日本拠点のモバイルイベント・チケット販売スタートアップ、Peatixが、デジタルガレージのリードで500万ドルのシリーズBラウンドを完了した。国際的プレゼンスとテクノロジーの発展を目指す。
東京に本社に拠点を置くデジタルガレージは、同社の投資子会社DG Incubationを通じてTwitterやKiip等に投資している。今回のラウンドには他に、Singapore Press Holdings、日本の広報会社、Sunny Side Up、および既に出資しているFidelity Growth Partners JapanとDraper Nexusも参加した。
Peatixのサービスはモバイルチケット販売プラットフォームで、主催者はイベントに関するあらゆる物事を、参加者にチケットを配るところまですべてモバイル端末から管理できる。同社が提供する斬新な「color sync」チケットシステムは、QRコード等の既存システムより速くて簡単に使えるという(昨年本誌のTechCrunch Japanイベントでも利用した)。
Peatixは当初日本のみでサービスを提供していたが、2013年夏にシリーズAラウンドで300万ドルを調達してから海外進出を始めた。現在東京、ニューヨーク、およびシンガポールにオフィスを持つ同社は、Peatixプラットフォームで処理されているチケットの約20%が日本国外のものであると、共同ファウンダー・CEOの原田卓氏がTechCrunchに話した。
原田氏はPeatixがマレーシアのクアラルンプールにオフィスを設立中で、その他の市場も評価していることを明かした。ヨーロッパが次の「明確な」ステップであり、香港への進出も可能性が高いと彼は言った。
チケット販売は競争が熾烈な業界であり、同社は小規模の「非伝統的」イベントに焦点を絞り ― 2%という手数料は非常に競争力がある ― モバイルファーストのプラットフォームを提供することで差別化をはかっている 。
同スタートアップは、これまでに5万件以上のイベントで120万枚以上のチケットを販売したと言っている。昨年のチケット売上は2013年の2倍以上だった。今回新たに調達した資金は、この成長を続け、さらに海外展開を進め、モバイルアプリとイベント発見システムを改善するために使われる。
原田氏によると、現在販売されているチケットの15%は、Peatixの発見システムでイベントに遭遇したユーザーによる。彼は新機能によってその数字をさらに増やしたいと考えていて、この方法で参加者を獲得したイベントからの収益化も視野に入れていると言った。
さらに同社は、イベントとスポンサー企業を結びつけるビジネスも開始した。当初は日本とシンガポールでスタートし、例えばチケットにUberのクーポンを付けて帰宅のタクシーをディスカウント価格で利用できるようにすることで、米国の相乗りサービスが新規顧客を獲得する手助けをする、といったマッチングを行う。
原田氏は、同社の日本での事業は海外ビジネスより「2年早くスタート」したにもかかわらず、「1~2年のうちに」海外売上が日本を上回ると予測していることを強調した。
Peatixは、国内事業に甘んずることなく海外拡大を目指す、新たなタイプの日本発スタートアップの一つだ ― 他にも、FlipboardのライバルSmartnewsやアプリ収益化スタートアップのMetaps等がある。海外に進出することと、そこで成功することは別の話だ。原田氏は、米国市場は「非常に競争が激しい」ことを認めたつつ、この国の壮大なスケールを踏まえればまだまだ多くの可能性があると信じていると言った。
同社は今年米国の他の都市にも進出するべく、エバンジャリスト・コミュニティーマネージャーの小人数チームを派遣することで、Peatixのアイデアを地元のコミュニティーやイベント主催者に広めていく計画だ。口コミと事業自体の成長が、次の出資を受けるまでの目標だ。
原田氏は、コミュニティー、特に初めての、あるいは収益化の方法に馴じみのないイベント主催者にサービスを提供することがPeatixの目的だと言う。例えば下のビデオは、猫専門誌のためのフォトグラファー(Japan FTW!)や、もっと目立たない分野で事業を営む人たちの事例を紹介している。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)