スイス大研究チームがヒトデの幼生から着想を得たマイクロロボットを超音波で動かすことに成功

マイクロロボットは、業界の多くの人々にとって長年の関心事だった。このようなテクノロジーは、最終的に多くのアプリケーションを提供できる可能性があり、その中にはヘルスケア分野における有用な機能も含まれる。例としてよく挙げられるのが、薬の薬物送達やマイクロサージャリーなどだ。

このテクノロジーで生じる最大の疑問は、移動性をどうやって確保するかだ。具体的にいうと、バッテリーやその他の技術を搭載せずに、どうやってロボットを動かすかということである。よく提案されるのは磁石を使う方法だが、スイス連邦工科大学チューリッヒ校のチームは、超音波を使ったまったく別の方法を研究している。

髪の毛の直径よりも小さいこのロボットは、 写真現像技術を応用して微細なパターンを生成するフォトリソグラフィーという技術によって作られた。その外部は、ヒトデの幼生を覆っている繊毛を人工的に模したもので覆われている。ヒトデの幼生は、この超微細な毛のような構造体が、周囲の水を叩いて小さな渦を作ることによって、水の中を移動する。つまり、この構造は、実質的に水を押し出すか引き込むか、そのどちらかを行うのだ。

研究チームによると、超音波を当てることでこの小さなロボットに同様の推進力を生み出し、直線的に泳がせることに成功したという。画像や動画の中でロボットの周りに見えるものは、プラスチック製のマイクロビーズを水に入れ、ロボットの周りでどのように円状に動くかを表したものだ。

薬物送達は、ここで最も広く議論されている応用法である。具体的には、胃の腫瘍などの部位にマイクロロボットを使って直接薬物を送達できるようにする。そうすれば、薬をより効率的に使用でき、潜在的な副作用も軽減できる。

「しかし、このビジョンを実現するためには、イメージングという大きな課題が残っています」と、同校は書いている。「小さな機械を適切な場所に誘導するには、鮮明な画像がリアルタイムで生成される必要があります。研究者たちは、超音波による医療用画像処理ですでに使用されているような造影剤を組み込むことで、マイクロロボットをもっと見えやすくすることを計画しています」。

画像クレジット:ETH Zurich

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

AIを使った超音波分析の拡大を目指すイスラエルのヘルステックDiAが約15億円調達

独自の光超音波3Dイメージング技術を手がけるLuxonusが約4.3億円調達、2022年に医療機器の開発・生産および薬事申請準備

イスラエルに拠点を置くAIヘルステック企業DiA Imaging Analysisは、深層学習と機械学習を利用して超音波スキャンの分析を自動化している。同社はこのほど、シリーズBのラウンドで1400万ドル(約15億3700万円)を調達した。

DiAの前回の資金調達から3年後に行われた今回の投資ラウンドには、新たにAlchimia Ventures、Downing Ventures、ICON Fund、Philips、XTX Venturesが参加し、既存投資家としてCE Ventures、Connecticut Innovations、Defta Partners、Mindset Ventures、Shmuel Cabilly(シュムール・カビリー)博士らが名を連ねている。同社のこれまでの総調達額は2500万ドル(約27億4500万円)に達している。

今回の資金調達により、DiAはプロダクト範囲の拡大を継続し、超音波ベンダー、PACS / ヘルスケアIT企業、リセラー、ディストリビューターとのパートナーシップの新規構築や拡充を進めるとともに、3つの地域市場でのプレゼンスを強化していく。

このヘルステック企業は、AIを利用したサポートソフトウェアを臨床医や医療従事者に販売し、超音波画像のキャプチャと分析を支援している。このプロセスを手動で行うには、人間の専門家がスキャンデータを視覚的に解釈する必要がある。DiAは、同社のAI技術を「今日行われている手動および視覚による推定プロセスから主観性を取り除く」ものだと強調している。

同社は、超音波画像を評価するAIを訓練して、重要な細部の特定や異常の検出を自動的に行えるようにしており、心臓にフォーカスしたものを含む、超音波分析に関連する各種の臨床要件を対象とした広範なプロダクトを提供している。心臓関連のプロダクトには、駆出率、右心室のサイズと機能などのアスペクトの測定と分析の他、冠動脈疾患の検出支援などを行うソフトウェアがある。

また、超音波データを利用して膀胱容積の測定を自動化するプロダクトもある。

DiAによると、同社のAIソフトウェアは、人間の目が境界を検出して動きを認識する方法を模倣しており「主観的」な人間の分析を超える進歩につながるもので、スピードと効率の向上も実現するという。

「当社のソフトウェアツールは、正しい画像の取得と超音波データの解釈の両方を必要とする臨床医を支援するツールです」とCEOで共同創業者のHila Goldman-Aslan(ハイラ・ゴールドマンアスラン)氏は語る。

DiAのAIベースの分析は、現在北米や欧州を含む約20の市場で利用されている(中国ではパートナーが自社のデバイスの一部として同社のソフトウェアの使用の承認を取得したと同社は述べている)。DiAは、チャネルパートナー(GE、Philips、コニカミノルタなど)と協力して市場開拓戦略を展開しており、チャネルパートナーは自社の超音波システムやPACSシステムに追加する形で同社のソフトウェアを提供している。

ゴールドマンアスラン氏によると、現段階で3000を超えるエンドユーザーが同社のソフトウェアへのアクセスを有している。

「当社の技術はベンダーニュートラルであり、クロスプラットフォームであることから、あらゆる超音波デバイスやヘルスケアITシステム上で動作します。そのため、デバイス企業およびヘルスケアIT / PACS企業の両方と10社以上のパートナーシップを結んでいます。当該分野には、このような機能、商業的牽引力、これほど多くのFDA・CE対応のAIベースソリューションを持つスタートアップは他にありません」と同氏は述べ、さらに次のように続けた。「現在までに、心臓や腹部領域のための7つのFDA・CE承認ソリューションがあり、さらに多くのソリューションが準備されています」。

AIのパフォーマンスは、当然ながら訓練されたデータセットと同等である。そして、ヘルスケア分野での有効性は特に重大な要素である。トレーニングデータに偏りがあると、トレーニングデータにあまり反映されていない患者群で疾患リスクを誤診したり過大評価したりする、欠陥のあるモデルにつながる可能性がある。

AIが超音波画像の重要な細部を突き止めるためにどのような訓練を受けているのかと聞かれて、ゴールドマンアスラン氏はTechCrunchに次のように答えている。「私たちは多くの医療施設を通じて何十万もの超音波画像にアクセスできますので、自動化された領域から別の領域にすばやく移動する能力があります」。

「各種のデバイスからのデータに加えて、異なる病理を持つ多様な集団データも収集しています」と同氏は付け加えた。

「『Garbage in Garbage out(ゴミからはゴミしか生まれない)』という言葉があります。重要なのは、ゴミを持ち込まないことです」と同氏はいう。「当社のデータセットは、数人の医師と技術者によってタグ付けされ、分類されています。それぞれが長年の経験を持つ専門家です」。

「また、誤って取り込まれた画像を拒否する強力な拒否システムもあります。このようにして、データがどのように取得されたかに関する主観的な問題を克服しています」。

注目すべき点は、DiAが取得したFDAの認可が市販前通知(510(k))のクラスII承認であることだ。ゴールドマンアスラン氏は、自社プロダクトの市販前承認(PMA)をFDAに申請していない(また申請する意思もない)ことを認めている。

510(k)ルートは、多様な種類の医療機器を米国市場に投入する承認を得るための手段として広く利用されている。しかし、それは軽薄な体制として批判されており、より厳格なPMAプロセスと同じレベルの精査を必要としないことは確かである。

より大きなポイントは、急速に発展しているAI技術の規制は、それらがどのように適用されているかという点で遅れをとっている傾向があるということだ。巨大な展望が確実に開かれているヘルスケア分野への進出が増えている一方、まことしやかなマーケティングの基準を満たすことに失敗した場合の深刻なリスクもある。つまり、デバイスメーカーが見込んだ展望と、そのツールが実際にどれだけの規制監督下に置かれているかということの間には、依然としてギャップのようなものが存在している。

例えば、欧州連合(EU)では、デバイスの健康、安全性、環境に関するいくつかの基準を定めているCE制度において、一部の医療デバイスはCE制度の下での適合性についての独立した評価が必要になるが、実際にはそれらが主張する基準を満たしているという独立した検証が行われることなく、単にメーカーが適合性の宣言を求められるだけの場合もある。しかし、AIのような新しい技術の安全性を規制する厳格な制度とは考えられていない。

そこでEUは、来るべきAI規制法案(Artificial Intelligence Act:AIA)の下で「高リスク」と見なされたAIのアプリケーションに特化して、適合性評価の層を追加することに取り組んでいる。

DiAのAIベースの超音波解析のようなヘルスケアのユースケースは、ほぼ確実にその分類に該当するため、AIAの下でいくつかの追加的な規制要件に直面することになる。しかし現時点では、この提案はEUの共同立法者によって議論されているところであり、AIのリスクの高いアプリケーションのための専用の規制制度は、この地域では何年も効力を発揮していない状態にある。

画像クレジット:DiA Imaging Analysis

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

AIを使った超音波分析の拡大に注力するイスラエルのヘルステックDiAが約15億円調達

イスラエルに拠点を置くAIヘルステック企業DiA Imaging Analysisは、深層学習と機械学習を利用して超音波スキャンの分析を自動化している。同社はこのほど、シリーズBのラウンドで1400万ドル(約15億3700万円)を調達した。

DiAの前回の資金調達から約3年後に行われた今回の投資ラウンドには、新たにAlchimia Ventures、Downing Ventures、ICON Fund、Philips、XTX Venturesが参加し、既存投資家としてCE Ventures、Connecticut Innovations、Defta Partners、Mindset Ventures、Shmuel Cabilly(シュムール・カビリー)博士らが名を連ねている。同社のこれまでの総調達額は2500万ドル(約27億4500万円)に達している。

今回の資金調達により、DiAはプロダクト範囲の拡大を継続し、超音波ベンダー、PACS / ヘルスケアIT企業、リセラー、ディストリビューターとのパートナーシップの新規構築や拡充を進めるとともに、3つの地域市場でのプレゼンスを強化していく。

このヘルステック企業は、AIを利用したサポートソフトウェアを臨床医や医療従事者に販売し、超音波画像のキャプチャと分析を支援している。このプロセスを手動で行うには、人間の専門家がスキャンデータを視覚的に解釈する必要がある。DiAは、同社のAI技術を「今日行われている手動および視覚による推定プロセスから主観性を取り除く」ものだと強調している。

同社は、超音波画像を評価するAIを訓練して、重要な細部の特定や異常の検出を自動的に行えるようにしており、心臓にフォーカスしたものを含む、超音波分析に関連する各種の臨床要件を対象とした広範なプロダクトを提供している。心臓関連のプロダクトには、駆出率、右心室のサイズと機能などのアスペクトの測定と分析の他、冠動脈疾患の検出支援などを行うソフトウェアがある。

また、超音波データを利用して膀胱容積の測定を自動化するプロダクトもある。

DiAによると、同社のAIソフトウェアは、人間の目が境界を検出して動きを認識する方法を模倣しており「主観的」な人間の分析を超える進歩につながるもので、スピードと効率の向上も実現するという。

「当社のソフトウェアツールは、正しい画像の取得と超音波データの解釈の両方を必要とする臨床医を支援するツールです」とCEOで共同創業者のHila Goldman-Aslan(ハイラ・ゴールドマンアスラン)氏は語る。

DiAのAIベースの分析は、現在北米や欧州を含む約20の市場で利用されている(中国ではパートナーが自社のデバイスの一部として同社のソフトウェアの使用の承認を取得したと同社は述べている)。DiAは、チャネルパートナー(GE、Philips、コニカミノルタなど)と協力して市場開拓戦略を展開しており、チャネルパートナーは自社の超音波システムやPACSシステムに追加する形で同社のソフトウェアを提供している。

ゴールドマンアスラン氏によると、現段階で3000を超えるエンドユーザーが同社のソフトウェアへのアクセスを有している。

「当社の技術はベンダーニュートラルであり、クロスプラットフォームであることから、あらゆる超音波デバイスやヘルスケアITシステム上で動作します。そのため、デバイス企業およびヘルスケアIT / PACS企業の両方と10社以上のパートナーシップを結んでいます。当該分野には、このような機能、商業的牽引力、これほど多くのFDA・CE対応のAIベースソリューションを持つスタートアップは他にありません」と同氏は述べ、さらに次のように続けた。「現在までに、心臓や腹部領域のための7つのFDA・CE承認ソリューションがあり、さらに多くのソリューションが準備されています」。

AIのパフォーマンスは、当然ながら訓練されたデータセットと同等である。そして、ヘルスケア分野での有効性は特に重大な要素である。トレーニングデータに偏りがあると、トレーニングデータにあまり反映されていない患者群で疾患リスクを誤診したり過大評価したりする、欠陥のあるモデルにつながる可能性がある。

AIが超音波画像の重要な細部を突き止めるためにどのような訓練を受けているのかと聞かれて、ゴールドマンアスラン氏はTechCrunchに次のように答えている。「私たちは多くの医療施設を通じて何十万もの超音波画像にアクセスできますので、自動化された領域から別の領域にすばやく移動する能力があります」。

「各種のデバイスからのデータに加えて、異なる病理を持つ多様な集団データも収集しています」と同氏は付け加えた。

「『Garbage in Garbage out(ゴミからはゴミしか生まれない)』という言葉があります。重要なのは、ゴミを持ち込まないことです」と同氏はいう。「当社のデータセットは、数人の医師と技術者によってタグ付けされ、分類されています。それぞれが長年の経験を持つ専門家です」。

「また、誤って取り込まれた画像を拒否する強力な拒否システムもあります。このようにして、データがどのように取得されたかに関する主観的な問題を克服しています」。

注目すべき点は、DiAが取得したFDAの認可が市販前通知(510(k))のクラスII承認であることだ。ゴールドマンアスラン氏は、自社プロダクトの市販前承認(PMA)をFDAに申請していない(また申請する意思もない)ことを認めている。

510(k)ルートは、多様な種類の医療機器を米国市場に投入する承認を得るための手段として広く利用されている。しかし、それは軽薄な体制として批判されており、より厳格なPMAプロセスと同じレベルの精査を必要としないことは確かである。

より大きなポイントは、急速に発展しているAI技術の規制は、それらがどのように適用されているかという点で遅れをとっている傾向があるということだ。巨大な展望が確実に開かれているヘルスケア分野への進出が増えている一方、まことしやかなマーケティングの基準を満たすことに失敗した場合の深刻なリスクもある。つまり、デバイスメーカーが見込んだ展望と、そのツールが実際にどれだけの規制監督下に置かれているかということの間には、依然としてギャップのようなものが存在している。

例えば、欧州連合(EU)では、デバイスの健康、安全性、環境に関するいくつかの基準を定めているCE制度において、一部の医療デバイスはCE制度の下での適合性についての独立した評価が必要になるが、実際にはそれらが主張する基準を満たしているという独立した検証が行われることなく、単にメーカーが適合性の宣言を求められるだけの場合もある。しかし、AIのような新しい技術の安全性を規制する厳格な制度とは考えられていない。

そこでEUは、来るべきAI規制法案(Artificial Intelligence Act、AIA)の下で「高リスク」と見なされたAIのアプリケーションに特化して、適合性評価の層を追加することに取り組んでいる。

DiAのAIベースの超音波解析のようなヘルスケアのユースケースは、ほぼ確実にその分類に該当するため、AIAの下でいくつかの追加的な規制要件に直面することになる。しかし現時点では、この提案はEUの共同立法者によって議論されているところであり、AIのリスクの高いアプリケーションのための専用の規制制度は、この地域では何年も効力を発揮していない状態にある。

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画像クレジット:DiA Imaging Analysis

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)

独自光超音波3Dイメージング技術を手がけるLuxonusが約4.3億円調達、2022年中に医療機器の開発・生産および薬事申請準備

独自の光超音波3Dイメージング技術を手がけるLuxonusが約4.3億円調達、2022年に医療機器の開発・生産および薬事申請準備

Luxonusは9月10日、シリーズBラウンドにおいて、約4億3000万円の資金調達を発表した。引受先は、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、フューチャーベンチャーキャピタルなど。調達した資金により 2021年に研究機関向けの理化学機器の上市と、続く2022年中の医療機器の開発・生産および薬事申請の準備を行う予定。

Luxonusは、独自の光超音波3D/4Dイメージング技術(PAI-3D/4D。Photoacoustic 3D/4D Imaging)を用いて、疾患の早期発見および病勢診断が可能な汎用撮影装置の実用化を目指す大学発スタートアップ。科学技術振興機構(JST)による革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の「イノベーティブな可視化技術による新成長産業の創出」(2014年度~2018年度に実施、慶應義塾大学と京都大学が参加)などの研究成果を基盤とし、2018年に設立された。

PAI-3D/4Dとは、生体にパルス光を照射した際に発生する超音波を超音波センサーで補足し、受け取ったデータをコンピューター解析し画像化する技術。既存撮影技術であるX線コンピューター断層撮影(CT)、核磁気共鳴画像(MRI)などと比較して、造影剤を使用せずに無被ばくで血管を超高解像度3D/4D撮影することが可能としている。Luxonusは2019年から製品開発に取り組み、光超音波3D/4Dイメージング装置の製品プロトタイプの開発に成功し、3D画像に加え、リアルタイム3D(4D)画像の取得を実現した。血液の酸素飽和度などの3D/4D撮影、さらに色素造影剤を用いることでリンパ管を高解像度で3D/4D撮影可能。

また、慶應義塾大学病院および京都大学医学部付属病院は、ImPACT(内閣府・革新的研究開発推進プログラム「イノベーティブな可視化技術による新成長産業の創出」)で得られた臨床研究成果さらに発展させ、日本医療研究開発機構(AMED)「医療機器等における先進的研究開発・開発体制強靭化事業」において、同装置を用いた疾患(末梢脈管疾患、リンパ浮腫、乳がんなど)と再建手術に関する臨床研究を進めており、今後研究成果を医学系学会などで発表予定としている。

・9月:第80回 日本癌学会
・10月:第17回 日本血管腫血管奇形学会
・12月:第5回 APFSRM2020 / 第48回 日本マイクロサージャリー学会

Luxonusが被曝の心配がない超高解像度光超音波3Dイメージング装置を開発

  1. Luxonusが被曝の心配がない超高解像度光超音波3Dイメージング装置を開発

医療用の新しい画像装置を開発するLuxonus(ルクソナス)は8月24日、近赤外レーザーと超音波を融合させた光超音波イメージング技術を用いた超高解像度3Dイメージング装置の開発を発表した。

これは、近赤外波長のパルスレーザー光を体内に照射し、その際に血中ヘモグロビンから発生される超音波を512個の超音波センサーで捉え、3D画像を作り出すというもの。体表から3cmほどの深さまで、微細な血管の状態を撮影できる。利点としては、X線や造影剤を使わず放射線の被曝の心配がないこと、安全で簡便であるため専用の部屋が必要ないこと、リアルタイムの3D動画の撮影、酸素飽和度の画像化、血管とリンパ管を同時に画像化といった「機能画像」の撮影も行えることなどが挙げられる。

現在は、医師との間で、治療をターゲットとした応用方法を検討中とのこと。また臨床用だけでなく、実験小動物を対象とした基礎医学研究分野に向けた製品も開発している。これを使えば、動物の体内を、生きたまま安全に撮影ができるという。