新型コロナ禍の中でカリフォルニアは大統領選挙に向け住民の安全のために郵便投票を採用

米国時間5月8日、米国カリフォルニア州知事のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏は、11月の大統領選挙に向けて登録済有権者全員に郵便投票用紙(未訳記事)を発行すると発表した。ニューサム氏はこの決定を、他のカリフォルニア州機関と調整の上、行政命令として下した。

この命令は、すべての郡の選挙担当者に、有権者へ郵便投票用紙を提供することを要求するものだが、同時に障碍者、住所をもたないホームレス、英語以外の言語での投票資料を必要とする人たちのために対面式投票所の設置も設定することも求めている。

カリフォルニアは、郵便投票州になりました。
登録されている有権者の皆さまに、11月の選挙のための郵便投票用紙が送られます。
安全な対面投票オプションも提供します。
投票権は私たちの民主主義の基盤です。その権利を行使するために健康を危険にさらすことを強いられてはなりません。

命令によれば、対面投票を可能な限り安全にするために、知事は州務長官およびカリフォルニア州議会と調整を行う。カリフォルニア州では、州務長官が選挙の最高責任者であり、投票設備、セキュリティ、そしてアクセシビリティの監督を行っている。

Alex Padilla(アレックス・パディラ)州務長官はこの決定について「全登録有権者に投票用紙を郵送することで、カリフォルニア州は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに対応する国内で最初の州になります」と語った。「私たちは今年11月の選挙で、アクセスしやすく、安全で、安心な選挙を提供するという義務を果たします。登録されているすべての有権者に、郵便で投票用紙を送ることは賢明な方針ですし、この新型コロナウイルスパンデミック期間で行うこととしては絶対に正しい行動です」。

11月の選挙が迫る中、パンデミックの真っ最中の総選挙が突き付ける独自の課題に、各州は迅速に対応しようとしている。この先投票システムを再考できない州に起き得る混乱を、既に行われた予備選挙戦が予め示したからだ。特にウィスコンシン州では、長い列と混雑した投票所が報じられた。他の多くの州が予備選挙を遅らせて(未訳記事)時間を稼ぐ中、ウィスコンシン州は健康専門家からの警告と有権者からの懸念にもかかわらず、当初の日程で対面投票を進めたのだ。

一部の政治家(特にトランプ大統領はその筆頭)たちは郵便投票を党派的な問題だと片付けようとしているが、現実には、赤い州(共和党支持が多い週)と青い州(民主党支持が多い州)どちらの選挙担当者も、11月には投票用紙を住民に郵便で送ることを検討している。

オレゴン州、ワシントン州、コロラド州、ユタ州、ハワイ州では、すでに郵便投票を主要な投票手段として安全に利用しており、これらの州(ならびに不在者投票を認めている他の州)での投票者の不正行為は、統計的に無視できる程度のものである。

関連記事:Vote-by-mail should be having its moment.Will it?(郵便投票が、いままさに脚光を浴びるのか?、未訳記事)

画像クレジット: Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

原文へ

(翻訳:sako)

Uber、選挙日に投票所への無料乗車を提供

Uberは、移動手段を投票に行くか否かの決定要因にしたくないと考えた。来る投票日にUberは有権者が地元の投票所を簡単に見つける方法を提供し、非営利団体と協力して一部の人たちを投票所に無料で送リ届ける。

2018年11月6日、Uberは米国の利用者に投票所を簡単に見つける方法を提供、さらに無料乗車を予約できるようにする。Lyftも同様の試みとして、投票日に投票場所まで半額または無料で乗車できるサービスを提供する。

「決定を下すのはやって来た人たち」、とUber CEOのDara Khosrowshahiがブログに書いた。「今年の投票日、Uberは人々が簡単にそれを実行できるように、われわれにできることをする」

2016年の大統領選挙では、調査に回答した若者の35%が、移動手段がないことを投票しなかった理由に挙げた。

またUberは非営利団体の協力を得て、同サービスの乗客、運転手の両方が、州の締切日までに選挙登録をすませられるように進めている。今日(米国時間10/4)から投票日までの期間、Uberは全国125箇所以上のドライバーハブで選挙登録キャンペーンを主催する。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オープンハードウェアのQubieで選挙の待ち時間をモニタリング

qubie1

アメリカでの極めて重要な国政選挙を控え、有権者全員が投票すること、さらには彼らが投票できる環境を整えることが今までにないほど大事になっている。そこで、選挙関連テック企業のFree and Fairは、自動で待ち時間をモニタリングし、有権者と選挙スタッフに情報を提供するシンプルなオープンソースデバイスを使って、混雑が予想される投票場の運営をサポートしようとしている。

Free and Fairは投票場で利用できるオープンソースソフトを開発しており、同社のソフトには有権者のチェックイン機能や実際に投票・集計が出来る機能が備えられている。しかしQubieは同社初のオリジナルハードウェアで、Hackaday Prizeにむけて開発された。Free and Fair設立者のDaniel Zimmermanは、同社が時代遅れだと感じる投票プロセスの別の側面をQubieで解決しようとしていると説明した。

「ここ最近の選挙では、長い待ち時間に耐えかね、投票を諦めて家に帰ってしまう人に関する報告がなされていました」と彼はTechCrunchの取材に応えた。「選挙関連のテクノロジーはとても悲惨な状況にあります。私たちは、待ち時間のような選挙に関する逸話よりもデータの収集を行う方が有益だと考えていました」

トラッキングについては既にいくつかの試みがなされているが、往々にして場当たり的なものだった。大きな選挙では管理委員会とボランティアスタッフが忙しすぎて、毎時間何人かのために(カウンターや紙に書かれた番号を利用して)待ち時間の計算をするということの優先度が単純に低いのだ。

qubie2

Qubieのつくりはシンプルで、小さなWi-Fiアダプターを備えた、電池かUSB経由の電源で動くRaspberry Piで構成されている。QubieはWi-Fiシグナルを使って携帯電話を認識し、各携帯電話がQubieのモニタリング範囲内にどのくらい滞在しているかというのを記録することができるため、その場所で投票するのにどのくらいの時間がかかるかという平均値を割り出すことができる。

もちろん、携帯電話を使ったトラッキングというアイディアに眉をひそめる人もいるだろう。そのため、Free and Fairでは個人情報の収集や保存を行っていない。

「私たちがまず行うのは投票者の匿名化です。Wi-Fiシグナルを読み込んだ後に暗号化し、個人が特定できるような情報は記録しません」とZimmermanは語った。

具体的には、QubieはデバイスのMACアドレスを探知し、起動時に生成された一定時間有効なキーのハッシュ値をデバイスに割り当てる。このハッシュIDを、Wi-Fiチャンネルや電波の強さと共にソフトがトラックするのだ。

考えてみれば、選挙スタッフは投票場を訪れる有権者の名前を書きとめ、そもそも投票自体が公的な行為であることから、Qubieが必要とする情報というのは大それたものではない。それでもやはりFree and Fairは、Qubieが何をするデバイスで、詳しい情報はどこで手に入るのかなどが記載された紙をQubieと共に準備した。

qubie3

現時点でQubieは未だ開発途中の段階にあるため、データは全てローカル上に保存し、後で回収できるようになっている。しかし、もちろんこれではリアルタイムの情報が分からないため、Free and Fairは、情報の扱いに気を使いつつリアルタイムで待ち時間を知らせるための方法を現在模索している。Qubie上で情報を処理してその結果をスタッフに伝えることもできるし、クラウド上に一旦データを送ることでアプリやウェブサイトを介したライブ情報発信を行うこともできる。まだ大統領選までは時間があり、場所によって好みもあるため、この点については今後固まっていくだろう。

10台のQubieを使った実装テストは問題なく進み、実態に合ったデータを生成することができた。Free and Fairは現在、できれば11月のアメリカ大統領選に間に合うよう、Qubieをもっと普及させたいと考えている。

さらに同社は、Qubieが爆発装置と誤解されないよう、専用の筐体も製作する予定だ。

「Qubieが公共の場にポンと置いてあったら心配になる人もいると思います」とZimmermanは冗談抜きで話していた。多くの人が選挙日には神経質になるものだ。

Qubieはソフト・ハード共にオープンソースのため自分で作ることができるが、ゲリラ的に設置するのはオススメできない。それでもQubieのようなガジェットで、投票プロセスが少しでも簡単になったり、投票場で何が起きているかが分かりやすくなるのであれば、追求する価値がある。是非近くの選挙スタッフにこのようなデバイスが役に立つか聞いてみて欲しい。

原文へ

(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter