BMWのコンセプトカー「i4」、2021年予定の量産型が見えてきた

BMWは米国時間3月3日、近く発売が予定されるi4のコンセプトカーを公開した。EPA電費は推定270マイル(約435キロメートル)、出力は530馬力という、ガソリンエンジン搭載のハイパフォーマンスカーM3の性能を凌ぐ完全電動4ドアグランクーペだ。

i4コンセプトカーは、ジュネーブの国際モーターショーがコロナウイルスの影響で中止になったためインターネット上で公開されたが、2021年に生産開始の予定が組まれている。BMWはここしばらく、電気自動車i3の次に出る車両について語り、情報を小出しにしてき。2019年11月には、ロサンゼルスのオートショーでi4の仕様の一部を公表している。そして今回の最新発表では、i4がどんなスタイルになるのかが、一層はっきりしてきた。また、インテリアと電費の予測値に関する情報も少しだけ公開されている。

このコンセプトカーは、ロングホイールベース、ファストバックのルーフライン、ショートオーバーハングという形状で、量産型はこれに近くなることがうかがえる。i4はツーボックスのi3とは、ずいぶんかけ離れたスタイルだ。

前面には通気性のないグリルがある。その目的は、過去のガソリンエンジン車のイメージを引き継ぐためだけではないとBMWは話している。さまざまなセンサーを搭載するためにグリルが使われるとのことだ。

おそらく、巨大な腎臓のような形のフロントグリル以外に、もっとも注目すべき点は、ガラスのルーフと車内に配置された湾曲したデジタルディスプレイだろう。

量産型にもこれと同じものが搭載されるかは定かでないが、インテリアのタッチ操作が基本になり、ボタンやノブは少なくなると予想される。BMWが1画面デザインにこだわり続けるかどうかも見どころだ。下の写真では、コンソール部分にノブが1つしかないことがわかる。

BMWのEV計画を詳しく追いかけてきた人は覚えているだろうが、i4の電費は600キロメートルになると言われていた。その数値はライバル車よりも頭ひとつ抜き出るものだが、EPA電費なのかヨーロッパのWLTP電費なのか、基準が明確にされていなかった。EPAのほうが控えめな値になることが多い。BMWは、今回その電費を明らかにし、EPA推定値270マイル(約435キロメートル)と公表した。

i4は、5代目のBMW eDriveを搭載する。新型の電動モーター、電力制御系、充電ユニット、高電圧バッテリーを搭載したプラットフォームだ。この第5世代プラットフォームは、iNEXT SUVと中国市場に投入されるiX3にも使われる。i4の80キロワットのバッテリーパックはフラットな形状をしており、BMWによると重量は550キログラムとのこと。ちなみに、Tesla Model3のバッテリーの重量は480キログラムだ。

i4コンセプトの発表は、電動化を深いレベルで推し進めるとBMWが以前から公言していた姿勢を示すものだ。2019年11月、BMWは中国のバッテリーセルメーカーContemporary Amperex Technology Co.(寧徳時代新能源科技:CATL)と韓国のSamsung SDIから100億ユーロ(約1兆2000億円)を投じてバッテリーを調達すると発表した。2018年中ごろに発表されたCATLとの最初の契約では、40億ユーロ(約4800億円)相当のバッテリーセルを購入するという話だった。今度の新規契約は2020年から2031年までの期間にわたるものだと、同社は同時に公表した。

BMWグループは、ドイツのエアフルトに建設中のCATLのバッテリーセル工場における最初の顧客となる。CATLをドイツに招致するうえで、BMWは大きな役割を果たしたと、BMW AGの取締役会メンバーであり、購入とサプライヤーネットワークの責任者であるAndreas Wendt(アンドリアス・ベント)氏は話していた。

画像クレジット:BMW

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(翻訳:金井哲夫)

BMWの次世代電動コンセプトカーには特製のサウンドトラックがついている

【抄訳】

6月25日にデビューした「Vision M NEXT」は、BMWの電動コンセプトカーで、ショウルームに登場するとしてもそれはまだかなり先だ。でもそのサウンドは、有名な映画音楽作曲家Hans Zimmer氏とBMW Groupの音響技師でサウンドデザイナーのRenzo Vitale氏が作り、同社の次の車に搭載される予定だ。

たしかに、電動車は無音だ。それらは、内燃機関を載せた車のような音を出す必要がない。このコンセプトカーも、それは同じだ。でも今回わざわざ作ったサウンドは、無音の電動車の楽しいおまけ機能として、ドライバーが有効/無効に設定できる。

今月の初めにBMWはZimmer氏を起用してVision M NEXTと、可能ならばその次の世代の電動車のサウンドの制作を委託した。でもそのとき発表されたビデオはノイズが多くて、バックグラウンドの音楽はよく聞こえなかった。

BMWはその後Webページを作ったので、この未来的な車を近くで見ることができる。無料のSTLファイルが提供されているので、この車の縮小バージョンを3Dプリントすることもできる。壁紙もダウンロードできる。そして、Zimmer氏がVision M NEXTのために作ったサウンドも聴ける。

下のビデオで聴けるサウンドは、加速されたVision M NEXTが「Boost+ Mode」モードに入ったときに鳴る音だ。

最初は、映画館で上映前に鳴るTHXの音みたいだが、加速を表す音に変わっていく。音のピッチがだんだん高くなってスピード感を感じさせる。

Blade Runnerを思い出してしまう。なかなか、よろしい。

【後略】

画像クレジット: BMW

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

コロラド大学出身のスタートアップSolid PowerがBMWと組んで自動車用固体電池の商用化を目指す

自動車メーカーのBMWは、多くの他社とともに、ソリッドステート(固体)のバッテリーという、鼻先の人参を追うレースに参加している。今日(米国時間12/18)同社は、バッテリー技術の企業Solid Powerとのパートナーシップを発表し、その技術に基づく電気自動車用固体電池の開発と商業生産を目指すことになった。

Solid Powerはすでに、その方面の企業が開発した無機素材を使ってバッテリーを作っており、そのバッテリーセルは従来のリチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が高く、したがって一定サイズ(立方cm)あたりの出力が大きい。

またそれは、液体ベースのバッテリーに比べて安全性が高く、実用寿命も長い。と、良いとこずくめのようだが、この、コロラド大学ボウルダー校から生まれたスタートアップの研究開発成果が商用レベルで実用化されるまでには、まだまだ紆余曲折がありそうだ。

そんなタイミングでこのほど、BMWが支援の手を差し伸べた。BMWの人材と専門知識が加われば、商用化は加速されるだろう。バッテリーと電動自動車に関してはBMWにも長年の研究開発の蓄積があるので、これからの共同開発のためのベースも十分に分厚い。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa