マッチングアプリBumbleの初買収はZ世代向けの同アプリFruitz、あらかじめ目的を明らかしておける点が人気

マッチングアプリ企業のBumble, Inc.(バンブル)は、米国時間2月7日、初の買収を行い、急成長中のフランスのマッチングアプリ「Fruitz(フルーツ)」を自社アプリのファミリーに加えるというニュースを発表した。Bumble, Inc.は、欧州で特に人気のあるBadooの親会社としてすでに国際的な事業展開をしているが、Fruitzを傘下に加えることで、より若いZ世代の利用者の間で勢いを増すことができると考えている。

取引条件は公開されていない。

Fruitzは、ユーザーのマッチングを支援するために、型にはまらないアプローチをとっている。同アプリでは、長期的な関係を望む人から一夜限りの関係を求める人まで、特定の関係タイプごとにフルーツが割り当てられている。これにより、ユーザーは自分と同じ考えを持っていない人を除外することができる。また、マッチングされた相手にメッセージを送る前に、アイスブレーカーとして機能する質問に答えるよう促される。

Fruitzは、CEOのJulian Kabab(ジュリアン・カバブ)氏、CTOのFabrice Bascoulergue(ファブリス・バスクーラーグ)氏、CFOのArnaud Ruols(アルノー・ルオール)氏によって共同設立され、最初は2017年2月1日にフランスでサービスを開始した。カバブ氏は、このアプリのアイデアは、自身がマッチングアプリを利用しようとした際に、その体験に何を求めているかという点で意図が異なる相手とマッチングしたことがきっかけだと語っている。

「自分が求めているものを表現することは、批判されることを恐れているので容易ではありません。その結果、誰もが自分の意図に正直にならず、お互いに時間を無駄にしていたのです」と同氏は語る。「人々が自分の意図に関して正直になれるようにすることが、私たちの最初のミッションでした」。

画像クレジット:Fruitz

Sensor Towerのデータによると、現在までにFruitzは、App StoreとGoogle Playで全世界で560万回ダウンロードされている。2022年2月3日現在、ホームマーケットであるフランスでは、iPhoneのトップ無料アプリチャートの「ライフスタイル」カテゴリーで4位にランクインしている。

現代の多くのマッチングアプリと同様に、Fruitzはスワイプベースのインターフェースとフリーミアム体験を提供している。

だがBumbleにとっての魅力は、このアプリのユニークな機能ではなく、その利用者層にある。Bumbleは、Fruitzがマッチングアプリ市場で成長しているZ世代に特にリーチしていることに着目した。またフランス、ベルギー、オランダ、スイス、スペインなど、西ヨーロッパの主要国でも人気を博しており、カナダでも急成長を遂げていた。

Bumbleの創業者兼CEOであるWhitney Wolfe Herd(ホイットニー・ウォルフ・ヘルド)氏は、声明の中でこう述べている。「Fruitzは、私が何年も動向を追ってきたブランドであり、リーダーシップチームです。ジュリアン(・カバブCEO)、ファブリス(・バスクーラーグCTO)、アルノー(・ルオールCFO)は3人ともダイナミックですばらしいリーダーであり、フランスをはじめとするヨーロッパ全域の消費者の共感を強く得るユニークな製品を作り上げました。このアプリを当社の技術プラットフォーム、コミュニティサポート、ブランドおよび成長マーケティングと組み合わせることで、Fruitzの成長を加速させることができます。Fruitzの買収により、当社が重視する人間関係のエンパワーメントに沿って、消費者向けの製品提供を拡大することができます」。

Bumbleは、Fruitzを同社の一連のマッチングアプリに組み込むとともに、機械学習(ML)技術、マーケティング、ローカリゼーション、安全性プラットフォームなどのリソースを提供する。なお、Fruitzのブランド変更や運営終了の予定はない。その代わり、共同創業者全員を含む9人のチームが、母国フランスでアプリの運営を継続する。現在、Fruitz、Badoo、Bumbleを擁するBumble, Inc.を合わせると900人以上の従業員がおり、オースティン、ロンドン、バルセロナ、パリ、モスクワにオフィスを構えている。

画像クレジット:Bumble

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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

【コラム】ソーシャルメディアとマッチングアプリが抱える深刻な身元確認問題

ソーシャルメディアとマッチングアプリはそろそろ、自分たちが蒔いてきた種を刈り取り、各プラットフォームから詐欺、偽装、デマ情報を一掃すべきだ。

その誕生当初、ソーシャルメディアやマッチングアプリは、インターネットの世界の小さな一角を占めるにすぎず、ユーザーはわずかひと握りだった。それが今では、Facebook(フェイスブック)やTwitter(ツイッター)が、選挙に影響を及ぼしたり、ワクチン接種の促進を後押しまたは阻害したり、市場を動かしたりするほどに巨大な存在になっている。

また、何百万もの人々が「生涯の」伴侶と出会うためにTinder(ティンダー)やBumble(バンブル)などのマッチングアプリを利用しており、そのユーザー数はFacebookやTwitterに迫る勢いだ。

しかし、お祭り騒ぎはここまでだ。信用や安全よりも利益が優先されてきた結果、なりすまし犯罪やオンライン詐欺が入り込む隙が作り出されてしまった。

今や、BumbleやTinderで友達が「キャットフィッシング(なりすましロマンス詐欺)」に遭ったという話も、家族の誰かがTwitterやFacebookでオンライン詐欺の被害を受けたという話も、日常茶飯事である。悪意のあるネット犯罪者が個人情報を盗んで、あるいはなりすましの個人情報を新たに作って、詐欺を行ったり、政治的または商業的な利益のために偽情報を拡散したり、ヘイトスピーチを広めたりした、というニュースは毎日、耳に入ってくる。

ほとんどの業界では、ユーザーによるなりすまし詐欺の実害を被るのは当事者である企業だけで済む。しかし、マッチングアプリやソーシャルメディアのプラットフォームで信用が崩壊すると、その被害はユーザーと社会全体に及ぶ。そして、個人に及ぶ金銭的、心理的、時には身体的な被害は「リアルな」ものだ。

このような詐欺事件の増加を食い止める、あるいは撲滅する責任を果たしてきたのは誰だろうか。何らかの措置を講じてきたと主張するプラットフォームもあるが、各プラットフォームがその責任を果たしてこなかったことは明白だ。

Facebookは、2020年10月から12月の期間に、13億件の偽アカウントを摘発したが、これは十分というには程遠い数だ。実際のところ、ソーシャルメディアやマッチングアプリは現在、最低限の詐欺防止策しか講じていない。簡単なAIと人間のモデレーターは確かに有用だが、膨大な数のユーザーには到底追い付かない。

Facebookによると、3万5000人のモデレーターが同プラットフォームのコンテンツをチェックしているという。確かに大勢だ。しかし、概算すると1人のモデレーターが8万2000件のアカウントを担当していることになる。さらに、ディープフェイクの使用や合成ID詐欺犯罪の手法の巧妙化など、悪意のあるネット犯罪者は手口を日ごとに進化させているだけではなく、その規模も広げつづけている。経験豊富なユーザーでさえもそのような詐欺行為に引っかかってしまうほどだ。

ソーシャルメディアやマッチングアプリのプラットフォームは、この問題と闘う点で腰が思いと批判されてきた。しかし、実際のところどのように闘えるのだろうか。

なりすましロマンス詐欺の被害は深刻

次のような場面を想像するのは難しくない。マッチングアプリで誰かと出会って連絡を取り始める。その相手がいう内容や質問してくる内容に、怪しさは感じられない。その関係が「リアル」だと感じ始め、親しみを覚え始める。その感情は気づかないうちにエスカレートして、警戒心は完全に解け、危険信号に対して鈍感になり、やがて恋愛感情に発展する。

このようにして新たに出会った特別な人とあなたは、ついに直接会う計画を立てる。するとその相手は、会うために旅行するお金がないという。そこであなたはその人を信じて、愛情を込めて送金するのだが、間もなくその人からの連絡が一切途絶えてしまう。

なりすましロマンス詐欺事件の中には、被害が最小限にとどまり自然に解決するものもあるが、上記のように金銭の搾取や犯罪行為につながる事例もある。米国連邦取引委員会によると、ロマンス詐欺の被害額は2020年に過去最高の3億400万ドル(約348億8000万円)を記録したという。

しかし、これは過少に報告されている結果の数字であり、実際の被害額はこれよりはるかに大きい可能性が高く「グレーゾーン」やネット物乞いを含めるとさらに膨れ上がるだろう。それなのに、ほとんどのマッチングアプリは身元を確認する術を提供していない。Tinderなど一部の人気マッチングアプリは、身元確認機能をオプションとして提供しているが、他のマッチングアプリはその類いのものを一切提供していない。ユーザー獲得の妨げになるようなことはしたくないのだろう。

しかし、オプションとして身元確認機能を追加しても、単に上っ面をなでるような効果しかない。マッチングアプリ各社は、匿名IDや偽IDを使ったユーザーの加入を防ぐために、もっと対策を講じる必要がある。また、そのようなユーザーが社会と他ユーザーに及ぼす被害の重大さを考えると、マッチングアプリ各社が防止策を講じることを、私たちが社会として要求すべきだ。

身元確認はソーシャルメディアにおいて両刃の剣

ロマンス詐欺はなにもマッチングアプリに限ったことではない。実際のところ、ロマンス詐欺の3分の1はソーシャルメディアから始まる。しかし、ソーシャルネットワークサービスにおいて身元確認を行うべき理由は他にもたくさんある。ユーザーは、自分が本物のOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)やAriana Grande(アリアナ・グランデ)のアカウントを見ているのか、それともパロディアカウントを見ているのかを知りたいと思うかもしれない。オプラ・ウィンフリーやアリアナ・グランデ本人たちも、本物のアカウントとパロディアカウントとの違いがはっきり分かるようにして欲しいと思うだろう。

別の重要な点は、ソーシャルネットワーク各社は身元確認を行うことによってネット荒らしの加害者を抑制すべきだという世論が高まっていることだ。英国では、同国のリアリティー番組人気タレントKatie Price(ケイティー・プライス)が主導して始まった「#TrackaTroll(#トロール行為を取り締まる)」運動が勢いを増している。プライスがHarvey’s Law(ハーヴェイ法)の制定を求めて英国議会に提出した嘆願書には、およそ70万人が署名した。ハーヴェイとは、匿名の加害者からひどいネット荒らしの被害を受けてきた、彼女の息子の名前だ。

しかし、ソーシャルネットワークを利用する際の身元確認を義務化することについては、強く反対する意見も多い。身元確認を行うと、家庭内暴力から逃げている人や、政治的な反対勢力を見つけ出して危害を加えようとする抑圧的な政権下の国にいる反体制派の身を危険にさらすことになる、というのが主な反対理由だ。さらに、政治やワクチンに関する偽情報を拡散しようとする多くの人々は、自身の存在を顕示して、自分の意見に耳を傾ける人を集め、自分が何者なのかを世の中に認知させたいと考えているため、身元確認を行っても彼らを抑止することはできないだろう。

現在、FacebookとTwitterは、正規アカウントに青い認証済みバッジを表示させる制度に「認証申請」プロセスを導入しているが、確実な措置というには程遠い。Twitterは最近、「認証申請」プログラムを一時的に停止させた。いくつもの偽アカウントを正規アカウントとして誤認証してしまったためだ

Facebookはもっと進んだ措置を講じてきた。かなり前から、特定の場合、例えばユーザーが自分のアカウントからロックアウトされたときなどに、身元確認を行ってきた。また、投稿されたコンテンツの性質、言葉遣い、画像に応じて、投稿者のブロック、認証の一時停止、人間のモデレーターによるレビューを行っている。

身元確認とプライバシー保護を両立させることの難しさ

悪意のあるネット犯罪者がマッチングアプリやソーシャルメディアで偽のIDを作って詐欺行為を働いたり、他の人に危害を加えたりすると、それらのプラットフォームに対する社会の信頼は損なわれ、プラットフォームの収益にも悪影響が及ぶ。ソーシャルメディアのプラットフォーム各社は今、ユーザー数を最大限まで伸ばすことと、ユーザーのプライバシーを保護することを両立させるために、あるいは、より厳しくなる規制とユーザーからの信頼失墜に直面して、日々格闘している。

盗難やハッキングによる個人情報の悪用を防ぐことは非常に重要である。もしTwitterやFacebookで誰かが自分になりすましてヘイトスピーチを拡散させたらどうなるだろう。自分はまったく関与していないのに、職を失うかもしれないし、もっと深刻な被害を受ける可能性もある。

ソーシャルメディアプラットフォーム各社は、ユーザーと自社のブランドを守るためにどのような選択をするのだろうか。これまで、プラットフォーム各社の決断は、テクノロジーよりも、ポリシーや利益の保護を中心として下されてきた。プライバシーに関する懸念に向き合って信頼を築くための対策と、利益確保の必要性とのバランスを取ることは、彼らが解決すべき戦略上の大きなジレンマだ。いずれにしても、ユーザーにとって安全な場所を作り出す義務はプラットフォーム各社にある。

ソーシャルメディアやマッチングアプリのプラットフォームは、ユーザーを詐欺や悪意のあるネット犯罪者から守るために、もっと大きな責任を担うべきだ。

編集部注:本稿の執筆者Rick Song(リック・ソング)氏はPersonaの共同設立者兼CEO。

画像クレジット:Andriy Onufriyenko / Getty Images

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(文:Rick Song、翻訳:Dragonfly)

アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

アップルが反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除、Google Playでは公開継続

Morsa Images via Getty Images

アップルは新型コロナや誤報に関するガイドラインに違反したとして、反ワクチン主義者の出会い系アプリ「Unjected」をApp Storeから削除しました。このアプリは「医療の自主性と言論の自由を支持する、志を同じくする人々」のための場所と自称しており、記事執筆時点ではAndroid版は今なおGoogle Playで公開されています。

Bloomberg報道によると、このUnjectedアプリは5月にサービスを開始したもの。ユーザーはプロフィールの作成や他の人とのマッチング、メッセージのやり取りなどを行うことができたと説明されています。

本アプリは基本的には反ワクチン主義者のための出会い系サービスであり、その公開は偶然にもTinderやBumbleといったマッチングアプリが新型コロナワクチン接種をユーザーに勧める特典を追加した時期と重なっており、そのため「アンチワクチン主義者向けのTinder」と呼ばれていたそうです。

また最近UnjectedはFacebookやTwitterのようなソーシャルフィードを追加したところ、これが(Android版では)Google Playによる審査のきっかけとなり、ユーザーが投稿した誤報を含むコンテンツを十分に取り締まっていないと判明したとのことです。GoogleはUnjected社へのメールで、ワクチンが「実験的なmRNA遺伝子改変剤」や「生物兵器」だという主張、人々を5Gネットワークに接続する「ナノテクノロジーマイクロチップ」などの投稿にフラグを立てた(規約違反と判断した)と伝えられています。

そして7月16日、GoogleはUnjected社に対して、それら投稿を削除するか、あるいはアプリをストアから削除されるかを選ぶ2週間の猶予を与えることに。それを受けてUnjectedの共同創設者シェルビー・トムソン氏は「私たちは検閲の綱渡りをしなければなりませんでした」と語りつつ、最終的にはソーシャルフィードを削除しています。

しかしトムソン氏は、フラグが立てられた投稿とともにソーシャルフィードを復活させる予定であり「レーダーに探知されないようにしたい」と語っており、反ワクチン活動を諦めるつもりはなさそうです。

一方、iOS版のUnjectedアプリは最近までApp Storeで配信されており、この件につきBloombergがアップルにコメントを求めたところ、削除されたとのことです。アップルはUnjectedの開発者に、削除理由を「コンセプトやテーマにおいて、COVID-19感染拡大に言及していることが不適切である」と伝えたそうです。

アップルの広報担当者いわく、最初の審査プロセスではUnjectedを拒否し、新型コロナ関連アプリのポリシーに準拠するよう変更した後にアプリを承認したとのことです。が、それ以降「開発者がユーザーに対して対外的に発言したり、アプリを更新しましたが、その結果、再びコンプライアンスから外れることになりました」と述べられています。

さらにアップル広報は、Unjected社がユーザーに対して、検出を避けるために特定の言葉を使わないように勧めていたとも付け加えました。こうした行いは、App Store Reviewガイドラインにある「システムに対して不正を働こうとした場合は(中略)そのデベロッパのAppはApp Storeから削除されます」の箇所に抵触するというわけです。それらアップルの回答は、米Engadgetも確認しています。

新型コロナのワクチン接種に反対する人々は世界各地でデモを起こすなど、少なからず社会問題となっています。すべての人々がどのように考え、どういった思想を持つことも自由ですが、あくまで正しい知識に基づいて行動し、誤った情報を拡散しないよう心がけたいところです。

(Source:Bloomberg。Via 9to5MacEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Apple / アップル(企業)Google / グーグル(企業)新型コロナウイルス(用語)Tinder(企業・サービス)Bumble(企業・サービス)フェイクニュース / 偽情報(用語)マッチングアプリ / デートアプリ(用語)ワクチン(用語)

マッチングサービスBumbleが1株43ドルでIPO

米国時間2月11日午後、マッチングサービスのBumbleはIPOの価格を1株あたり43ドル(約4500円)とし、1株あたり37ドルから39ドル(約3870円〜4080円)のIPO価格レンジを上回った。

Bumbleは2021年1月中旬に株式公開を申請し、2月2日に最初の株価レンジを提示したが、28ドルから30ドル(約2930円〜3140円)という価格レンジは結局、不足していた。Bumbleは今週初めに株価レンジを37ドルから39ドルに引き上げた

関連記事:マッチングアプリのBumbleが株式公開を申請

引受人オプションの可能性を考慮する前に、Bumbleは公募増資で5千万株を売却して21億5000万ドル(約2249億2000万円)を調達した。同社は明日の朝から取引を開始する予定だ。

Bumbleのデビューは、今週初めにMetroMileのSPAC主導で行われた公募増資を含む、他の多くの2021年におけるオファーの中でのことだ。他にもCoinbaseや、おそらくRobinhoodなど、有名な企業が2021年に上場すると予想されている。

Bumbleの株式公開は長い間、唯一株式上場が可能だと推測されていたMatchの後に行われた。しかしより小規模なBumbleの上場は、少なくともあと1社の上場の余地があることを証明した。

米TechCrunchはBumbleの決算をこちらの記事で詳しく紹介している。

関連記事:米国を中心に人気のマッチングアプリBumbleがIPOに向けて動き出したとの報道

カテゴリー:ネットサービス
タグ:BumbleマッチングアプリIPO

画像クレジット:Bumble

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter

マッチングアプリのBumbleが株式公開を申請

デートとネットワーキングサービスのBumble(バンブル)が株式公開を申請した

IACが所有するTinder(ティンダー)の元共同創業者が創業した同社は、ティッカーシンボル「BMBL」でNASDAQに上場する予定だ。BumbleのIPO計画は2020年12月に最初に報じられた。

BumbleのCEOであるWhitney Wolfe Herd(ホイットニー・ウォルフ・ヘルド)氏は、Bumbleを始める前はTinderの創業チームにいた。同氏はセクハラと差別を理由にTinderを提訴している。これが女性を主役に据えるデートアプリを構築するという同氏の探求心に、少なくともある程度はインスピレーションを与えた。

ウォルフ・ヘルド氏は2019年、Blackstone(ブラックストーン)との30億ドル(約3100億円)の取引の際、後にBumble Groupに改名するMagicLabの指揮をとった。BlackstoneはMagicLabでのハラスメントスキャンダルを受け、Badooの創業者兼CEOのAndrey Andreev(アンドレイ・アンドリーブ)氏を解任した。

Bumbleは新規募集にはうってつけのタイミングで公開市場に向かう。投資家は2020年後半から2021年初めにかけ、ベンチャーキャピタルが投資している会社のIPOを歓迎している。以前はAirbnb、Affirmなどの未公開企業に対し公開企業に投資する投資家が進んで支払いに応じたため、企業の価値が上昇した。それがさらに多くのIPO申請を呼んだ。そうした投資家がいなければマーケットの様相は異なっていたかもしれない。

ここでBumbleのIPO申請書類が読める。TechCrunchは米国時間1月15日遅くにいつものように資料を分析する予定だが、読者の検討開始のためにいくつか重要な数字を抜き出した。

だがその前に1つ。同社の取締役会の構成、つまり70%以上が女性であるということがすでに賞賛を集めている。では数字を見ていこう。

BumbleのIPO申請書類の内容

Bumbleを利用量、財務実績、株主の3つの観点から見てみたい。

利用量の面では、Bumbleは人気がある。ご想像のとおり、出会い系サービスが公開するには必要な規模に達する必要がある。同社は、2020年第3四半期の時点で月間アクティブユーザー(MAU)が4200万だったと主張している。多くの企業は2020年第3四半期の好業績に基づいて公開しようとする。第4四半期と年度の決算終了には時間がかかるためだ。

4200万MAUが、2020年の最初の9カ月間で合計240万の有料ユーザーにつながった。有料ユーザーのMAUに対する割合は、240万を42で割ったものではなく、それよりも小さい割合となる。

数字に目を向けてみる。Bumbleは数年前にその大部分を売却したことを思い出してほしい。同社は所有構造のせいで財務実績が複雑になっている。この点も考慮する。

S-1書類によると、Bumble Inc.はIPO後、「持ち株会社となり、唯一の重要な資産はBumble Holdingsの支配持分になります」とある。では、Bumble Holdingsの実態はどうか。

同社のS-1は微妙な会計処理に溢れているため、自分たちで計算してみることにした。2019年の最初の9カ月で、Bumbleは次の結果をたたき出した。

  • 売上高3億6260万ドル(約380億円)
  • 純利益6860万ドル(約71億円)

そして、2020年同期間の同じベースでの実績を提示するために2つの列を足すと、Bumbleの業績は次のようになる。

  • 売上高4億1660万ドル(約430億円)
  • 純利益マイナス1億1670万ドル(約マイナス120億円)

以降の説明では「所有者・株主に帰属する純(損失)利益」ではなく、収益性を考慮して「純(損失)利益」を使う。「所有者・株主に帰属する純(損失)利益」はさらなる説明を必要とするが、TechCrunchは外観をシンプルにしたい。

Bumbleは2020年の第3四半期にかけて緩やかな成長を遂げ、GAAPベースでは損失が急増したが、調整後利益は同期間に成長した。GAAPから乖離した指標である調整後EBITDAは、2019年の最初の3四半期の8000万ドル(約83億円)から、2020年の同期間は1億830万ドル(約190億円)に拡大した。

調整後の指標に関しては、一般的に急成長中の企業にある程度の寛大さを認めることにやぶさかではない。だが、BumbleのGAAPベースでの損失とEBITDAとのギャップが、我々の思いやりをストレステストにかける。同社はまた、2019年の最初の9カ月はフリーキャッシュフローがプラスだったが、2020年の第1四半期にマイナスに転換した。

Bumbleの第1、第2、第3四半期の売上高を通年の数値に換算すると、2020年の売上高は5億5550万ドル(約580億円)になる。ソフトウェア業界にありがちな控えめなマルチプルを適用しても、同社はすでに議論したように30億ドル(約3100億円)以上の価値があると思われる。

ただ、2020年には急激に採算性が悪化したため、最終的なバリュエーションは低下する可能性がある。申請書類をさらに深く掘り下げれば、さらに深い情報が得られるだろう。

最後に、株主に関しては、同社の申請書類からデータが驚くほど抜かれている。主要株主のセクションは以下のような感じだ。

詳細が判明次第、共有する。それまでは、S-1を楽しくお読みいただきたい。

関連記事:米国を中心に人気のマッチングアプリBumbleがIPOに向けて動き出したとの報道

カテゴリー:ネットサービス
タグ:BumbleマッチングアプリIPO

画像クレジット:Bumble

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(翻訳:Mizoguchi

マッチングアプリのBumbleがIPOに向けて動き出したとの報道

米国時間12月19日、人気のあるマッチングアプリスタートアップであるBumble(バンブル)が、非公開でIPOの書類を提出したとブルームバーグが報じた

バンブルがIPOを目指しているというニュースは驚きではない。TechCrunchは9月にこのニュースを取り上げ、ライバルのTinderが巨額の収益を上げていることに注目し、この2つのプレイヤーがビジネスを行うのに十分な規模の市場がありうることを示した。

バンブルが非公開で申請したということは、暗号資産のCoinbase(コインベース)と同じく、彼らもIPOの道を歩んでいることを示している。この2社がS-1申告書を公開した際には、市場は彼らの財務結果を目にすることになるだろう。

バンブルとCoinbaseは、Roblox、Affirm、Poshmarkに先んじてS-1申告書を公開する。今後数か月の間に、この5社はIPOを目指した手続きに進むことになるだろう。

GGVのハンス・タン氏(AffirmやAirbnbなどへの投資で有名な投資家)との最近のインタビューによると、2021年の第1四半期、第3四半期、第4四半期はIPOの活発な時期になる可能性がある。2020年の最終週にバンブルが参入することで、公開市場が史上最高値近くで取引される中、流動性を求める高価格の非公開企業にとって、年明けがいかに活発な年になるかが焦点となる。

TechCrunchは、今回の申請に関するコメントを求めてバンブルに連絡を取ったが、同社はコメントを拒否している。

ブルームバーグの報道によると、バンブルの評価額は60億ドルから80億ドルになる可能性があるという。これは事前の予想通りだ。この評価額に到達するために、市場がバンブルにどの程度の収益を求め、どの程度のペースで成長することを求めているのかは分からない。

しかし、同社は2020年初めに1億人のユーザーに到達したことを考えると、その評価額に達する可能性は大いにあるのだろう。

関連記事:恋人・友達探し、キャリア形成特化SNSのBumbleは「女性がいる限り存在する」とCEOが語る

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Bumble マッチングアプリ IPO

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(翻訳:TechCrunch)