脳でコントロールするロボットやコンピューターが手術不要で実現する

カーネギーメロン大学とミネソタ大学の共同研究グループが、ブレインコンピュータインタフェース(Brain-Computer Interface、BCI、脳とコンピューターのインタフェイス)およびロボット工学における大きな突破口を開いた。彼らが開発したのは、人間が自分の心でロボットアームをコントロールする方法だ。手術のような侵襲的な手続きは要らない。

この実験のマインドコントロールロボットは、高度な運動制御能力も示した。画面の上で動くコンピューターのカーソルを、追うことができたのだ。これは言うまでもなくロボット工学の分野における大きな前進であり、個別ケースではなく一般的に、コンピューターを脳で制御できる可能性を実証している。それにはありとあらゆる用途がありえるが、麻痺などで運動能力に制約のある人でも、コンピューター化されたデバイスを操作できるようになるだろう。

これまで成功した高精度のBCI技術は、脳の信号をピックアップするインプラントを必要とした。インプラントを埋め込むのは危険であるだけでなく、高価であり、人間への長期的な影響も解明されていない。そのため広く普及することはなく、少数の人たちだけが恩恵に与っていた。

研究グループが開発した画期的な技術では、体内に装着するのではなく皮膚に貼ったセンサーからの低品質な信号を利用する。彼らは皮膚感覚と機械学習を結びつけて、ユーザーからの信号を捉える。その信号の起源は脳の内奥だが、捉えた信号には非侵襲的なテクニックにありがちなノイズがない。

この画期的な発見は、医療現場での実用化に向けてそう遠くないかもしれない。チームは、近く臨床試験を始めたい意向だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Brainの工場・小売向け自動走行荷物配送ロボが近くデビュー

Brainという社名はなんだかスーパーヒーロー漫画に出てくる悪い会社の名前のようだ。しかしサンディエゴ拠点のこのスタートアップは近年大きな資金調達を行なっていて、ここには2017年にソフトバンクが主導した11400万ドルのシリーズCも含まれる。

Brainは調達した資金を活用し、今日、店舗用の自動走行荷物配達ロボット立ち上げを発表した。現在まだコンセプト実証あるAutoDeliveryは独自のBrainOSナビゲーションシステムでつくられている。このシステムは、TennantMinutemanICENilfisk、そしてソフトバンクロボティックスを含む多くの企業のプロダクトを動かしている。

Brainのシステムは、店舗から工場、そして倉庫まで、幅広い用途を満たすようにデザインされているという興味深いものだ。それは、在庫ストックから配達向けのフルフィルメントまで、あらゆることができるということになる。この分野はAmazon RoboticsFetch、そして工場向けの自動走行ロボットを手がけるPlayground VentureがサポートするCanvasのプロダクトにみられるように巨大なビジネスで、数年後にはさらに大きくなると予想される。

まったくBoston Dynamicsでさえ、最近のKinema Systems買収でこの分野に参入しようとしている。

Brainのシステムはカートを引っ張る能力で持ってこの分野での競争に打ち勝ちそうだ。この能力は、上のビデオにあるように小売の分野で有用だろう。また、ロボットはタッチスクリーンも備えていて、雇用側は指示を直接インプットできる。これは、Bossa Novaの在荷を調べるロボットのようなプロダクトとは異なった従業員との関係を構築するものだ。

ロボットはまだ初期段階にあり、来週シカゴで開催されるProMat showでデビューする。Brain来年初めの商業展開を見込んでいる。

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(翻訳:Mizoguchi)

脳波によるロボットアームのコントロールに成功、人の心でロボットを制御できる技術がついに誕生

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これまでは、人間の意思でロボットアームをコントロールしようとすると、非常に複雑で非常に侵襲的な脳へのインプラントを必要とした。そこでミネソタ大学の研究者たちは、ちょっとかっこいいヘルメットと人間の思考能力だけを必要とする新たなシステムを作り、本物のマインドコントロールなロボットツールへの道を、拓(ひら)こうとしている。

この研究のリーダーで、生物医学工学の教授Bin Heは語る: “脳へのインプラントを使わずに、人間の思考だけでロボットアームを操作し、複雑な3D環境の中でオブジェクトに到達してそれをつかむシステムは、世界で初めてだ。アームを動かすことを想像するだけで、ロボットアームを動かすことができたのだ”。

そのシステムは脳波ヘルメットと、ある程度の訓練が必要だ。脳波を利用する技術はかなり前からあるが、ミ大の研究者たちは脳の運動皮質を利用して複雑なシステムをコントロールする方法をついに完成させた。人間が動きについて考えると、運動皮質中のニューロンが反応し、ニューロンの新たな集合を活性化する。これらのニューロンを整列し読み取ることで、脳/コンピューター間のインタフェイスが本物の腕の動きをシミュレートし、ロボットアームに与えるコマンドに翻訳する。

Heは語る: “被験者全員が、完全に非侵襲的なテクニックを使ってタスクを達成したから、すごいと思う。麻痺などの神経性疾病の患者を救う技術へ、発展する可能性があると思っている。彼らは外科手術によるインプラントを使わずに、もっと本格的な独立性(非依存性)を持てるようになるだろう”。

Heが書いた記事は、ここで読める

この方面の以前の実験では、感電事故で両腕を失った人が、彼の神経系につないだシステムのおかげで二つのロボットアームを同時にコントロールできた。しかしHeと彼のチームの新しいシステムは、そのような侵襲性を減らして、ロボットをコントロールする。そして誰もが、自分の心でロボットアームをコントロールできるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))