新型コロナワクチン誤情報の投稿でツイッターが米共和党員のアカウントを一時停止

Twitter(ツイッター)は米国時間8月10日、ジョージア州の共和党員Marjorie Taylor Greene(マージョリー・テイラー・グリーン)氏がワクチンは新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大を抑制しないと主張するツイートを投稿したことを受け、同氏のアカウントを一時停止した。

グリーン氏は「これらのワクチンは失敗であり、ウイルスの拡散を抑制しない。マスク着用もそうだ」と、科学者らに反論し、FDA(米食品医薬品局)にワクチン承認を拒否するよう求める内容をツイートした。グリーン氏のツイートは同氏のフィードに残ったままだが、Twitterの誤情報警告も一緒に掲載されており、警告の中でユーザーにCDC(米疾病対策予防センター)の情報を案内している。

TwitterはTechCrunchに、グリーン氏のツイートは「(社の)新型コロナに関するミスリーディング情報規則に則ってラベルが貼られ」、プラットフォーム規則を「繰り返し破った」ために同氏のアカウントは7日間閲覧のみのモードとなる、と話した。グリーン氏は2021年7月、ウイルスは65歳以下の健康な人にはほぼ害を及ぼさないと誤った主張を展開したために12時間の一時停止処分となった

Twitterの現在の新型コロナ関連誤情報に関する違反回数に基づくシステムにおいて、今回の新たな一時停止は同氏に対する4回目の措置となる。グリーン氏はTwitterで繰り返し規則を破っていて、同氏のアカウントが復活後に5回目の違反を犯した場合は永久追放となる危機に瀕している。

新型コロナ感染の症状悪化を大幅にそして効果的に抑制したり、感染を予防することがわかっている3種のワクチンが接種できるにもかかわらず、米国の新型コロナ新規感染の件数は増えている。フロリダ州は1日あたりの新規感染者数の最多を更新し続けていて、ワクチン接種が始まる前の2020年の新規感染者数を上回っている。

極めて感染力の強いデルタ変異種のケースが増えているにもかかわらず、オンライン上の誤情報が引き続きワクチン接種に対して米国人を消極的にさせる主要因となっている。ワクチン接種率が最下位の州の1つであるアラバマでは、住民が新たな変異種に対していかに脆弱であるかを認識するにつれて誤情報の件数は増加傾向にあり、ワクチンを接種していない人に痛ましい被害を及ぼしている。

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Twitter新型コロナウイルスワクチンアメリカ誤情報陰謀論

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

米民主党、反ワクチンの陰謀論を後押しするSNSの保護を停止する法案提出

2人の民主党上院議員が米国7月22日に提出した法案は、ソーシャル・メディア・プラットフォームが反ワクチンの陰謀論やその他の種類の健康に関わる誤まった情報を後押しするなら、プラットフォームが頼りにしている責任の盾を取り上げてしまおうというものだ。

Amy Klobuchar(エイミー・クロブチャー)上院議員(民主党、ミネソタ州)とBen Ray Luján(ベン・レイ・ルハン)上院議員(民主党、ニューメキシコ州)が提出した「Health Misinformation Act(健康誤情報法)」は、通信品位法(Communications Decency Act)第230条に新たな除外規定を設け、アルゴリズムによって宣伝された健康に関する誤った情報や陰謀に対してプラットフォームが責任を負うようにする。プラットフォームは第230条により、ユーザーが作成し、プラットフォームがホストする膨大な量のコンテンツに対する法的責任から守られている。

「あまりにも長い間、オンラインプラットフォームは米国人の健康を守るために十分な努力をしてきませんでした」とクロブチャー氏は話す。「こうした企業は世界でも有数の大金持ちであり、致命的なワクチンの誤情報が広がるのを防ぐためにもっと努力しなければなりません」

この法案では、第230条の文言を具体的に変更し、「インタラクティブ・コンピューター・サービスにより作成または展開された健康に関する誤った情報」がアルゴリズムによって増幅された場合には、責任保護を取り消すとしている。この例外案は、新型コロナウイルスの出現のように、国家的な公衆衛生上の危機が宣言された場合にのみ発動し、平時は適用されない。この法案では、健康誤情報の定義を保健福祉省(HHS)の長官に委ねることになっている。

法案には「テクノロジープラットフォームに組み込まれている機能が誤情報や偽情報の拡散を助長している。ソーシャルメディアのプラットフォームでは、個人がコンテンツをシェアして『いいね!』やコメントなどにより肯定的なシグナルを得るインセンティブが働く。正確であることよりも参加することが報われる」とある。

この法案では「偽情報の12人」にも言及している。このレポートによると、反ワクチン活動家のRobert F. Kennedy Jr.(ロバート・F・ケネディ・ジュニア)氏やその他の陰謀論者を含むたった12人が、反ワクチンの偽情報エコシステムの大部分を説明している。リストに載った人物の多くは、Twitter(ツイッター)やFacebook(フェイスブック)などのソーシャルメディアで依然として自らのメッセージを公然と発信している。

第230条を擁護する人々は、この法律に新たな例外を設けることは危険だと考えている。同条は、YelpやRedditからこの記事の下にあるコメント欄に至る全てを可能にしている現代のインターネットの根幹をなす部分であり、予期せぬ二次的な影響が生じる可能性があることから、この法律はそのままにしておくべきだと主張している。

しかし、民主党、共和党を問わず、議会の一部の議員は、大手ソーシャルメディア企業を規制するために、同条を貴重な手段だと考えている。ホワイトハウスは、司法省やFTC(米連邦取引委員会)を通じて肥大化したハイテク企業に影響を与える独自の方法を検討しているが、バイデン氏のオフィスは今週初め、大統領も同条を「検討している」と述べた。しかし、トランプ元大統領も気づいたように、同条を弱体化させることは議会だけが成し遂げられる仕事であり、それさえもまだ望み薄だ。

最近、新型コロナの誤情報への対応をめぐってバイデン大統領と議論を戦わせたFacebookは、民主党の新法案について曖昧ながらも協力的な姿勢を示した。Facebookの公共政策担当副社長のKevin Martin(ケビン・マーティン)氏は、「健康関連の誤情報に関する困難かつ緊急な問題をはっきりさせることは有益であり、議会や業界と協力して改革のための選択肢を検討することを楽しみにしています」と述べた。

民主党の新法案は、第230条の改正案としてはかなり的を絞っているが、超党派の支持は得られそうにない。共和党は、大企業の責任保護の一部撤廃に関心があるものの、一般的には、プラットフォームが削除するコンテンツの数が少なすぎるのではなく、多すぎるという見解だ。また、共和党は自らが新型コロナワクチンに関する誤った情報を流す可能性が高く、ワクチン接種を党派的な問題に仕立て上げている。この法案が通るかどうかはともかく、驚くべき数の米国人がワクチンを接種するつもりがないことは明らかだ。より感染力の強い変異種が増え、寒い季節が近づいているにもかかわらず。

「ワクチン未接種者の間で新型コロナの感染者数が増加するにつれ、ソーシャルメディア上でワクチンにまつわる誤った情報が増えています」とルハン氏は第230条の変更案について述べた。「命が危険にさらされているのです」。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

フェイスブックがワクチン接種の邪魔をする新型コロナ陰謀論を削除へ

ワクチンに関する誤った情報は パンデミックのかなり前から出回っているが、世界的に変化する致命的なウイルスの蔓延と戦う中で、反科学的な陰謀がネット上で盛り上がらないようにすることは、これまで以上に重要な意味を持つ。

今回Facebook(フェイスブック)は、虚偽のワクチンに関する主張を取り下げるための基準を拡大すると発表した。同社はWHO(世界保健機関)などと協議して作った新しい規則の下で、新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンには「効果がない」「病気にかかる方が安全である」といった主張や、広く論破されてきた「ワクチンが自閉症を引き起こす可能性がある」という、反ワクチン派の主張を削除する。

acebookはルールを破ったグループ、ページ、アカウントに対して「特定の焦点」を当て、プラットフォームから削除される可能性を示唆している。

Facebookは2020年12月に新型コロナウイスワクチンに関する誤った情報を制限する措置を講じ、ワクチンのロールアウトのためのプラットフォームを準備していたが、その一方で、反ワクチン派の広がりへの対応では大きく遅れをとっている。同社は「新型コロナウイルスワクチンにマイクロチップが含まれているという虚偽の主張」や、ワクチンが一部の人々の同意なしに実験されていると主張する内容を含む、いくつかの誤報を含む投稿の削除を開始した。

なぜこの種の情報が、Facebookの新型コロナウイルスの誤報規制の対象にならなかったのかは、誰にもわからない。同社は新型コロナウイルスに関連した陰謀論の爆発的な広がりを防ぐために、パンデミックの早い段階から新しいポリシーを導入していたが、何度も何度も規則を均一かつ十分に施行することに失敗している。

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter