Google、政治広告の検索可能データベースを公開

透明性の向上と議会との約束を守る取り組みの一環として、Googleは政治広告のアーカイブを自らのプラットフォーム上で公開した。

Ad Libraryと名付けられたGoogleの新しいデータベースは、専用のウェブページで検索できる。誰でも検索や絞り込みが可能で、候補者名や広告主、費用、掲載期間日時、インプレッション数、広告タイプなどを見ることができる。最大予算や最大リーチ数の政治広告に興味のある人は、費用、イップレッション、日時でソーとすることもできる。Googleはこのデータに関するレポートも発行していて、州別の広告費を広告主、上位キーワード別に見ることができる。

同社は、最近の透明化への取り組みについて若干の説明を加えている:

今年当社は政治広告の透明性に関して重要な対策を講じた。新規広告主が米国内でGoogleに政治広告を出稿する場合の新たな条件を設定した —— 政府が発行したIDおよび、彼らが米国市民あるいは合法的永住者であることを証明する情報の提出を方に従って要求する。さらに、選挙広告には「費用負担元」を明記することも要求している。

検索機能は非常に便利だが、いくつか欠けている点もある。Googleのデータベースは米国内の候補者広告を収集しているが、”issue ad”と呼ばれる特定の政治的話題を周知させるための広範囲のキャンペーンや、州あるいは地方の広告は含まれていない。対象は米国内のみなので、海外の選挙広告も表示されない。Googleは、専門家と協力して広範囲の政治広告を収集するツールの開発を検討していると言ったが、具体的な日程は示さなかった。現在は、ツールで発見した広告は週ごとにまとめてライブラリーに追加されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

上院の超党派グループが地方レベルの選挙のセキュリティ向上で法案を提出

上院議員たちの超党派のグループが、中間選挙を控えたこの時期に、アメリカの選挙の技術的な正しさを守るための法案を提出した。上院に提出されたこの法案はSecure Elections Act(安全な選挙法)と呼ばれ、提出者は共和党上院議員のJames Lankford, Susan Collins, およびLindsey Graham, そして民主党上院議員のAmy Klobuchar, Kamala Harris, およびMartin Heinrichだ。

法案に付随する声明でCollins上院議員はこう述べている: “ロシア人たちが票の集計を変えられるという兆候はないが、しかしロシア人の関係者たちが州の選挙システムや公開されているWebサイトを侵そうと何度も試みたことを、われわれは知っている。われわれの超党派の法案は、各地の投票所の職員たちが、投票システムの安全を維持するために必要な情報と財源を確実に持つことによって、選挙過程の完全無欠性を強化するものである”。

この法案に関わったすべての上院議員が、このような声明の中で、アメリカ合衆国がその選挙システムをもっと安全にし標準化するまでは、ロシアはアメリカの民主主義への実在する脅威をもたらし続ける、と主張している。この法は、(1)連邦の諸機関が選挙関連のサイバー攻撃を州や地方の政府と直ちに共有すること、(2)州の職員が機密と指定されているかもしれない情報にアクセスする場合正しいセキュリティ確認を行うこと、(3)州が選挙システムの現代化を行うときは補助金を提供すること、そして(4)投票機械などの選挙システムを保護するためのサイバーセキュリティのガイドライン集を作ることを、必須としている。

Harris上院議員は、こう述べている: “ロシアは、彼らが2016年の選挙をに干渉したときに、われわれの民主主義のまさに中核を攻撃した。2018年の選挙が目前に迫っている今、ロシアは再び干渉に着手するだろう”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

米司法省、クリントンのメール問題でFBIの対応を調査

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米司法省のマイケル・ホロウィッツ監察長官は今日(米国時間1/12)、2016年選挙に関連するいくつかの事件、特にヒラリー・クリントンのメール問題の扱いに関して、FBIの対応に問題がなかったかを調査中であると発表した。

ジェームズ・コミー長官を筆頭にFBIがこの問題を選挙前の時期に捜査、報告したタイミングとやり方については多くの批判がある。そうした懸念は全く無視されているわけではないようだ。問題の疑惑は「議会監督委員会の議長および有力委員をはじめとする様々な組織や一般市民から寄せられた数多くの要求に答えて」調査が行われることが、司法省の公式声明で報告された。

声明には同省が調査の対象とする案件が具体的に示されている。

第一に、コミー氏が7月5日に訴追せずと結論を下した捜査で、FBIのルールが守られていなかった可能性がある。後にコミー氏が、選挙のわずか数日前に捜査を再開するという扇動的とも言われる決定を下したことや、「一部の基礎調査での判断が不適切な考察に基づいていた」可能性についても見直される予定だ。

司法省およびFBIのメンバーも非公開情報を不適切に公表した件で追求されており、司法省の立法問題次官補については担当を外れるべき理由があった。

また、FBIのアンドリュー・マッケーブ副長官は、妻のテリー・マコーリフがクリントンに近い筋から運動資金を受け取っていたため捜査から外れるべきだったとして調査されている(利益相反を裏付ける証拠はほとんどなく正式な判断はなされていない)。

最後にウィリアム・クリントン基金に対する十年続いている非公開捜査の記録文書を、選挙直接になって公開したことも調査対象になっている。当時は否定されていたが、この公開は単なる偶然ではないと指摘する向きもある。

司法省の調査によって、例えばヒラリー・クリントンを追求するかどうかといったFBIの決定が覆ることはないが、今後さらに問題が発見されれば見直しの範囲が広がる可能性はある。公式発表文書には、影響の可能性や新たな管理体制の中で誰が実施責任をもつか等の詳細は記載されていない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

たった一つの誤字が選挙をひっくり返したかもしれない

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2016年の選挙に対するロシアの妨害説をめぐるThe New York Timesの長い記事に書かれている、多くのひどい失態の中で、とりわけ目立つものがひとつある…それがとくに印象的なのは、ごく些細で平凡なものと、それがもたらした結果の重大さの対比だ。Hillary Clintonの選挙参謀John Podestaのメールのハックは、彼にリスクを警告しようとする一通のメールにあった、たった一つの誤字だったかもしれないのだ。

どういうことか? Clintonの選挙戦スタッフの一人がTimesに、彼は、あるフィッシングメールにについて書くときに、形容詞“illegitimate”(違法な)を間違って“legitimate”(合法な)と書いてしまった。そしてその“合法な”メールがクリックされると、次の瞬間、ハッカーがドアの中にいた。

それは小さなミスから起きた悲喜劇的なエラーだが、もしそれが真実なら、サイバーセキュリティにおける最小の失態、ひとつの誤字やひとつのクリックが、一人の人間の全キャリアや、ニュースのサイクル、そしてときには選挙の結果さえ、ぶっ壊してしまうのだ。

そのThe NYTの記事は長いが、読む価値はある。読み終えたあと、どっと疲れて、世間嫌いになるかもしれないけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))