山手線31番目の駅「シン・秋葉原駅」が3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

JR東日本(東日本旅客鉄道)、ジェイアール東日本企画HIKKYは、オリジナルの共同運営バーチャル空間「Virtual AKIBA World」(VAW。バーチャル アキバ ワールド)を3月25日11時よりオープンし、「バーチャル秋葉原駅」を開業する。これに向け、VAWで展開するコラボレーションやコンテンツを3月23日に発表した。

Virtual AKIBA World(VAW。バーチャル アキバ ワールド)概要

  • 開業日時:3月25日11時(開業まではティザーサイトとなっており、VAWWにアクセスできない)
  • サイトURL:https://jrakiba.vketcloud.com/VAW/
  • メンテナンス:隔週木曜10~15時
  • 利用料:無料

また山手線31番目の駅であるバーチャル秋葉原駅開業記念として、「入場記念NFT」(1枚予定)を無料配布する。従来より駅が新規開業する際に発行している記念入場券を、史上初の「デジタル上の駅開業」であることからNFTのデジタル入場券で発行する。この受け取りには、「LINE」および「LINE BITMAX Wallet」への登録が必要となっている。配布時期は、5月中旬頃予定。記念グッズであるため実在するJR秋葉原駅への入場には使用できないほか、LINEが提供しているNFTマーケットプレイスや、その他のNFTマーケットプレイスを通じた出品は不可。参加方法は、3月25日より公式サイトと公式Twitterで公開する。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

コラボレーションするのは、「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版」「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」の4作品によって構成されたプロジェクト「シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース」。コラボ期間中は「バーチャル秋葉原駅」から「シン・秋葉原駅」と呼称を変更。さらに、バーチャル空間では各キャラクターが描かれたVAWオリジナルデザインのグラフィックで来場者を迎える。また5月13日公開予定のシン・ウルトラマンより、ウルトラマンの3D立像をVAWに設置。来場者同士で集まり記念撮影を行なえる。

セレクトショップ「BEAMS」とのコラボでは、シン・秋葉原をテーマとした期間限定の店舗装飾やVAWオリジナルTシャツの受注販売、オリジナルノベルティを配布。対象店舗は新宿駅新南口NEWoMan2Fの「ビームスニューズ」「ビームス大宮」「ビームス立川」。期間は3月25日~4月7日。VAW内のシン・ウルトラマン3D立像を撮影し対象店舗のスタッフに提示すると、先着順でオリジナルノベルティをプレゼントするそうだ。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

アトレ秋葉原でもコラボ展開を行なう。VAWオリジナルコラボビジュアルで館内装飾の実施するほか、キャンペーン期間中に商品を500円(税込)以上購入するごとにシン・秋葉原駅オリジナルキャラクターカードをランダムでプレゼント。このカードはシン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバースの4作品からなり、1種ずつすべて揃えるとVAWオリジナルデザインのグラフィックが現われる。配布期間は4月1日~15日。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布

ラジオ局「文化放送」のA&Gゾーンとも連携する。VAW内に文化放送ブースを展開するほか、A&G番組のパーソナリティーやスタッフ、リスナーがVAWの特徴である「オフ会ルーム」を使用してのVR交流を行なう予定。

JR東日本がバーチャル空間「シン・秋葉原駅」3月25日11時開業、新規駅開業時の記念入場券を「入場記念NFT」として無料配布


©TTITk
© TOHO CO., LTD. ©カラー ©2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 ©円谷プロ ©石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

コラボで作ったオーディオクリップをソーシャルメディアビジネスにつなげたいBeams、先行きは不明瞭?

ソーシャルオーディオにさらなる追い風ともいえるのだろうか。ベルリンを拠点とし、2019年に設立されたソーシャルオーディオスタートアップであるBeams(ビームズ)は「オーディオベースのソーシャルメディア」と銘打って、小さなひと口サイズのバラバラなオーディオ録音を共有して視聴してもらうためのプラットフォームを構築している。同社はこのたびのシードラウンドを300万ドル(約3億4000万円)で完了。前回のラウンドで獲得した300万ドルと合わせて合計600万ドル(約6億8000万円)を資金調達した。

Beamsの4人の共同創業者(共同CEO)のうち、Alan Sternberg(アラン・スターンバーグ)とRobert Kilian(ロバート・キリアン)の2人は、今、さらに資金を調達する理由を次のように説明する。「私たちは、2020年末に300万ドルを調達しました。テスト段階では、投資家から非常に高い関心と注目を集めていました。そこで、初夏の頃、The Venture City(ザベンチャーシティー)とKal Vepuri(カル・ベプリ)という2人の戦略的投資家を新たに迎え入れることにしました。そして総額600万ドルのシード資金を獲得することができたのです」。

Crunchbase(クランチベース)のデータを見ると、Beamsの、初回のシードラウンドおよびプレシードにおける投資家は、Mangrove Capital Partners(マングローブキャピタルパートナーズ)とRedalpine(レダルパイン)だったことがわかる。

Beamsの創業チームには、Soundcloud(サウンドクラウド)、Spotify(スポティファイ)、N26(エヌトゥエンティフォー)の元社員が名を連ね、同社のPRによると「人々が音声を軸につながる理由を深く理解している」面々だという。

Beamsの大きな目的は「人々が集まり、さまざまなトレンドや関心事について多様な意見を共有できる」プラットフォームを構築することだ(同じヨーロッパ発のAnyone(エニワン、アドバイスに焦点を当てている)Wisdom(ウィズダム)など、さまざまなソーシャルオーディオスタートアップも同様のことをいっていた)。

Beamsのユーザーは、関心事ごとに分けられたグループに参加し、(それぞれのユーザーのタイミングで)トピックベースのスレッドを聞いたり、クリップしたりすることができる。アート、政治、ファッション、グルメ、音楽など、トピックは何でも良い。

Beamsのトピックはまさになんでもござれで、全体的にはかなりランダムな感じがする。視覚でいえば、塗料を飛び散らせたスプラッシュペイントといったところだろうか。

Beamsのスローガンは「Real people, real voices(本物の人、本当の声)」。ラジオをチューニングしてトーク番組を聞く(あるいはClubhouseTwitterのスペースに参加してフォロワーや他の人のおしゃべりを聞く)ことに取って代わるアプリベースの手段について考え出されたスローガンだ。

しかし、ソーシャルオーディオのノイズの中から自分が聴きたいものを見つけることは、本当に難しい。

Beamsのオーディオクリップは90秒が上限だが、録音はもっと短くても構わない(スレッドが構築されると、アプリが音の断片[サウンドスニペット]をつなげてくれる)。つまり、ある程度短いことで手早く聴けるということになる。

90秒未満でも長いという場合は、アプリのボタンで再生速度を最大2倍まで上げることができるので、もっと短く音声を楽しむことができる(0.75倍までのスロー再生も可能)。

Beamsのアプリを見るとコンテンツの作り手がかなり不足していることがわかる。例えば、トップページの特集スレッドの中には1つ、2つのレスポンスしかないものもある。さらにもう少し見てみると、さまざまなスレッドに同じような顔ぶれが投稿していて、その中にはBeamsのスタッフがいることも確認できた。

本来あるべきコミュニティの形成はまだ始まったばかりのようだ。

Beamsによると、当初からのユーザーは、文化的なテーマや過去の出来事についてのストーリーや思い出を投稿する若者、60秒のインタビューを他の人と共有するプロのオーディオコンテンツクリエイター、フォームを使って写真に写っている人の声を伝える写真家、外部で行われたイベントを記録する市民ジャーナリストなど、実に「幅広い」ユーザーで構成されているという。

アプリで確認できるグループやトピックの多くは、例えば「過去に受けた最高のアドバイス」「世界の朝食」といった、コンテンツの生成を促進するためのわかりやすい種(たね)であるように思われる。また「オープンマイク」というラベルの付いたグループも同様で、女性の「UberStories」や「TinderStories」といった特定のテーマのグループやトピックで、ユーザーにストーリーの共有を促している。

メンバー数が最も多かったグループ(~1000人)は、ポッドキャストのアイデアやポッドキャストプロジェクトへの協力を募るオープンピッチだった。

大まかにいえば、メンバー数が非常に少なく、よりテーマを絞ったニッチなグループが多い(例えば、特定の地域の問題を明らかにすることを目的とした「ミネアポリスの警察改革について」といったグループ、あるいは「9.11から20年」のように特定の視点や経験をナレーションで表現するグループ、旅行や料理のヒントとなる「ラスベガスのビーガン向けベストスポット」などのグループが挙げられる)。しかし、なぜこのようなコンテンツをテキストではなくオーディオで提供する必要があるのか、という点は十分に検討する必要がある。

おもしろいと思ったグループの1つ「Young, Black & Fly」(メンバー数59人)は「若い黒人クリエイターのレンズを通して、アート、映画、音楽についてすべての人に向けて語るマイクロポッドキャスト」と称してさまざまなメディアのクリエイターにひと口サイズのインタビューをしている。

一方、NFTについて、あたかも義務であるかのように毎日投稿されるニュースグループ(メンバー数18人)はあまりおもしろいとは思わなかった。

Beamsの短い音声フォーマットでは、グループのホストと招待されたゲストとの間で一問一答形式のインタビューを行うことができる。1つの(長い)インタビューが、見つけやすい、共有しやすいチャンクに分解されることになるのだが、そうすることでポッドキャストやラジオ番組を視聴するよりも夢中になれないという欠点が生じる。

一問一答に近い形式の再現を目的としたオープングループでは、積極的なキュレーションは行っていないので、気が向いたら誰でも口をはさむ(オーディオクリップを投稿する)ことができる。その結果、リスナーの視点から見たスレッドは、内容や品質が均一ではないこともあり得る。

全体的に、Beamsはまだ実験段階にあるように感じられる。

ひと口サイズの「マイクロポッド」は、ラジオ放送世代よりも後の、注意力が続かない世代には向いているのかもしれないが、まだ不透明だ。どちらかというとソーシャルオーディオのノイズを増やしているようにも思える。

Beamsの共同創業者は、アプリのユーザー数を質問され「4万人以上のユニークユーザーが5000以上のグループに参加している」と回答している。ということは、おそらくアクティブユーザーはもっと少ないだろう(グループの運営にはBeamsのスタッフも積極的に関与している)。とはいえ、Beamsは2021年5月にベータ版がリリースされたばかりだ。

ソーシャルメディアの手法として、なぜ尺の短いオーディオに注目したのか?という問いに対し、スターンバーグ氏とキリアン氏は次のように話す。「クリエイターとリスナーの両方の視点から、短尺のオーディオスペースにはイノベーションが必要です」。

「現在ユーザーが利用できる方法で良いオーディオコンテンツを作るには、非常に高いハードルがあります。ハードウェアも必要ですし、話すためには十分な専門知識も必要で、一般向けではありません。一般の人がオーディオコンテンツを作るには、あまりにも多くの障害があります」。

「また、リスナー側にとっても簡単ではありません。例えば、ポッドキャストやライブオーディオセッションが自分にとって役に立つか、おもしろいか、自分の時間を費やす価値があるかどうかを知るには、それを聴くしかありません。聴いてみてどうなるかわからないし「おもしろいところ」にはなかなかたどり着けないし、コンテンツを作っている人を良く知っていて信頼していない限り、聴いてみるのも簡単ではないのです」。

「私たちは、このような状況を打破する革新的なソリューションを構築したいと考えています。皆が簡単に録音したり、他のユーザーの話を聴いたりできるソリューションです」。

とはいえ、純粋に「聴く価値のあるもの」を探し出すには、明らかに「まだまだ」だろう。

90秒ごとに分割された音声(つまり、何回も最初の挨拶と冒頭のセリフを聴かなければならない)と、人の声を2倍速にするボタンは、すばらしいオーディオ音声の提供とは非常にかけ離れている。

これは、多くのコンテンツがスキップされてもやむを得ないと考えていることを意味しているようなものだ。リスナーが退屈な部分を聴かないで済むようにするためのツールなのに、その過程で(音声コンテンツを募集するとか、感想を話すだけとか、品質が考慮されていないような録音など)その場を埋めるためだけのオーディオを生み出してしまうのであれば、全体的なアプローチとしては逆効果のようにも思える(あるいは、Beamsがまだ上手い方法を見つけられていないだけかもしれないが……コミュニティの成長と成熟には時間がかかるものだから。)

Beamsの共同CEOは、現在のオーディオプラットフォームには「人々が直感的につながる方法」が欠けているとも考えていて「(Beams以外に)トピックベースの双方向型のオーディオプラットフォームは存在しない」と主張する。

彼らは、Beamsの目標は「ユーザーが自分の考えをさまざまな方法で簡単に記録し、グループやトピックに分けて共有できる」ツールを構築することであると話し、オーディオを構造化するという目的を強調している。

また、彼らは自分たちが構築しようとしているのは「音楽ストリーミングサービスのように、ユーザーの声をボイススレッドの一部にするための拡張オーディオプレイヤー」であるとも説明する。将来的には音声の書き起こし機能を追加し、Beamsの音声記録を他のソーシャルネットワークにエクスポートして利用できるようにすることも計画しているという。

ボイススレッドを中心に、他の形式のツールを追加することも予定しているそうだ。

オーディオの共有と視聴のための「シンプルで包括的な」ツールを構築することに注力すると同時に、スターンバーグ氏とキリアン氏は(Beamsよりも)閉鎖的な競合他社と比較してもっとオープンにすることで、競争の激しい業界で差別化を図ることも目的としていると話す。

「他のオーディオプラットフォームの多くは、そのアプリの中だけ、あるいはログインしたサービスの中だけですべてを完結させていますが、私たちは、クローズド(閉じた)エコシステムでユーザーとユーザーがつながることを強要したくありません」「私たちはBeamsを、単なるソーシャルメディアネットワークではなく、オーディオソリューションを構築するためのプラットフォームだと考えています。Beamsはウェブ上でも利用可能でオープンです。ログインしなくてもBeamsアプリを持っていなくても利用できます」。

「Beamsの目的は、ユーザーには路上で声を集めて共有する方法を、ジャーナリストやメディアにはストーリーを簡単に埋め込んで共有する方法を提供することです。友人同士なら、WhatsApp、Telegram、Signalなどの自分が好きなアプリで声を共有できますね」。

収益性はどうだろうか。Beamsの共同CEOたちは、まだ収益化のことは考えていないようだ。

「私たちは、コーポラティブな短尺オーディオのためのプラットフォームとコミュニティの構築を目指しています。さまざまなユーザーグループが私たちの製品をどのように使用しているかを注意深く観察して経験を積み、将来的にはコミュニティとBeamsの双方に収益をもたらすことが可能な有意義な方法を導入できると考えています」。

モデレーション機能(投稿やコメントをチェック・評価して不適切な投稿を除外する仕組み)については、彼らは次のように話す。「モデレーションは大きな課題ですが、オーディオコンテンツが録音されていること(と書き起こしのテキスト)があれば、コミュニティを守るためのサービスを構築できます」。

画像クレジット:ChaiyonS021 / Shutterstock

原文へ

(文:Natasha Lomas、翻訳:Dragonfly)