コレクター向けスニーカーの中古市場は引き続き成長を続けており、主要投資家もスニーカーヘッズ(熱狂的なスニーカーファン)向けサービスへの投資を加速させている。このトレンドにのって、ロサンゼルス発のGOATが新たに2500万ドルを調達した。Accel Partnersがリードインベスターとなった今回のラウンドで調達した資金は、人員の増強と流通網の拡大に充てられる予定だ。
GOATは、コレクター向けスニーカーの売買ができる、モバイル限定のマーケットプレイスだ。これまでにあったマーケットプレイスとは違い、GOATはユーザーにYeezyの偽物を掴ませないよう、商品の鑑定に特に力を入れている。さらに同社は、ユーザーのもとにボロボロのジョーダンが届いてしまわないよう、スニーカーの状態もしっかりとチェックしている。
GOATは昨年8月に、Matrix Partners、Upfront Ventures、Webb Investment Networkなどから500万ドルを調達したばかりだ。しかし目覚ましいスピードで成長している同社には、投資を希望する企業からの問合せが後を絶たない。
今回GOATがAccelからの出資を受け入れた理由のひとつは、AccelがこれまでにもEC企業を大きく成長させてきた実績を持っているということだった。そしてもうひとつの理由が、パートナーのRyan Sweeney自身もスニーカーヘッドで、GOATのビジネスを本質的に理解しているということだ。
これまでにBraintreeやGroupon、Lightspeed、VSCOといった企業に出資し、おびただしい数の靴を持っているSweeneyは、今後GOATの取締役を務める予定だ。
しかしCEOのEddy Lu自身が「昨年の春に調達した500万ドルにもほとんど手をつけていません」と言っている通り、ここで大事な問いは、誰が出資したかというよりも、なぜ今なのかということだろう。それについてLuは、前回の資金調達以後ユーザー数が150万人へと増加し、取引総額(GMV)も当時の10倍に増えたと話す。
その結果、GOATは人員不足に陥り、現在カルバーシティに抱える3つの倉庫ではオペレーションが追いつかなくなってしまったのだ。
「もともとは2500平方フィートの倉庫からスタートして、昨年の中旬にスペースが足りなくなりました」とLuは話す。それからGOATは、道を挟んで向かい側にあった4000平方フィートの倉庫を追加し、その後さらに近くの7000平方フィートの倉庫が追加された。今回の調達資金を使って、GOATは再び全ての在庫を一か所におけるようなスペースをみつけたいと考えている。
もっと重要なのが商品の配達までのスピードで、GOATは東海岸に新しく流通センターを設置し、オペレーションを加速させようとしている。現在のところ、全ての商品の鑑定はロサンゼルスの拠点で行われているため、例えばニューヨークシティにいる売り主や買い主には余計な時間がかかってしまう。しかし「将来的にはどの地域へも2日で配送を完了させたい」とLuは話す。
さらにGOATは、2017年中にモバイルアプリのアップデートも行おうとしており、売り主がもっと簡単に商品をアップできるような仕組みを検討している。「GOATのようなマーケットプレイスでは、商品の流動性がカギになってきます」とLuは言う。つまり同社は売り主側の仕組みを改良することで、買い主が探しているスニーカーがいつでもみつかるような環境をつくろうとしているのだ。
GOAT以外にも、スニーカー市場に目を付け、最近資金調達を行ったスタートアップがいる。ニューヨークに拠点を置くStaduim Goodsだ。同社もオンラインでスニーカーを販売しており、最近Forerunner VenturesやThe Chernin Group、Mark Cubanから460万ドルを調達していた。しかしLuは、Stadium GoodsのことをGOATのサービスを補完するような存在だと考えている。
Luによれば、GOATはマーケットプレイス型のサービスにフォーカスしている一方、Stadium Goodsはオムニチャンネルのアプローチをとっており、実店舗やオンラインでの販売にに加えて、GOATのようなマーケットプレイスを通じての販売も行っているのだ。
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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter)