GoogleがモバイルUIツールFlutterを刷新、アプリや機能のオンデマンド配信も可能に

米国時間2月26日、バルセロナで開催中のMWC 2019でGoogleはクロスプラットフォームのUIフレームワーク「Flutter」をバージョン1.2にアップデートした。

今回のアップデートでFlutterはAndroid App Bundleをサポートする。これはアプリや機能をオンデマンド配信するためのGoogleの最新テクノロジーだ。Androidアプリを効率的にパッケージできるだけでなく、ダウンロードせずにアプリを利用できるInstant Appも作成できる。

また新しいFlutterフレームワークにはデベロッパーがアプリ内課金によって収入を得ることを助ける仕組みなど多数のウェブベースのツールが用意されている。

昨年のMWCでFlutterのアルファ版が公開された後、Flutter 1.0がリリースされたのはわずか数カ月前だった。それならバージョン1.1はどうしたのだといぶかる読者もいるだろう。実は先月のベータリリースがそれだった。Flutterチームは毎月一度程度の割合で1.xアップデートをリリースする計画だという。

当然のことながらFlutterは今回のアップデートでパフォーマンス、信頼性とも改良されて通常の安定版になっている。また最新のDart 2.2 SDKがデフォルトでバンドルされる(FlutterアプリケーションはDart言語で書かれている)。開発チームはiOSのサポートにも力を入れておりフローティングカーソルでのテキスト編集にも対処しているという。

Flutterはモバイルに重点を置いたプロダクトだが、最近、Googleではこのフレームワークを使ったデスクトップアプリケーション開発の可能性に言及するようになった。準備の一環として、1.2ではキーボードイベントとマウスカーソルを乗せるイベントのサポートが追加された。Project HummingbirdはFlutterをWebに移植するためのプロジェクトだが、今後数カ月以内にテクニカルプレビューとして公開されるという。

開発ツールとして見た場合、GoogleはすでにAndroid StudioでFlutterをサポートしている。またMicrosoftのポピュラーなツール、Visual Studio Code向けのツールを追加している点も注目だ。また新しいWebベースのプログラミングツールであるDart DevToolsも開発中だ。これらのツールはローカルに実行され、ウィジェットインスペクタ、タイムラインビュー、ソースレベルのデバッガ、ロギングビューなどを含む。

現在、これらのツールは公式プレビュー版が公開されており、既存のVS Code、Android Studioの拡張機能やアドインとともにインストールできる。

今回のアップデートのリリースに加えて、FlutterチームはFlutter Createと呼ばれるコンテストを実施することを発表した。参加者はFlutterを使って「面白くてためになりビューティフルな何か」を作ることを求められる。Dartのコードのボリュームは5K以下でなければならない。賞品には1万ドル相当のiMac Proが含まれているが、メモリー128GBというスペックなので5Kのコードの処理に手間取る心配はないだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、Android App Bundleをアップデート――Instant App同時公開がサポートされた

Googleは今日(米国時間10/18)、Androidアプリのデベロッパー向けに重要なアップデートを発表した。 ひとつはアプリのサイズを減少させるもので、もう一つはInstant Appを簡単につくれるようにするものだ。Instant Appはデバイスにインストールせずに動かすことができる軽量なアプリで、ユーザーが簡単に試してみることができるためメリットが大きい。

Android App Bundleはアプリをモジュラー化して開発し、各デバイスに必要なイメージを配信する方法でしばらく前から公開されている。Googleによれば、App Bundleを利用して開発されたアプリは数千にも上り、ファイルのサイズは平均35%も節約できたという。今日のアップデートで、GoogleはApp Bundleがデバイス上にすでにインストールされている非圧縮のネーティブ・ライブラリを利用する方法に改良を加えた。.これによりインストールする際のダウンロードのトラフィックは平均8%減少し、デバイス上で占めるサイズも16%小さくなるという。

サイズについていえば、現在App Bundleから生成されたAPKの最大ファイルサイズは100MBだが、Googleによれば近くデベロッパーが500MBまでのAPKをアップできるようにするという。

またApp Bundleは新たにAndroid Studio 3.2(安定版)とUnity 2018.3 ベータでもサポートされた。

ダウンロード失敗の大きな原因がデバイスに空き容量が不足していることなのでファイルサイズが小さくなるのはアプリの公開にメリットがある。ただGoogleが今回公開したもう一つのアップデートのほうがデベロッパー、ユーザー双方に影響が大きいかもしれない。GoogleのInstant Appはデベロッパーが小さいアプリを公開できる機能だ。これはアプリのトライアル版や、ユーザーがアプリをウェブ検索で見つけ、すぐに試してみたい場合などに効果的だ。Instant Appはフルサイズのアプリをダウンロードしてインストールするという面倒な(往々にして時間がかかる)プロセスを必要としない。

GoogleはデベロッパーがApp BundleでInstant Appを開発できるようにした。つまりデベロッパーはフルサイズのアプリとInstant Appの双方を開発、公開する必要がなくなった。その代わりに、App Bundleでアプリを開発し、Instant Appを含めるオプションを選択して単一のアプリとしてGoogle Playで公開すればよい。アプリをアップデートする際もいちいち2つのアプリをメンテナンスする必要がなくなった。

デベロッパーはInstant Appを使ってゲームなどの有料タイトルを開発した際、その一部をInstant Appにして登録前のユーザーにトライアルを許すというキャンペーンが実行できるようになった。

Androidデベロッパー向けの他のアップデートにはクラッシュ・レポートの改良が含まれる。これは実際にアプリを利用しているユーザーからのクラッシュ情報ととFirebaseテストラボからの結果が総合して報告される。またアプリのサブスクリプション課金の手続きなどもアップデートされた。詳細はこちらから確認できる。

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滑川海彦@Facebook Google+