠点を置く予定だ。

画像クレジット:Bryce Durbin

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アマゾン、誰でもラジオ番組のDJになれるアプリを開発か

Amazon(アマゾン)は、誰もが音楽を含む自分のラジオ番組のDJになれるような、ライブオーディオアプリを開発中と言われている。「Project Mic(プロジェクトマイク)」として知られているこのアプリは、最初は米国市場に焦点を当てると言われているが、発売の時期は明らかになっていない。


The Vergeによると、クリエイターは膨大なAmazon Music(アマゾンミュージック)のライブラリから楽曲を再生できるようになるとのことだ。プログラムには、音楽だけでなく、ポップカルチャー、スポーツ、コメディーなども含まれているようだ。Amazonは、有名人やインフルエンサーを番組のホストに迎えることを検討していると言われている。番組は名前やトピック、音楽などで検索することができ、Amazonはトレンドのトピックや特定のクリエイターを含むライブコンテンツを強調するようだ。

発表会では、アプリに加えて、クリエイターがAmazon Music、Twitch(トゥイッチ)、Audible(オーディブル)、Alexa(アレクサ)対応デバイスで番組を配信できるようになることが発表された。配信番組では、リスナーが車の中からでも番組のクリエーターと対話できるようになると報じられている。

このレポートでは、リスナーにAmazon Musicのサブスクが必要かどうかは言及されていないが、番組が配信されるプラットフォームの幅広さを考えると、その可能性は低そうだ。EngadgetはAmazonに詳細を問い合わせている。

Amazonがこのようなアプリを開発しているという情報は、今回が初めてではない。2021年の夏、Axiosがその存在を報告したが、今回の報告では、Project Micの内容についてより詳細な情報が得られた。

Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Spotify(スポティファイ)、Discord(ディスコード)は、Clubhouse(クラブハウス)の爆発的な人気を受けて、2020年からライブオーディオの分野に参入してきた。しかし、これらのアプリは、曲ではなく、ライブの会話に焦点を当てている傾向がある。

Spotifyは、チャットとリスナーの好みに合わせた音楽を組み合わせたThe Get Up(ゲットアップ)という朝の番組を提供しており、Amazonが考えているのと同様の機能を提供する競争相手である可能性が最も高いと思われる。他にも、Clubhouseは最近、ミュージシャンによりよいライブストリームでのコンサートのために、高音質のオーディオオプションを提供している

編集部注:執筆者Kris HoltはEngadgetの寄稿ライター。初出はEngadget

画像クレジット:TwilightShow / Getty Images

原文へ

(文:Kris Holt、翻訳:Yuta Kaminishi)

PandoraがSoundCloudと提携し「明日のヒップホップスーパースター」を紹介する新番組を開始

SiriusXM(シリウスXM)傘下のPandora(パンドラ)は、SoundCloud(サウンドクラウド)と提携し「明日のヒップホップスーパースター」の音楽を紹介することを目的としたPandoraで利用可能な新ステーション「The Lookout by SoundCloud(ザ・ルックアウト・バイ・サウンドクラウド)」を起ち上げる。これは先日、Pandoraの親会社であるSiriusXMが、SoundCloudと提携し、Hip-Hop Nation(ヒップホップ・ネーション)チャンネルで同名の番組を開始したことを受けたものだ。2020年、SiriusXMはSoundCloudに7500万ドル(約85億8000万円)を出資していることもあり、同社がそのプロパティ全体でSoundCloudと手を組むことは意外ではない。

The Lookout by SoundCloudでは、Toosii(トゥーシー)、Sheff G(シェフG)、Metro Marrs(メトロ・マーズ)、Young Devyn(ヤング・デヴィン)、$NOT(スノット)、Dro Kenji(ドロ・ケンジ)、Cico P(シコP)、Flo Milli(フロー・ミリ)、Nevi(ネヴィ)、SoFaygo(ソー・ファイゴ)、Isaiah Rashad(イザヤ・ラシャド)、Sleepy Rose(スリーピー・ローズ)などの新しいアーティストを毎週紹介していく。このステーションでは、SiriusXMの同名の番組で聴かれる曲がフィーチャーされる。

「SiriusXMのHip-Hop Nationにおけるヒットを受け、今度はPandoraを新たなホームとするSoundCloudのトッププレイリスト『The Lookout』は、ファンが最高のヒップホップを発見するための最大のデジタルオーディオソースです」と、SoundCloudの音楽部門で暫定責任者を務めるR. Caiaffa(R.カイアッファ)氏は声明で述べている。「Pandoraと協力して『The Lookout by SoundCloud』を拡大することによって、新興ヒップホップ・アーティストのコミュニティを聞き、発見してもらうための役に立つという我々の共通の責務を強化することができます」。

この新しいステーションは、2019年に開始されたSoundCloudの最も人気の高いプレイリストの1つである「The Lookout」を起源とする。このプレイリストはその後、次世代のヒップホップの新星を発見できる場所として人気を博している。

SiriusXMは、The Lookoutがこれまでに、Pop Smoke(ポップ・スモーク)、Megan Thee Stallion(ミーガン・ジー・スタリオン)、Roddy Ricch(ロディ・リッチ)、Rod Wave(ロッド・ウェーブ)など、有名になる前の今日のヒップホップ界の大物アーティストにスポットライトを当ててきたことを強調している。

SiriusXMが、SoundCloudとさまざまな協業を行うことで、より若いリスナーを惹きつけようとしていることは明らかだ。さらに、SiriusXMは最近、TikTok(ティックトック)のクリエイターをチャンネルのホストとして起用した「TikTok Radio(ティックトック・ラジオ)」チャンネルを開設し、そちらでも若いリスナーの獲得に力を入れている。このチャンネルは、TikTokの「For You(おすすめ)」フィードのラジオ版のようにデザインされたものだ。

ここ数年、SiriusXMとPandoraは、音楽とポッドキャストの両方で競争力を高めるために、Simplecast(シンプルキャスト)やStitcher(ステッチャー)の買収も行ってきた。最近では、SiriusXMがオーディオエンターテインメント制作スタジオのAudio Up(オーディオアップ)と提携し、新しいオリジナル脚本のポッドキャストを開発している。

関連記事:デジタルラジオSiriusXMがAudio Upと提携してオリジナルポッドキャスト作品を開発

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

デジタルラジオSiriusXMがAudio Upと提携してオリジナルポッドキャスト作品を開発

SiriusXM(シリウスXM)はオーディオエンターテインメント制作スタジオのAudio Up(オーディオアップ)と提携して、創作ポッドキャスト(scripted podcast)作品を新たに開発する。両社はクリエイティブプログラミングおよび戦略的契約を締結し、Audio UpはSiriusXMおよび同社のプラットフォーム、SXMアプリ、Pandora(パンドラ)、およびStitcher(スティッチャー)向けに新たなポッドキャストを制作する。

2020年に設立されたAudio Upは、ポッドキャストコンテンツ制作スタジオとしてオリジナルの台本付きポッドキャストを多数制作し、音楽、ハリウッド、出版界からMachine Gun Kelly(マシン・ガン・ケリー)、Garrett Hedlund(ギャレット・ヘドランド)、SStephen King(スティーブン・キング)などの著名人が参加している。

この契約によってSiriusXMは、Audio Upの新たなオリジナルポッドキャストコンセプトの独占ファーストルック権とSiriusXMのために制作された全ポッドキャストに関連する広告在庫を管理・販売する独占権を得る。Audio Upは、SiriusXMが同社の全チャンネルでオーディオエンターテインメントプログラムを新規開発する際に、あらゆるタイプのアーティスト、レーベル、ブランド、クリエイターと繋がるための新たなクリエイティブパワーとなることが期待されている。

また米国時間10月11日、Audio Upは、1200万ドル(約13億6000万円)のシリーズB調達ラウンドをSiriusXMのリードで完了したことを発表した。これにともないSiriusXMの事業およびプログラミング運営担当上級副社長であるAndrew Moss(アンドリュー・モス)氏がAudio Upの取締役会に加わる。

「Audio Upは音楽、エンターテインメント、および内容豊かな物語を組み合わせることでまったく新しいリスニング体験を作ることで知られています。彼らを大きくなったSiriusXMファミリーに迎えることを大いに喜んでいます」とSiriusXMのプレジデント兼最高クリエイティブ責任者、Scott Greenstein(スコット・グリーンスタイン)氏がプレスリリースで語った。

Audio Upのバックカタログにあるさまざまなオリジナルポッドキャストは、SXMアプリ、Pandora、およびStitcherでも公開され、Halloween in Hell、The Ballad of Uncle Drank、Bedtime Stories of the Ingleside Inn、Sonic Leap、Make It Up as We Goなどの作品が含まれている。

「SiriusXM、Pandora、Stitcherを合わせた多数の幅広いリスナーに届けられることで、当社のオリジナルプログラムにとっての新たな巨大マルチプラットフォームアウトレットだけでなく、SiriusXMという私たちと野心を共有するクリエイティブな味方を得られました」とAudio UpのCEOでファウンダーのJared Gutstadt(ジャレッド・ガスタット)氏が声明で語った。

AudioUpとの契約は、SiriusXMにとって2020年の3億2500万ドル(約368億3000万円)のStitcher買収に続くものだ。今回の契約は、数千本のポッドキャストがSiriusXMのラインアップに加わることを意味しており、これによって同社は音楽、スポーツ、トーク、ポッドキャストを含むデジタルオーディオにおける米国「最大の連絡可能なオーディエンス」を獲得し、1億5000万人のリスナーをカバーすると言っている。さらに同社は、複数の価格プランと、SiriusXMのゲストが参加するPandora Storiesのような独自の番組フォーマットを提供することで、Pandoraをライバルと差別化しようとしている。

SiriusXMのAudio Upとの新たな提携は、同社のポッドキャスティングへの投資を進めるとともに、他の多くの企業もポッドキャストサービスを拡大しようとする中、オーディオ分野でのライバルとの戦いを続けるために一役買うだろう。例えばSpotify(スポティファイ)とiHeartMedia(アイ・ハート・メディア)はオリジナルポッドキャスティングコンテンツを獲得するために大きな買収を行い、ポッドキャスターがビジネス運営するためのツールも揃えている。さらにAppleもポッドキャストに投資しており、最近Apple Podcasts Subscriptions(アップルポッドキャストサブスクリプション)を170を超える国と地域で開始した。

関連記事:アップルが日本を含む170以上の国でApple Podcastサブスクリプションを開始、J-WAVEのチャンネルも

画像クレジット:SiriusXM

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Nob Takahashi / facebook