輸送や交通の自動化を目指すMay Mobilityが、いわゆる自動運転技術に関しては単なるアクセシビリティー以上のものを実現しようとしている。その同社は最近、自動運転シャトル車の車いすバージョンの開発を始めた。そのプロトタイプのテストが最初の供用予定地オハイオ州コロンバスで行われ、コミュニティの人びとからのさまざまなフィードバックを集めた。
車いす利用者のための乗車と下車の便宜および、シャトルの走行中の安全確保が設計に導入されている。最初に得られたフィードバックからは乗下車のためのが補助スロープがもっと長くて傾斜がゆるくないといけないことが分かった。関連して、乗車と下車のための停車場の設計にも、問題があった。
本格供用に向けて改善点がまだいろいろあるが、最初のパイロット的運用はもうすぐコロンバスとプロビデンス、およびグランドラピッズで行われる予定だ。
同社によると最終的には、そのソリューションは少なくとも、今の公共交通機関における車いす介助方式と同等、とユーザーに感じてもらえるものでなければならない。
May Mobilityの共同創業者でCOOのAlisyn Malek(アリサイン・マレック)氏は、TechCrunch Sessions: Mobilityでこう語った。「どうやって、交通を誰にとっても容易なものにできるだろうか?この問題意識の中でとくに重要なのが誰にとってもの部分だ」。
このような低速の電気自動車に関しては、米国など多くの国でまだその設計や安全性機能に関して明確な指針や規制がない。そこで同社が考えたのが、障害者向けの設計に関して最初からコミュニティと協働することだ。自動運転車を作っている企業のほとんどが「まるで決まり文句のように、これまで自動車に乗れなかった人でも乗れるようになる」と言う。しかし実際には、そんなアクセシビリティーのために具体的で現実的な工夫を実装しているところはほとんどない。
しかしごく一部の企業、例えばライドシェアサービスのLyftは、自動運転車を開発しているAptivおよび全米視覚障害者連合とパートナーして、目の不自由な人でも利用できる自動運転車サービスを設計している。しかしMay Mobilityのシャトルサービスは、ひとつの会社や機関としての完全な管理体制の中で商用のコミュニティサービスとして展開できる。つまり同社のアクセシビリティー対策は、既存のバス会社やタクシー会社、もしくは一部の行政サービスなどでもすぐに採用して実用化できる。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)