Aptivとヒュンダイ、自動運転注力のジョイントベンチャーを設立

自動車メーカーの現代自動車は、自動走行技術のAptiv(アプティブ)と、株式の50%ずつを分担する新たなジョイントベンチャーを設立する。新会社の目標は、2022年までに自動運転タクシーや運送業者、さらには自動車メーカーに向けた、商用化を目指したレベル4とレベル5の量産可能な自動運転システムを開発することである。

Aptivと現代自動車によると、ジョイントベンチャーへの投資額は総額40億ドル(約4300億円、エンジニアリングサービス、研究開発、知的財産の価値を含む)となり、2022年の商用化に向けて、完全自動運転のテストを2020年に開始する予定だ。

Aptiv(もともとは世界的な自動車産業のサプライヤーであるDelphiの一部)は、長年開発してきた自動運転技術 と、AV技術を担当する700人の従業員を提供する。現代自動車グループは子会社を含む合計16億ドル(約1700億円)の現金、自動車エンジニアリング、研究開発、知的財産へのアクセスを提供する。

新ジョイントベンチャーの指揮を執るのはAptivのAutonomous Mobility Groupで社長を務めるKarl Iagnemma(カール・イアグンマ)氏で、本社をボストンに設置し、米国とアジアの複数地域にある技術センターの支援を受ける。

両社は何年も前からすでに自動走行自動車の技術を実証しており、Aptivは2018年のCESでその機能を公開して以来、Lyftと共同でラスベガスにて公開テストをおこなっている。同地でのテストでは、BMW 5シリーズの車両を使用している。

このジョイントベンチャーは、世界的な自動車メーカーが技術を商業化するのに役立つ一方、現代自動車はこれらのソリューションの開発に長年投資してきたパートナーと、自動運転におけるビジネスを強化することで利益を得るだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

自動運転技術を車いす利用者向けにチューニングしたシャトルカー

輸送や交通の自動化を目指すMay Mobilityが、いわゆる自動運転技術に関しては単なるアクセシビリティー以上のものを実現しようとしている。その同社は最近、自動運転シャトル車の車いすバージョンの開発を始めた。そのプロトタイプのテストが最初の供用予定地オハイオ州コロンバスで行われ、コミュニティの人びとからのさまざまなフィードバックを集めた。

車いす利用者のための乗車と下車の便宜および、シャトルの走行中の安全確保が設計に導入されている。最初に得られたフィードバックからは乗下車のためのが補助スロープがもっと長くて傾斜がゆるくないといけないことが分かった。関連して、乗車と下車のための停車場の設計にも、問題があった。

本格供用に向けて改善点がまだいろいろあるが、最初のパイロット的運用はもうすぐコロンバスとプロビデンス、およびグランドラピッズで行われる予定だ。

同社によると最終的には、そのソリューションは少なくとも、今の公共交通機関における車いす介助方式と同等、とユーザーに感じてもらえるものでなければならない。

may mobility alisyn malek

May Mobilityの共同創業者でCOOであるAlisyn Malek氏が2019年7月10日のTechCrunch Sessions: Mobilityに登場

May Mobilityの共同創業者でCOOのAlisyn Malek(アリサイン・マレック)氏は、TechCrunch Sessions: Mobilityでこう語った。「どうやって、交通を誰にとっても容易なものにできるだろうか?この問題意識の中でとくに重要なのが誰にとってもの部分だ」。

このような低速の電気自動車に関しては、米国など多くの国でまだその設計や安全性機能に関して明確な指針や規制がない。そこで同社が考えたのが、障害者向けの設計に関して最初からコミュニティと協働することだ。自動運転車を作っている企業のほとんどが「まるで決まり文句のように、これまで自動車に乗れなかった人でも乗れるようになる」と言う。しかし実際には、そんなアクセシビリティーのために具体的で現実的な工夫を実装しているところはほとんどない。

しかしごく一部の企業、例えばライドシェアサービスのLyftは、自動運転車を開発しているAptivおよび全米視覚障害者連合とパートナーして、目の不自由な人でも利用できる自動運転車サービスを設計している。しかしMay Mobilityのシャトルサービスは、ひとつの会社や機関としての完全な管理体制の中で商用のコミュニティサービスとして展開できる。つまり同社のアクセシビリティー対策は、既存のバス会社やタクシー会社、もしくは一部の行政サービスなどでもすぐに採用して実用化できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa