オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルのNearMeとスターフライヤー、北九州空港と市内を結ぶ空港送迎「スマートシャトル」を開始

オンデマンド型シャトルサービスを手がけるNearMe(ニアミー)は3月30日、空港と市内を結ぶ送迎サービス「スマートシャトル」(nearMe.Airport)について、北九州空港に本拠を置く航空会社のスターフライヤーと提携を開始。北九州空港と北九州市内をドアツードアで結ぶ空港版スマートシャトルの予約を、同日よりスタートしたことを発表した(前日までの事前予約制のため運行開始は4月1日から)。九州エリアでは、福岡空港の送迎シャトルに続いて2空港目となる。

NearMeは、独自のAIを活用し、2019年夏に空港送迎版の「nearMe.Airport」(ニアミー エアポート)のサービスを開始。2022年2月、北九州市が行なう「スタートアップSDGsイノベーショントライアル事業(実証支援事業)」を通じ、北九州市内・苅田町と北九州空港をドアツードアで結ぶスマートシャトルの実証実験を実施した。今回その結果を受け、スターフライヤーの協力のもと北九州空港と市内を結ぶ送迎シャトルのサービス開始に至ったという。

nearMe.Airportは、北の新千歳空港から南の那覇空港まで、今回の北九州空港を含め全国13空港で利用できるようになった。

スマートシャトル」運行概要

  • サイトURLhttps://app.nearme.jp/airport-shuttle/
    ・多言語対応。現状は日本語と英語、今後は5カ国語対応予定
  • 利用方法:オンラインによる事前予約制。前日18時までに予約
  • 運行開始:2022年4月1日
  • 発着点:北九州空港←→北九州市内の指定箇所

料金

  • 北九州空港←→北九州市小倉南区、苅田町:1回2480円(税抜)/人から
  • 北九州空港←→北九州市小倉北区:1回3980円(税込)/人から
  • 北九州空港←→北九州市門司区:1回4980円(税込)/人から
  • オンライン決済が可能なのでチケット不要。飛行機遅延に伴う料金請求はなし
  • 各エリア内であれば乗降車場所問わず定額
  • 大人1名につき、12歳未満の児童2名まで半額適用

また同社は、新型コロナウイルス対策として以下を実施している。

  • 乗車中の車内換気を徹底
  • 全乗務員は運行前に検温を行い、マスクを着用
  • アルコール消毒を設置し、乗車の際には乗車客に消毒を依頼
  • 前日までに乗車する方を決定し、感染者が出た場合早急に対応
  • 降車後の清掃の際、乗車客の触れる箇所にアルコール消毒を実施
  • 乗車客同士が隣接しないよう、少人数・大型車で展開
  • 乗車客にはマスクの着用を依頼

南紀白浜空港でHoloLens 2利用のスマートメンテナンスや複数ロボットの協調制御による来訪者案内などローカル5G活用実証

南紀白浜エアポート日本電気(NEC)、THKオリエンタルコンサルタンツは3月14日、和歌山県南紀白浜空港においてローカル5Gなどのテクノロジーを活用し様々な課題解決を図る実証実験を実施すると発表した。

また、日本マイクロソフト凸版印刷が協力し、MR(複合現実。Mixed Reality)やロボットによる新技術・新サービスを試行する。今回の実証実験により、地方の業務環境創出と来訪者増大を目指す。実証期間は2023年3月31日まで。

実験は3種類あり、南紀白浜空港の空港ターミナル内と航空機の駐機場所(エプロン)、滑走路周りの場周道路を対象に行われる。これらの場所において、4.8~4.9GHzを利用する固定型と可搬型のローカル5G基地局を活用し、高速大容量・低遅延なローカル5Gネットワークを構築する。

HoloLens 2を利用したスマートメンテナンス

Microsoft HoloLens 2、NECの点群データ活用侵入検知技術、ローカル5Gの大容量通信を組み合わせて制限表面を樹木などが超えていないか分析・検知し、点検者のHoloLens 2に表示を行い点検時の見落としを防ぐ。制限表面とは、航空機の安全な航行を目的として飛行場の周辺空間に設定される面のこと。また路面劣化などの点検時は、HoloLens 2上で現実空間に過去の点検記録を重ね合わせて表示し、目視よりも作業時間を短縮し確認の効率化を目指す。熟練労働者の技術力継承の一助とし、生産性が高い業務環境創出を実現する。

制限表面を超えた樹木を検知した際のHoloLens 2の映像

制限表面を超えた樹木を検知した際のHoloLens 2の映像

複数ロボット協調制御による来訪者案内・デジタルサイネージ広告

THKのサイネージロボットとNECの複数ロボット協調制御技術を活用し、空港内を2台のロボットが協調連携しながら分担して来訪者を目的地まで案内する。案内後は移動型デジタルサイネージによる宣伝広告に切り替わる。加えて、ローカル5Gネットワークを利用しロボット搭載カメラから映像を取得することで、オペレーターが遠隔地からロボットを操作し案内することも可能。これにより、案内スタッフのテレワークの実現と、省人化・無人化されたサービスや業務の柔軟かつスピーディーな開発・社会実装に大きな役割を果たすとのこと。

1台目のロボットから2台目のロボットに案内を引き継ぐ様子

1台目のロボットから2台目のロボットに案内を引き継ぐ様子

MR空間でペイントしたオリジナル飛行機の着陸見学

南紀白浜空港では、バックヤードツアーとして、滑走路の間近からの航空機の離発着見学など普段は立ち入ることのできない空港の裏側を巡る体験ツアーを実施している。このツアーのコンテンツ拡充を見据え、ローカル5Gの低遅延・リアルタイム伝送という特徴とMR技術とを活用し、新たな観光体験を提供する新サービスの実証を行う。

6社は、将来的にHoloLens 2などMRデバイスにおける現実空間とデジタル空間の位置を調整する方法の高度化や、複数ロボットの協調制御機能を空港・他業種のソリューションに応用するなど、今後もローカル5Gを活用し南紀白浜空港の魅力を向上させ、生産性が高く働きがいのある業務環境の創出、来訪者の増加という課題解決を目指す。

パソコンや液体物を取り出さずに手荷物検査、羽田空港JAL国内線の保安検査装置が刷新

パソコンや液体物を取り出さずに手荷物検査、羽田空港JAL国内線の保安検査装置が刷新

日本航空は、同社が羽田空港で利用している全保安検査場に、新型の保安検査装置「X線CT検査装置」を導入します。パソコンや液体物を取り出すことなく手荷物検査が可能となります。

「X線CT検査装置」は、手荷物の三次元画像を用いたX線検査が行えるため、カバンの中からパソコンや液体物を取り出す必要がありません。

また、1レーンにつき3か所の個別準備台を設け、準備ができた乗客から先に保安検査に進める方式とし、待ち時間の短縮を図ります。

さらに、レーンに紫外線殺菌装置を内蔵することで、最大99.9%殺菌された保安検査用トレイを乗客に提供できるといいます。

設置場所は羽田空港国内線B/C/E/F保安検査場で、1月下旬から設置工事を予定。4月以降に各保安検査場に順次導入し、8月までの導入完了を目指すとしています。

(Source:日本航空Engadget日本版より転載)

デルタ航空が生体認証による手荷物預けを開始、TSA PreCheckと提携で

米国時間10月27日、デルタ航空は、TSA(米国運輸保安庁)PreCheck(プレチェック)との提携によって、バイオメトリクス(生体認証)の利用を拡大し、乗客が顔を見せるだけで手荷物を預け、保安検査を通り、飛行機に乗ることができるようにすることを発表した。最も新しいサービスであるPreCheckのバッグドロップ(手荷物預け)が行われているのは、現段階ではアトランタ空港のみで、デルタ航空のマイレージプログラム「スカイマイル」の会員でTSA PreCheckにも登録している利用客を対象とした試験的なものだ。


このプロジェクトは、デルタ航空がハブ空港であるデトロイトやアトランタ空港の国際線で行ってきた作業をベースに、さらに発展させたものだ。そこに、顔認証を利用したバッグドロップも可能にしたのが今回の取り組みだ。

デルタ航空とTSAがこの試験を実施しているアトランタでは、デルタ航空のマイレージプログラム「スカイマイル」の会員で、TSA PreCheck会員でもある乗客は、セルフサービスのPreCheckバッグドロップエリアを利用できるようになった。このプログラムを利用する乗客は(フライトにチェックインするたびに、デルタ航空のアプリで利用指定を行う必要がある)、新しい手荷物預け入れ機の前に行き、顔をスキャンする。するとTSAのデータベースを通じて本人であることが確認され、手荷物ラベルが印刷される。ラベルを貼り付けた後、スーツケースをコンベア上に置くと、新しい自動手荷物預け入れ機がスーツケースの重量を量り、カメラがサイズを確認する。

画像クレジット:デルタ航空

デルタ航空のエアポートエクスペリエンス担当マネージングディレクターであるGreg Forbes(グレッグ・フォーブス)氏は、正式公開に先立つプレスイベントで「目標は30秒です」と語った。「これを実現するために、私たちは技術開発を行うだけではなく、アプリを立ち上げたり運転免許証を探したりといった特定の振舞を行わないだけでもなく、似たようなスタイルで移動する乗客を集めることにしました」。

フォーブス誌は、このサービスは通常のローラーバッグ、スーツケース、ダッフルバッグにしか使えないと指摘している。これは基本的に、自分が何をしているかを知っているフリークエント・フライヤーのためのバッグドロップエリアなのだ。

画像クレジット:TechCrunch

フォーブス誌は「サーフボードやゴルフクラブをご持参のお客様には、建物の外で車寄せがあるチェックインカウンター(カーブサイド)のSkycap(スカイキャップ)の方がお勧めです。またもし2年生の遠足で子どもが30人いて、それぞれチケットにひと悶着ある場合にも、おすすめできません」という。

現在、アトランタを起点とするデルタ航空の利用者の約4分の1が、この方法で荷物を預ける資格をすでに得ている。この体験はスカイマイルのアカウントと連動しているため、デルタ航空のマイレージプログラムへの登録を促すことにもなり、その結果、デルタ航空はマイレージプログラムの利用者に向けた新たなマーケティング手段を得ることになる。

実際に体験してみたところ「30秒でバッグドロップ完了」という約束は、十分実現可能なものに思えた。マスクをちょっとずらして行う顔認証は数秒で完了する。ラゲッジタグを手で貼り付ける方がよほど時間がかかる。

現段階では、デルタ航空はこのために機械が4台だけが置かれた小さなスペースを設けているが、フォーブス誌によると、処理能力が問題になった場合には、空港内の別の場所に2つ目のバッグドロップエリアを設ける計画がすでにあるとのことだ。

また、目の不自由な乗客のための設備や、本人確認に問題が起きた場合の搭乗券読み取り装置も設置されている。

バッグドロップした後は、PreCheckの列に並び、そこでまた顔面スキャンを受け、さらに搭乗口でも再び顔面スキャンを受ける。すべてが順調にいけば、搭乗券や身分証明書を出す必要はない(もちろん身分証明書は持っていくべきだが)。

画像クレジット:TechCrunch

一般的には、バイオメトリクスを使用すると、プライバシーに関する問題が発生する。デルタ航空は、画像は本人認証のためにTSAに送るだけだということを強調している。そもそも、乗客がPreCheckやGlobal Entry(グローバル・エントリー)を選択した段階で、TSAはすでに乗客の顔と旅行スケジュールを把握しているのだ。フォーブス誌はまた、デルタ航空自身は生体データには一切触れず、その技術を提供するパートナーに任せているとも述べている。彼らの技術の安全性は政府によって検証されているが、100%安全であると保証されたシステムは存在しないことはご存知の通りだ。

個人的には、2021年に入ってから何度も米国境を越えていて、そのほとんどはGlobal Entryを利用している。Global Entryも現時点では完全に顔認証に依存している。最初は少し奇妙な感じもしたが、国土安全保障省はすでに私の情報をすべて把握しているので実際には問題ということはなく、単に接続までの時間を短縮することができた。またデルタ航空のシステムを使った、上述のカーブサイド経由の搭乗も、かなり似ていると感じた(何も触らなくていいというのは、コロナの時代にはありがたい特典だ)。

しかし、すべての人がこのようなトレードオフを望んでいるわけではない。そうした人たちにとっては何も変わらないままだ。結局これらはオプトインであることに変わりはない。

今のところ、少なくとも現在のパイロットプログラムでは、これはデルタ航空とTSAとの間の独占的なパートナーシップで運営されている。もちろん他の航空会社もすでに同様の取り組みを行っていることだろう(ユナイテッド航空の場合はCLEARとの提携だが、次に導入する可能性が高い)。デルタ航空が空港内のさまざまな顧客接点でこれを展開し、他の企業もすぐに追随することを期待している。

画像クレジット:Delta

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)