VRゲームがどんなものかよく分かる―HTC Viveを紹介する優れもの複合現実ビデオ

2016-04-06-htcvivevideo

体験したことない人にVRゲームの魅力を紹介するのは非常に難しい。まだまだ高価な拡張現実デバイスを一般の消費者に購入させようとするメーカーにとってこれは大きなハードルになってきた。

何ヶ月も、いや何年も前から噂になっていたHTC Vive拡張現実ヘッドセットがとうとう公式にリリースされた。詳しくは私のフル・レビュー記事を読んでいただきたいが、ViveとRiftの比較やVRというバズワードが実際にどういう体験なのか等が論じられている。

Viveのリリースと同時にHTCとSteamVR OSの開発などで密接に協力してきたValveからVR紹介の優れものビデオが公開された。消費者にViveを使うのがどういう体験なのか伝えるには格好の予告編となっている。

ゲームそのものの紹介に関してはValveの公式サイトが詳しい。Viveは799ドルで販売中だ。Fantastic Contraption、Job Simulator、Tilt Brushという拡張現実ゲームがバンドルされており購入者は添付のパスコードを利用して無料ダウンロードができる。

〔日本版〕ビデオでは専用のグリーンバックを張ったスタジオでユーザーの代表がさまざまなVR体験をするところが描写されている。拡張現実と実写を複合したビデオなので専用コントローラーを使ったVRゲーム体験がどいういうものかよくわかる。VRの銃や弓矢などを使った1人称3Dシューティング・ゲームはかなりの完成度のようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

視線追跡機能付きVRのFOVEがKickstarterキャンペーンを開始

FOVE」(フォーブ)はOculus VRのようなヘッドマウントディスプレイ(HMD)に視線追跡機能を付加したものを開発している日本発のスタートアップだ。今回のKickstarterキャンペーンに伴い FOVEについてアップデートしておこう。

fove FOVEは仮想現実(virtual reality, VR)の第3世代といわれている。第1世代はユーザーを受動的な仮想空間へと導いた。 第2世代はハンドセットとモーションセンサーを使ってユーザー側から仮想空間側への単方向の制御を可能にした。第3世代は視線追跡機能を使ってユーザー側と仮想空間側の双方向の制御が可能となった。従来のOculus Riftなどのヘッドマウントディスプレイで3次元空間内を見るとき、奥行きがわからないという問題があった。例えば、ヘッドマウントディスプレイで3次元ゲームをするときにマウスで位置をポインティングする場合、マウスは元来2次元平面上の位置をポインティングするためのデバイスなので3次元の奥行きを ポインティングするときには困るわけだ。手前の物体を選択するのか、奥の物体を選択するのかに困る。 FOVEは視線追跡機能でこれを可能にしたヘッドマウントディスプレイである。ロンドンのMicrosoft Ventures Londonアクセラレータープログラムに採択されたり、3次元ゲームや医療での利用について熱い視線を受けている。

fove3エンジェル投資家と東京大学の産学連携施設「Intellectual Backyard」からプロトタイプが作れる程度の数千万円の資金を調達して開発を進めていたが、今回5月19日から25万ドルの資金調達を目指して349ドルの予約販売価格にてKickstarterで募集を開始する。

 

小島由香CEO・共同創業者は「我々の視線追跡機能は非常に繊細なユーザーの視線を読み取ることが可能で、それを仮想空間でのユーザーの意図や感情としてうまく変換することができる。この追加認識により、仮想空間内のオブジェクトを制御するだけでなく、人間と仮想空間とのコネクションをよりリアルなものにすることができ、多くのオーディエンスに資する一つの継目のない体験に仕上げることができた」とコメントしている。

ロックラン・ウィルソンCTO・共同創業者は「我々は視線追跡機能、方向センシング、ヘッドポジショントラッキングを最先端のディスプレイに融合することができた。ゲームの他にも我々は学校や研究機関と連携し、アイプレイ(目によるピアノ演奏をする)プロジェクトで身体障害者でもピアノを弾くことを可能にした」とコメントしている。

fove2FOVEは2015年Q3に開発者向けキットを出荷する予定。 FOVEプラットフォームはUnity、 Unreal、 Cryengineとコンパチブルとなっている。開発者が既存のコンテンツに難なくFOVEエコシステムを導入でき、また安定したサポートを提供する。Kickstarterキャンペーンに伴い、 FOVEはVRコンテンツのホスティングサイト「Wear VR」とのパートナーシップも同時にアナウンスしている。 FOVEユーザーは、Wear VRのVR app storeにアクセスが可能となる。

日本発スタートアップであり、視線追跡機能をヘッドマウントディスプレイに付加した FOVEがOculus VRのつくり上げた市場にどこまで食い込めるか注目しよう。

Hiroki Takeuchi / POYNTER CEO Ph.D