Aclimaとグーグルが研究者にカリフォルニアの大気汚染の新データセットを公開

Collision from Homeカンファレンスの一環として、AclimaでCEOを務めるDavida Herzl(ダビダ・ヘルツル)氏は、Google(グーグル)と協力して作成した新しいデータセットを発表した(Collisionリリース)。

科学コミュニティに無料で提供される今回のデータは、4年間のデータ収集と集計の集大成であり、カリフォルニア州全体で4200万回の大気質測定が行われた。

Aclimaのセンシングと分析ツールはGoogleストリートビューの撮影車両に統合され、ジョイントベンチャーでサンフランシスコのベイエリア、ロサンゼルス、カリフォルニアのセントラル・バレーの大気汚染物質と温室効果ガスレベルを測定した。

撮影車両は二酸化炭素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、メタン、ブラックカーボン、微粒子汚染物質のデータを収集した。両社は今回のデータセットの公開で、大気汚染や温室効果ガスのデータ測定によって前進する分野の研究を支援できるはずだと述べている。

一連のデータはテキサス大学オースティン校と環境防衛基金(EDF)の研究者たちによって2017年に発表された論文で使われている。それによると汚染の度合いは、都市ブロック間で5倍から8倍にもなるという。2018年にEDFとKaiser Permanenteは、オークランドの路上における汚染と心臓病の発生率の上昇とを結びつける研究を発表した。2020年には、Aclimaのデータのサブセットを用いて渋滞課金による環境利益を推定した。

カリフォルニア州の大気に関する完全なデータセットを研究者が利用できるようになったことで、健康に悪影響を及ぼし、気候を変化させる排気ガスの量を明らかにし削減するためには、街頭レベルの大気の質を測定して分析することが不可欠であると、Aclimaとグーグルは主張している。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleのストリートビュー撮影車が集めた大気質データを研究者に一般公開

Googleは近年、ストリートビューを撮影する車に街路の大気質を測定させている。Googleが「Project Air View」と呼んでいるこのプロジェクトのデータを、米国時間6月5日から科学者や研究団体が利用できるようになる。同社が今日リリースする大気質データセットのアップデートバージョンには、2017年から2018年までにパートナーのAclimaの環境センサーが集めた情報がある。

それと一緒に提供されるデータキャッシュには、サンフランシスコ湾からサン・ウォーキン・バレーにかけての、2016年以降の情報と、それらの地域を含むカリフォルニアのほかの部分、およびヒューストンやソルトレイクシティ、コペンハーゲン、ロンドン、アムステルダムなど主要都市の2年分のデータがある。

全体として、Googleマップスのスタッフが集めた大気質データセットは、2016年から2018年にかけての14万マイル(22万5000km)の街路と総計7000時間の走行時間をカバーしている。大気質の経時変化を追うには十分な量のデータであり、Googleはこの事業の対象地域を今後はアジア、アフリカ、そして南米にも拡大していく意向だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa