comScoreの新たな調査によると、インターネットを介してケーブルTVのような番組を提供するストリーミングTVを視聴している米国の世帯数は、1年間で58%も増えた。しかしながら、ストリーミングTVの割合は全体からすればまだ小さく、4月時点でWi-Fiを利用している世帯の5%(490万世帯)を占めているにすぎない。
そうしたデータを示しつつ、comScoreは“pure-play”と呼ぶvMVPDs (virtual multichannel video programming distributors)に注目している。vMVPDs は、Sling TVのようなライブTVサービスを表す一つの業界用語だ。同軸ケーブルのようなアクセサリを使わなくてもインターネットを介していくつものテレビ番組ストリーミングができ、オリジナル番組やユーザーのビデオといったコンテンツは扱わない。
vMVPDs のラインナップとしては、Sling TVやDirecTV Now、Playstation Vue、fuboTV、Philo、YouTube TVそしてHulu with Live TVなどがある。comScoreが“pure-play vMVPDs”と呼ぶところのサービスもHulu LiveやYouTube TVを除けばほぼ同じリストになる。それらは、有線でなく、オリジナル番組のようなデジタルコンテンツだけを扱う。
今回の調査で、こうした “pure-play”のライブTVサービスを受け入れる家庭が急激に増え、その一方で多くの人が従来の有料TVサービスを利用しなくなっていることが明らかになった。
例えば、2018年4月のストリーミング番組・映画の鑑賞に費やされた時間の10%は “pure-play”のストリーミンサービスを介している。これは昨年の数字に比べると53%もアップしている。
そうしたライブTVサービスを1つでも利用している家庭では、OTTストリーミング視聴の半分はライブTVサービスを活用している。
また興味深いことに、他の新たなテクノロジーとは異なり、ライブTVサービスは若い世代にだけ受け入れられているわけではない。
2017年4月、ライブTVサービスを利用している米国の世帯において、一家の長が35歳以下だったのは29%だった。しかし今年4月、この数字は8ポイント下がって21%となっている。つまり、一家の長が35歳以上の世帯の利用が増えていることを意味している。
他にも、すでにOTT機器を使ったストリーミングを利用している世帯がさらにライブTVサービスを利用しようとしていることも今回の調査で明らかになった。
2018年4月、OTT機器を使ったストリーミングを利用している世帯は平均128時間のOTTコンテンツをストリーミングしていた。これはそうでない世帯の平均の54時間を大きく上回っている。半分はストリーミングライブTVの利用で、残りの半分はNetflixやAmazon Prime Videoといったオンデマンドのような他のサービスの利用によるものだ。
そうしたライブTVサービスは今後も増え続けるとcomScoreはみていて、Hulu LiveやYouTube TVといった新手のサービスのユーザー数は今年それぞれ100万人を超えると予測している。
これにより、全vMVPDsのユーザーは、衛星TVを利用している世帯の3分の1近くに相当する700万人超となるとみられている。
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(翻訳:Mizoguchi)