Alexaの新モバイルアプリはサードパーティスキルよりもアマゾンならではの機能を重視

Alexaの新しいデベロッパーツールを先週発表(未訳記事)したAmazon(アマゾン)は米国時間7月27日に、Alexaの消費者向けモバイルアプリのアップデートを発表した。この新しいアプリは特にホーム画面でのパーソナライズ化されたユーザー体験に力を入れており、Alexaの使い方ガイドも充実している。特に目立つのは、サードパーティ製スキルの案内をメインの画面から外し、あくまでもAlexa本来の使い方を重視していることだ。

ホーム画面のデザインもアップデートされ、上部に大きなAlexaボタンがある。そして、Alexaを始めるにはそのボタンをタップするか、「Alexa」と呼びかけると教えてくれる。

画像クレジット:Amazon

その下にはパーソナライズ化のための提案のリストがあり、ユーザーのリマインダーや最近再生した音楽、Amazonオーディブルの本、ショッピングリストなどの情報や、ユーザーの使い方から、その人にとって重要なことを推測する。

またユーザーがよく使う機能や、例えばEchoデバイスの音量といったアクティブな機能のコントロールも行える。アマゾンによると、以前の音量を指定することもできる。ちなみにこれらのEchoデバイスには、Alexa対応のワイヤレスイヤーバッドも含まれる。これは最近発表されたモバイルアプリをコントロールするためのAlexaの新しい機能(未訳記事)を有効にする計画の中では、特に重要なデバイスだろう。

初心者ユーザーのためのモバイルからAlexaの使い方の説明も詳しい。例えばAmazon Musicで音楽を聴いたり、Alexa Shoppingのリストを管理するなど初心者向けの提案がある。

一方、Reminders(リマインダー)やRoutines(ルーチン)、Skills(スキル)、Settings(設定)などの高度な機能は、今回のデザイン変更により「More(もっと見る)」ボタンの下へ移った。しかしながら、これらの変化によってAlexaのホーム画面がすっきりしたわけではない。

アップデートではAlexaボタンが画面上部にあるため、ナビゲーションバーの空いたスペースには新たに「Play」ボタンが加わった。これはもちろん、メディアの再生だ。この新デザインではAlexaの専用アプリが、ユーザーの毎日の生活の一部になるようなスイートスポットにはない。

以前は日付やお天気などが画面上部にあり、これらのアプリの日常性が意識されていた。しかしこれからは「ユーザーはAlexaではAlexa固有のことをしたいのだ」とアマゾンは理解したようだ。そのため最近のアクションへのアクセスが容易になり、例えばEchoのスマートスピーカーでやっていたことなどを前回、止めたところから、効果的に再開できる。

現在のAlexaアプリ(画像クレジット:TechCrunch)

Alexaの世界では、スマートフォンでサードパーティ製のアプリと呼んでいるものをスキルと呼ぶが、今度のアップデートではその優先度が下がったようだ。やはりまだまだAlexaのスキルは、iOSアプリのためのApple App StoreやAndroidのGoogle Playほどまでのアプリのエコシステムには進化していない。調査によると、大量のAlexaスキルが未使用(Voicebot記事)で、そのため新しいスキルのリリースのペースも鈍化している

そこで従来のようにホーム画面で人気スキルを顔見世するのをやめて、それらの「Skills & Games」機能は「More」タブへシャッフルされた。サードパーティではなくアマゾン自身のファーストパーティ機能、すなわちショッピングやメディアの再生、コミュニケーションなどが、今やホーム画面での良い位置を占めている。

アマゾンによると、このアップデートされたアプリはiOSとAndroidとFire OSデバイスで、1カ月ぐらいで全世界に展開される。8月の終わりごろには、全ユーザーが新しいユーザー体験へ移行するのだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アマゾンがAlexaモバイルアプリに「ハンズフリー」機能を追加

Amazon(アマゾン)はモバイルユーザーが同社のバーチャルアシスタントであるAlexa(アレクサ)を外出中でも簡単に使えるようにする。アマゾンは米国時間7月7日に、iOSおよびAndroidのAlexaアプリでAlexaを「ハンズフリー」で利用できる機能を追加したことを発表した。ユーザーはAlexaを使ってプレイリストを作ったり音楽を再生したりスマートホーム機器を制御したりといった操作を、端末に触れることなく実行できることになる。

ハンズフリー体験を始めるには、まずSiriやGoogleアシスタントなどのデジタルアシスタントに指示を出してAlexaアプリを立ち上げる。あとはいつものように「Alexa、温度を22度に設定して」とか「Alexa、明日の12時にジェンに電話するように言って」とか「Alexa、明日の天気は?」などと話しかければよい。Alexaアプリから直接、音楽ストリーミングをリクエストすることもできる。

これまでAlexaに話しかけるには、アプリ画面下にあるブルーのAlexaボタンを押す必要があった。

ウェイクワードが検出されると、アプリ画面の下に青い線のアニメーションが表れて、Alexaがリクエストをクラウドに送っていることが示される。

これまでアマゾンはメインのショッピングアプリ(未訳記事)やAmazon Music(アマゾン・ミュージック)などにAlexa体験を統合してきた。Musicアプリには2018年にAlexaのハンズフリーオプション(未訳記事)が追加され、タップすることなく音楽を再生したり曲を選んだりできるようになった。しかし、Alexaアプリはこれまで「タップして話す」方式を続け、Amazon EchoスピーカーやタブレットなどほとんどのデバイスにおけるAlexaの操作と一致していなかった。

アプリをアップデートすると、ハンズフリーを有効にするオプションが表示されてこの機能を利用することができる。ユーザーはいつでも設定変更して機能をオフにできる。

Amazonによると、この機能は端末のロックが解除されていて、Alexaアプリが画面に表示されているときだけ機能する。ロック状態のときやアプリ画面が閉じていたりバックグラウンドで動作している時には、Alexaを呼び出せない(本誌ではまだアップデートを入手していないので確認できていない)。

新機能を利用するには、AppleのApp StoreかGoogle PlayストアでAlexaアプリを最新バージョンにアップデートする必要がある。

アップデートは今後数日かけて全世界のユーザーに配信されるので、今すぐは新機能を使えないかもしれない、とAmazonはいう。

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アマゾンのEcho Lookは役目を終えて2020年7月には機能停止

2017年の半ばに導入されたEcho Lookは、Echoシリーズの中でも印象の薄いものであり、はっきりいえば奇妙な感じのものだった。オーナー自身のビデオとセルフィーを撮影する小さなカメラを内蔵し、機械学習を利用して服装を選ぶアドバイスをするように設計されていた。

この製品がブームにならなかったのも、実際驚くには値しない。そして発売から3年が経過した今、使命を終えることになった。Voicebot.aiが最初に指摘したことだが、Amazon(アマゾン)は顧客への書簡で、Lookが製造中止になったこと、そしてそのためのサービスはこの2020年7月に完全に終了することを通知した。

アマゾンも正式に公表したように、この3年は機械学習アルゴリズムをトレーニングするための実験と訓練だったのだろう。同社はTechCrunchに対し、以下のように述べている。

3年前にEcho Lookを導入したときの目標は、Alexaをトレーニングして、スタイルアシスタントにすることでした。AIと機械学習をファッションに適用する、まったく新しい手法です。実際にお客様の助けを借りてサービスを進化させ、Alexaが服装についてアドバイスしたり、スタイルを提案をできるようになったのです。そこで、このStyle by Alexaの機能をAmazonショッピングアプリとAlexa対応デバイスに移植し、さらに便利なものにして、より多くのアマゾンのお客様が利用できるようにしてきました。そうした理由で、Echo Lookを収束させるときが来たと判断したのです。2020年7月24日以降は、Echo Lookと、そのアプリがいずれも機能しなくなります。Amazonショッピングアプリや、Alexa対応デバイスをご利用のお客様は、引き続きAlexaからのスタイルアドバイスをお楽しみいただけます。私たちは、Alexaを通して、お客様のスタイルに関するニーズをサポートし続けることを楽しみにしています。

やはり思った通りだ。とはいえ、この製品に実際に200ドル(約2万1600円)を払った人にとっては、まったくがっかりだろう。このLookは、そもそも見た目からして、それほど世間の注目を集めるようなものには思えなかった。現在、米国アマゾンのEcho関連製品リストの中では、51番目のベストセラーと位置づけられている。もしかすると、この記事を読んで、初めてEcho Lookの存在を知ったという人も少なくないのではないかと思う。何度も言うようだが、Echoシリーズの中でもニッチな存在にならざるを得ない製品にとって、こうした運命が待ち受けていたことに、何の驚きもない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)