デイサービス向けクラウド機能訓練ソフトやリハビリ業務支援SaaS「リハプラン」を運営するRehab for JAPAN(リハブフォージャパン)は5月24日、第三者割当増資による総額7億円を調達したと発表した。累計調達総額は約11億円となった。
引受先は、CYBERDYNE、CEJキャピタル(サイバニクス・エクセレンス・ジャパン1号投資事業有限責任組合)、MTG Ventures(MTGV投資事業有限責任組合)、SMBCベンチャーキャピタル(SMBCベンチャーキャピタル6号投資事業有限責任組合)、豊島運営のCVCファンド、三菱UFJキャピタル(三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合)、小野薬品工業、KIRIN HEALTH INNOVATION FUND(KIRIN・GB投資事業有限責任組合)、キャピタルメディカベンチャーズ(ヘルスケア・ニューフロンティア投資事業有限責任組合)。
調達した資金調達により、介護事業者が長年培ってきた知見や高度な技術との連携に向けて、既存事業の拡大、新規事業へのスピードをさらに加速する。
リハプランは、機能訓練業務を誰でも簡単かつ効果的に行える「デイサービス向けクラウド機能訓練ソフト」だ。2018年2月リリース以来、累計の導入事業所数は900事業所、すでに6万6000人の高齢者データを有しているという(2021年5月時点)。
リハプランでは、最新の高齢者データベースをもとに2200種類の目標・運動プログラムから最適な計画・訓練を自動で提案。従来専門職の脳内で行われていたリハビリ訓練計画の立案工程を自動化しており、要介護者の身体状況や自宅での生活課題、本人の意志などに関する項目をチェックするだけで、最適なリハビリメニューを提案するとしている。これにより、リハビリ指導経験のないスタッフでも、効果的な介護リハビリを提供できるようになった。
さらに、リハビリ業務に必要な機能を揃えていることから、職員の書類業務負担を軽減しつつ、介護事業所の差別化・売上アップを支援するとしている。
また同社は、介護事業所内には要介護者の身体状況や生活、家庭環境、本人の興味・関心などに関する深いデータが存在することに注目しているという。ただし、これらデータは複数の手書きの紙資料に点在する形で記録されており、分析可能な状態になっていないケースが多いそうだ。そこで業界知見とAIや動画解析などの先端技術を活用して、スタッフの業務を効率化しながらより質の高いデジタルデータに変え、個別性の高いリハビリテーションの有効性を実現するのがRehab for JAPANの目標だ。
2016年6月創立のRehab for JAPANは、「介護に関わるすべての人に夢と感動を」をビジョンとし、より多くの高齢者が健康的に長生きすることで幸せに長く暮らせる世界(健康寿命の延伸)に向けて、「エビデンスに基づいた科学的介護」の実現を目指すスタートアップ企業。介護現場のリアルデータを収集し、高齢者が元気になることを「科学」するとしている。
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