アップルが睡眠モニター「Beddit」のベータプログラムを米国で開始

アップルBedditのベータプログラムを開始した。アップルはオンラインストア/直営店のApple StoreでBeddit製品をしばらく販売し、その後の2017年にBedditを買収した。ベータプログラムのウェブサイトによると、このプログラムに登録した参加者には、Bedditアプリの新しいバージョンが一般公開に先駆けて提供される。参加者はデータを共有しアンケートに回答することで、アップルにフィードバックを提供することもできる。

ベータプログラムの参加者は、アプリの利用状況、アプリの設定、睡眠の結果に関するデータに加え、診断データも提供する。こうしたデータは個人的な特性であるため、同意書に署名することが必要だ。

アップルは、ベータプログラムへの参加は完全に自発的なものであり、いつでも参加を取りやめることができるとしている。取りやめると、それ以降はデータを収集されない。もし取りやめた後で気が変わったら、ベータプログラムの実施中は再度参加することもできる。

ベータプログラムへの参加にはいくつか条件がある。米国在住であること、Beddit Sleep Monitorモデル3.5を所有していること(145.95ドル、日本のApple Storeでは1万5800円)、22〜75歳であることだ。ベータプログラムに関するメールをアップルから受信することに同意する必要もある。

アップルはiOS 10で時計アプリに「ベッドタイム」機能を追加して以来、睡眠トラッキングに取り組んできた。時計アプリの「ベッドタイム」とは、決まった時刻に就寝するためのリマインダーと、決まった時刻に起床するためのアラームを繰り返し設定する機能だ。よりよい睡眠のために、「おやすみモード」の時間を決める、アプリの使用を時間で制限する、iPhoneから発するブルーライトを減らすためにNight Shiftの時間を決めるといった設定をすることもできる。自然な睡眠パターンの妨げとなるおそれのあることを避けるためだ。

しかしコネクテッドデバイスメーカーのBedditを買収することで、アップルは睡眠トラッキングに大きく一歩前進した。

今後、アップルはベータ参加者から収集したデータをもとにBedditアプリを改良していくと思われる。このアプリのApp Storeでの評価は5点満点中2.0点(日本のApp Storeの本稿翻訳時点のスコア)で、レビューではデザインや動作に対する不満が見られるので、今後に注目だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Appleは睡眠追跡のBedditを買収、それでも製品とサイトは存続している

本誌TechCrunchが確認したところによると、Appleは睡眠追跡ハードウェアとソフトウェアの企業を買収した。この買収のニュースは、CNBCが最初に報じた

そのBedditのプライバシーポリシーのページで、同社も買収されたことを確認し、さらに、ユーザー情報は“Appleのプライバシーポリシーに従って収集、利用、そして開示される”、とある。

買収の条件は現時点では不明だが、今後いろいろ嗅ぎまわりたい。

Bedditが製品をAppleのストアで発売したのは2015年の後半だ。Appleのストアに並ぶ製品はアプリのアナリティクススイートの上出来の物理バージョンで、今どんな層に何が人気かを、Appleはじかに知ることができる。

フィンランドのBedditは2007年に創業され、これまでに約350万ドルの資金を得ている。最新製品のBeddit 3はセンサーを収めた薄い紐で(上図)、説明書によると、ユーザーはそれをベッドに敷いて睡眠関連のデータ…睡眠時間、睡眠効率、心拍、呼吸、体温、体の動き、いびき、室温、湿度…を測る。小売価格は150ドルで、今でもApple Storeのページで売られている。

たぶん、製品がAppleブランドになることはないだろう。むしろAppleが欲しいのは、睡眠の質を測る方法と技術だ。

現時点では、製品はあくまでもBedditの製品なので、Bedditのカスタマサービスのページが今後も残ると考えられる。現在の顧客は当分のあいだ、そのことをあてにできるだろう。ただしAppleが買収した企業を無限に放置することはないので、長期的な将来については分からない。でも、最近買収したWorkflowはアップデートして機能が増えたし、メンテナンスもしているけどね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ベッドにくくりつける睡眠センサBeddit, 本体の資金募集額は達成したので次はクラウドアプリケーションに挑戦

最初は歩数計アプリだった。そしてその後、ありとあらゆるセンサが登場して、われわれの動きや運動、家で何をしているか、どんな睡眠をとっているか、などなどを調べ始めた。

先週は、フィンランドのヘルシンキ出身のBedditを取り上げた。同社はベッドに取り付ける睡眠センサのためにIndiegogoで資金募集をしていた。非常に感度が良くて、心拍数も計れるそうだ。同社は過去2年間、医療の専門家たちのための機器を作っていたが、今回149ドルという安価な消費社製品を出したのだ。

目標額の8万ドルには1週間ぐらいで到達したので、同社はさらに額を増やし、睡眠データのバックアップと共有のためのWebアプリケーションBeddit Cloudを作るための資金として20万ドルの目標額を掲げた。Beddit本体はBluetoothでモバイルアプリにつながる。

しかしBeddit Cloudができたら、BedditのユーザはプライベートなWebアカウントに自分の睡眠データを自動的にアップロードできる。そしてそのデータの時系列を視覚化して見たり、スプレッドシートにエクスポートしたり、ほかのユーザ(匿名)のデータと比較したりできる。

さらにそのデータを容易にソーシャルネットワークで共有できるし、またBeddit Cloud自身にも、Jawbone Upなどより汎用性のあるアクティビティトラッカーにもあるような、一般的なソーシャル機能も一部ある。そしてこのWebアプリケーションは、APIを公開してサードパーティ製のアプリの制作を可能にする。目標額を達成したら、Beddit Cloudは来年の第二四半期に立ち上げる予定だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Bedditは、ベッドに貼った超薄膜センサーを用いるスリープトラッカー


Bedditは、長年医療専門家向けにスリープトラッカーを作ってきたフィンランドの会社だが、このたびマットレスの上に薄膜センサーを置く149ドルのスリープトラッカーで消費者市場に参入することになった。

センサーは利用者のスマートフォンにデータを送信し、いついびきをかき、いつ深い眠りについたかを伝える。Bedditは、睡眠中の心拍数などの詳細データも測定可能だと言う。同スタートアップは、新型スリープセンサーのためにIndiegogoで8万ドルを目標にキャンペーンを立ち上げた。支援者は149ドルの商品を99ドルで購入できる。同社は11月の出荷を目指している。

同社は2006年に設立され、数年前から低価格の消費者向け製品の投入を考慮していたと、CEOのLasse Leppäkorpiは言った。しかし、最近までマットレス用のスリープセンサーを製造、販売するには500ユーロ(669ドル)という価格が妨げになっていた。

「われわれは、病院で患者に触れずに心拍と呼吸を測定する基本的な監視装置に集中してきた。次のステップはこのテクノロジーを消費者向けモバイルアプリとして市場に出すことだ。当社では長年これを開発してきた」とLeppäkorpiは語った。

Bedditは、Fitbit、Jawboneなどの加速度計を使用したアクティビティートラッキング機器と競合する。

しかし、Beddtiは、もちろん、睡眠だけに集中している。

Bedditによると、同システムは、人の心拍、呼吸パターン、ベッド内での動きなどの機械的な力を測定可能な高感度なセンサーを用いたバリストカルジオグラフィー[心弾動図記録法]を利用している。このセンサーは薄いフィルム状で片面が接着面になっていてマットレスにステッカーのように貼る。低電圧のUSB電源を使用するため電池は必要ない。

スマートフォンとはBluetoothで接続する。最近発売されたMisfit WearablesのShineなどのアクティビティートラッカーと同じだ。

アプリには使用者の睡眠状態のタイムラインが表示され眠りの質に応じてスコアが与えられる。同時に夜間のスマートフォンによる光と騒音も追跡し、それらが睡眠に影響を与えていないかどうかを調べる。眠りの浅い時間帯に起こすスマートアラームクロックも内蔵されている。アプリには、使用者の睡眠を改善するためのコーチングとヒントを与えることもできる。

Beddit使用者の多くは、自分の睡眠状態のデータを見て驚く、とLeppäkorpiは言った。

「人は一生の1/3をベッドの上で過ごすのに、実際どう眠っているかを殆ど知らない。殆どの人は自分がどう眠っているか ― よく眠ったか、よく眠れなかったか ― を知っていると思っている。しかし、大てい驚かされる。

同社はこれまで250万ドルをエンジェルおよび政府投資によって調達しており、本格的ベンチャーラウンドはまだ行っていない。

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(翻訳:Nob Takahashi)