Apple本社のガラスの壁では救急車が3回出動していた

Apple新本社のガラスの壁が問題を起こしていることはすでに報じたが救急車が呼ばれる事故が3回も起きていた。シカゴの新しいAppleストアの巨大なガラス窓に激突する野鳥が出ている。透明なガラス壁が危険なのは人間に対しても同様だ。Appleは社員の自衛手段を禁止して問題を拡大するようなことをすべきではない。

SF Chronicleは911通話の文字起こしを入手し、クパチーノの新本社、Apple Parkに勤務する社員がガラスドアに衝突した事故で救急車が呼ばれた状況を報じている。

これらの通話で通報者は脳震盪を懸念している。あるケースでは出血も起きていた。SF Chronicle.が入手した通話記録を読むとどんな事故だったのか、おおよそ判断できそうだ。下にその一つを引用したが、SF Chronicleの記事では3件すべての通話記録が読める。

Appleの社員もガラス壁にポストイットを貼るという自衛手段に出ていたが、Appleは「建築デザインを損ねる」として撤去したという。

Apple Parkのデザインは主としてジョニー・アイブの手によるもので、2017年4月にオープンした。

通話記録1(1月2日)

911受付: 救急担当185、どのような通報ですか?

通報者:こちらAppleから事故通報です。手当が必要な負傷です。

911受付: OK、事故の現場は?

通報者:ちょっと待ってください。

( 通報者の近くからの声、「Apple Park Wayと言えばいい」)

通報者:Apple Park Wayです。

911受付: 住所は?

通報者:Apple Park Way…1 Apple Park Wayです。

911受付: 間違いありませんね? 繰り返してください。

通報者:1 Apple Park Wayです。

911受付: そのどこに行けばいいですか?

通報者:5AのTransitセンターです。

911受付: Transitセンター―というとApple本社のどのあたりですか?

通報者:Tantau Avenueです。

通報者:そこも 1 Apple Park Wayだと思いますが?

通報者: 5Aゲートを入ってTantau Avenueを入ったところです。

911受付: 現場の住所は、1 Apple Park Way、ここに向かえばいいんですね??

通報者:そうです。

911受付: …では何が起きたのか教えてください。

通報者:ガラス壁に衝突して頭を打った人が出ました。 小さい切り傷から出血してます。意識が少しもうろうとしているようです。とりあえず応急処置をしたところです。

911受付: 現在、負傷者の傍にいるのですか?

通報者:いえ、私は負傷者のそばにはいません。手当が必要なので…それで911に連絡したわけです。

911受付: 負傷者の年齢は?

通報者:20代後半です。.

911受付: 男性ですか、女性ですか?

通報者:男性です。.

911受付: 意識はありますか?

通報者:意識はあります。

911受付: 呼吸はしてますね?

通報者:見てないので…いや、意識はあります。呼吸してます。.

911受付: 救急隊員に情報を伝えなければならなないので…事故はいつおきましたか?

通報者:5分前、12時5分頃です。

911受付: 出血は深刻ですか?

通報者:ええ、頭を切っています。

911受付: 意識は完全にあるのですね?

通報者:イェス。

911受付: 分かりました。少し待ってください。救急隊員に連絡します。その結果さらに指示があるかもしれません。

…OK、救急隊員を現場に向けました。このまま電話を切らずに待ってください。これから言う指示を正確に実行してください。まず会社のセキュリティーに連絡してください。現場が危険でないなら負傷者を動かさないように。動かすと傷口を広げてしまいます。この後、負傷者には飲ませたり、食べさせたりしないように。気分が悪くなるとさらに問題を悪化させます。どうしても必要でない限り負傷者を動かさないでください。負傷者にはじっとして救急隊員が来るのを待つように言ってください。

止血の方法を教えますから注意して聞いてください … 清潔で乾いた布かタオルを傷口に置き、負傷者にそこをしっかり押さえておくよう言ってください。離して傷口の様子を見たりしてはいけません。

通報者:傷口を押さえ、様子を見てはいけない、と。

911受付: そうです。そのとおりです。 誰か負傷者のそばについて慎重に見守ってください。もし意識が薄れたり吐いたりし始めたら体を横向きにしてください。救急隊員が到着する前に
—もうしてあると思いますが—誰か表に出て救急隊員を現場に誘導してください。容態が変わったらすぐに知らせてください。処置についてさらに指示します。

通報者:了解。.

911受付: OK、サンキュー。.

通報者:サンキュー。ハヴ・ア・ナイスデー。

911受付: ユー・トゥー、バイ。

〔日本版〕原文通話記録で通報者は、負傷者が1名であるにもかかわらずthey hit their headのところでtheyを三人称単数代名詞として使っている。現代アメリカではhis/herなどの文法的性の表現を「性差別的」だとしてなるべく避けようとする傾向がある。ただし具体的にどうすべきかについては議論がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple新本社のスティーブ・ジョブズ・シアターを一足先に(少し)紹介

Appleはスティーブ・ジョブズ・シアターのこけら落としとして来る9月12日のiPhone(プラス多数のプロダクト)を発表イベントを選んだ。新社屋に設けられた巨大なホールが外部に公開されるのはこれが初めてとなる。

新社屋、Apple Campusは長らく建設中だった―事実、Appleの新しい本社に関するTechCrunchの最初の記事は他ならぬ(現在はApple Venturesのゼネラル・パートナーを務める)M. G. Sieglerが2011年に書いている。ともあれ、多数の部外者が来週はスティーブ・ジョブズ・シアターの内部を見るチャンスがある。ではその内部を一足先にご紹介しよう。

場所

スティーブ・ジョブズ・シアターはリング状のメインビルディングのすぐ外側の丘の斜面に建設されている。シアターからは本社キャンパスの全景を見下ろすことができる。

ロビー

ロビーは直径50メートルの円形で壁はガラス張りで、 6.1メートルの高さがある。インテリアはApple流にきわめて簡素だという。

空中写真

非公認のドローン撮影ビデオで8月下旬の建設の進捗状況をチェックできる。またApple本社の全景もよくわかる。

レイアウト

メイン・ホールは半地下で4階分を占め、広大な階段が2箇所に設けられている。収容人員は1000人とされる。

革張座席

去る3月にMercuryNewsが報じたところによれば、1000座席はすべて革張りで価格は1座席あたり1万4000ドルしたという(写真はもちろんスティーブ・ジョブズ・シアターで用いられる本物ではない)。

建設中のシアター

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上のスライドショーの写真はMacMagazineに掲載されたもの。建設中のシアターの内部。

エレベーター

Bloombergの記事によれば、エレベーターは昇降にともなって回転するという。つまり利用者はある方向からエレベーターに乗り、同じドアから別の方角に向かって降りることができる(もちろんこの画像も本物ではない)。

デモ・スペース

これもBloombergだが、 プレスが実機を手に取ることができるよう、デモ・スペースへの壁は移動式で開放されるという(お気づきかと思うが、この写真も本物は入手できなかった)。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleの新本社は4月にグランドオープン―名称はApple Park

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長らく建設中だったAppleの新本社の名称とオープニングの予定が決まった。新本社はApple Parkと呼ばれる。引っ越しは今年の4月だという。

1万2000人のApple社員が新本社で働くことになる。これほどの規模となると引っ越しも簡単ではない。すべてが完了するには半年程度かかるもようだ。4月にはグランド・オープニングのセレモニーが用意されているが、内装その他の作業はその後も夏過ぎまで続くという。

新本社にはオフィス区画に加えて1000席の規模の劇場も併設される。スティーブ・ジョブズの功績(特に新製品を紹介するときの天才的な巧みさ)を讃えて、この施設は『スティーブ・ジョブズ・シアター』と呼ばれる。

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Foster + Partnersがリーダーとなって建設されている新本社の外観はジョブズの当初のアイディアとほぼ同様だ。ジョブズは新本社のアイディアをクパチーノ市議会に2011年に説明した。ジョブズはその数ヶ月後に亡くなったので、Apple Parkの説明がジョブズ最後のプレゼンとなった。

Appleはビルの内部デザインについてはきわめて秘密主義だ。そのためFacebook本社のように広いオープンスペースがあるのか、もっと伝統的な多数の小さいオフィスに区画されているのかなどは一切不明だ。

26万平方メートルといわれる屋根はソーラーパネルで覆われており、これによりApple Parkでは100%再生可能エネルギーが用いられる。

ビルはAppleのデザインの審美性に沿ったもので、巨大なガラスパネル、ミニマリスト的で幾何学的な外観を備える。大量の木々が植え込まれ、フィットネス・センター、ビジター・センター、Appleストア、カフェなども併設されるはずだ。

私が注目しているのはベンチレーション・システムだ。ビルの環境は自然吸排気によって維持され、1年のうち9ヶ月はエアコンを作動させる必要がないという。

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[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+