Googleは新たに18の再生可能エネルギー関連の契約を発表

Google(グーグル)は米国時間9月19日、これまでで最大となる再生可能エネルギー購入の契約パッケージを発表した。これは、合計で1600MW(メガワット)にも達するパッケージで、米国、チリ、ヨーロッパにおける18件の契約にまたがるもの。この結果、Googleの風力と太陽光発電を合わせた最新の購入量は、約5500MWに達する。また、同社が関わる再生可能エネルギープロジェクトの総数は52になる。Googleによれば、今回発表した新しいプロジェクトが、新しいエネルギーインフラへの約20億ドル(約2160億円)の投資を促進するという。

米国では、ノースカロライナ、サウスカロライナ、そしてテキサスにある太陽光発電所から、合計720MWを購入することを明らかにした。チリでは、現地のデータセンターに電力を供給するために、追加として125MWを購入する。Googleの広報は、その理由を明らかにしていないが、 ヨーロッパ地域での詳細は、まだ明らかにしていない。それについては、同社CEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏も登壇するフィンランドのイベントで9月20日に発表する予定だとしている。

今回の発表でピチャイ氏が明らかにしたところによれば、これまでのGoogleの投資の多くは、風力発電に対するものだっという。それに対し、今回発表した米国内の投資は、ほとんどが太陽光発電となっている。その理由は、太陽光発電のコストが下がってきているからだという。チリでは、同社は初めて太陽光と風力のハイブリッド発電に投資した。「風が吹くのは、太陽が照っているときとは異なる時間帯となることが多いので、それらを組み合わせることで、チリのデータセンターの電力は、毎日の大部分、二酸化炭素を排出しない発電で賄うことができます」とピチャイ氏は書いている。

Googleの発表の背景には、すでにAmazonが、2030年までに100%再生可能エネルギーで事業を運営し、10万台の電動ワゴン車を購入すると宣言したこともある。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

風力タービンのブレード上を這って目に見えないキズを探すロボ

風力タービンはクリーンな電力を供給する優れた発電装置だが、その見るからに単純な(でっかいやつが回るだけの)構造とは裏腹に、一般の機械と同じように摩耗する複雑なシステムであり、最悪、大事故を引き起こす恐れもある。そこで、Sandia National Labsの研究者たちは、タービンの巨大なブレードを自動的に検査し、グリーンパワーのインフラを健全に保つロボットを開発した。

風の流れからエネルギーを集めようと聳え立つ巨大なタワー群は、普段は車で通りかかったときにちょっとだけ目にする存在だ。しかしそれは、厳しい天候、極端に変化する気温、そして(周囲でもっとも背の高いものであるため)必然的に落雷にも絶えながら長年立ち続けなければならない。それに通常の摩耗や破損も加わるため、どうしても定期的な検査が必要になる。

しかし、検査は困難であると同時に、表面的なものに終わる恐れがある。そのブレードは、一体の製造物としては地上最大級だ。さらにそれは、洋上など、人里離れた交通の便の悪い場所に建てられることが多い。

「ブレードは、その寿命を迎えるまでの10億回の負荷サイクルの間、落雷、雹、雨、湿気などの自然の力に晒されます。しかし、外して作業場に持ち込んでメンテナンスするこというわけにはいきません」と、SandiaのJoshua Paquetteはニュースリリースの中で述べている。つまり、検査員がタービンまで足を運んで検査するしかないのだが、タワーは数十メートルの高さに及ぶこともあり、危険な場所に設置されていることもある。

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クレーンを使うという手もある。ブレードを下に向けて、そこを検査担当者が懸垂下降しながら調べることも可能だ。それでも、検査は肉眼に頼らざるを得ない。

「目で見るだけでは、表面の傷しか発見できません。それに、目視できる傷が表面にあるということは、損傷の程度が深刻なレベルにまで進んでいるとも考えられます」とPaquette氏は言う。

もっと入念に、深いところまで検査する必要があることは明らかだ。そこで彼らは、International Climbing MachinesとDophitechをパートナーに迎えて動き出した。その結果生まれたのが、この這うように進むロボットだ。これはブレードの表面に張り付き、ゆっくりながらしっかりと移動し、視覚映像と超音波映像を記録する。

視認検査では表面のひび割れや擦り傷を確認するのだが、超音波はブレードの奥の層にまで到達し、表面に傷が現るずっと以前の段階で内部の損傷を発見できる。これを芝刈り機のように、左右に、そして上下に移動させながら、ほぼ自動的に行う。

現時点では、その動きは非常に遅く、人間の監督を必要とする。だがそれは、研究室から生まれ出たばかりのロボットだからだ。近い将来には、数台のロボットを現場に持って行き、ブレード1枚につき1台を配置して、数時間後、あるいは数時間後に回収して問題箇所を確認し、精密検査やスキャンを行えるようになる。タービンに常駐して、定期的にブレードの上を動き回り検査をするようになるかも知れない。

ドローンを使う方法も研究されている。橋やモニュメントなど、人が行うには危険すぎる場所ではすでにこの万能飛行機を使った検査が行われているので、自然な流れだろう。

検査ドローンには高解像度カメラと赤外線センサーが搭載され、ブレード内の熱の変化を検知する。太陽の熱がブレードの素材に浸透する過程で、内部に損傷があれば熱の伝わり方に不規則な部分が現れる。そこを見つけるという考え方だ。

こうしたシステムの自動化が進めば、こんな展開も期待できる。ドローンがタービンの状態を素早く調査し、精密検査が必要なタワーがあれば報告する。それを受けて、タービンに常駐しているロボットが出動して検査を行う。その間、人間の調査チームが現地に向かい、問題部分にどのような修理が必要かを詳しく検討する。これなら、命や手足を危険に晒すことがない。

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(翻訳:金井哲夫)

だれでも全米でソーラーエネルギーに投資しながら利用できる、Arcadia Powerの新サービス

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再生可能エネルギーサービス会社のArcadia Powerは、全米の賃借人たちに再生可能エネルギーの購入を可能にする、新しいサービスを発表した。

これは、カーボンオフセットプロバイダーでありロードマネジメントとして電力会社と協業していた同社にとっては、再生エネルギープロジェクトの開発運営会社へ向けての重要な一步である。そして、これは潜在的に再生可能エネルギー運動のゲームチェンジャー(これまでのやり方を変えてしまう存在)なのだ。

少し分かりにくいと思うので、この話をもう少し解説しよう。この発表以前には、Arcadiaは顧客のエネルギー利用を、同量の再生エネルギープロジェクト(主に風力発電)に投資することによって、カーボンオフセットを行うサービスを提供していた。

現在同社は、さまざまな電力会社たちとの提携と、プロジェクトデベロッパとしてのポジションを利用して、プロジェクトの小さなグループを集め、そこを通して全国のソーラーをインストールしたくてもできない人たちのために再生可能エネルギー投資を提供しようとしている。

Arcadiaのロジックは単純だ。持続可能エネルギーに投資したいと思っているものの、その手段を持つことができない、多くの賃借人あるいは非住宅所有者がいるということである。

太陽と雲ひとつない青空を反映赤い屋根上のソーラーパネル

「それが私たちがやろうとしていることを支える、最も重要な部分の1つなのです」とArcadia PowerのCEOであるKiran Bhatrajuは語った。「アメリカ人の大多数は、ルーフトップソーラーを実施できません。アメリカ人のおよそ8パーセントだけが可能なのです」。

多くの人びとは、複数の賃貸物件の入っている建物に住んでいて、自由にソーラーパネルを設置できないので、ソーラープロジェクトに対する直接的な投資を阻まれている。

Arcadiaを使うことによって、こうした環境指向の消費者は米国全土のプロジェクトに投資し、あたかも自分の家から得られたかのように生成エネルギーから得られた収益を手にすることができる。

「私たちは、過去数年に渡って、顧客の電力請求書にクレジットを戻すことのできる技術を開発してきました」とBhatrajuは語る。「私たちはリモートで、顧客を分散型発電資産に接続することができるのです。そしてソーラーが電気を生み出したら、局所的に集められたその代金を広く分配することができるのです」。

Arcadiaの現在のプロジェクトは巨大なものではないが、商業顧客や政府機関が彼らの主張が受け入れられることを証明している ‐ 賃借人に再生可能エネルギー発電を提供すれば – 彼らは購入するのだ。

日で再生可能な太陽エネルギーを使って発電所

同社は、消費者たちは再生可能エネルギー発電のための意志がありながら、まだ太陽光発電への切り替えを行うための十分に便利な方法を持っていないのだ、と仮定している。Arcadiaのサービスは、それを変える。

これまでのところ、Arcadia Powerは、ワシントンD.C.、マサチューセッツ州そしてカリフォルニア州でプロジェクトを運営している。「私たちはプロジェクトを集め、顧客にプログラムに対する賛同を得られるように努力しています」。

Bhatrajuにとっては、この新サービスは、5月に動きが始まっていたBoxGroupWonder Venturesからの350万ドルの調達の際に、同社が考えていた戦略の一手に過ぎない 。

資金調達が8月に発表されたときには、Arcadiaは顧客の使用状況を再生可能エネルギーとマッチングしてキロワット時当たり1.5セントの上乗せで提供するプレミアムサービスを、1万の顧客に提供していた。同社はまた、伝統的な発電(通常は石炭と天然ガス)と風力発電の間で請求書を分けたいと望む顧客のために、50パーセントまでなら風力発電のプレミア分を請求しないオプションの提供も開始した。

次に控えている同社のサービスは、スマートサーモスタットやLEDといったエネルギー効率のよい製品に対するオンビルファイナンシング(on-bill financing : エネルギー効率を良くする製品を購入する際に融資を受け、それを月々の電気代に上乗せして返済していく方式)である。Arcadiaはこれによって顧客は年間10から30パーセントのエネルギーコストを節約できると言っている。

今日、同社は約250キロワットの規模(Solar Energy Industries Association=太陽エネルギー産業協会の推計によると、およそ41家庭に電力を供給するために十分なエネルギー)でサービスを開始した。Bhatrajuによると、現在他に2.5メガワットの電力が控えているということだ。

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(翻訳:Sako)