歯列矯正装置のbyteが絶好調、2020年の売上高は108億円を予想

自己資金で創業した企業にみられる特徴の1つが、VCの支援を受けた競合相手より成長スピードが遅いことだ。外部から支援を受けずに行うマーケティングの費用は売上高に頼っていて、売上高は往々にしてマーケティングでの支出に頼っている。この2つの要素の微妙な関係は成長スピードを緩やかにする。それに比べ、VCの支援を受けた企業は売上をあげる前に資金を注入でき、これにより成長スピードを早めることができる。

byte(バイト)は自己資金でもっと早く成長できる方法を見つけ出した。2017年に設立され、2019年初めにプロダクトを立ち上げた同社は、会長のNeeraj Gunsagar(ニーラジ・ガンサガー)氏によると、売上高のランレートが2020年第2四半期に1億ドル(約108億円)に達する勢いだ。

同社は創業は初めてという人が自己資金で興したスタートアップではない。byteはシリアルアントレプレナーのScott Cohen(スコット・コーエン)氏とBlake Johnson(ブレーク・ジョンソン)氏によって設立された。コーエン氏は2011年に初めての会社を設立し(2016年にDeluxe Corporationに買収された)、ジョンソン氏とともに立ち上げたコーエン氏の2つめの会社Currencyは未公開会社に2019年に売却された。

そしてコーエン氏とジョンソン氏は、byteを次のステージへと成長させ、国際展開と次のプロダクトの展開に備えるために、TrueCarの元CMOで同社で8年過ごしたガンサガー氏に助けを求めた。

しかし話を戻そう。byteは目立たない歯列矯正装置を扱っていて、InvisalignやSmileDirectClubといった大手、そしてCandidのような小規模の在宅歯列矯正のスタートアップが競っている業界に参入した。しかしそうした競合相手とbyteの間には大きな違いがある。

まず、テクノロジーだ。治療プランには歯型を取るキット、目立たない矯正装置そしてHyperbyteと呼ばれるデバイスが含まれる。Hyperbyteは、歯列矯正をスピードアップするために、高頻度振動(HFV)で歯の根やその周辺の骨に微小パルスを送る口の中で使用するデバイスだ。

HFV治療はFDA(米食品医薬品局)に承認されており、歯科矯正医のクリニックで提供されている。しかし通常かなり高額になる。

Hyperbyteは、byteのサービスに含まれていて、サービス代金は1895ドル(約20万4000円)だ。bytePayという支払いプランも用意されていて、この場合、月々83ドル(約8900円)を2年ちょっと払う。一括払いの方が349ドル(約3万7600円)安い。同社はまた、歯列矯正と併せて使用できるホワイトニングのソリューションもパッケージに含めている。

byteのすべての治療プランは、医師免許を持っている歯科矯正医がレビューする。そして顧客は治療期間中に臨床面で何か問題があれば歯科矯正医または歯科医に相談できる。また、咬合治療に保険を適用できる場合もある。

別の表現をすると、byteは歯列矯正治療にかかるコストと時間を軽減するものだ。重要なことには、byteは軽度の咬合異常、そして少しの隙間やわずかな歪みといったさほどひどくはない歯並び、過蓋咬合のような複雑ではない問題を専門としている。

最も興味深いのは、byteが2020年第1四半期に爆発的な成長を見せたことだ。2020年1〜3月の売上高は前年同期の10倍だった。そして第2四半期も10倍成長の勢いを持続しているという。byteはまたTechCrunchに対して、新型コロナウイルス(COVID-19)前のEBITDAは良好だった、と述べた(すべての非公開企業にいえることだが、そうした数字はbyteのものでありTechCrunchは確認していない)。

利益がbyteの財政状態を改善している。最初の歯型取りキットにたどり着くまでの顧客獲得コスト(CAC)は、2019年末に平均189ドル(約2万円)だったが、2020年4月末までに88ドル(約9500円)に下がった。

CACの急激な低下にはいくつかの要因が絡んでいる。ガンサガー氏によると、Googleキーワードの価格は新型コロナウイルスパンデミックの最中に大幅に下がり、直接そしてオーガニックのトラフィックが倍に増えた。これはおそらく新型コロナパンデミックで自己磨きへの関心が高まったためだ。

高まる自己磨きの潮流に乗った企業はbyteだけではない。「自己磨きへの関心、この期間を有効活用しようというトレンドがある」とRakuten IntelligenceでマーケティングSVPを務めているJaimee Minney(ジャイミー・ミニー)氏はCNBCに語った。「本の売上が増えている。ゲームやパズル、そして健康・美容部門の売上も同様に伸び始めている。特に2019年と比較するとそうだ。私が今後注意を向けるのは自己磨きのものだ」。

これまでは、こうした状況で会社の成長を加速させるために他の企業はマーケティングにより資金を投じていた、とガンサガー氏は説明した。

「我々は事業拡大に伴って、顧客体験も収益性も犠牲にしない」とガンサガー氏は話した。「我々はシステムを通じてあまりにも多くの歯型取りキットを展開したくない。何故なら、テクノロジーと体験の点でしっかりとサポートできることを確かなものにしたいからだ。我々が投じる資金はすべてかなりの収益を生んでいる。さらに資金を投入しても目標とするCAC150ドル(約1万6000円)は下回っていて、今年の売上高は1億ドルを超える。しかし我々のNPS(ネットプロモータースコア)や顧客満足度がひどいものにならないはず、とすごく自信があるわけではない」

用心深い成長戦略を描く中で、ガンサガー氏とbyteは幅広いテックエコシステムを漠然と眺めているわけではない。成長のためにあらゆる犠牲を払い、結局失敗に終わったテック企業を我々は目の当たりにしてきた。歯列矯正の分野でもそうした例はある。例えばSmileDirectClubは2019年9月のIPO前にすばらしい成長を達成したが、返金と引き換えにNDAを求められたという顧客から批判を浴びた

byteのもう1つの重要な戦略は、今後立ち上げられる歯科医や歯列矯正医とつながることができるbyteProだ。ヘルスケア専門家を切り離すのではなく、ともに成長しようという考えに基づいている。

2020年6月から展開されるbyteProでは、歯科医や歯列矯正医はbyteのプロセスにこれまで以上に関わることになる。これからサービスの利用を始めるクライアントは、byteの歯列矯正プロセスに関わって欲しいとかかりつけの歯科医や歯列矯正医に依頼できる。またオンラインで注文しなくても歯型取りインプレッションキットをかかりつけ医のクリニックで入手することすらできる。一方で、歯科医や歯列矯正医はbyteProネットワークに加入して新規患者とマッチングしてもらえる。さらにbyteを購入した人が年間を通じてこれまでよりもクリーニングや他の治療など歯のことを気に掛けるようになる、とbyteは話す。笑顔をすてきなものにするために投資した人に、いい歯科医や歯列矯正医を引き合わせることをbyteは目的としている。

byteはVCの支援は受けていないが、女優で投資家のKerry Washington(ケリー・ワシントン)氏から小額の資金を受けている。ワシントン氏はThe WingとCommunityにも投資していて、byteではクリエイティブ・ディレクターを務める。

「ポートフォリオを引き続き増やすための方法を探していたとき、自分自身が関わることを誇りに思えるような企業にフォーカスしていた。誇りに思えることとは、プロダクトの質と人々の暮らしの質をいかに向上させるかというものだ」とワシントン氏は述べている。「声を上げられることは本当に重要だ。byteに関しては『もし口を開けられらないのなら、声を出すことはできない』といってきた。そして顧客から話を聞くとき、人々は笑ったり話したりすることを恐れる。私はbyteが多くの点で人々の暮らしをいい方向へと変えられるツールだと認識した」。

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(翻訳:Mizoguchi

スパム問題のあった動画投稿アプリ「Byte」のダウンロードが100万回超え

Vineの後継とされる、新たなショート動画アプリのByteはさまざまな問題を抱えつつも力強いスタートを切った。Vineの共同創業者Dom Hofmann(ドム・ホフマン)氏が作ったこのアプリは、Vineによって人気になっていた6秒動画を再び利用できるようにした。VineはTwitterによる買収で2016年にサービスを終了していた。Sensor Towerの新たなデータによると、Byteはリリース後の1週間で130万回超ダウンロードされた。ダウンロードの大半は米国で、そして英国とカナダが続いた。

「米国でのダウンロードは全体の70%を占める91万2000回だった」とレポートにある。一方で英国のダウンロードは全体の7%、カナダは6%を占めた。また、ダウンロードの大半はiOSで行われ、95万回のiOSに対してAndroidでは35万回だった。

App Annieの数字は若干異なるようだが、2月2日までのダウンロード数がiOSとAndroid合わせて100万回を超えたのは同じだ。

Sensor TowerはByteの数字を、2013年1月のVineのデビュー時と比較している。Vineの最初の1週間のiOSでのインストールは77万5000回にとどまった。しかしこれは、ByteがすぐにVineよりずっと人気のアプリになることを意味するものではない。

というのも、アプリマーケットはユーザー数、デバイス数の増加で成長しているからだ。例えば、2016年にはスマホを所有していた人は世界で25億人だった。しかし今やその数は35億人を超えている。加えて、Vineは知られていないスタートアップとしてショートビデオの業界に参入した。一方のByteはVineとの相似性を利用できるだけでなく、Vineの成功やTikTokのおかげでショート動画が大人気になっているというタイミングでの登場だ。TikTokは2019年に最もダウンロードが多かったアプリランキングで4位だった。

サービス開始に伴う数字は力強いものだったが、Byteのデビューは完璧ではなかった。

Byteはサービスを開始してすぐに、リクエストを受けたボットがコメント欄を埋めるという大量のコメントスパムに見舞われた。ここにはポルノボットからのリクエストも含まれる。「Byteを真っ先にダウンロードしたユーザーはまた、Taylor Swift(テイラー・スイフト)やTrump(トランプ)、Bezos(ベゾス)、Tiger Woods(タイガーウッズ)などテック大物からセレブに至るまで、実在の著名な人物に属するユーザーネームの『ひったくり』も始めた」とSlateは報じた。Byteはすぐさま問題の調査に乗り出し、クリーンアップを行うことを約束した。

しかしByteの問題はそれだけではない。Byteはもともと対象年齢12才以上で始まったが、すぐに大人が投稿したものとともに、明らかに子供からのビデオで一杯になった。Byteの人気フィードは、下ネタや性的からかい、そして児童虐待やコロナウイルス患者に関する嫌なジョークを含む問題のあるコンテンツであふれた。

ひどい内容のコンテンツを投稿している少年たちが18才以上かどうかははっきりしない。しかし下ネタを扱っているその他の多くのビデオ、そしてその後に続く幼い子供が撮影したビデオを閲覧するというのは不快な体験だった。

人気フィードの中には男性器の模型をセックスドールに向けて飛ばすというドローンのビデオも含まれていた。また別のビデオは、男性が激しく携帯電話のスクリーンを叩くという、児童虐待を思わせるものだった。このビデオは上部から撮影されていて、子供の視点だ。キャプションには「子どもが正当な議論をしようとするとき」とある。

幼児を映しているビデオ2本のうち、1本はボール遊びをする中で父親がおそらく意図的に赤ちゃんを叩くところが映っている。もう1本では、誰かが台所のシンクのノズルで赤ちゃんの顔に水を掛け、その後赤ちゃんが泣く様子が収められている。

また別のビデオではコロナウイルスで死にかけている中国人をからかっている。ジョイント(紙巻き大麻)を吸っているティーンエイジャーが、サイレンを聞いて逃げるというビデオもある。

Vineのビデオはそれぞれに奇妙で馬鹿げたものだが、良いビデオは愚かなものでなければ汚いものでもなかった。

大人向けの内容が多いことを考えたとき、Byteのユーザー年齢チェックとアプリの対象年齢12才以上というのは懸念事項だ。なお、Byteは週末に対象年齢を17才以上に引き上げたことで、上記のビデオを目することはなくなっている。またApple(アップル)がVineのコンテンツを調べていたことを我々は知っている。

Byteのコンテンツがあちこちから持ってこられているというのも懸念すべき点だ。YouTubeやFunnyorDie、TV番組、TikTokのものすらある。ユーザーはまたSnapchatのビデオやウェブ上のミームも再投稿していた。

対象年齢の変更からするに、Byteは問題のあるコンテンツで警告を受けたのかもしれない。Byteはいま、ディスカバリーページのトップに精選されたスポットライトフィードを持ってきている。このページではビデオキュレーションが改善している。

Byteは1月31日にパートナー・プログラムについての初期情報を公開した。このプログラムは他のプラットフォームにはない売上をうむ可能性があるとうたっている。

比較の対象として、TikTokはこれまでに16億5000回ダウンロードされているものの2019年の総利益はたったの1億7690万ドル(約194億円)で、確固たる収益化の方法を見つけられていない。しかしTikTokの幹部たちはブランンドを他の方法で成長させるために名前を売っている。その方法には、ユーザーをYouTubeやInstagramといった他のソーシャルチャンネルに向かわせるというものがある。またファンとの直接交流さえ行っている。

Byteスターによる完全に新しい世界が出現するのかどうかはまだわからない。

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(翻訳:Mizoguchi

一世を風靡したVineの生まれ変わりByteが正式にローンチ

Vine(かつてTwitterが提供していたショートビデオ)の共同創業者であるDom Hofmann(ドン・ホフマン)氏は、その後継サービスをByteという名前で開発していることを公言していたが、米国時間1月24日それがiOSAndroid上でデビューを果たした。Byteを使えば、6秒のビデオを撮影またはアップロードして共有できる。わずかな時間しか許されていないことによって、最大1分間可能なTikTokのクリップよりもさらに密度の高い、余計なカットなしのコンテンツを、Byte上では生み出さなければならない。

Byteにはフィード(feed)、探索ページ(Explore)、通知(notification)、そしてプロフィール(profile)などの標準的なソーシャル機能が用意されている。だが現時点では、Byteにはリミックス機能、拡張現実フィルター、トランジション効果、そしてTikTokといった他アプリにはあるボーナス機能が搭載されていない。

ホフマン氏はByteを差別化するために、コンテンツクリエーターの収益化の支援に初期の焦点を置いている。Byte上で人気が出た人びとに、収益化オプションを提供するパートナープログラムのパイロット版が間もなく開始される予定だ。Byteは広告収益の分配、チップ、その他のオプションをパートナーに提供するのかと質問すると、ホフマン氏は「どのオプションも考慮していますが、当初は広告収益の分配と資本金からの補助を行います。パイロットプログラムの仕組みについては、まもなく詳細にお話しする予定です」と語った。

TikTokやSnapchatのような、直接的収益手段に欠けるアプリ上で人気を博した多くのクリエイターたちは、安定した広告収益を獲得できるYouTubeに視聴者たちを引き付けようとしてきた。早期の支払いを始めることで、Byteはそうしたダンサー、コメディアン、およびおふざけコンテンツをアプリに誘導して、より長い間、引き留めておくことが可能になるだろう。Chris Melberger(クリス・メルバーガー)のような元VineスターたちがTikTokスターになっている。Joshdarnit(ジョシュダーニット)やLance Stewart(ランス・スチュワート)はすでにByteに参加している。

また、Byteの最も熱心な利用者とのコネクションも、ホフマン氏がアプリをより魅力的にするために重視していることだ。彼は、2018年初頭に行ったByte初の発表以来、ベータテスターフォーラムを積極的に運営していて、そこを次に実装すべき機能を見つける場所とみなしている。「オンラインサービスの背後にいる人たちと、そのサービスを実際に使う人たちが、お互いに離されているのはとても残念なことです。そこで私たちはこのフォーラムを運営することで、お互いの関わりを良くできないかと思っているのです」とホフマン氏は書いている

Byte創業者のドン・ホフマン氏

Byteへの道のりは長かった。振り返れば、ホフマン氏は2012年6月に、Colin Kroll(コリン・クロール)氏、Rus Yusupov(ラス・ユスポフ)氏らと共同でVineを創業した。同社は実際にローンチを行う前の2013年1月にTwitterに買収された。その秋までに、ホフマン氏は退職した。しかし、2014年と2015年には、連射砲のようなコミカルな寸劇と、ループ効果によって解き放たれた創造性のおかげで、Vineの人気が高まった。Vineのアクティブユーザーは、2億人以上になった。その後、考えられないことが起こった。なりふり構わないコスト削減によって、Twitterはそれ以上のビデオコンテンツをホストしなくても良いように、Vineの共有フィードをシャットダウンしたのだ。創造的なウェブの住人たちは悲しみに沈んだ。

そのころまでには、ホフマン氏はすでに、より自由度の高いクリエイティブが可能なByteの最初のバージョンを実装していた。写真、GIF、描いた絵などを、共有可能な小さな作品としてまとめることができたのだ。しかし、このプロトタイプが多くの人に受け入れられることはなかった。ホフマン氏は、2018年初頭にV2と呼ばれる後継アプリを実装する計画を発表して、Vineファンに希望を与えたが、数カ月後にはそれをキャンセルした。その後ホフマン氏は、2018年の終わりまでにはプロジェクトについてより真剣に取り組むようになり、Byteという名前を発表し、2019年4月には ベータテストを開始した

関連記事:Twitterが放棄したVineがByteとして復活、TikTokから市場を奪回できるか?

現時点での大きな疑問は、遅れてやってきたByteが果たして無事、テイクオフできるかどうかだ。TikTok、Snapchat、Instagram、その他のサービスがある中で、人はさらに別のショートビデオアプリを必要とするだろうか? ここで勝つためには、他の場所でより多くの視聴回数を得ることができる、高い質を誇るクリエイターたちを誘う必要がある。Dubsmash、Triller、Firework、そしてFacebookのLassoといったTikTokのライバルが現在、米国でも使われていると考えると、競争の少ないネットワークにおけるスターの座を探すクリエイターたちには、挑戦できるアプリがすでにたくさん存在している。ホフマン氏が、Byte上でVineの魔法を十分に再現するためには、人びとの記憶の中にあるVineのブランド力に頼る必要があるだろう。

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(翻訳:sako)

Twitterが放棄したVineがByteとして復活、TikTokから市場を奪回できるか?

2016年に財政的に苦境にあったTwitterが6秒動画のVineを終了させて以後、ループする短い動画を共有する市場は中国のTikTokにさらわれた感があった。それから1年半経って、Vineの共同ファウンダーであるDom Hoffman(ドム・ホフマン)氏はVineの後継アプリのV2を開発していると発表した。このアプリがByteと改名され、このほど非公開ベータを開始した。

ホフマン氏は友だち100人をアプリに招待したという。ByteはVineによく似ており、縦位置撮影の短いスマートフォン動画を簡単にアップしてループ再生で共有するソーシャルプラットフォームだ。表示の順序はもっとも新しい投稿がトップとなるフィード方式だ。

すでに中国のTikTokが巨大なシェアを獲得しているためByteの前途にはかなり厳しい戦いが待っていそうだ。しかしByteが口パクやカラオケ、その他のティーンエージャーが喜ぶギミックに煩わされず、大人にとって有益な動画メディアとなることを目指すなら勝算はあるかもしれない。

ホフマン氏はTechCrunchに対して、ベータコミュニティーの即興性が高い気風に勇気づけられていると語った。クリエイティブで面白いコンテンツを大量に蓄積できる段階まで来ていないが、十分に説得力あるアプリに仕上がっていると同氏は確信している。第一に優先させるのは、たとえ他のサービスのほうがページビューを稼げるとしてもByteを試してみようとクリエーターが考える空気を、サービスの正式ローンチ前に作り上げることだという。

ホフマン氏は当面、このベータテストを続けながら、機能を追加したり削ったりしていく。こうした試行錯誤でビデオクリエーターは実際にどんな機能を必要としているのかを確かめていくという。現在のアプリは録画だけで別サービスへのアップロードはできない。ビデオクリップはニュースフィード方式で表示され、気に入ったら「いいね!」とコメント付けることができるだけで、まだアカウントのフォロー機能もない。ホフマン氏のもとに集まった7人の開発チームは、次のアップデートでアップロード機能とユーザープロフィールの表示機能を付け加える予定だ。

TikTokの大成功が「ループする短いビデオ」というマーケットを一変させた。まだこの市場が狭いニッチだった頃のVineを復活させるだけではメインストリームメディアの一角に食い込んだTikTokを倒せる見込みはなく、独自な要素が必要だとホフマン氏は気づいている。同氏は私のインタビューに対して「TikTokはVineを自然に発展させた素晴らしいサービスだと思っている」語った。ただしByteの目指すところはVineの発展形ではない。

TikTokがこれほど広く使われている状況で別のVine的なサービスが必要なのかどうかは興味ある問題だ。TikTokにはすでに5億人のユーザーがいるという。ホフマン氏はByteを近くこの市場に参戦させるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook