独自SNSが作れる「Revolver」にネット通販機能が追加、無料EC「BASE」と提携で

アーティストやブランドが熱狂的なファンと交流するための独自SNS構築サービスといえば、レディー・ガガさんの「LittleMonsters.com」を仕掛け、Google Venturesなどから580万ドルを調達した米国のスタートアップ「Backplane」が有名だ。日本では、昨年11月に開催したTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルに登場したリボルバーが同様のサービス「Revolver」を手がけていて、芸能人の倖田來未さん板野友美さん、ジャーナリストの佐々木俊尚さんらがファンコミュニティを構築している。そのリボルバーが23日、ECサイト構築サービス「BASE」と提携し、RevolverにSNSを開設したユーザーが商品を販売できる機能を追加した。

第一弾として、元AKB48の板野さんが開設するSNS「Team Tomo」上に専用ECサイトを公開。彼女がプロデュースしたジャージの販売をスタートした。Team Tomoは、板野さんのブログやTwitter、Facebookページを集約する場として機能するとともに、専用ECに送客する。リボルバーは今回の提携を通じて、年内に著名人を中心とする約100サイトにECサイト機能を追加したいという。

RevolverはHTMLやCSSなどの知識がなくても、専用の管理ツールを使うことで「最短で数分」(リボルバー)でPinterest風のコミュニティサイトを開設できるのが特徴。PCやMacだけでなく、スマートフォンやタブレットにも最適化される。2013年11月に正式公開し、これまでに約1400件のSNSが開設されているのだとか。リボルバーの小川浩CEOによれば、今後はクローズドなSNSをリリースし、Yammerといった社内SNSの領域にも参入したいと話している。


オンラインショップサービスのBASEがキュレーションモール型のiOSアプリをリリース

手軽にオンラインショップを開設できるBASEStores.jpは共に昨年のリリース直後から店舗を増やし、両者ともに現在は約3万店舗が登録されている。今年4月にStores.jpが段ボール、名刺、ロゴを無料でストア開設者に対して提供すると発表した際には本誌でも取り上げたが、その直後にBASEも同様のサービスを提供するなど、スタートアップ界隈ではこの2つのサービスの競争は話題になることが多い。

そしてBASEは今日、モバイルのユーザービリティの向上のため、iOSアプリをリリースした。アプリはここからダウンロードできる。BASEはデスクトップ版ではストアをまとめて掲載するようなモールはこれまで提供してこなかったが、アプリではカテゴリーごとにいくつかのストアをピックアップして掲載し、買い手側を主に対象ユーザーとしているようだ。

「ファッション」、「ハンドメイド」、「リーズナブル」など7つのカテゴリーを用意し、それぞれ約30店舗がまとめられており、アプリ内からそのまま商品を購入できる。また、ストア開設者の管理画面や出品機能も付いており、ストアの運営もこのアプリから可能だ(アドオン機能のいくつかはアプリからは設定不可)。

BASE代表取締役社長の鶴岡裕太氏によると、今でもトラフィックの約6割がモバイルからで、とりわけソーシャルメディア経由のアクセスが多いそうだ。だから、今まで良いモノを売っていながらソーシャルメディアでアクセスを上手く集めることができなかったストア運営者には嬉しい場となるだろう。

BASEはiPhoneユーザーが多いため、iOSアプリを先行してリリースしたようだが、Androidアプリも近いうちに提供予定だそうだ。

気になる直近のデータだが、店舗数は既述の通り3万以上、月間100万UU(ユニークユーザー)、流通額は月間数千万円で、店舗は1日に約500ほど増えているそうだ。人気のあるストアでは1カ月の売上が400万円から500万円ほどまで成長してきており、この規模のストアは少しずつ増えてきていると鶴岡氏はいう。

プレミアムアカウントでの課金により、すでに黒字化しているStores.jpに対し、BASEは今のところ積極的に収益化には動いていない。将来的には手数料やテーマのプレミアムテンプレートの販売などを考えているようだが、今年はあまり大きくマネタイズはしない方針なのだそうだ。