中国の若者全員をオタクにするAlibabaの奇策は胃と目のための格安合同会員制

最近の中国の人たちには、外出しない理由がたくさんある。忙しすぎて職場に缶詰めかもしれないし、大気汚染がいやだったり、孤立した生活が好きだったりする。それらの中で今とくに増えているのが、実体のある現実よりもビデオゲームやアニメ、漫画などの仮想世界にいることを好む若い消費者層だ。さらに重要なのは、オンラインショップやフードデリバリーなどのサービスで彼らの閉じこもり欲求に取り入ろうとする、数えきれないほど多くのスタートアップがいることだ。

中国の二つの大手インターネット企業が、このようなインドア人間たちをつかまえようとしている。先週フードデリバリーの大手Ele.meは、若者向けのエンターテインメントサイトBilibiliと組んで、短期で一度かぎりの合同会員制を作り、若い消費者たちをなお一層、出不精にしようとしている。

Ele.meは、中国語で“お腹(なか)すいてる?”という意味で、4月にeコマースの巨獣Alibabaに買収された。今年アメリカで上場したBilibiliは、最初アニメ専門のビデオストリーミングサービスだったが、今では若者文化の何でも屋になっている。アニメ、漫画、コスプレ、ビデオゲーム、そのほかのなんと呼んでいいのか分からないようなさまざまなニッチなどなど、何でも揃えている。

今回の両者のパートナーシップでユーザーには、アニメの無制限ストリーミングと超安値のフードデリバリーのセットが提供される。Bilibiliは最近ではコンテンツへの投資を増やしていて、中国最大のインターネット企業のひとつであるNeteaseの保有コミックのほとんどすべてを買い上げた。大好きな連続アニメを無限に見られて、しかも、お腹(なか)がゴロゴロ言っても家の外へ出なくてよい、これ以上の幸せがあろうか。健康的なライフスタイルではない、かもしれないけど。

このプロモーションでは12月23日から30日まで、月額25元(3.63ドル)で両社合同の会員になれる。通常、二社別々に会員登録したら、これよりも15元高くなる。この提携が合理的と言えるのは、客層がどちらもジェネレーションZ(Z世代)だからだ。QuestMobileのレポートによると、2017年にはBilibiliのユーザーの約82%が8歳から28歳までの層だ。そして中国では、ネットで出前を頼む人たちの60%以上が24歳以下だ

iiMediaによると、中国のフードデリバリー市場は2018年末で2430億元(350億ドル)に達する。フードデリバリーアプリのユーザーは3億5500万人と言われる。これは中国の人口の約40%に相当する。5年前には、ユーザー数1億強の市場、と言われていた。

このブームで、マーケットリーダーであるEle.meの正価も上がり、Alibabaが買収したときの同社評価額は95億ドルだった。そしてTencentが支援する同じくフードデリバリー大手Meituan Dianpingは9月に香港で、華々しいIPOを飾った。

AlibabaとBilibiliは両社の合同会員制のことを“Zhai E Kuai”と呼んでいる。これは“一緒にオタクになりましょう”、という意味で、オタクは元々日本語で“あなたの家”を意味する敬称だったが、のちに、何かに夢中で家に閉じこもっている人を指す現代的な俗語になった。Bilibiliの熱心なユーザーは、アニメやビデオゲームのオタクと呼ばれることが多いが、もちろんその全員が外の世界を避けているわけではない。

AlibabaはBilibili以外にもStarbucksと組んで、、両社のリワードシステムの統合を始めた。〔Starbucksの’Star’, 一種のポイント制〕

中国のテクノロジー大手でも、販売促進策としてAmazon Primeのような優待会員制がますます人気になりつつある。たとえば、Alibabaのポートフォリを企業を集めた88 Membershipは、eコマース(Tmall), 生鮮(Tmall), フードデリバリー(Ele.me), ビデオストリーミング(Youku), 音楽ストリーミング(Xiami), 映画チケット(Taopiaopiao)などなどをカバーしている。一方、TencentのモバイルプランKing Cardは、中国の通信大手とパートナーして、ソーシャルネットワークやビデオストリーミング、ゲームなどTencentのエコシステム内ではアプリのデータ利用を無制限としている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

インドネシアの電子商取引リーダーTokopediaが、AlibabaとSoftBankのVision Fundから11億ドルを調達

創立9年のC2Cマーケットプレイスの現在の評価額は70億ドル

インドネシアを拠点とする電子商取引会社Tokopediaは、SoftBankメガファンドとAlibabaが主導した11億ドルのシリーズGラウンドでの調達を行ったあと、Vision Fundに参加した最新のスタートアップ企業だ。

SoftBankとAlibabaは既存の投資家である。Alibabaは昨年11億ドルのラウンドを主導したが、一方SoftBankは最近保有していたTokopediaの株式をVision Fundへ移管した。後者の内容は、基本的に10月に合意された内容に従ったものだと、TechCrunchは理解している。

Tokopediaは評価額につはコメントしていないが、TechCrunchはある筋から、今回の取引では評価額は70億ドルとされているという情報を得ている。SoftBank Ventures Koreaとその他の投資家たち、例えばSequoia Indiaもこの投資に参加した。現時点までに投資家たちから24億ドルが調達されている。

今回の取引が行われたのは、韓国の有力電子商取引企業であるCoupangに、SoftBankが20億ドルの投資を行った数週間後である。Tokopediaと同様にCoupangも、SoftBankが保有する株式がVision Fundに移管されるまでは、SoftBankには投資家として向き合っていた。

9年前に創業したTokopediaは、中国で大成功を収めたAlibabaの電子商取引市場であるTaobaoとしばしば比較される。Tokopediaの取引業者は最近400万社に達した。TokopediaはGMV(取扱総額)が4倍になったとしているが、具体的な数字は発表していない。物流は、約1万7000の島々に広がるインドネシアの大きな問題である。しかし同社は現在国土の93%をカバーしていて、しかも顧客の四分の一は同日配送の対象になっているのだという。同社が物流調整がより困難な、マーケットプレイスを運営していることも注目に値する。

同社は、今回得た新しい資本金を利用して、より多くの中小企業や独立系小売業者がそのプラットフォームに乗ることを可能にする技術を開発する予定である。また消費者側では、中核となる電子商取引だけでなく、金融サービスやプロダクトの開発も行っていて、顧客を強くプラットフォームに引きつけようとしている。

インドネシアのスーパーアプリ

この新ラウンドにもかかわらず、CEOで共同創業者であるWilliam Tanuwijayaは、TechCrunchに対してインドネシアの外へ拡大する計画はないと語った。インドネシアは東南アジア最大の経済圏であり、2億6000万人以上の人口は世界で4番目に多い。

「現時点でインドネシアの外に拡大する計画はありません。インドネシアの市場を構成する、私たちの美しい1万7000以上の群島の隅々にまで手を伸ばせるように努力するつもりです」と、Tanuwijayaは質問に対して電子メールで回答した(Tokopediaは電話でのインタビュー要請は拒否した)。

Tokopediaの共同創業者兼CEOのWilliam Tanuwijayaは、2018年1月26日(金)、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)閉会式のパネルディスカッションで、身振り手振りを交えながら語った。世界的リーダーたち、影響力のあるエグゼクティブ、銀行家、そして政策立案者たちが、1月23日から26日までダボスで開催された、第48回世界経済フォーラムの年次総会に出席した。写真:Jason Alden/Bloomberg

そのインドネシア国内だけに注力するアプローチは、現在東南アジア全域に急速に拡大している、インドネシア拠点の配車企業Go-Jekのアプローチとは対照的だ。Go-Jekは既にベトナム、シンガポール、タイに進出し、2019年にもさらに計画を進めていることは間違いない。

だがGo-JekとTokopediaは、いずれも中心となっていたビジネスから拡大しているという点は類似している。

Go-Jekは、オンデマンドサービス、支払いサービスなどに取り組んでいる。最近、Tokopediaはモバイルチャージやファイナンシャルサービスを含む支払いサービスへ参入した。そしてTanuwijayaは「スーパーアプリ」になる戦略を続けていくつもりであることをほのめかした。

「私たちはサービスを深化させて、朝の目覚めの瞬間から夜眠りにつくまで、そして生まれた瞬間から年老いるまで、インドネシアの人びとによりよいサービスを提供します。私たちは、沢山の企業にオンラインとオフラインのパワーを提供するために、物流、フルフィルメント、支払い、そして金融サービスの分野のIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)に投資をし技術開発を行います」とTanuwijayaは付け加えた。

Vision Fund論争

しかし、Vision Fundには論争が巻き起こっている。

最近出されたCIAの報告書は、サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子がジャーナリストであるジャマル・カショギの殺害を命じたと結論付けた。皇太子はサウジアラビアの政府系ファンドであるPIF(Public Investment Fund)を管理している。これは450億ドルという資金をVision Fundを通して投資している巨大な投資機構である。

SoftBank会長の孫正義は、この殺人を「非人道的行為」として非難したが、アナリスト向けのプレゼンテーションでは、SoftBankは資本を運用しVisionFundを続けていく「責任」を、サウジアラビアに対して負っていると付け加えた。

Tanuwijayaは私たちに対する電子メールで、最悪のケースでTokopediaが何をできる(する)のかははっきりしないものの、「私たちはこの出来事に深く関心を持ち、SoftBankと共に、全ての真相が明らかになるまで状況を注意深く見守りたい」と語った。

サウジアラビアとの関係がVision Fundの創業者たちのための資金を穢(けが)しているのではないかという沢山の議論がありながらもトランプ政権が現状の体制維持に焦点を当ててサウジアラビアを主要な同盟国として扱おうとしているように見えることを考えれば、事態は流動的なままである。

孫自身は、現在Vision Fundからの投資を拒んだスタートアップの事例は聞いていないが、将来的には「影響があるかもしれない」ことを認めた。

この投資に対する反発を予想しているか否かという私たちの質問に、Tanuwijayaは直接触れることはなかった。Vision Fundが最近行ったCoupangへの投資は、ネガティブな反応を巻き起こしているようには見えない。

また間違いなく東南アジアで最も有名な電子商取引サービスであるLazadaを、Alibabaが所有していることも、別の疑問を投げかける。

Tokopediaとは異なり、Lazadaは東南アジアで6つの市場をカバーしている。小売ブランドに重点を置いており、AlibabaのTaobaoサービスと密接な関係を保っているために、業者たちにその地区へ向けたチャネルを提供している。今年初めにTechCrunchにタレコミをした筋によれば、Tokopediaの経営陣はもともとはAlibabaのライバルのTencentからの資金調達に熱心だったが、SoftBankからの介入により、Alibabaを相手にすることが強制された。

Tanuwijayaは、そつなくその競合関係と亀裂を軽いものと述べ、ビジネスに影響はないと主張した。

「Tokopediaは、多様な資本で構成される独立企業です」と彼は電子メールで答えた。「会社の過半数を保有する単独の株主はいません。私たちは、株主のポートフォリオ企業と緊密に協力して、シナジー効果を活用しています」。

「たとえば、TokopediaはGrab(SoftBankのポートフォリオ)とGo-Jek(Sequoiaのポートフォリオ)の両社と緊密に協力しています。Lazadaは私たちとは異なるビジネスモデルを持っていると考えています。Lazadaは小売とマーケットプレイスモデルのハイブリッドですが、Tokopediaは純粋なマーケットプレイスなのです。Lazadaは地域プレーヤーですが、私たちはインドネシアの全国プレイヤーです」と彼は付け加えた。

Tokopediaは、中国で大成功しているAlibabaのTaobaoマーケットプレイスと、多くの類似点を持っている。

「これ以上わくわくできることはありませんよ?」

約10年前、Tokopediaはインドネシアに登場した最初のスタートアップの1つだった。Tanuwijayaと仲間の創業者Leontinus Alpha Edisonが、VCを口説き落として資金を調達するまでに、何十回ものプレゼンテーションを繰り返しては拒絶されたことは良く知られている。

Vision Fund入に際して「実績あるチャンピオン」と孫が形容した現在の状況に比べれば、とても大きな変化を経験してきたのだ。そしてそこにはファイナンシャル製品へと拡大したビジネスそのものは含まれていないのだ。しかしそれは、どんな創業者でもいつでも手に入れることができる、というものではない。多くの人たちは、その「最良の」日々は急速に成長していた初期段階や全員の気持ちがひとつになって力を注げていたときであることを認めるだろう。実際、インドネシアを拠点とするユニコーンであるTravelokaは、最近CTOを意欲の燃え尽きによって失っている

Tanuwijaya、Edison、および同僚の経営幹部たちに同じことが起き得るだろうか?

Tanuwijayaは彼のビジネスの旅を、近付いて来る山に喩えている。

「Leonと私は10年目に入ることにとても興奮しています。最初にTokopediaを始めたとき、それは私たちの立っている場所から、とても遠くにある山の頂上を見るようなものでした。私たちはいつかその山の頂上に登るのだということと、自分たち自身に誓ったのです」と彼はTechCrunchに語った。

「その山の頂上が私たちの会社のミッションなのです。つまり技術を通して商売が誰の手にも届くようにするということです。いま私たちは山の麓(ふもと)に到着したところです。ついに山に触れることができて、登り始めることができるのです。今回の追加投資で、私たちはミッションをより速く勧めるための手段と資源を手にすることになります。燃え尽きて家に帰るのか、あるいは山に登るべきかどうかを考えるべきかって?「これ以上わくわくできることはありませんよ?」と彼は付け加えた。

確かにTokopediaは、それ自身が1つの山になっている。このスタートアップは、GrabとGo-Jek(それぞれの評価額は110億ドルならびに(伝えられるところでは)90億ドル)に続いて、3番目に高く評価されている未公開テクノロジー企業だ。そしてその夢のある話は、インドネシア周辺の未来の創業者たちを触発し、スタートアップの道を辿らせることだろう。なおVision FundとPIFのコネクションにこの先何が起きるのかは、それほどはっきりとはしていない。

画像クレジット: Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:sako)

Cloud Native Computing Foundationが抱えるオープンソースプロジェクトにetcdが加わった

KubernetesVitessなど、クラウドに関連したオープンソースプロジェクトが身を寄せる事務管理団体Cloud Native Computing Foundation(CNCF)が今日、その技術委員会が新しいプロジェクトの入会を認める票決を行った、と発表した。そのプロジェクトetcdは、CoreOSで開発されたキー-ヴァリューストアで、今回Red HatがこのプロジェクトをCNCFに寄贈した。CoreOSはかつてRed Hatが買収、そしてそのRed Hatは近くIBMがオーナーになる、という関係だ。

etcdはGoで書かれていて、すでに多くのKubernetesデプロイメントの主要な部位のひとつだ。そこではetcdが、他と重複しない唯一の真実の情報源として機能し、クラスターのコーディネーションやシステムのステートの管理に使用される。同じくオープンソースのCloud Foundryもetcdを使い、Alibaba, ING, Pinterest, Uber, The New York Times, Nordstromなどの企業はプロダクション(本番稼働)でetcdを使っている。

CNCFのCOO Chris Aniszczykが、今日の発表声明で言っている: “KubernetesやCloud Foundryなど多くのプロジェクトが、信頼できるデータストレージをetcdに依存している。etcdがインキュベーションプロジェクトとしてCNCFに加わったことは喜ばしいし、今後はドキュメンテーションやガバナンスなどなどの改良によりコミュニティをさらに育成していきたい。etcdがわれわれのプロジェクトのコミュニティに加わったことは、本当にすばらしい”。

今日、etcdには450名を超えるコントリビューターと、8社からの9名から成るメンテナーがいる。すでにKubernetesをホストしているCNCFに身を寄せたことは、きわめてロジカルだ。これでCNCFがホストするプロジェクトは17になり、それらが同団体の“育成技術”の傘下に入る。それらはetcdのほかに、OpenTracing, Fluentd, Linkerd, gRPC, CoreDNS, containerd, rkt, CNI, Jaeger, Notary, TUF, Vitess, NATS Helm, Rook, そしてHarborだ。Kubernetes, Prometheus, そしてEnvoyは、すでに育成段階を卒業している。

ひとつのファウンデーションが管理するプロジェクトにしては多いが、しかしCNCFのコミュニティ自体が相当大きい。今週だけでも、シアトルで開かれた同団体最大のカンファレンスKubeCon/CloudNativeConに8000名のデベロッパーが集まり、コンテナに関するありとあらゆることを議論しあるいは講演した。AWS, Microsoft, Google, IBM, Oracleといった大物が参加してコラボレーションしていることの意義も大きい。OpenStackプロジェクトのように、成長後期に手を広げすぎて焦点がぼやける危険性もあるが、そうならないための、同団体の今後の管理の手腕を見守りたい。たぶん次にCNCFに加わるのは、ますます人気急増中のサービスメッシュIstioだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Walmartが楽天とパートナーして日本に初のeコマースストアを開店

アメリカのリテールの巨人Walmartはこのところ、アジアにおける事業の改革を継続的に進めているが、その一環としてこのほど、同社の日本における初めてのeコマースストアをオープンした。それは、日本のリテールの巨人、楽天との共同事業だ。

両社が1月に初めて発表したコラボレーション日本語記事)の合意事項では、日本ではオンラインのグロサリーサービスを立ち上げ、アメリカでは楽天のKoboによるeリーダーやオーディオブック、eブックなどを売る、というものだった。

上記のeグロサリーサービス、Rakuten Seiyu Netsuperは10月に開店し、そして今回両社は、Walmartに日本のeコマース市場の一片をつかませるためのWalmart Rakuten Ichiba Storeを立ち上げた。日本のeコマース市場の大きさは、年商ベースで16.5兆円(1480億ドル)と推計されている。

そのストアは日本最大のeコマースストア楽天市場にあり、衣料品やアウトドアアイテム、子どもの玩具などおよそ1200種の“アメリカのブランドの”製品を扱う。Walmartは発注をアメリカで行い、品物を日本に空輸し、楽天のeコマースサービスの上で売られる。この全過程の所要時間(日数)は明らかでないが、最終価格には送料や税金も含まれるだろう。

日本でずっと苦戦していたWalmartにとっては、これはおもしろい動きだ。

今年の中ごろには同社は、2007年に完全買収した日本のスーパーマーケットSeiyu GKを手放すという噂を、懸命に否定した。たしかに売却は(まだ)行われないのかもしれないが、CNBCによると、WalmartはSeiyu(西友)の店舗をおよそ100店閉店し、その業績不振が明らかになった。

楽天とのパートナーシップは、相手が年商100億ドルのeコマース巨人で金融サービスや旅行、モバイルなどもやってる大企業だから、リスクやエクスポージャーのありうる日本のオンライン市場を一口いただくためには、賢明なやり方だ。でも、限界はある。WalmartのアメリカでのライバルAmazonは楽天との直接競合を選び、その投資費用が高いにもかかわらずかなり成功している

しかしパートナーシップ方式は、Walmartにとってアジアで初めてではない。

中国で選んだパートナーは、Alibabaに次いで二位のJD.comで、同社は2016年に不振のマーケットプレースYihaodianをWalmartから買収した。この取引の一環としてWalmartは、Yihaodianの中の一(いち)リテーラーになり、JDのプラットホームとロジスティクスのノウハウを利用して中国で売上を得ようとしている。

その関係は今年さらに深まり、WalmartはJDとの共同経営になるグロサリー配達サービスにJDとの共同出資で計5億ドルを投資した(Walmart担当額は不明)。そう、ここでもまたW社は、共同事業でオンライングロサリーをやろうとしている。

さらに別のところでは、Walmartは今年インドで当地のAmazonライバルFlipkartを160億ドルで買い上げてインド進出を目指している。この買収額はW社にとって記録的な額だ。

画像クレジット: Bloomberg / Getty Images (画像は一部を変えた)

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中国では生体認証による決済が当たり前になった…11月11日のショッピングフィーバーがそれを証明

中国の消費者はデジタル決済を採用するのが早くて、最近のショッピングブームを見るとその次のステップへの用意ができているようだ。それは、生体認証(バイオメトリックス, biometrics)による決済だ。

11月11日にAlibabaは、世界最大のショッピングイベント「独身の日」に大勝利し、308億ドルの売上を記録した。それはCyber MondayBlack Fridayを合わせたよりも大きい、驚異的な売上高だ。

中国のユーザーたちは、特売を逃すまいとあせってパスワードを入力する代わりに、一瞬で買い物が完了する新しい技術に飛びついた。今年、独身の日の顧客の60.3%が、指紋または自撮り写真の撮影で決済を行った。

そのデータを見せてくれたAlipayにとっても、そんな集計をするのは今回が初めてだった。同社はAlibaba系列のデジタルウォレット企業だが、全世界で8億7000万人のユーザーのオンラインおよびオフラインの商取引を処理し、ライバルのWeChat Payと肩を並べている。後者はTencentの人気の高いチャットアプリWeChatの決済方式で、ユーザー数(MAU)は同じく8億を超えている

そしてこの二社は共に、シームレスな決済に向かって競走している。Alipayは2014年9月に指紋認証による決済を開始した。それから1年足らずで、WeChat Payがそれに続いた。中国の買い物客は徐々にバイオメトリックな自己証明に慣れて、それによりスマートフォンをアンロックしたり、オフィスビルへ入館したりするようになった。2016年にもなると、Chinese Payment and Clearing Association(中国決済手形交換協会, CPCA)がアンケート調査をした人たちの約95%が、指紋認証を“知っている”と答えた。

次に来たのが、自撮りというやや高度な方法だ。昨年Alipayは、AlibabaとAlipayの本拠地杭州のKFCのお店で、にっこりお支払い(smile-to-pay)と名付けた決済方式を展開し、その後、配達の受け取りなどもっと多方面で顔認識による認証をローンチした。

alipay alibaba face recognition

Alipayの親会社Ant Financialは、配達された荷物をユーザーが受け取るとき顔をスキャンして認証する。/出典: Alibaba

政府はいち早く、顔認識の別の用途に目をつけた。そのよく知られている例は、世界で時価総額がいちばん大きいAI企業SenseTimeとの提携により、国民監視システムを開発していることだ。それによりたとえば、路上の犯罪者を追うことができる。

中国人は、身体的特徴による認証に、急速に慣れつつある。前出CPCAの調査によると、2016年には、70%よりやや多い人びとが、自分のバイオメトリックな情報による決済を平気と答えたが、2017年にはその比率が85%に急増した。

この急速な普及には、問題もある。2016年には調査回答者の半分が、生体認証による決済はセキュリティが心配だ、と答えた。しかし翌2017年には、70%が心配だと答えた。その同じ年に77.1%が、もうひとつの心配としてプライバシーを挙げたが、それは前年には70%弱だった。

画像クレジット: Alibaba

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GoogleがKubernetesの開発インフラの自社負担から降りてすべてをCNCFに委ねる

Googleが今日(米国時間8/29)、同社がCloud Native Computing Foundation(CNCF)に、Google Cloudのクレジット900万ドルを提供して、Kubernetesコンテナオーケストレータの同団体による今後の開発を支援し、プロジェクトの運用に関わるコントロールを同団体に委ねる、と発表した。このクレジットは3年分割で提供され、Kubernetesソフトウェアの構築や試験、配布などに要する費用に充当される。

これまではGoogleが、このプロジェクトを支えるクラウドリソースのほとんどすべてをホストしていた。その中にはたとえばCI/CDによるテストのためのインフラストラクチャや、コンテナのダウンロード、同社クラウド上のDNSサービスなども含まれている。しかしGoogleは今回、一歩後退することになった。Kubernetesコミュニティの成熟に伴い、GoogleはKubernetesのすべてのサポートワークをコミュニティに移そうとしている。

テストのためのインフラストラクチャからコンテナダウンロードのホスティングまで、すべてを合わせるとKubernetesプロジェクトは常時、15万あまりのコンテナを5000基の仮想マシン上で動かしている。その費用は、相当に大きい。Kubernetesのコンテナレジストリはこれまで、1億3000万回近いダウンロードに応じてきた。

それにまた現在のCNCFは、互いに競合する多様なメンバーを抱えている。Alibaba Cloud, AWS, Microsoft Azure, Google Cloud, IBM Cloud, Oracle, SAP, VMwareなどがその例だ。全員がCNCFの仕事やKubernetesのコミュニティから利益を得ている。Googleはこれまで黙っていたが、そろそろKubernetesのインフラストラクチャを動かす重荷を、それにふさわしい者に担わせるべきだろう。それにコミュニティのメンバーの一部は、KubernetesがGoogleのインフラストラクチャにあまりにも密接に結びついていることを、嫌っていた。

GoogleのKubernetes EngineのプロダクトマネージャーWilliam Denissが、今日の発表声明でこう書いている: “Kubernetesの運用責任をプロジェクトのコントリビューターが共有することによって、彼ら全員が持ち寄る新しいアイデアや効率性を生かせるようになるだろう。それが楽しみである”。彼によると今後も、Kubernetesのインフラストラクチャの運用には、Googleの意思が適宜反映されていく、という。

CNCFの事務局長Dan Kohnはこう述べる: “KubernetesのコミュニティにGoogleの大きな財政支援があることによって、このプロジェクトのイノベーションと採用の安定的なペースが今後も減衰することなく維持されるだろう。Google CloudがKubernetesのテストとインフラストラクチャに関わるプロジェクトをコントリビューターの手に渡したことによって、プロジェクトはオープンソースであるだけでなく、オープンなコミュニティによってオープンに管理されるものになる”。

今後長期的には、インフラストラクチャがGoogleのクラウドから離れることになるのか、そのへんはまだ分からないが、3年後に他のクラウドプロバイダーが同様のクレジットを提供することは、大いにありえるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

TencentがLinux Foundationのプラチナ会員になる、Huawei、Alibabaに次ぎ中国勢活発

時価総額5000億ドルの、中国のインターネット巨人Tencentが、Linux Foundation(LF)のプラチナ会員になり、オープンソースへのフォーカスを一層強化しようとしている。

同社はかなり前からLFやLinuxそのものと縁が深く、今年の初めにローンチしたLFのディープラーニング事業の創設メンバーでもある。このたび最高ランクのプラチナ会員になったことにより、同社はLFの理事会にも加わり、同団体とより密接に協力していくことになる。すなわちTencentはLFのプロジェクトやコミュニティに“さらなるサポートとリソース”を提供していくとともに、LFが持つ専門的能力や経験を利用していく。

その一環として同社は、オープンソースのマイクロサービスプロジェクトTARSと、オープンソースのネームサービスプロジェクトTseerをLinux Foundationに寄贈する。同団体のディープラーニングファウンデーションには、オープンソースのAIプロジェクトAngelを提供する。

Tencent Mobile Internet GroupのゼネラルマネージャーLiu Xinが、声明で述べている: “The Linux Foundationのプラチナ会員になれたことは光栄である。オープンソースは、Tencentの技術戦略の中核である”。

そのほかのプラチナ会員は、Cisco, Huawei, Microsoft, AT&T, Samsung, IBMらだ。

今年初めにTencentは、ハードウェア方面のオープンソースを推進する取り組みの一環として、もうひとつのオープンソース団体Open Compute Project(OCP)に加盟した。

Tencentの主要なライバルであるAlibabaも、オープンソースのコミュニティに大きなプレゼンスを維持している。

Alibabaは昨年来、Linux Foundationのゴールド会員だが、その貢献度は大きくて、クラウドコンピューティングサービスAlicloudなどを提供している。また、初の中国の外のクラウド投資として、MariaDBに2700万ドルを投資した。中国国内ではクラウドストレージのQiniuやビッグデータのDt Dreamなどに投資している。

画像クレジット: Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

2018年に中国のスマホ使用時間はテレビを超える(eMarketer予測)

2018年は、中国でスマートフォンの使用時間がテレビの視聴時間を超える年になる。すべてはデジタルビデオプラットフォームの成長による。eMarketerの最新レポートが伝えた。

世界最大のスマートフォン市場である中国では、すでに起きていたと思われてもしかたがないが、 eMarketer は、まもなくその歴史的瞬間が来ると予測する。

レポートによると、今年中国の平均的成人は1日あたり2時間39分モバイル機器を利用すると予想されている。これは2017年より11.1%多い。一方テレビの視聴時間は2%減の2時間32分だ。

デジタルビデオサービスの成長がこの変化の「主要な促進力」だとeMarketerは言う。同社は成人の1日あたりのオンラインビデオ利用時間は前年より26%増えて58分になると予測している。また2020年には中国の成人は自由時間の1/3をビデオ視聴に費やすとも予測している。

中国におけるデジタルメディアの勢いを示す兆候はこれまでにも見られており、同国のトップ企業が揃って相当額の資金を有力プレーヤーに注ぎ込んでいる。

Alibabaは2015年にYoukuを買収し、このYouTubeに似たサービスを46億ドルと評価した。一方、ライバルのTencentには独自サービスの “Tencent Video” があり、Baidu —— 中国の伝統的三大IT企業の残る一つ —— はビデオサービスのiQiyiを育て今年はじめに米国で上場を果たし15億ドルを調達した。3つのストリーミングプラットフォームはいずれもユーザー生成ビデオと制作作品シリーズの両方を提供しており、後者の一部はNetflixから供給されている

この三社以外に、Bilibili(米国でつい最近上場した)などのアニメーションプラットフォームやTencent-backed Kuaishouをはじめとするライブビデオプラットフォーム、さらにはeスポーツ専門で、今年はじめにGoogleから投資を受けたChushouなど、分野を絞ったバーティカル・ビデオサービスも出てきている。

ビデオは大きな促進要素に違いないが、中国人をスマホに縛りつけている唯一の理由ではもちろんない。チャットアプリのWeChat は中国全体でもっとも定着しているモバイルアプリだ。同社によるとアクティブユーザーは9億人以上で、毎日380億件のメッセージと2億500万件の通話が飛び交っている。

WeChatにはオフライン支払いの機能もあり、これも中国の新しい重要なスマートフォンの使い方になっている。WeChat Payのほかに、AlibabaAlipayは、5億2000万人のユーザーがカードや現金の代りに同サービスを使って商品を購入していると言っている。

AliPayの親会社であるAnt Financial新たに90億ドルの資金を調達し、会社評価額は1500億ドルにも及んだと言われている。

@sirstevenの情報に感謝。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Cloud Foundry財団、Alibabaがゴールド会員に――中国のクラウドのオープンソース化加速へ

Cloud Foundryはエンタープライズ分野でもっとも成功しているオープンソースプロジェクトだろう。これはクラウドの種類を選ばずソフトウェアを動作させるPaaS(Platform-as-a-Service)だ。これにより企業はソフトウェアの開発と運用が大きく効率化される。多数の大企業でアプリケーション開発の標準となっている。事実、Fortune 500にリストアップされた大企業の半数はなんらかの形でCloud Foundryを使っている。

このプロジェクトの生みの親であり、現在も運営に中心的な役割を果たしているPivotal近々上場を実施することもあり、 Cloud Foundryは現在のコアなユーザーグループの外に飛躍しようとしている。現在Cloud FoundryはCisco、IBM、SAP、SUSE、Google、Microsoft、Ford、Volkswagen、Huawei、NTT Communications、Fujitsuなどが支援している。

ここで今日(米国時間4/18)、中国の巨人、Alibabaグループ Cloud Foundry 財団にゴールド会員として参加した。AWS、Azure、Google Cloudなどに比べれば、Alibaba Cloudのメディアへの露出は少なかったが、世界的にみても大規模なクラウド・サービスの一つだ。今日から、Cloud FoundryはAlibaba Cloudで作動するようになった。Cloud Foundryのアプリケーションとコンテナのランタイムがサポートされる。

Cloud FoundryのCTO、 Chip Childersは私の取材に対して「Alibabaはオープンソース・コミュニティーで積極的な活動をしていくものと期待している」と述べた。またChildersによれば、Cloud Foundryは中国で急速に成長中だという。私の経験からも中国ではOpenStackなどの大型のオープンソースプロジェクトの成長が著しいようだ。

中国でオープンソースが普及するにつれ、企業はこうしたプロジェクトに効果的に貢献する方法を模索している。Coud Foundry財団に加入するのは最初の一歩だろう。Childersはまた伝統的な中国の大企業の多くがデジタル化による変身を図っていると語った。これがまた中国におけるクラウドやオープンソースツールの需要を高めているのだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Alibabaが「独身の日」に250億ドル以上の物品販売を行い新記録を達成

Alibabaは、中国最大のオンラインショッピングの日である「独身の日」(11月11日)に250億ドル以上の物品販売を行い、再び売上最高記録を達成した。

プラットフォーム上の「全ての商取引量」を示すGMVの総計は1682億人民元となり、これはおよそ253億ドルに相当する。Alibabaの場合、海外向けセールスや海外への出荷も行っているものの、その圧倒的強さは淘宝網(Taobao)市場と天猫(Tmall)ブランドストアから来るものだ。Alibabaは、24時間の間に14.8億件の取引を処理したと言われている。

これは昨年の売上総額である1207億人民元(約177億9000万ドル)を39%も上回る結果である、これは絶好調の中国内コアビジネスに支えられて、Alibabaの収益が61%も上昇した大ヒットの前四半期に続けての偉業だ。

比較のために、Alibabaの「独身の日」の結果を、米国最大のショッピングデーと比べてみよう。小売業者たちは、ブラックフライデー(11月第4金曜日)30億ドル、サイバーマンデー(ブラックフライデーの次の月曜日)に34億5000万ドルという最高記録を記録している。

関連:ライバルのJD.com(京東商城)は、11月11日のGMVが初めて1271億人民元(191億4000万ドル)を達成したことを明らかにした。

#Double11 2017: 24時の時点で GMV の合計は1682億人民元を超えた――これは253億ドル以上であり。このうちモバイルの売り上げが90%を占めた。

今年の数字は独身の日(11月11日)における成長が回復に転じたことも示している、投資家からみて重要な点であり、Alibabaは進展を見せなければならない。

この成長はAlibabaが2013年から2015年にかけて達成した60%という伸び率には及ばないが、昨年の32%を上回るものだ。これは今日達成された数字の規模とAlibabaのこの1年成長を併せて考えると、とても印象的なものだ。

この記念日は、もともと天猫のプロモーションとして、現CEOのDaniel Zhang(当時はビジネス部門担当)によって始められたものだ。目的は単身者の孤独感を軽減しようというものだったが、その後世界最大のシッピングデーになるまでに成長した。

GMVはチャートに示されていないが、それはAlibabaの売上を示すものではないことには注意が必要だ。同社が、電子商取引から収益を挙げる主な方法は2つある。1つは、天猫に出店したブランドから、販売手数料と「家賃」を徴収する。その一方、淘宝網は店舗に対して販売手数料は請求しない、その代わりに各店舗が商品の売上や認知度を上げるための広告費を徴収することで、収益を挙げる。

人民元(RMB)と米ドル(USD)の売上を見る際には、為替の変動を考慮に入れる必要がある。

今年の11月11日は、その日の最初の30分だけで約70億ドルの商品が売られるという、急速なスタートを切った。Alibabaはわずか12時間で、昨年の売上である180億ドルを上回った

もう1つの重要な指標はモバイルだ。このより高い数字は、Alibabaが新規のインターネットユーザーにリーチできていることを意味しているだけでなく、モバイルユーザーはより引きつけられやすく、明らかに重要な目標であることも示している。

今年Alibabaは売上高の90%がモバイルから行われたと発表した。この数字は2016年には82%、2015年には69%だった。

Alibabaが発表した多くの数字の中で、以下のものが特に目を惹くものだ:

  • 受注総件数は8億1200万件で23%増
  • インフラストラクチャーを担当するAlibaba Cloudは、ピーク時には32万5000件の注文を同時に処理した
  • Alipayは15億件の決済取引を処理し41%増
  • 1500万点以上のプロダクトが並ぶ天猫には、14万のブランド(そのうち6万は海外ブランド)が出店している。
  • 167の店舗が、それぞれ1億元(1510万ドル)以上の売上を達成した
  • 17の店舗が、それぞれ5億元(7540万ドル)以上の売上を達成した
  • 6つの店舗が、それぞれ10億元(1億5090万ドル)を売り上げた

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(翻訳:Sako)

FEATURED IMAGE: XINHUA/WANG DINGCHANG VIA GETTY IMAGES

NvidiaがスマートシティプラットホームMetropolis AIでAlibabaやHuaweiとパートナー

NvidiaのスマートシティプラットホームMetropolis AIは、まるでDC Comicsのスーパーマンの漫画にあったような名前だが、実際にはそれはGPUを使用するインテリジェントなモニタリングツールで、渋滞の解消とか、行政サービスの適正配分、迷子の老人や子どもの発見など、さまざまな業務を助ける。このほど同社は、Mtropolisの本格的な普及を目指してAlibabaおよびHuaweiとパートナーし、またMetropolisの一般供用バージョンにはそのSDK、DeepStreamを含めることになった。

Metropolisはビデオを使用し、2020年までには10億台以上の、インターネットに接続されたカメラを世界中の都市に据え付けて、警察や都市計画などあらゆる行政サービスをアシストするデータ分析AIアプリケーションを稼働させる。

Nvidiaは今日北京で行われた同社のGTXカンファレンスで、そんなアプリケーションの一端を紹介した。たとえば中国のHikvision Research Instituteのプロジェクトは、Jetson, Tesla P4, DGX-1といったNvidia製品〔主にディープラーニング関連〕を組み合わせて、顔画像と個人プロフィール情報のマッチングを90%の確度で行う。

こういった監視システムにはオーウェルの‘ビッグブラザー’的な気色悪さがつきまとうが、円滑で安全な都市交通ネットワークのための自動化情報システムが実現するためには、それが必要な第一歩だろう。たとえばAlibabaが考えているのは、都市計画部門における行政サービスの改善だ。またHuaweiなどは、もっぱら警察用アプリケーションに注力している。後者はそれこそ、ビッグブラザー問題を内包するかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Alibabaが顔認識による決済システム‘smile to pay’をKFCの杭州店でテスト開始

中国はデジタル決済ではかなり先を行っている。その最新の跳躍は顔認識技術、お客は笑顔を見せるだけで支払いができるのだ。

Alibaba傘下のAnt Financialが、その‘smile to pay’(笑顔でお支払い)サービスを、本社のある杭州で開始した。テストするお店はKFC(ケンタッキーフライドチキン)だ。

下のビデオでお分かりのように、顧客がすでにAlipayアプリで登録して顔認識を有効にしていれば、支払いのためにスマートフォンは要らない。POPのところにある3Dカメラが顧客の顔をスキャンして、本人性を確認する。電話番号入力で、セキュリティを強化することもできる。

今回の試行は、Alibabaにとっていろんな努力の成果だ。

同社は2年前にドイツで行われたIFAで、初めて顔認識技術を披露したが、そのとき社長のJack Maが紹介したのは、セルフィー(自撮り写真)を撮ってから支払いをするオプションなど、いくつかの基本的な機能だった。その後オプションは、かなり進歩した。ここでAlibabaが使っているのは中国のスタートアップMegviiのFace++と呼ばれる技術で、MegviiはFoxconnなどから1億5000万ドルあまりの資金を調達している。

KFCをテスト店に選んだのは、KFCの中国のオペレーターYum ChinaにAlibabaが投資しているからだ。McDonaldsやTaco Bellも、中国では同社がオペレーターだ。

Alibabaがこの技術をeコマースの未来と位置づけているのは、オンラインとオフラインのリテールを統合できる、と考えているからだ。同社は今年の初夏にキャッシュレスのストアを開店し、上海ではモバイルアプリで顧客体験を最適化できる近隣ショップを10店営業している

だから‘smile to pay’も、そういった戦略の一環だ。また、Alipayの人気を高めることにも貢献する。こちらはTencentのWeChat Payという強敵がいるから、とくに重要だ。なんといっても、WeChatは中国で巨大な人気を誇るメッセンジャーアプリだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Alipayが韓国のKakao Payに2億ドルを出資 ― 韓国のEコマース、モバイルペイメント市場に攻勢をかける

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AlibabaグループのAnt Financialが新たなM&Aを発表した。同社は、韓国のKakaoが展開するフィンテックプロジェクトに2億ドルを出資する。Kakaoは韓国でメッセージング業界で独占的な地位を確立しており、企業価値は50億ドルにものぼる。

AlipayやAlibabaのデジタルバンキング事業を運営するAnt Financialは、近日ローンチ予定のKakao Payに出資することを決めた。このディールにより、Ant FinancialはKakao Payを通して同社の金融サービスを韓国でも展開する。また、オンラインのペイメントサービスだけでなく、オフラインの金融サービスにもビジネスを拡大する構えだ。

Kakao Talkのユーザーは合計で4800万人。韓国では、95%のスマートフォンにKakao Talkがインストールされていると言われている。以前からKakao Talkにはモバイルペイメント機能は備わっていた。しかし先月、Kakaoの取締役会は同社の金融サービス部門の子会社化を決定。Kakao Payが誕生することとなった。Kakao Talkでは、店頭での支払機能、P2P送金機能、各種料金の支払機能、Webバンキング機能などが利用できる。また、今後はローンの借り入れ機能なども追加する予定だ。

Kakao Payが提供する各種機能は、これまでにAnt Financialが中国で提供し、成功してきた分野だ。そのため、このパートナーシップは両社に大きな戦略的価値を与えるものだと言えるだろう。Kakaoの成長を加速させることはもちろん、Alibabaにも大きなメリットがあるのだ。このパートナーシップにより、Alibabaは韓国のEコマース市場に攻勢をかけることが可能になるだけでなく、韓国を訪れる中国人観光客がAlipayを使いやすくなるというメリットもある。

Ant Financialは現在、30億ドルのデットファンディング・ラウンドを実施している最中だ。同社はこの資金を利用して他社への出資や買収を積極的に行っていくと話しているが、すでにその戦略は動き出している。Ant FinancialはアメリカのMoneyGramを8億8000万ドルで買収しただけでなく、最近ではタイのAscend Money、フィリピンのMynt、インドのPaytm、シンガポールのM-Daqなどに資本参加している。今回のKakao Payへの出資も含め、これらの動きはすべて戦略的な理由にもとづいたものだ。今後も同様の動きが見られることだろう。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Gfreshが2000万ドルを調達、海産物の売買のかたちを変える

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中国では平均可処分所得の増加とともに、海産物の消費量が増えている。しかし生で食べられる魚や甲殻類については、中国の国境をまたいで売買・輸送するのが難しい。

さらに過剰漁獲が問題になっている中、活魚を輸送する際の複雑さや、衛生・関税に関する規制対応の結果、毎年何トンもの海産物が廃棄されている。

上海を拠点とするスタートアップのGfreshは、効率的に中国全体および国外へ生の海産物を売買・輸送できるように、モバイルマーケットプレイスを開発するとともに物流サービスを提供している。

Gfreshの共同ファウンダーAnthony Wanによれば、同社はシリーズAで約2000万ドル(1億人民元)を調達し、ラウンドにはAlibaba傘下の投資会社Riverhill Fundと、RenRenという中国で人気のSNSに早くから投資していたLegend Capitalが参加していた。

すでにこのディールは8月にクローズしていたが、本日Gfreshは、中国で行われたQingdao Seafood Expoにて、Alibabaの共同ファウンダーであるSimon Xie Shihuangを同社の取締役に迎えると発表した。

Regs Groupという、家具輸送サービスを提供している大手企業のスピンオフとして2年前に誕生したGfreshは、これまでに2億ドル分の活魚を卸してきた。

Gfresh is a mobile marketplace for sales of live seafood.

Gfreshは活魚を扱うモバイルマーケットプレイス

同社はAndroid・iOS向けアプリのほか、ウェブアプリも準備しているが、現状ほとんどのユーザーがAndroid端末からアクセスしているとWanは話す。

プラットフォームの販売者側では、在庫や産地、魚種、品質、価格が設定可能だ。さらに、販売者は全体の販売価格や需要に関するデータを確認でき、これをガイドとして値段を設定することができる。

そしてユーザーがGfresh経由で海産物を購入すると、同社はGpayのエスクロー口座にその料金をおさめる。

また、少量の注文であれば、Gfreshが複数の注文をまとめてひとつのコンテナで輸出の手配を行い、それぞれの送り先に応じた、衛生基準や関税に関する書類の準備まで行うようになっている。

さらに商品到着時は、Gfreshが所定の港や空港まで冷蔵車でピックアップに向かう。

その後Gfreshは注文の品を卸業者のもとまで届け、そこでは検査官が受け取り時にビデオ撮影をするようになっている。これには、箱の中のロブスターが何匹が死んでいたり、高級食材である浮き袋の箱に十分な海水が入っていなかったりといった問題が発生した際に証拠を残しておく意味がある。

商品に何か問題があれば、Gfreshは販売額を割り引きし、残りの金額を事前に合意した条件に従って販売者へ支払う。Gfreshは将来的に、購入者が携帯電話やタブレットを使って、自分たちで品質管理のためのビデオを撮影するようになると考えている。

このようなビデオ撮影やエスクロー口座の使用は、世界中を飛び回って見込み顧客に会うための予算や詐欺を防ぐ手立てを持っていない、小規模もしくは職人気質の生産者にとっては大きな助けとなる。

またGfreshがバッチ輸送を行っていることから、小規模生産者は、輸出業者の提示する価格に屈することなく、限られた量の海産物を販売することができる。

「マーケットプレイスが、ホテルの予約や靴の購入のかたちを既に変えている一方で、私たちがGfreshを設立するまで、水産業界ではまだ握手とFAXに頼って取引が行われていました」とWanは説明する。

Gfresh cofounder Anthony Wan.

Gfreshの共同ファウンダーAnthony Wan

海産物の生産ハブとなっているオーストラリアのオークランドやシドニー、カナダのバンクーバーなどにオフィスを構えるGfreshは、シリーズAでの調達資金を、増員や新拠点の設立のほか、新たな”リバースオークション”機能のローンチに向けて使っていく予定だ。

生ものの在庫を抱える水産業では、シアトルからシドニーを含む主要な市場において、リバースオークションが1番人気の競りの形だとWanは話す。

長期的な計画として、Gfreshは同社のサービスとアプリをアジア以外の地域にも展開するとともに、例えば(生きていなくても)新鮮な魚やフルーツのように、傷みやすくて輸送の難しい活魚以外の商品を取り扱っていきたいと考えている。

 

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

株価の不振続くYahoo、2015年度決算発表でコア・ビジネス売却の可能性を示唆

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これはほぼ予期されていたことなので、大きな驚きではない。

コア・ビジネスであるインターネット部門が不振を続ける中、アメリカYahooは「戦略的な選択肢を検討中」だと述べた。これが示唆するところはかなり幅広いが、その中には以前も報じたように、コア・ビジネスそのものを他社に売却する可能性が含まれる。

アメリカYahooは四半期決算の発表資料の中で次のように述べている。

株主価値を最大化するため、Yahoo取締役会は現に確定している経営計画の実行と平行して他の戦略的選択肢を検討するべきだと信じる。われわれ自身が運営する事業からAlibaba株式を分離することは依然として最重点課題であり、企業価値の最大化のためにもっとも直接的に有効な手段だと考える。すでに詳しく検討された通り、各種事業の分離(reverse spin)を進めていくと同時に、Yahooは十分に根拠ある戦略的提案を検討していくことになろう。

要するに、この声明はYahoo本体の事業がうまくいっていないことを自認したかたちだ。アメリカYahooは今日、年間決算を発表した。四半期決算同様、ここでも売上の成長の停滞、メインストリームに入れぬままの数多くのプロダクトなどが目立った。全体として投資家を納得させるにはほど遠い内容となっている。

2012年にMarissa MeyerがCEOに就任した際の目標は会社を再び成長路線に引き戻すという非常に野心的なものだった。Meyerはモバイル・アプリを中心にポートフォリオの整備を進め、Yahooを昔のように人々の生活に不可欠の存在にしようと努力した。

以前TechCrunchが報じた通り、Yahooは2016年には新たなコア・ビジネスの構築に務めると同時に、社員の15%をレイオフし、国外オフィスの多くを閉鎖するとしている。しかしこうした努力にもかかわらず、株価を上昇させる効果は見られなかった。つまりすべては決算の発表前に予想された通りであり、まったく驚きの要素がなかったということだろう。

事実、今日現在のYahooの企業価値の大部分はAlibaba〔とYahoo Japan〕の株式だ。このことがそもそもYahoo取締役会がコングロマリットを解体し、インターネット事業の売却を考えている理由だ。取締役会がこういう方針を検討しているというニュースが報道されただけで、株価は7%も跳ね上がった。長年にわたって株価の下落が続いてきたYahooとしては非常に珍しい事態だった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Alibaba、上海のレストランの宅配スタートアップ、Ele.meに12億5000万ドル出資か

2015-12-27-alibaba

Alibabaグループは上海の料理宅配サービス、Ele.meに12億5000万ドルを出資する方向だと中国のニュースサイト Caixin〔財新〕が報じている〔URLは中国語記事〕。この投資が行われればAlibabaはこのスタートアップの株式の27.7%を握り、最大の株主となる。

われわれの Crunchbaseによると、Ele.meはこれまでに10億9000万ドルのベンチャー資金を調達している。投資家のリストにAlibabaのライバルであるTencentとJD.comが含まれている点が注目だ。Ele.meが実施した最大の資金調達は今年8月に発表された6億3000万ドルに上るシリーズFラウンドだった。

TechCrunchはAlibabaとEle.meにコメントを求めている。

この投資が実施されればAlibabaのO2O戦略は大幅に強化されるはずだ。 O2Oというのはオンラン・トゥー・オフライン、ないしオンラン・トゥー・オンラインの頭文字で、eコマースのプレイヤーはオンラインで金を使う顧客にオフラインでも金を使わせようと努力している。逆に、というか、同時に、普段は実店舗で買い物をしている顧客をオンライン消費に引き込む努力でもある。

Alibabaの他のO2O分野での投資には中国最大のモバイル支払サービス、Alipay、eコマース・チェーン、Suning〔蘇寧電器〕、タクシー配車アプリのDidi Kuaidi〔快的打车〕などがある。

画像: aaron tam/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Yahoo取締役会、Alibaba株を売却しないと決定―会社は2社に分割

2015-12-10-marissa-mayer9

アメリカのYahooは今日(米国時間12/9)、中国のeコマースの巨人Alibaba株を売却する計画を撤回したというテレビ報道事実であると確認した。このニュースを受けて、市場が開く前の時間外取引だが、Yahoo株は上昇中だ。

今月初め、Yahoo取締役会がAlibaba株の売却という選択肢を検討中だという報道が行われた。この噂で Yahoo株は一時、7%アップした。

CEOのMarissa Mayerはこの7月、eコマースのAlibaba資産を分離し、会社を分割する計画を発表していた。.

しかし最近、数週間、320億ドルもの資産の行方について不透明性が高まっていた。この問題に関するアメリカ内国歳入庁の見解が不明なため、投資家は巨額の課税が行われる可能性を恐れたものとみられている。「もの言う株主」は Yahooを訴える構えをみせていた。

今日、Yahooの発表によれば、「取締役会は、わが社の長期的な株主価値の最大化を図るための最良の方策を慎重に検討した」という。その結果、Yahoo取締役会は「Alibaba資産を新会社に移して売却する」案を全員一致で棚上げすることとした。

Yahooによれば、同社は今後「逆オプション」を検討していくことになる。これはYahooは別会社を設立しここにAlibaba関連以外の本体の資産と債務(つまりインターネット事業のすべて)を移管するという計画だ。その結果、Yahooは相互に独立な株式公開企業2社に分割される。

この「逆分割」案は、Alibaba株を売却した際に課せられるおそれのある巨額の課税に対する投資家の懸念に配慮したものと思われる。

ただし今回の2社分割案もまだ多くの第三者の承認を必要とする。株主の承認はもちろんだが、SEC(証券取引委員会)への申請書の提出と承認が求められる。すべて順調にこうした承認が得られたとしても、会社分割の完了には1年以上必要とするだろうとYahooは述べている。

CEOのMayerはこの決定にコメントし、「 Alibaba資産を分離することはわれわれが継続中であるビジネスの改革の重要な一部をなす」と従来からの見解を繰り返した。【略】

しかし、Yahooから高価値のAlibaba資産を分離することは本体事業を買収しやすくする効果もありそうだ。ただしこれは本体に従来Yahoo傘下にあったどの事業資産が継承されるかによって大いに変わってくる。

Finacial Timesの記事によれば、いくつかの未公開株式会社とメディア・インターネット関係の広告会社がYahooの買収に興味を示しているという。今週月曜にはVerizon(注)が「仮に可能なのであればYahoo買収に関心がある」と述べている。

インターネット事業が分離されればYahooは現在とはまったく異なる性格の企業になるだろう。他国の巨大eコマース事業の15%の権利を保有するもものの、自らは積極的なインターネット事業者ではなくなるわけだ。

Mayerは2012年7月に GoogleからスカウトされてYahooの CEOに就任した。【略】3年後の現在もYahooのサービスは生き残りのために苦闘を続けている。特にモバイル・サービスのイノベーションでは出遅れぎみだ。また広告売上ではGoogleやFacebookなどの企業に厳しい戦いを迫られている。それでもMayerはこの秋、Googleとの検索広告契約をさらに3年延長する契約をまとめることに成功している。

今回のYahooの新しいプランについて、 Gartnerグループのリサーチ担当副社長、Andrew Frankはわれわれの取材に対して、「Yahooのコアビジネスには依然として成功の可能性があると思う。Yahooは多様なデジタル・メディアを抱える独立の企業として発展することができる。しかしこの道を選ぶとなると、株主からの相当の圧力を受ける覚悟が必要だろう」と述べた。

Frankはまた「これは以前からの私の持論だが、Yahooはテクノロジーの革新者というよりもメディア企業としてうまくやっていける可能性が高い。しかしメディアとして成功するためにはポートフォリオのコンテンツのブランド価値の向上と管理の努力が必要とされる。もし独立企業としてこれが難しいなら、他の巨大企業の傘下に入り、自身としてはコンテンツの配布、広告、新規ユーザーの獲得などの分野に専念するというオプションも有望だろう」と付け加えた。

(注):VerizonはTechCrunchの親会社AOLのさらに親会社となる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

米YahooはAlibaba株を売却、スピンオフしないとのテレビ報道流れる(TechCrunchは取材中)

先ほど CNBCニュースは、「YahooはスピンオフしてAlibaba株を売却しない」とする情報源の証言を報じた。

今月始め、Wall Street JournalはYahooの取締役会は会社をスピンオフさせるべきか、現在同社が所有しているAlibabaインターネット資産の15%を売却すべきか、その双方の措置を講じるべきか議論していると報じた。YahooのAlibaba持ち分にどのような課税が行われるかが不明な点がこの問題を難しいものにしていた。

Yahooの株価は時間外取引で2%アップしている。

TechCrunchはYahooにコンタクトを取って取材中。

何かつかめ次第アップデート…

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Yahooが本体のインターネット事業を売却、との報道で同社の株価は7%急増…残るはAlibabaとYahoo Japanの持ち株のみ

yahoo-logo

The Wall Street Journalの記事によると、Yahooの取締役会は、今後の複数の会議において、同社の中核事業の売却を検討する。

そして当然ながら、このニュースのあとの時間外取引でYahooの株価は7%急増した。同社の中核事業はおおむね低迷していたし、同社が保有しているAlibabaの持ち株の方が、Yahoo本来の時価総額よりも高くなっていた。その中での株価急増は、意味が大きい。

WSJの記事によると今後の会議で取締役会は、Alibabaの持ち株と同社のインターネット資産の両方を売るか否かを決定する。売却を提案されている同社のAlibaba持ち株は、税の問題がらみで売るのは容易でないと報道されて以来、今後の取り扱い方針が未定のままにされていた。

一方同社のぱっとしないパフォーマンスにより、今年の株価は30%以上下がっていた。

同社の、AlibabaとYahoo Japanの持ち株を合わせた額に比べると、株主たちの評価による同社の中核事業の実質価値は、ゼロ以下である。つまり会社の将来性に対するポジティブな確信がほとんどない、ということだ。今や株主たちにとって断然重要なのは、Yahoo JapanとAlibabaの持ち株の方だ。

〔ここにグラフが表示されない場合は、原文をご覧ください。〕

[graphiq id=”fg7vHLreF7″ title=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – Trailing Year” width=”600″ height=”487″ url=”https://w.graphiq.com/w/fg7vHLreF7″ link=”http://listings.findthecompany.com/l/19200951/Yahoo-Inc-in-Sunnyvale-CA” link_text=”Yahoo Inc. (YHOO) Stock Price – Trailing Year | FindTheCompany”]

 

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

アリババ、イスラエルのスタートアップの画期的QRコードを採用―ドットに邪魔されず画像を表示

2015-05-19-visualead

アメリカの読者にはQRコードがアジアでどれほど普及しているかぴんと来ないかもしれないが、つまらない(と皆さんが思っている)QRコードに革命が起きている。ともあれ「ドットレス」のビジュアルQRコードを開発したイスラエルのスタートアップ、VisualeadとスポンサーのAlibabaは、そう言っている。AlibabaはこのドットレスQRコードの最初期からの採用者であり、この1月にはVisualeadに正確な額は公開されていないが、数百万ドルを投資したと報じられている。

Visualeadの共同創業者、CEOのNevo Alva toldはTechCrunchの取材に対して「新しいQRコードにはさまざまな利点があるが、その最大のものはドットに邪魔されずにスペースのほとんどを使って画像が表示できることだ。小売業者は新QRコードを利用してブランドやメッセージを表示できる。またセキュリティーも大きく向上した」と語った。

「われわれの新フォーマットは現行のビジュアルQRコードの次世代版だ。われわれはマーケットからの声に耳を傾けてこのフォーマットを開発した。新フォーマットは消費者との対話を大いに活発化する」とAlvaは言う。

Visualeadによれば新QRコードは「偽造がほとんど不可能」だという。これはAlibabaを始めとする小売業者を悩ませる偽造商品対策を大きく前進させる。偽造商品の販売に関連して先週、アメリカのラクシャリー製品のメーカーから訴訟を起こされたAlibabaは、i淘宝(タオバオ)マーケットプレイスで新しいドットレスQRコードを利用したBlue Starsキャンペーンを展開している。これによると、タオバオのマーチャントはドットレスQRコードを印刷して商品に貼り付けなければならない。商品を受け取った消費者がQRコードをスキャンすると商品が真正であることが確認できる。

最初に述べたように、アジアではQRコードはビッグ・ビジネスだ。特に中国ではオフラインからオンラインへ消費者を誘導するための中核的な役割を担っている。 北京の地下鉄に乗ればすべての広告にPRコードが印刷されているのに気づくだろう 。Alvaは「われわれのビジュアルQRコードは従来のものに比べて消費者の反応を4倍に高める」と主張する。

創業者の言葉をうのみにするわけにはいかないが、その主張を裏付ける事実もある。Alibabaの投資―同社として初めてのイスラエルのスタートアップへの出資―自体ものその一つだ。またVisualeadはすでにフリーミアム・サービスに50万以上の顧客を獲得しているという。Alvaは「何十万社がなんらかの形で有料サービスを利用している」と述べた。

しかし新しい規格を浸透させるには時間がかかる。AlvaはAlibabaに採用されたことが普及を大きく加速するものと期待している。

欧米への普及に関してもAlvaは望みを捨てていない。多少の時間はかかるだろうが、適切なパートナーを得られれば、欧米でも新QRコードの価値は必ず認識されるようになると考えている。

「欧米の専門家は『QRコードは死んだ』と5年も言い続けている。しかし啓蒙と浸透によってO2O [オンラインとオフラインをまたいだコマース]でQRコードは必ず成功する」とAlvaは言う。

Messengerをプラットフォーム化し、支払を可能にしたことで、Facebookは一段とeコマースに近づいた。ライバルのメッセージ・アプリのひとつ、Tangoは先週、ショッピングを全面的にサポートした。Amazonも定期的に購入するアイテムの保管場所に取り付けておき、 ボタンを一回押すだけで補充注文ができる物理的デバイス、Dashを発表した。 O2O分野でのこうしたさまざまな努力と比較すると、QRコードの柔軟性と汎用性が際立つ。アジアでは以前からメッセージ・アプリがeコマースの有力なチャンネルだったが、アメリカでもそうなりつつある。これはアメリカにおけるQRコードにとっても追い風かもしれない。

Alavaはすでにアメリカ企業とも接触していると語った。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+