Curativeは画期的な新型コロナ検査方法で米食品医薬品局の認可を取得

診断法のスタートアップであるCurative(キュラティブ)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染を診断する画期的な検査方法について、米食品医薬品局(FDA)から非常事態時に限った使用認可を取得した。

同社によると、この検査方法は3月末からすでにロサンゼルス市に導入されており、5万3000人の住民が検査を受けているとのことだ。

Curativeの検査では、被験者に咳をしてもらい痰を採取することで、肺の奥のウイルスが検出できるのだと広報担当者は話している。

FDA最高科学責任者Denise Hinton(ダニース・ヒントン)氏がデジタル署名した書簡では、Curativeの検査が以下のように解説されている。

この製品の使用にあたっては、最初に口腔咽頭(喉の)スワブ、鼻咽頭スワブ、鼻腔スワブ、および口腔液検体よりSARS-CoV-2核酸を抽出し分離、純化する。次に、純化した核酸をcDNAに逆転写した後に、PCRによる増幅および認可されたリアルタイム(RT)PCR装置を用いた検出を行う。このCurative-Korva SARS-Cov-2検査は、EUA(緊急使用時許可)の要請により提出された認可手順に解説されているとおり、衛生研究所で一般的に使われているすべての市販マテリアル、またはその他の認可されたマテリアルおよび認可された補助的試薬が使用できる。

dot.LAで最初に紹介されたCurativeは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校と提携する医療研究施設KorvaLabs(コーバラブズ)と共同で検査処理を行っている。

この検査方法は、米国での検査数に歯止めをかけているサプライチェーン不足の回避を目指している。現在米国では、検査キットに必要な重要部品の調達が世界的な新型コロナウイルスのパンデミックの影響で調達困難に陥っているため、検査キット不足が続いていると同社は話す。

Curativeは、検体採取と抽出キットの部品の多くを代替する製品の生産に取り組んでいる。それを同社は、磁気シリカビーズを使用しない大規模なRNA抽出方法と呼んでいる。

同社は、もともと敗血症のための画期的な検査方法の開発を目指して2020年1月に創設されたのだが、新型コロナウイルスが世界中に蔓延するようになり、その検査に方向を切り替えた。

「私たちの目標は、新型コロナウイルス検査キットの直交的なサプライチェーンを構築することです。それにより、公共衛生と米疾病対策センターの足かせとなり生産拡大を阻んでいる材料を買わずに済むようになります」と、同社はウェブサイトで述べている。「私たちはまた必要な試薬を提供することで、医療研究所の稼働率向上を目指す事業にも協力しています」。

Curativeは、同社の検査方法は2つの点で優れていると話す。その検体採取法は、医療従事者を危険にさらすことが少ないため個人用保護具の必要量を少なくできる点、そして、代替サプライチェーンを使うことで、素早く検査を拡大できる点だ。

同社は既に1日におよそ5000件の検査を可能にしており、1日に2万個のキットを生産している。検査結果は31時間ほどで届けられる。

「多くの人が検査できる体制は、我が国の新型コロナウイルス対策には欠かせません。認可を得たことで、私たちはさらに生産量を増やし、全国に私たちの検査キットを届けます」と、Curative Inc.の創設者でありCEOのFred Turner(フレッド・ターナー)氏は話す。「私たちは、ロサンゼルス市とロングビーチ市と共同で、数千の人々がドライブスルー施設で検査が受けられるようにしましたが、この検査をさらに全国の大勢の人々にも拡大できるよう、既に万全の態勢を整えています。同時にこの検査キットを使った自宅での検体採取を許可するよう、私たちはFDAとの協議を続けています。認可が得られれば、さらに検査数を増やせます」。

新たに認可されたことで、同社は全国のさらに多くの販売業者と事業を広げることが可能になる。

Curativeの検査は既にロサンゼルスとロングビーチで導入され、ロサンゼルス郡、ロサンゼルス郡消防局、ロサンゼルス郡保安局によって組織的に実施されている。検査キットは消費者に直接販売されるものではなく、医師による注文が必要だと同社は話している。

ベンチャー投資企業のDCVCの支援を受けているCurativeだが、DCVCが有限責任社員に、望むならCurativeの検査キットが手に入ることを示唆する手紙を出したことで、早くも物議をかもした。

DCVCの手紙には以下のように書かれていた。

新型コロナウイルスの症状があり、すぐに検査を受けられない場合は、速やかにお知らせください。我々のポートフォリオに含まれているある企業との特別な関係を通じて、検査キット(簡単で早くて安全な唾液または痰のスワブによるテスト)の送付を手配します。検査結果は1〜3日で郵送されます。

これに続くブログ記事で、DCVCの共同経営者たちはその主旨を以下のように説明した。

州境をまたぐ遠隔治療を可能にする規制変更に伴い、DCVCのすべての知人のみなさんに、Carbon (Health)の優れた医療ケアと完全な検査方法のことを知っていただきたいと考えたのです。そしてもちろん、それには私たちのL.P.で働く方々も含まれます。彼らも我々同様、この厳しい時期に際し、自分自身や家族に対して難しい決断を下しています。

Carbonは素早く患者に優しい電子患者研修により今のペースを保っていますが、Curativeの検査能力が加わったことで、今後10日間で1日あたりの検査数が1万件に拡大される見通しです。この医療戦力の合体が、すべての人への医療を、まさに「手配する」のです。

私たちの表現が傲慢に聞こえたでしょうか? それについて言い訳はしません。誤解された方がいれば、とても残念に思います。誰であれ「割り込み」は許されません。私たちは、友人のみなさんと私たちのコミュニティーに、いつでも質の高い医療を受けることができ、しかも私たちのポートフォリオにある最先端技術を活用できることをお伝えしようと努めているのです。

新型コロナウイルスのアウトブレイクに対処する上で、正確な検査が最重要であることに変わりはないが、数多くのスタートアップ企業が革新的な診断方式の開発に取り組んでいる。

ハーバード大学免疫学者William Hanage(ウィリアム・ヘイネージ)氏は、Business Insiderに「社会で実際に何が起きているのかを正確に知ることが、このパンデミックに対処する上での重要な鍵になります」と話している。

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Mesa Biotechのわずか30分で結果が出る新型コロナ用迅速検査をFDAが緊急承認

米国食品医薬品局(FDA)は緊急使用許可(EUA)の権限を利用して、米国内で利用可能なCOVID-19こと新型コロナウイルス感染症の検査資源を拡大しているが、ついにわずか30分で結果が得られる別の迅速検査を追加することになる。Mesa Biotechの検査は診療所や病院を含む医療の最前線で使用できるほど小型で、かつ複数の検査を並行して実行できる。

Mesaの迅速検査は、米国時間3月23日の月曜日に承認されたCepheidに続くものだ。どちらもPCRベースの分子検査で、患者の粘液サンプル中のウイルスDNAの存在を識別する。これらのテストは、実験室レベルの結果が提供でき、より迅速でサンプルを収集し現場から離れた検査施設へと輸送せずに実施できるので、新型コロナウイルスの感染と戦うための重要な技術資源の分散を防ぐことができる。

現場での検査は、利便性と迅速な結果が得られるという点でメリットがあるだけでなく、医療従事者がウイルスにさらされる可能性を制限するという利点もある。現場でテストすることは、物流や配送に関わる人だけでなく、ラボの技術者や専用の診断担当者を含むより多くの人々が、ウイルス感染の可能性を心配しなくていいいことを意味する。

これらの検査には、施設がMesaのAccula検査システムを導入している必要がある。しかしこの装置はインフルエンザの検査だけでなく、それほど深刻ではない他の検査にもすでに使用されており、以前のSARSを含む世界的なパンデミックと戦う最前線での使用に対処するために、特別に設計されたものだった。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

15分で終わる新型コロナ家庭用テストをScanwellが開発、FDAの承認待ち

スマートフォンベースでの尿路感染症テストを手掛ける在宅診断スタートアップのScanwellが、新型コロナウイルスの家庭用テストを米国民に提供するべく取り組んでいる。中国の診断テクノロジー企業INNOVITAが開発したこの技術は、FDA(米食品医薬品局)に相当する中国政府の当局にすでに承認され、中国では「何百万」という人が使用している。このテストは家庭で行うことが可能で、遠隔からの医療専門家によるガイダンスに従いながら15分で終わり、結果は数時間で判明する。

ScanwellのテストはFDAの承認が必要だが、FDAの緊急認証プログラムを通じてすでに現在承認を得る過程にあるという。FDAのガイダンスでは承認プロセスには6〜8週間かかるとされている(もっと早くなることもある、とScanwellは話している)。そして現在、Scanwellは承認され次第すぐにテストを出荷できるよう、準備を進めている。FDAが緊急認証プログラムでこれまでに承認したのはPCRテストのみだが、今週初めに血清テストも含めるようガイダンスをアップデートした。Scanwellは「FDAの承認を得るのに何ら心配はしていない」とさえ話す。

Scanwellがローンチしようとしているテストは、患者の血液の中の抗体を探すという、いわゆる「血清学的な」テクニックを使っている。これらの抗体はSARS-CoV-2ウイルスにさらされたときにだけ出現する。現段階では、これらのウイルスに対する自然抗体がウイルスにさらされることなく存在するという証拠は見つかっていない。それとは対照的に、現在米国で使用されているタイプのテストである「PCR」は、ウイルスが粘液サンプルの中に遺伝子として存在するかどうかを確かめる分子ベースのアプローチをとっている。

PCRタイプのテストは、血清学的なものよりも専門学的にはより正確だ。しかし血清学バージョンははるかに扱いが容易で、より早く結果を得られる。また、全体的にはかなり正確で、PCRバージョンよりずいぶん低コストで生産できる。加えて、症状が出ている最もシビアなケースだけに限定せずに検査できるようになるかもしれず、すでに自宅で回復している症状がマイルドな人、無症状だがウイルスを持っていて他人にうつす可能性のある人を含め、ウイルスの存在を見つけ出すのに大きく貢献する。

月曜日からEverlywellが展開する予定のもののように、PCRベースの家庭用テストはすでに存在しているが、これらはテストサンプルの回収が必要で、時間もかかる。また、複雑でコストもかかり、世界的に現在不足している綿棒などの材料を必要とする。

テストが利用できるようになれば、人々はScanwellのScanwell Healthアプリにあるスクリーニングプロセスで申し込みができ、テストは翌日配送で届けれられる。検査を受ける人にはLemonaidの医師や看護師が遠隔から案内し、結果やその後のガイダンスはアプリ経由で数時間以内に示される。このテストは70ドル(約7800円)で、純粋にコストのみの費用とのことだ(Scanwellはまた、必要な人への無料サービスを提供する方法も模索している)。この検査はまずはワシントン州、カリフォルニア州、ニューヨーク州と新型コロナウイルス感染状況が深刻な他のエリアで展開される見込みだ。

テストがマーケットに出てくるまでに6〜8週間かかるとのことだ。しかし現在のCOVID-19の急速な広がりやテスト状況を考えたときに、6〜8週間というのは長いが、おそらくその頃にはこのテストがかなり必要とされているだろう。特に現在行われている他のテストを受けるための条件を満たしていない人のニーズに応えるものになる。

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(翻訳:Mizoguchi