企業用のメッセージ伝言板Convoが、全員が確実に読んだことを知る簡単な方法を考案

企業のリアルタイムの伝言板Convoが今週、ちょっとした工夫で、読んだことの確認を自動化した。

企業ではよくあることだが、社員全員に何かを送る必要があるときは、それを誰が見て、誰がまだ見てないかを知る必要がある。全員が読むべきものを、全員が読んでくれたか? まだ読んでない人は誰々か?

「読んだ」というメールをもらうようにしてもよいが、大きな会社ではメールが使えないところにいる人もいる。署名帳を回す方法もあるが、少々めんどくさい。全員が見た/読んだことが分かるリストがほしいだけだから、これは簡単なコンプライアンスの問題だ。であるべきだ。

Convoの新しいツールは、それが容易にできる。伝言を書いて送るのは前と同じだが、それを実際に送る前に、“受け取った者は受け取りを確認してから見ること”*、というボックスにチェックを入れる。〔*: 下図では、Tap Acknowledge to view the post、Acknowledgeをタップしてからポストを見よ〕

伝言のメッセージが同僚のConvoのタイムラインにポップアップしたとき、タイトルを除くメッセージ本文は完全にぼやけている(下図)。意識的にそれを確認(acknowledge)すると、ぼやけはなくなる。そしてメッセージの送信者には、誰それが今読んだ、というアラートが行き、その人の名前は“まだ読んでない”のリストから“読んだ”のリストへ移動する。

ただしこれはセキュリティの機能ではないから、正式に確認せずにぼやけを消すこともできる。送った人が、相手の人のスマホの画面をいちいちチェックするなんて無理。目的は、会社の誰もがそれを見ないようにするというセキュリティではなくて、誰もが確実にそれを見て、自動的に生成されるリストにより、何かのコンプライアンス要求を満たすことだ。Convoのグループ機能を正しく使えば、メッセージはそれを見る必要のある人だけに行く。

この機能は今週初めに展開された。来月にはすべてのConvoネットワークで使えるようになるだろう。そのとき同社はその利用を、エンタープライズのレベルの顧客に限定したいだろうな。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Slackが会話にスレッド化を導入―エンタープライズ・チャットが大きく進化

2017-01-19-slack-threads-starting-thread

今日(米国時間1/18)、Slackはついに会話のスレッド化という大きなアップデートを行った。ユーザーはスレッドを用いるとメッセージのカオスから離脱して、特定の投稿に対する受け答えを着実に続行することができる。スレッドの利用は簡単で、既存のチャンネルやダイレクト・メッセージと同様、スレッドの開始も参加も簡単にできる。新しいコメントをメインのストリームでも共有したい場合、メッセージの下部に表示される小さいチェックボックスをクリックしておけばよい。

Slackは誕生以來ずっとこの上なくシンプルな企業向けコミュニケーション・ツールとして人気を集めてきた。あちこち改良が行われたが、全体として変化は少なかった。こうした「シンプルで使いやすい」ことがセールスポイントのサービスが大きなアップデートを行うときには―たとえ多くのユーザーが望んでいる方向への変化であっても―慎重にならざるを得なかったのだろう。

slack threads

スレッドが表示されるのはSlackがFlexpaneと名付けた右側の多機能サイドバーだ。從來この部分にはメンバーのディレクトリ、最新のアクティビティーなどを表示させることができた。スレッドを開始するのはごく簡単だ。投稿されたメッセージの上にマウスを乗せると、投稿右上部に「リアクションを追加」などのアイコンが表示される。今回ここに「スレッドを開始」のアイコンが追加されたので、クリックすればよい。右側にサイドバーが開き、ここでスレッドによる会話を続行することができる。【略】

スレッドは多くのユーザーが長いあいだSlackに要求していた機能だった。Convoなどライバルの企業向け共同作業ツールにはスレッドをサポートしているプロダクトも多い。スレッド化はSlackの競争力を高め、Slackを少し試しただけで離れてしまったユーザーを引き戻す上でも重要だと考えられていた。スレッド機能の開発には1年以上かかったものの、Slackはこれで単に使いやすいチャット・ツールというだけでなく、企業向けのフル機能の共同作業プラットフォームとなった。

Slackはスタート以來、ユーザー体験を変えるような大きな変更を行ってこなかった。シリコンバレーのスタートアップとしては希なことで、Skackが高い人気を得ている理由のひとつにもなっている。昨年4月に2億ドルを調達したときの.Slackの企業評価額は38億ドルにも上った。最近の大きなアップデートといえば、サードパーティーのデベロッパーがボットを開発することができるプラットフォームが提供されたことぐらいだった。

騒がしいメインストリームの会話から離れて個別の話題をスレッド化できる機能の提供は、Slackの規模が拡大するにつれて必要性を増していた数多くの新たなユースケースを提供するだろう。Slackにスレッド機能がないことは小人数のチームが利用するだけならあまり気にならなかったかもしれない。しかし大企業が全社的に採用するようになるとユーザーのメイン・パネルは会話の奔流となり、理解が難しくなっていた。Slackではチャンネルの追加やプライベートな会話も可能だが、これも開いてみるとどこかで拾ってきたつまらないGIFしかアップされていないことがある。スレッド化は使い方をシンプルに保ったままメイン・パネルのノイズを脇に追いやることができる機能として歓迎されるだろう。

スレッドはモバイル・アプリからも利用可能だ。Slackは企業内のわれわれの現実のコミュニケーションの行動をオンラインで再現する試みだ。それだけにSlackのプロダクト責任者、Paul Rosaniaは「スレッド機能はSlackのメイン・パネルの機能をすっかり代替するものではない」と注意する。

「われわれはスレッドをメッセージの中心にしようとしているわけではない。もしそうならスレッドを〔必要に応じて表示される右サイドバーではなく〕もっと目立つ位置に実装しただろう。スレッドは從來の機能では対処が難しいユースケースに対処するためのものだ。メインのパネルに流れる情報量が多すぎる場合、会話が困難になることがある。メイン・パネルの情報量には適正な上限があるのだろう」とRosaniaは述べた。

slack threads

スレッド機能はまだ全ユーザーに公開されているわけではない。【略】 「ユーザーがこの機能を実際にどのくらい利用してくれるかまだわれわれには判断できない。しかしこういう機能をユーザーが必要としていたことは確かだ」とSlackの副社長、April Underwoodは語った。

〔日本版〕Slackのヘルプセンターのスレッド機能の説明によれば、「スレッドはここ数日かけて徐々に全ユーザーに公開される予定。 Slackをアップデートしてもスレッド化機能が表示されない場合はもう少しお待ちください」とのこと。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+