「蚕」専⾨昆⾍⾷スタートアップのエリーが第1弾商品「SILKFOOD チップス」を販売開始

「蚕」専⾨昆⾍⾷スタートアップのエリーが第1弾商品「SILKFOOD チップス」を販売開始

「蚕」専⾨昆⾍⾷スタートアップのエリーは7月9日、原料として蚕(食用蚕パウダー)・国産うるち米・植物油脂・食塩の4種類を使⽤した⾷品「SILKFOOD(シルクフード) チップス」の販売開始を発表した。「オランダせんべい」を手がける⼭形県・酒⽥⽶菓との共同開発商品という。直販価格は、1袋30g⼊り単品550円(税込。ECでの販売は2袋単位)。同社ECショップ「シルクフード オンラインショップ」で購入可能。また実店舗では、⼤阪府「URBAN RESEARCH 堀江店」にあるTHE GOODLAND MARKETでも7⽉中旬からの販売を予定しているという。2021年夏から原料(蚕のパウダー、ペースト)の販売も開始予定。

SILKFOOD チップスは、無添加・ノンフライの「パリっと」した食感が特徴のチップス。蚕の持つ「旨味」や「⾹ばしさ」と国産⽶のおいしさを楽しめるという。酒⽥⽶菓は、同社が70年間培った薄焼き技術を使用した食感がおいしいチップスとしており、蚕の風味を香ばしく焼き上げたことでお米との掛け算でお互いの良さが出たと感じているとした。

「蚕」専⾨昆⾍⾷スタートアップのエリーが第1弾商品「SILKFOOD チップス」を販売開始

「蚕」専⾨昆⾍⾷スタートアップのエリーが第1弾商品「SILKFOOD チップス」を販売開始

エリーは、サステナブルな⾷の未来の実現を⽬指し、昆⾍の「蚕」(カイコ)の養蚕から、原料の開発販売・商品開発までを⼿がけるスタートアップ。

エリーによると、蚕は約5000年に及ぶ絹産業の歴史とともに多くの国で⾷歴があり、⽇本でも古くから佃煮などとして親しまれてきた。同社の最新研究では、栄養やおいしさに関する成分が豊富なことも判明し、「栄養」「おいしさ」「環境」といったこれからの「⾷」に必要な要素を満たすサステナブルフードであることが分かっているという。またエリーは、蚕のエサに未利⽤の農作物を⽤いることで無駄のない⾷料⽣産を⽬指すとしている。

関連記事
徳島大学発スタートアップ「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランドのクッキーを発売開始
昆虫食通販のバグズファームが食用昆虫食原料を飲食関連事業者向けに無料サンプル提供
蚕を原料とした“シルクフード”の普及目指すエリーが約4500万円を調達、5月末まで表参道で実店舗も運営
昆虫食スタートアップのエリーが東京・表参道に蚕バーガー店をオープン

カテゴリー:フードテック
タグ:エリー(企業)昆虫食食品 / 食料品 / 食材 / 食品加工(用語)日本(国・地域)

徳島大学発スタートアップ「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランドのクッキーを発売開始

徳島大学発スタートアップ「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランドのクッキーを発売開始フードテック領域の徳島大学スタートアップ「グリラス」は6月4日、同社ECサイト「グリラスオンライン」において、フードロスを再活用し国内で安心安全に生産された食用コオロギを用いて開発した「C. TIRA Cookie」(シートリア クッキー)と「C. TIRA Crunch」(シートリア クランチ)の発売を開始した。C.TRIA Cookieは4袋(計8枚)入りが税込価格780円、8袋(計16枚)入りが1290円。C.TRIA Crunchは税込価格980円。また、国内での食用コオロギ生産量日本一であるグリラスの強みを生かし、日本全土の多くの方に手頃な価格で試してもらうべく、初回となる同製品に限り日本国内向けの配送料を無料としている。

徳島大学発スタートアップ「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランドのクッキーを発売開始

「C. TIRA Cookie」(シートリア クッキー)

「C. TIRA Cookie」(シートリア クッキー)

「C. TIRA Crunch」(シートリア クランチ)

「C. TIRA Crunch」(シートリア クランチ)

同社によると、自社ブランド第1弾となるC.TRIA CookieおよびC.TRIA Crunchはは、まだコオロギを食べたことがない方にとっても、気軽に家族や友達、同僚とともに楽しめるよう、お菓子を選んだという。

ブランド名の「C.TRIA」(シートリア)については、「Circulated Cultured Cricket」(循環型に養殖されたコオロギ)という単語にちなみ、3つ(TRIA)のCを表すものとして名付けた。フードロスによって育てられたコオロギを介して新たなタンパク質を生み出す、循環型フードサイクルを創り出すことで、世界が直面している食料危機や環境問題に立ち向かいたいという思いを込めているそうだ。

グリラスは、徳島大学における25年を越えるコオロギ研究を基礎に、世界でもトップレベルの知見・ノウハウを活かすべく2019年5月に設立したスタートアップ。2020年5月にジェイテクトと業務提携を行い、食用コオロギを量産するシステムの開発に着手。徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、自動生産システムの導入を進めている。

また日本国内で安全・安心に生産した食用コオロギを販売することで、輸送を含めた生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留め、持続可能な社会の実現に貢献する。

関連記事
6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売
国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

カテゴリー:フードテック
タグ:グリラス(企業)昆虫食食品(用語)徳島大学(組織)日本(国・地域)

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売徳島大学発のフードテック領域スタートアップ「グリラス」は4月8日、国内で安心安全に生産した食用コオロギを用いて開発した「C.TRIA Cookie」(シートリア クッキー)と「C.TRIA Crunch」(シートリア クランチ)を発表した。C.TRIA Cookieは8枚入りが税込価格870円、16枚入りが1290円。C.TRIA Crunchは税込価格980円。同社オンラインストアにおいて、6月4日(虫の日)に発売する。

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売

第1弾となるC.TRIA CookieおよびC.TRIA Crunchは、まだコオロギを食べたことがない方にとっても、家族や友達、同僚とともに気軽に楽しめるよう、お菓子として開発したという。また、初回となる両製品に限り日本国内向け配送料を無料としている。国内において食用コオロギ生産量日本一であるグリラスの強みを活かし、より多くの方が手頃な価格で試せるようにしたそうだ。

ブランド名の「C.TRIA」(シートリア)については、「Circulated Cultured Cricket」(循環型に養殖されたコオロギ)という単語にちなみ、3つ(TRIA)のCを表すものとして名付けた。食品ロスによって育てられたコオロギを介して新たなタンパク質を生み出す、循環型フードサイクルを創り出すことで、世界が直面している食料危機や環境問題に立ち向かいたいという思いを込めているそうだ。

6月4日は「虫の日」、徳島大学発「グリラス」が国産食用コオロギを用いた独自ブランド菓子を発売

グリラスは、徳島大学における25年を越えるコオロギ研究を基礎に、世界でもトップレベルのその知見・ノウハウを活かすべく2019年5月に設立したスタートアップ。2020年5月にジェイテクトと業務提携を行い、食用コオロギを量産するシステムの開発に着手。徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、自動生産システムの導入を進めている。

また日本国内で安全・安心に生産した食用コオロギを販売することで、輸送を含めた生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留め、持続可能な社会の実現に貢献する。

関連記事
国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

カテゴリー:フードテック
タグ:グリラス(企業)昆虫食食品(用語)徳島大学(組織)日本(国・地域)

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

コオロギ × テクノロジーに取り組むグリラスは、シリーズAにおいて、第三者割当増資による総額2.3億円の資金調達を発表した。引受先は、Beyond Next Ventures、産学連携キャピタル(AIAC)、HOXINなど。

調達した資金により、徳島県美馬市にある廃校を整備し、ジェイテクトと共同で開発を進めている食用コオロギを量産する自動生産システムの導入を進めることで、食用コオロギの量産体制の構築・強化を行う。生産された食用コオロギはパウダーなどに加工。世界で逼迫が見込まれるタンパク源を人々に届けることで、食料課題の解決に寄与する。

国産食用コオロギの量産化を目指す徳島大学発スタートアップ「グリラス」が2.3億円調達

グリラスは、徳島大学における25年を越える研究を基礎として世界でもトップレベルのコオロギに関する知見やノウハウを活かすべく、晴れて2019年に設立。2020年5月にはジェイテクトと業務提携を行い、IoT技術を駆使して最適化した飼育環境において食用コオロギを量産するシステムを開発。

今回の資金調達をもとに徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、そこに自動生産システムを導入することとなった。

手作業で行っていたものを自動化することで、課題であった生産コストを最小化するとともに、日本国内で安全・安心に生産した食用コオロギを販売することにより、輸送含めた食料生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留めていくことが可能としている。

今後は、現在のパウダー製品のみならず、様々な食品へと展開するとともに、徳島大学とともにさらなる研究開発を進め、化粧品やサプリメントに加え、肥料・飼料、医薬品など、ライフスタイルを支える幅広い商品の販売を進めていく。

関連記事
昆虫食通販のバグズファームが食用昆虫食原料を飲食関連事業者向けに無料サンプル提供
昆虫テックのムスカが個人向け園芸肥料をMakuakeにて先行販売開始、熊本県菊池市とのアグリ実証実験も開始
昆虫食スタートアップのエリーが東京・表参道に蚕バーガー店をオープン
昆虫食で食料危機の解決を目指すスタートアップのまとめ「昆虫食カオスマップ2019」が公開

カテゴリー:フードテック
タグ:昆虫食グリラス資金調達(用語)食品(用語)食用コオロギ徳島大学日本(国・地域)

蚕を原料とした“シルクフード”の普及目指すエリーが約4500万円を調達、5月末まで表参道で実店舗も運営

将来の食料不足やタンパク質危機への解決策となる次世代食品として、植物由来のものをベースにした代替肉や昆虫食などの“代替タンパク質”を手がける企業が注目を集めている。

本日3月12日に4500万円の資金調達を発表したエリーもまさにこの領域に取り組む1社。日本に馴染みのある「蚕」を原料としたシルクフードを開発するスタートアップだ。

今回のラウンドにはibis partners、三井住友海上キャピタル、京葉瓦斯の3社が投資家として参加した。エリーはこれまで昨年10月に紹介した東大IPCのインキュベーションプログラムのほか、伊藤忠商事やキリン、大正製薬などが実施するアクセラレータプログラムに参加した経験はあるものの、本格的な外部調達は初めてとなる。

高栄養価の食品として大きな可能性を秘める「蚕」

エリーによると、京都大学との共同研究を通じて蚕にはタンパク質やビタミンといった基本的な栄養素だけでなく、50種類を超える多くの機能性成分が含有されていることが判明したそう。中には希少性の高い機能性成分も多数含まれるため、蚕は高栄養価の健康食品として大きな可能性を秘めているという。

また日本ではかつて全農家の1/3が養蚕業を営んでいたほど馴染みがあるもので、なおかつ「世界的に見ても日本の研究はかなり進んでいる」ことから、エリー代表取締役の梶栗隆弘氏いわく日本の強みも活かせる領域とのことだ。

同社では現在も京都大学や東京大学の研究室とタッグを組みながら蚕×食の切り口で研究を継続中。蚕の持つ機能性成分に関するものだけでなく、食品科学的なアプローチで風味成分を分析したり、蚕に違う餌を食べさせることで栄養分や味をデザインしたりするような研究にも取り組む(一部は今後計画中のものも含む)。

研究開発と並行して1月からは期間限定のリアル店舗「シルクフードラボ」を東京・表参道にオープンした。パテの50%に蚕を使用したシルクバーガーやおやつ代わりにもなるシルクスナック、シルクシフォンケーキなど、各分野の料理人の協力のもと開発したメニューを現地で販売している。

元々は3月末までの予定だったが、5月末まで期間を延長。最近ではシルクピッツァやシルクてりやきバーガーなどの新メニューを追加したほか、Uber Eatsを通じたデリバリーも始めている。僕もシルクスナック(600円)を食べたことがあるのだけど、いい感じに塩も効いていて想像以上に食べやすくどんどん食べてしまった。

ただ現在は顧客の反応を確かめるための試験店舗的な意味合いが強く、さらに表参道という立地も影響してか全体的に「少し値段が高め」だと感じる人もいるだろう。今後エリーでは一般加工食品の規格の商品を開発し、Webなどを始めとしたチャネルで本格的に販売することを計画しているそうで、そのタイミングではもっと安い価格で提供できる予定だという。

シルクフードの社会実装目指す

冒頭でも触れた通り、メディアなどでも“代替タンパク質”に関連する話題が取り上げられることが増えてきたように思う。

海外ではビヨンド・ミート(Beyond Meat)やインポッシブル・フーズ(Impossible Foods)、メンフィス・ミーツ(Memphis Meats)などを筆頭にさまざまな企業が代替肉を手がける。現時点では試行錯誤の段階ではあるようだけれど、米国ではこうした企業の開発した代替肉がマクドナルドやケンタッキーフライドチキン、デニーズなど大手飲食チェーン店で取り扱われる事例も増えてきているようだ。

国内でも日本ハムが3月より「NatuMeat」ブランドで大豆やこんにゃくなど植物由来の原料を使用した商品の展開を開始。1月にニチレイフーズと資本業務提携を締結したDAIZや2018年5月に3億円を調達したインテグリカルチャーなど複数のスタートアップも生まれている。

昆虫食に関しても食用の昆虫を導入する動きが徐々に活発化。EUでは2018年に取引が自由化され、代替タンパク質としての摂取を前提とした制度整備が進み、フィンランドでは大手食品メーカーのファッツェルがコオロギの粉末を用いて作った「コオロギパン」などの事例もある。

コオロギは昆虫食の中でも社会実装が進みつつある分野かもしれない。米国のExoがコオロギ粉末を活用したプロテインバーを開発するほか、良品計画も2020年春を目処に「コオロギせんべい」を無印良品の一部店舗とネットストアで販売することを発表している。

こうした動きはエリーにとっても追い風で、梶栗氏も「特に大企業が昆虫食を取り入れるのはもっと時間がかかると思っていた」と話す。実際エリーの元にも「原料としての蚕」に興味を示した大企業から問い合わせも来るようになったそうだ。

同社では今回の資金調達を機にさらに食品研究および商品開発、マーケティングなどに投資をして、シルクフードの社会実装を目指していく方針。並行して実施しているクラウドファンディングでも実店舗の運営費などを集める考えだという。

「最終的には原料メーカーとしてのビジネスも考えている。そのためにはまず全国の人に食べてもらって『シルクフードありだよね』『昆虫食ありだよね』と思ってもらうことが必要だ。そこで成果を出せれば、食料メーカーや飲食店にも関心を持ってもらい、シルクフードを広げていくことにも繋がる。まだまだ研究開発段階で、フードテックと言えるほど“テック”の部分を確立できている状態ではないが、数年かけてシルクフードをしっかりと世界へ普及させられるように事業を成長させていきたい」(梶栗氏)