Analogue(アナローグ)の美しく機能的なレトロゲームコンソールは、最近急増している安価なミニコンソールに代わる、一種の「歴史的品質」を提供する製品だ。同社が今回復活させる最新のシステムは、不運な道をたどったものの、よく考え抜かれたTurboGrafx-16(ターボグラフィックス16)。日本名はPCエンジンだ。
AnalogueのデバイスであるThe Duoは、高価なCD-ROMアドオンを搭載したPCエンジンの後期バージョンにちなんで名付けられたものだ。実際に新しいDuoは、ゲームカードとCDの両方をサポートしている。
他のAnalogue’製コンソールと同様に、Duoはエミュレーションをまったく使用していない。これは任天堂の人気製品のSNESおよびNES Classic Edition(スーパーファミコンとファミリーコンピュータのクラシックミニ)やコナミデジタルエンタテイメントが復刻したTurboGrafx-16 Mini(PCエンジンmini)が、エミュレーションを使用しているのとは異なるやり方だ。その代わりに、同社は苦労を重ねて元のハードウェアを再現した。さらに高解像度ビデオ、ワイヤレスコントローラー、信頼性の向上などの現代的な便利さを取り込むための調整が加えられている。
ちなみに、Duoはすべて設計をあとから作り込めるFPGA(Field-Programmable Gate Array)を使って構成されている。つまり、このハードウェアがコンソールの機能を正確に作り直したものであることを意味する。ゲームは、その時代のコンソールの厄介な不具合や速度低下に至るまで、元のハードウェアとまったく同じようにプレイできる必要がある。
そして、ゲームのラインアップ!まあ、実際には、PCエンジンの売れ行きが悪かった米国では、任天堂やセガのコンソール上のライバルタイトルほど売れたものはほとんどなかった。とはいえ、Bonk’s Adventure(PC原人)、Bomberman ’93(ボンバーマン ’93)、Ninja Spirit(最後の忍道)、Splatterhouse(スプラッターハウス)、Devil’s Crush(デビルクラッシュ)などのタイトルはもっと広くプレイされても良かったはずだ。
私のようなシューティングゲームファンは、R-TypeやBlazing Lazers(ガンヘッド)のようなゲームのオリジナル版やアーケード版にすっかりハマってしまっていた。Ys(イース)シリーズも始まりはPCエンジンだった(もしCDアタッチメントを買う余裕があったならばだが)。Racketboyのサイトで懐かしいゲームがまとめられている(Racketboy記事)。
Analogue’のコンソールは、元のハードウェアを小さくする必要がなかったり、信号をアップスケールしたかったり、あるいは面倒なしにワイヤレスで遊びたかったりするコレクター向けに作られている。私はまだ元のSNESを持っているが、240pの解像度は、いまや90年代の15インチCRTの場合ほど鮮明には見ることができない。
199ドル(約2万1000円)という価格は、蚤の市で見つけるよりも高価だが、それは運が良かった場合の話だ。普通オリジナルコンソールとそのCDアドオンには大金がかかるので、その観点から考えると、これは本当にお買い得な製品かもしれない。Analogueによれば、製造数は限られ出荷時期は2021年なる予定だ。