早期出資者が明かす、Alibabaの進化から得た教訓

GGV Capitalの共同ファウンダー、Thomas NgとJoel Kellmanは、1999年にJack Maと知り合った。Alibabaが中国、杭州の小さなアパートの一室でスタートしたばかりのことだった。

15年後、GGVの共同ファウンダーでマネージング・ディレクターのHany Nadaは、彼のパートナーの投資がもたらした成果に驚嘆するしかなかった。もはやその会社の運命を左右する存在ではなくなったが、GGV CapitalはAlibabaの黎明期を知る証人であり、いかにしてJack Maが、その買い手と売り手のためのマーケットプレイスを、ウェブサービス、支払い、Eコマース ,オンライン・ツー・オフラインショッピング、モバイルOSへと拡張し、さらには相乗りサービス会社、オンラインビデオ会社、音楽ストリーミングサービス等々に投資するまでに育ててきたかを見てきた。

「初めてJackと会った時、彼のビジョンは出来る限りパイを広げることだった」とNadは言う。それは、Maが一起業家としての初期の日々から、ニューヨーク証券取引所のフロアーへと登りつめるまで持ち続けた気持ちだった。MaはCNBCのインタビューに答えてこう言った。

「今日私たちが得たものはお金ではなく、人々の信用だ。何百万ものスモールビジネス、そして数多くの株主たち。今この株主の人たちを前に、今後5年、10年、彼らを間違いなく喜ばせることの責任を、光栄に感じ、また感動している。

GGV Capitalは当初Alibabaに投じた800万ドルを40倍に増やした。AlibabaはGGVの初期ファンドの配当を出資額の4倍に伸ばした(Alibabaがいなくても2.5倍の配当はあった)。

Nadaによると、Maが彼の顧客に対するビジョンを、他の幹部やパートナーへも拡大したことが、この結果を生んだという。

そこには、AlibabaとYahooの少々騒がしい関係もあった。Yahooが2005年に行った10億ドルの投資についてNadaは、欧米企業による中国に対する最も成功した投資だと考えている。

「中国に進出しようとした殆どのIT企業は・・・やり方を間違えていた」とNadaは言う。「何億ドルをも費しては、地元のライバルにしてやられていた。

Yahooは非常に鋭い観察によって成功を収めたが、それは同社が中国市場参入のために強力なパートナーを立てるという決断だった。「Alibabaから得た最大の教訓は・・・もしアジアで成功したかったら、YahooがAlibabaで行ったような戦略的投資を通じて行わなければならないことだ」

Nadaは、海外企業が中国で強い牽引力を得ることは難しいという。なぜならこの国のエコシステムがあまりにも保護されているからだ。しかし中国企業も、国による文化の違いのために、国際市場への参入は同じように難しい。はっきりしているのは、Maと彼の経営チームは米国の動向調査を始めたばかりだということだとNadaは言う。

「彼らは米国で何十もの投資をしてきた。上場したものも、そうでないものもある・・・まだ彼らは本格的な攻めに入っててはいない。ひとたび答を見つけてビジョンを追及し始めれば、彼らは実行するだろう。実行するなら何か大きなことを」

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Yahoo、Q2業績は予測未達。売上10.4億ドル、EPS 0.37ドル

今日(米国時間7/15)の取引終了後、Yahooは第2四半期の業績を報告した。売上(トラフィック獲得コスト[TAC]を除く)は10.4億ドル、非GAAP 1株当たり利益は0.37ドルだった。TACを含む売上は10.8億ドル。アナリストの予測は、1株当たり利益0.38ドル、TACを除く売上は10.8億ドルだった。

株価は、通常取引で下落したが、時間外では、利益未達にもかかわらず、やや取り戻した。同社は発表文で、売上成長は「最優先」であり、その意味で「Q2の結果には満足していない」と語った。

同社のディスプレイ広告売上は4.36億ドル、対前年比8%減だった。同四半期におけるYahooの検索売上は4.28億ドルで、前年同期を2%上回った。

Yahooの非GAAP財務指標である調整後EBITDA(*)は、3.4億ドルで一年前より8%低かった。【* 金利・税金・償却前利益、支払利息・税金・減価償却・償却控除前利益】

Yahooは前年同期より24%多く広告を販売し、その点は好調だったが、広告単価は24%減少した。

同社のTACを除く売上は3%減少した。Yahooの売上成長は、微増あるいはマイナスという歴史を持っている。同四半期の純利益は3800万ドルにすぎなかった。

直前の四半期、YahooのTACを除く売上は10.87億ドルだった。1株当たり利益は0.38ドルだった。早い話がアナリストたちは、前四半期の業績を次の3ヵ月間に再現すると予測していた。
Yahooの株価は、同社の持つ大量の、かつ近く売買可能になるインターネットの巨人Alibabaの株式に、ある程度左右される。Alibabaは、現在上場申請中。Yahooは報告書の中で、同社がAlibaba株を1.4億ドル売却すればよい(以前は2.08億ドルだった)ことで合意したことを示している。これによってYahooの短期的税額が減少すると共に、Alibaba株の値上りを前提に潜在利益も増える。

全体的に見て、Yahooには短期的な売上上昇の見込みがないという市場認識を、同四半期の結果が変えるとは思えない。もちろん同社は依然として裕福で、期末時点での保有現金相当額は43億ドルだった。この数字は、2013年末より7億ドル少ない。もちろんYahooは、ちょっとした買いあさりをしている。

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中国最大のEコマース、アリババのIPOは8月に

CNBCによると、中国のEコマース最大手AlibabaのIPOは、8月の第一週に実施されるらしい。SECから聞かれる可能性のある、同社ビジネスや将来予測に関する質問に答える時間が十分にとれるタイミングだ。

TechCrunchは、この上場時期の正確性について、IPOやベンチャーキャピタル分野に詳しい情報源に確認した。その人物によると、Alibabaの審査期間は一般の米国企業よりも長く取られる可能性があり、それが申請時期を遅らせたのかもしれない。

さらに、現在の不安定な市場を踏まえれば、多少のIPOの遅れは問題ではない.

AlibabaのF-1書類申請時にTechCrunchが報じたように、同社の利益率は高く、直近の会計年度(2013年) で売上65.1億ドルに対し、28.5億ドルの利益を上げている。同社は評価額は1600億ドル以上で、最大200億ドルの資金調達を目指している。

ここから導かれる実績PER(株価収益率)は約60であり、最近上場したIT企業の中では控え目な数字だ。多くのIPO企業が、GAAP、非GAAPいずれでも利益を出していない状態だ。その意味でAlibabaは、投資家の不信を買うことは少ないかもしれない。

現在Facebookは、実績PER 76.68で取引きされており、Twitterの予測PERは128.64だ。

なお、このIPOのタイミングであれば、Alibaba株を大量に保有するYahooは、第3四半期に大枚を手に入れ可能性がある。

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YahooのAlibabaという金鉱を再評価する

昔を振り返ってみよう。2005年、Yahooは中国Eコマース会社、Alibabaの40%を10億ドルで買った。その行動が、後にこのアメリカ企業を救うことになる。

Yahooは、未だに新しいCEO、Marissa Mayerのリーダーシップの下、新鮮なダイナミズムを見せ、モバイルへの参入を果たしてテクノロジー市場での評判を取り戻したが、同社中核事業の財務業績は低調だ。売上は下落し利益も同様だ。自慢のモバイルの成長も、広告ビジネスに結びつけることができず、検索の収益もパッとしない。

ではここ数年の劇的な株価上昇は何故なのか? それは10年近く前のAlibaba買収にさかのぼる。

Yahooは、所有するAlibabaの40%のうち40%を、2012年に760億ドルという巨額で売却した。現在同社が所有するAlibaba株は24%と控え目だが、下にリンクを貼った企業レポートには23%と書かれている。

Yahooはこの残された株をできる限り手離したくない。それは、Alibabaの今の成長率を考えれば、Yahooが同社株を持っていればいるほど儲かるという単純な事実による。

YahooがAlibaba株にしがみついていたいと何故わかるのか? 最近の契約によって、AlibabaがIPOした際にYahooが売らなければならない既存持ち株比率が下げられた。Yahooは以前の契約終了時点で、持ち株の一部をAlibabaに売り戻すことになっていた。

今日の発表は、Yahoo!のAlibaba持ち株の段階的かつ包括的な価値実現計画の第1ステップである。本契約の下、Yahoo!は第2フェーズで、AlibabaのIPO時に持ち株の約半数をIPO価格で現金化することができる。そして、IPO後Yahoo!は、慣例的売却禁止期間経過後、残る株式を売却する権利を有する。

しかし2013年10月、Yahooは部分的な猶予を得た。当時私がこう書いている

本日Yahooは、第3四半期の業績報告と共に、Alibabaとの新たな契約に合意し、中国Eコマース会社が上場した際に売却しなければならない株数が減少したと発表した。Yahooが売る必要のある株数は、計2.08億株となった。

この数字は、以前の売却必要数2.615億株の20.4%減に当たる。YahooはAlibabaの一般株5.236億株を保有している。

つまり、YahooはAlibaba株をより多く、より長く持ち続けることができるようになった。
このパズルの最後のピースは、Alibabaが信用枠を改訂し、IPOを遅延したことだ。現在の憶測では、同社の上場は今年ではなく来年になりそうだ。

これは、Alibabaが成長を続けると仮定した場合、以前の予想よりも高い評価額で上場することを意味している。これが、将来の利益を見越して今Yahooの価値を高くしている理由だ。

AlibabaがIPOした時の価値はいくらになるのか? 私が見てきた数字は最高2000億ドル、控え目なところで1300億ドルだ。今になって考えれば、実際の上場時には、以前AlibabaのIPO評価額を1200億ドルとしていた数字は低すぎると見るのが妥当だろう。よってこれは、YahooがMicrosoftと並んで、成功した企業ベンチャーキャピタリストの仲間入りをすることを意味している。

暗算すれば、2000億ドルの24%は480億ドルだ。その半分が税金に消えるとしても、Yahooは同社時価総額の半分以上の現金を持つことになる。

Alibabaが長く待てば待つほど、そして同社がその活力を維持し続ける限り、Yahooにとって状況は良くなっていく。これは、メディアがYahooの株価上昇を、単にJack Maの威光によるものではなく、社内業績の成果であると報道しているのを見た時、注意しておくべき点だろう。

トップ画像提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook