Spotifyがヨガやランニングなどユーザーのワークアウトに合わせたプレイリストの提供を開始

Spotifyは一人ひとりに合わせたプレイリストのコレクションを新たに始めた。ワークアウトをしながら新たに出会う音楽を楽しみたいユーザーのための新機能だ。ただし再生履歴に基づいて自動で表示されるフラッグシップのサービスである「Discover Weekly」とは異なり、ワークアウト用プレイリストはマイクロサイトの「Soundtrack Your Workout」で質問に答えるとそれに基づいて作られる。

ユーザーはこのサイトでエクササイズの種類、ワークアウトの所要時間、一緒にワークアウトをする人(子供と、ひとりで、パートナーとなど)、強度、気分などの質問に答えていく。するとSpotifyはワークアウト用プレイリストをその人に合わせてカスタマイズするために、回答した情報と音楽の好みを同期させる。音楽とポッドキャストを組み合わせたプレイリストにすることもできる。

ワークアウトのアクティビティを変更するときはいつでも質問に回答し直して、パーソナライズされたプレイリストをさらに作ることができる。こうして作られたプレイリストはSpotifyアプリのプレイリストのコレクションに追加されるので、あとから簡単にアクセスできる。

ストリーミングサービスではワークアウト向けの音楽が、特に若年層のユーザーの間ですでに大人気になっている。例えばSpotifyの調査では、ワークアウト中に音楽やポッドキャストを聴いたリスナーの半分以上(53%)は18〜29歳のユーザーだった。しかも新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によるロックダウンでユーザーがジムに行けなくなっているにも関わらず、ワークアウト用音楽への関心は衰えない。例を挙げると、Spotifyのリスナーはこの2カ月間でワークアウト用プレイリストを100万以上作った。

Spotifyのトレンド専門家であるShanon Cook(シャノン・クック)氏は今回の発表の中で「Spotifyユーザーは新しい環境下でも活動的かつ健康的でいられる方法を模索している中、ワークアウト用の音楽に注目が集まっています」と述べている。

この新機能の開発にあたって、Spotifyはセレブのトレーナーを務めるCorey Calliet(コリー・キャリエト)氏の協力をあおいだ。キャリエト氏はオリジナルのサウンドトラックを作って共有している

Spotifyがサービスのプロモーションのためにマイクロサイトを利用するのは今回が初めてではない。最近では一部の市場で、ユーザーに質問に答えてもらい、オプションでSpotifyと連携してその地域の音楽を紹介する「Listen Local」という試みを始めた。また、同じ曲を同時に再生し始めた人々を表示する「Listening Together」も公開している。

ただし、ユーザー自身ではなくSpotifyがプレイリストをカスタマイズ前に質問によって情報を収集する方法は、あまり多くは使われていない。ワークアウトの場合はユーザーそれぞれで大きく異なる可能性があるため、質問に答えてもらう必要がある。ヨガのセッションで集中するときに聴きたい曲やテンポと、トレッドミルでランニングをするときに聴きたい音楽は、たいていかなり違うものだ。

Spotifyはこうして収集した情報を別のところで使える可能性がある。おそらくユーザーの関心に沿ったプレイリストを今後提案したり、広告の目的で使ったりすることができるはずだ。

もちろん、Spotifyがパーソナライズして作成するプレイリストはどれでもそうだが、自分がすでにSpotifyに提供したデータを反映したものになる。子供や家族が自分のアカウントを使っていたり、別のサービスを使っていてSpotifyはあまり使っていない場合、プレイリストは自分の好みを完全に反映したものにはならないだろう。

新しい「Soundtrack Your Workout」は日本でもすでに公開されている。

画像:stockcam / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

BragiのDash Proは、洗練されていてスマートなAirPods対抗製品

もしAirPodsがいいなとは思っているものの、Appleの白い筒型形状は人間工学的に自分の耳にうまく合わないと思っているのなら、良い別の選択肢が現れた。その価格に見合う価値はある筈だ。BragiのDash Proは、ヘッドセット専業会社による完全ワイヤレスイヤホンの最新版だ。そして同社が最初の2つのプロダクトから、多くのことを学んだことがわかるプロダクトとなっている。

Dash Proの価格は、米国内に於けるAirPod価格の2倍以上である329ドルだが、それは単なるワイヤレスイヤホン以上のものとしてデザインされている。スタンドアロンで使用するためのオンボードストレージ、彼らの言う所の4Dジェスチャーコントロールインターフェース(頭の動きでコントロールを行う)、そしてiTranslateのサポートなどが含まれる(iTranslateはiOSアプリをインストールしてプロサブスクリプションを行っていれば、話し言葉をイヤホンを通して翻訳してくれる)。

私はBragi Dash Proの最初の1組を数週間に亘って試用し、その結果とても感銘を受けた。Bragi HeadphoneのようにDash Proは基本がしっかりしている。ペアリングも、音質も、脱落防止も、そして安定した接続を維持するという点でも。そのような堅実なパフォーマンスに関しては、以前リリースされたDashでは、ほとんどのレビューアが不満を感じていた点である。よってBragiがそのことを改善したのはとても素晴らしいことだ。

しかし、それだけがDash Proの全てではない。ワイヤレスオーディオの自由を真に求めている人たちにとって私が本当にお勧めしたいのは、それ以外の機能だ。オンボードストレージとフィットネストラッキング機能は非常に上手く、しかも手間要らずに動作する。もしこの機能を有効にすれば、Bragiのオンボードセンサーを使用してユーザーの運動を自動的に検出してくれる。さらにiTranslateの機能は、少々面倒なところはあるものの(同時通訳ではなく、話したものを逐次通訳する)、旅行中に役立つ程度には効果的だ。

Bragi Dash Proの(頭の動きによる)モーションコントロールは一般ユーザにとってはそれほど魅力的ではないかもしれないが、もしユーザーの手が塞がっていていてタッチベースのコントロールを行えない場合には特に便利である。また、タッチセンシティブなコントロールがやりにくいアクティビティの最中や、雨の中を走る際や(これらは耐水性があり、水泳にも使用できる)、フードがイヤホンに当たり続けるので後述のオーディオ透過性をロックアウトする必要がある場合などに便利だ。

Dash Proは以前の商品のもう一つの弱点にも対処した。利用可能時間を5時間ほどに伸ばすことができたのだ。それは私の試用体験で実証できたもので、一日を通しての利用時間として十分なものだ。また、内蔵バッテリーを使って最大5回の追加充電の行えるケースも付属している。これも他のヘッドフォンたちには見られない大きな特典だ。旅行中にこれらを使用すると、劇的な違いが生じる。

最後に、Bragiのオーディオ透過性は、一度体験するとこれまでそれなしでやっていたことに驚くとても素晴らしい機能だ。基本的には外部の音をそのまま聞かせる機能で、最新版では自転車に乗っている際の風切り音などを魔法のように消し去る機能も追加されている。このことが意味するのは、ちょっとした用足しや、人と会話するときや、その他の場合に、イヤホンを外す必要がないということだ。つまりポケットの中でイヤホンをさぐり当てる必要がなくなる。

Bragiは、以前のDashに対する様々な批判を十分に受けた。しかし同社はそうした批判の大部分に応えて、素晴らしい結果を生み出した。Dash Proはワイヤレスイヤホンの偉大なプロダクトであり、将来が楽しみなコンピューティングプラットフォームの芽生えを感じさせるものだ。平均価格よりも高い値札を受け入れられるなら、これこそが私が今お勧めしたいワイヤレスイヤホンだ。

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(翻訳:Sako)